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17 おなじみの緑、ハズレなし
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レモンバーベナをせっせと細かくしていたダオが、突然「ちょっとだけ魔法、使ってもいいか?」と聞いてきた。
わたしに一言ことわりを入れるなんて、殊勝だこと。
なんだなんだ、と思えば。
とてつもなく有用な情報を提供してくれた。
「柔軟な発想、さすがね」
「お褒めにあずかり、光栄です──魔女どの?」
やめるんだ。
その綺麗なお顔で言われたら、恥ずかしい。冗談とはいえ、照れる。
「まさか、風魔法でミキサーっぽく砕いちゃうとはね、恐れ入った」
「みき……? まぁ、役に立てたようで何より」
水と風の魔法が得意らしいダオは、手の平に風の球体を作り出した。
その中はまるで台風みたいに荒れ狂っていて、やわらかいものであれば容易に刻まれる。
そこに……、レモンバーベナを入れ、風の刃を調整し自分が思い描く大きさまで砕いた。
……天才かな?
前世の記憶がある今ならその発想があったかもしれないけど、ハニティとして生きた経験だけだと……他の属性が得意じゃないし、料理もレパートリーなかったし。……そもそも考えが及ばなかった。
「食用ハーブといったら、バジルよね~」
「その名前は良く聞くな」
で、今度はバジルをミキサーにかけて頂いている。
わたしだと上手に風の刃が扱え無さそうでね……。
調味料を加えて、バジルペーストを作る作戦だ。
うん、いいね。
他のハーブでも応用が効くだろうけど、先に王道、行っときましょう!
パスタ……ジェノベーゼもいいけど、ダオって結構体格が良いから、たんぱく質足りてるか不安だし今日は鳥肉のバジル焼きにしようかな。鳥肉がもう少し在庫あったような。
あとは、うーん。玄米ごはんと、どうしようかな~。
「ダオ、今特に体調気になるところない?」
「いや? 特には……、ないな」
すごいな、本当に呪いの効果よりわたしのごはんの効果が上回ってるのか……?
ともあれ本人は気になる点がないなら。バランス良く食べればいいか。
「あ、そうだ」
さっきエボニーにもお買い上げいただいた、ジンジャー……しょうがでスープにしよう。
前世ではしょうがって、基本チューブのを使ってたんだけど……。
乾燥しょうが、試してみよう。
「先にペースト作ろうっと」
「ああ、出来たぞ」
風を器用に操って、用意していた深めの器にいれてもらう。
自分の手元を離れても風を操れるのは、さすがだな。
手から直接風を出して、送風するくらいしかできんよ。
「そうだ! あのさ、この器の上を風なり水なりで蓋をして、刻むっていうか……きざ混ぜ潰す?」
「刻んで、混ぜ……潰す?」
ああ、日本語ってむずかしい!
フードプロセッサーみたいにできれば、すぐ作れるんだよな~。
「出来ないこともないが……。……こう、なんというか。魔法を料理にこうやって応用するのは、新鮮だな」
「あ、ごめんね。ダオの力、贅沢な使い方しちゃって」
元王国の騎士の力、バカにしてるって思われたかな?
……いや、こっちは至ってマジメなんだけども。
「違うんだ、……自分でも驚いてる」
「え?」
「料理になのか、何なのか。……自分の価値が、……生きている理由が毎日見つかっているような気がして、……楽しいんだ」
「……そっか!」
良かったよ、本当に。
綺麗に刻んでいただいたバジル。美味しくいただくからね、感謝。
わたしがやっても上手く風の刃を操れないからね、ほんと助かります。
ダオにも、感謝。
「さてさて」
バジルを入れた器に、にんにくを一かけら。
オリーブ油にチーズ。
味をととのえる、塩こしょう……。
松の実とか入れた方がいいのかな? いいか、今回はこの辺で。
バジルを変えたり、味を変えたり、油を変えたりで、色々とアレンジができそう。
……たのしい。楽しいぞ!
アレンジ、というのか。考えるの、わくわくするな。
オリーブ油も、自分の得意な魔法が役に立った。
常温で固まりにくいから、加熱せずに抽出できる。
岩と岩とを、ごりっごりにすり合わせ、放置して浮かんだ成分を分離して出来上がり。
こういうの何ていうんだっけ、伝統技法? 前世でいう石臼を使ったイメージ。
前世の記憶がなくても、魔法で工夫してたんだなぁ。
「んで、……お願いします」
「おう」
フードプロセッサーの要領で、器の上蓋を水の魔法で作ってもらい、その中で風を器用に操る。
おー、すごい。できてる。
若干すり潰す工程は荒いけど、風だもん。仕方なし!
「おー、綺麗なミドリだねぇ」
「ああ、うまく出来たな」
真みどり! というよりは、こまかーく白色が混ざった緑って感じ。
お馴染みの緑のやつ、これは間違いないでしょう!
「ダオの瞳もきれいなミドリだよね~」
「……え!?」
ど、どうしたそんな大声だして。
「? どうしたの」
「い、いや……。なんでも……」
そういうと、顔を背けてしまわれた。
どうしたというんだ、本当のことを言っただけだが。
「──あ!」
そうだ。
良いことを思いついてしまった。
「ん?」
「ふふふ……、ここにあるのは。ライ麦パン」
悪代官もびっくりな悪人顔で、取り出したのはすでに切ってあったパン。
これは、間違いないやつなのでは?
「ま、まさか」
「そう、──そのまさか!」
ダオも悪ノリしてくれたのが微笑ましい。
「ちょっとだけ、先をつけて」
ちょちょいとバジルペーストをパンの先につけて。
「いただきます」
大地の恵みに、今日も感謝。
「んー、おいしいっ」
間違いがあるはずないんですよ、これが。
塩味とバジルの香り、気付けば主張してくるにんにく殿。
うん、いいね!
「ダオも、はい」
「いただき、ます」
切ったパンが乗った板を手渡す。
「うまい……! これは、……ガーリックか? 癖になるな」
「でしょ?」
にんにくには疲労回復効果も期待できるし、味も良いしで最高。
ただ──。
「あ! 食べ過ぎ注意~」
「! ……危ない、手が……勝手に伸びたところだった」
そう。美味しいものにはつきもの。
無限の、ヒョイッ、パクッ。
食べ過ぎてこの後のごはんが食べれないってのもあるし、にんにく殿には独特の風味がある。
手軽さ、ってのも罠のひとつだ。
わたしがしっかりしないと……!
「やっぱり合うなぁ」
それにしても美味しい。
ペーストのアレンジもさることながら、このバジルペーストでのアレンジもたくさん出来そう。
パンに合うなら、チーズ、トマト、ペーストを合わせてピザ風パンもいけるんじゃ?
夢が広がる……!
「上手くいって良かったな」
「ほんと、ダオのおかげだよ。ありがとう!」
「どういたしまして」
なにはともあれ、バジルペースト。
無事完成!
わたしに一言ことわりを入れるなんて、殊勝だこと。
なんだなんだ、と思えば。
とてつもなく有用な情報を提供してくれた。
「柔軟な発想、さすがね」
「お褒めにあずかり、光栄です──魔女どの?」
やめるんだ。
その綺麗なお顔で言われたら、恥ずかしい。冗談とはいえ、照れる。
「まさか、風魔法でミキサーっぽく砕いちゃうとはね、恐れ入った」
「みき……? まぁ、役に立てたようで何より」
水と風の魔法が得意らしいダオは、手の平に風の球体を作り出した。
その中はまるで台風みたいに荒れ狂っていて、やわらかいものであれば容易に刻まれる。
そこに……、レモンバーベナを入れ、風の刃を調整し自分が思い描く大きさまで砕いた。
……天才かな?
前世の記憶がある今ならその発想があったかもしれないけど、ハニティとして生きた経験だけだと……他の属性が得意じゃないし、料理もレパートリーなかったし。……そもそも考えが及ばなかった。
「食用ハーブといったら、バジルよね~」
「その名前は良く聞くな」
で、今度はバジルをミキサーにかけて頂いている。
わたしだと上手に風の刃が扱え無さそうでね……。
調味料を加えて、バジルペーストを作る作戦だ。
うん、いいね。
他のハーブでも応用が効くだろうけど、先に王道、行っときましょう!
パスタ……ジェノベーゼもいいけど、ダオって結構体格が良いから、たんぱく質足りてるか不安だし今日は鳥肉のバジル焼きにしようかな。鳥肉がもう少し在庫あったような。
あとは、うーん。玄米ごはんと、どうしようかな~。
「ダオ、今特に体調気になるところない?」
「いや? 特には……、ないな」
すごいな、本当に呪いの効果よりわたしのごはんの効果が上回ってるのか……?
ともあれ本人は気になる点がないなら。バランス良く食べればいいか。
「あ、そうだ」
さっきエボニーにもお買い上げいただいた、ジンジャー……しょうがでスープにしよう。
前世ではしょうがって、基本チューブのを使ってたんだけど……。
乾燥しょうが、試してみよう。
「先にペースト作ろうっと」
「ああ、出来たぞ」
風を器用に操って、用意していた深めの器にいれてもらう。
自分の手元を離れても風を操れるのは、さすがだな。
手から直接風を出して、送風するくらいしかできんよ。
「そうだ! あのさ、この器の上を風なり水なりで蓋をして、刻むっていうか……きざ混ぜ潰す?」
「刻んで、混ぜ……潰す?」
ああ、日本語ってむずかしい!
フードプロセッサーみたいにできれば、すぐ作れるんだよな~。
「出来ないこともないが……。……こう、なんというか。魔法を料理にこうやって応用するのは、新鮮だな」
「あ、ごめんね。ダオの力、贅沢な使い方しちゃって」
元王国の騎士の力、バカにしてるって思われたかな?
……いや、こっちは至ってマジメなんだけども。
「違うんだ、……自分でも驚いてる」
「え?」
「料理になのか、何なのか。……自分の価値が、……生きている理由が毎日見つかっているような気がして、……楽しいんだ」
「……そっか!」
良かったよ、本当に。
綺麗に刻んでいただいたバジル。美味しくいただくからね、感謝。
わたしがやっても上手く風の刃を操れないからね、ほんと助かります。
ダオにも、感謝。
「さてさて」
バジルを入れた器に、にんにくを一かけら。
オリーブ油にチーズ。
味をととのえる、塩こしょう……。
松の実とか入れた方がいいのかな? いいか、今回はこの辺で。
バジルを変えたり、味を変えたり、油を変えたりで、色々とアレンジができそう。
……たのしい。楽しいぞ!
アレンジ、というのか。考えるの、わくわくするな。
オリーブ油も、自分の得意な魔法が役に立った。
常温で固まりにくいから、加熱せずに抽出できる。
岩と岩とを、ごりっごりにすり合わせ、放置して浮かんだ成分を分離して出来上がり。
こういうの何ていうんだっけ、伝統技法? 前世でいう石臼を使ったイメージ。
前世の記憶がなくても、魔法で工夫してたんだなぁ。
「んで、……お願いします」
「おう」
フードプロセッサーの要領で、器の上蓋を水の魔法で作ってもらい、その中で風を器用に操る。
おー、すごい。できてる。
若干すり潰す工程は荒いけど、風だもん。仕方なし!
「おー、綺麗なミドリだねぇ」
「ああ、うまく出来たな」
真みどり! というよりは、こまかーく白色が混ざった緑って感じ。
お馴染みの緑のやつ、これは間違いないでしょう!
「ダオの瞳もきれいなミドリだよね~」
「……え!?」
ど、どうしたそんな大声だして。
「? どうしたの」
「い、いや……。なんでも……」
そういうと、顔を背けてしまわれた。
どうしたというんだ、本当のことを言っただけだが。
「──あ!」
そうだ。
良いことを思いついてしまった。
「ん?」
「ふふふ……、ここにあるのは。ライ麦パン」
悪代官もびっくりな悪人顔で、取り出したのはすでに切ってあったパン。
これは、間違いないやつなのでは?
「ま、まさか」
「そう、──そのまさか!」
ダオも悪ノリしてくれたのが微笑ましい。
「ちょっとだけ、先をつけて」
ちょちょいとバジルペーストをパンの先につけて。
「いただきます」
大地の恵みに、今日も感謝。
「んー、おいしいっ」
間違いがあるはずないんですよ、これが。
塩味とバジルの香り、気付けば主張してくるにんにく殿。
うん、いいね!
「ダオも、はい」
「いただき、ます」
切ったパンが乗った板を手渡す。
「うまい……! これは、……ガーリックか? 癖になるな」
「でしょ?」
にんにくには疲労回復効果も期待できるし、味も良いしで最高。
ただ──。
「あ! 食べ過ぎ注意~」
「! ……危ない、手が……勝手に伸びたところだった」
そう。美味しいものにはつきもの。
無限の、ヒョイッ、パクッ。
食べ過ぎてこの後のごはんが食べれないってのもあるし、にんにく殿には独特の風味がある。
手軽さ、ってのも罠のひとつだ。
わたしがしっかりしないと……!
「やっぱり合うなぁ」
それにしても美味しい。
ペーストのアレンジもさることながら、このバジルペーストでのアレンジもたくさん出来そう。
パンに合うなら、チーズ、トマト、ペーストを合わせてピザ風パンもいけるんじゃ?
夢が広がる……!
「上手くいって良かったな」
「ほんと、ダオのおかげだよ。ありがとう!」
「どういたしまして」
なにはともあれ、バジルペースト。
無事完成!
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