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第三話 芳樹
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『あの。行きたいのは山々なんですけど。もう噂のネタになりたくないです。疲れました』
来たメールに俺は驚いた。
だって、俺の家だぜ?
尾行されてるのかよ。
周りから一体どういう事をされているのだろう。
『俺の家で呑むんだ。浮気なんてしてたら出来ない事だろ? お前が負けてどうするんだ。浮気なんてしてないんだからな』
俺は白木の周りに群がる人間に憎悪した。
きっと楽しんでいるだけなのだろう。
しばらく返事がなく、ダメかと思った時、ケータイが震えた。
『そうですよね。先輩の家なら、浮気じゃないですよね! 行きます! 呑みたいと思ってたんです。色々相談したい事もあって・・・。』
俺は安堵のため息を吐き、また背もたれに寄りかかった。
白木は素直に俺からの深い意味のない誘いを受け入れてくれる子だ。
適当に断らない。
そういう良い子を、どうして周りは噂の的にするんだ。
俺は頭を掻きむしった。
考えたらイライラしてしまった。
付き合いがイイだけで、噂なんて。
最近の若い奴は付き合い悪い奴もいるからな。
ふと、美恵の事がよぎった。
なんだかこちらの方が今日は心配な様にも思える。
急に白木を連れて行ったら怒る予感がする。
俺は美恵にメールを打った。
返事はそっけなかった。
やっぱり俺の身も危険だ。
直感だ。
やっぱり何かあったようだ。でも、なんだ?
今日は家での?み会は要注意だ。
美恵は何か勘違いしている。
そんな時に白木と呑みをする俺も俺だが、ほっておいたら白木は辞めると言いだしかねない。
そんな事はさせない。
俺の大事な後輩なのだから。
大切に育てている、仲間の1人。
俺は自分の身に危険があるような気がしながらも、白木との呑みを行うべく、美恵にもう一度メールを送った。
しかし返事はなく、俺の予想は当たっているらしかった。
まさかいきなり白木を問い詰める事はしないと思うが、今日のつまみはお手製ではなく、頼んだピザだろうなと予想はついた。
動いてくれるだけ有り難いってものだ。
美恵との喧嘩なんて嫌だから。
しかも、こんな事が原因なら尚更。
俺は残ったコーヒーを飲み干し、気晴らしに近くのコンビニにチキンを買いに出た。
来たメールに俺は驚いた。
だって、俺の家だぜ?
尾行されてるのかよ。
周りから一体どういう事をされているのだろう。
『俺の家で呑むんだ。浮気なんてしてたら出来ない事だろ? お前が負けてどうするんだ。浮気なんてしてないんだからな』
俺は白木の周りに群がる人間に憎悪した。
きっと楽しんでいるだけなのだろう。
しばらく返事がなく、ダメかと思った時、ケータイが震えた。
『そうですよね。先輩の家なら、浮気じゃないですよね! 行きます! 呑みたいと思ってたんです。色々相談したい事もあって・・・。』
俺は安堵のため息を吐き、また背もたれに寄りかかった。
白木は素直に俺からの深い意味のない誘いを受け入れてくれる子だ。
適当に断らない。
そういう良い子を、どうして周りは噂の的にするんだ。
俺は頭を掻きむしった。
考えたらイライラしてしまった。
付き合いがイイだけで、噂なんて。
最近の若い奴は付き合い悪い奴もいるからな。
ふと、美恵の事がよぎった。
なんだかこちらの方が今日は心配な様にも思える。
急に白木を連れて行ったら怒る予感がする。
俺は美恵にメールを打った。
返事はそっけなかった。
やっぱり俺の身も危険だ。
直感だ。
やっぱり何かあったようだ。でも、なんだ?
今日は家での?み会は要注意だ。
美恵は何か勘違いしている。
そんな時に白木と呑みをする俺も俺だが、ほっておいたら白木は辞めると言いだしかねない。
そんな事はさせない。
俺の大事な後輩なのだから。
大切に育てている、仲間の1人。
俺は自分の身に危険があるような気がしながらも、白木との呑みを行うべく、美恵にもう一度メールを送った。
しかし返事はなく、俺の予想は当たっているらしかった。
まさかいきなり白木を問い詰める事はしないと思うが、今日のつまみはお手製ではなく、頼んだピザだろうなと予想はついた。
動いてくれるだけ有り難いってものだ。
美恵との喧嘩なんて嫌だから。
しかも、こんな事が原因なら尚更。
俺は残ったコーヒーを飲み干し、気晴らしに近くのコンビニにチキンを買いに出た。
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