漫画の中の君に恋して

入学式前日

ピチチ…
窓から差し込む陽の光と、小鳥のさえずりが、目覚まし時計よりも早く私を起こした。

「ふわぁあ、、。眠いなあ。漫画読も……。」

ヒロルは、寝ぼけていた。昨日起こったことを忘れて、いつものように、"学園へようこそ"を、読もうとしていた。

「はっ！そうだった。ここは、漫画の中だったわ…。」

ヒロルは、昨日のことを思い出した。
ヒロルは、学校で不思議な体験をして、漫画の中へ入り込み、出会った魔法使いと話をして、漫画"学園へようこそ"の学園に、転校することになったのだ。

「えーっと、入学式は明日だから、、今日は何をすればいいのかな？」

「魔法使いさんに、聞いてみよう～っと。」

「おはようございます。昨夜は、ゆっくり眠れましたか？」

「おはようございます。ベッドが私の部屋のよりふかふかで、ぐっすり眠っちゃいました。」

「ぐっすり眠れたなら、よかった。朝ごはんを用意してあります。身支度が終わったら、召し上がってくださいね。」

「本当ですか？！わーい！ありがとうございます！身支度してこよーっと。」

身支度を終えたヒロルは、キッチンにあるテーブルにきた。

そこには、まるで高級ホテルやレストランかのような食事がずらりと並べられていた。

「ああ、来ましたね。ではこちらに座ってください。どうぞ好きなものを食べてくださいね。」

「これ、、全部朝食ですか？」

「ええ。全てヒロルお嬢様の為にお作りしたものですから、お好きなものを食べてください。」

「えっ、今ヒロルお嬢様？って言いました？」

「はい、明日からエンジェナイス学園に転入するのですから、貴方はもうエンジェナイス学園のお嬢様です。入学したら、学園の外でもそう呼ばれるでしょう。」

「そうなんだ…。なんだかこそばゆいけど、慣れなきゃね。」

「今思った。わたし、お嬢様の過ごし方とか振る舞い方とかわからないよ、、！」

「心配になるのも、無理はありません。ですが、大丈夫ですよ。ヒロルお嬢様は、元々素敵なお嬢様ですから。私もサポートいたします。それに、エンジェナイス学園には、マナーや振る舞いを学ぶ授業があります。」

「さすがというか、、それなら少し安心かな。」