第二王子の僕は総受けってやつらしい

もずく

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クロック帝国編

幼馴染に甘える

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僕は朝になるまでにユース達のところに戻らなければ行けなかった。

朝日はまだ昇ってないにしろ、そろそろ帰らなければいけないだろう。


「あ、あのね、二人とも…今日内緒で来たからそろそろ帰らなきゃいけないんだ。」

「…まだ聞いてないことがあるが、」

「いいだろ、そんなの今じゃなくても!…ネムくん、今日はありがとな!また協力よろしく!」


不服そうなリュートを遮って、最初に脅してきたのが嘘のような笑顔でダルクに言われ、僕はにこやかにその場を去る。

送ろうかと提案もされたけど、のんびり歩いてる場合じゃない。

急いでリュートたちのところに戻らないと!

町中を息が切れるのもお構いなしに全力ダッシュで走る。



慌てて宿まで駆けていき玄関を通り不思議そうな顔をした宿屋の店主に会釈をして中に入る。

自分の部屋のドアを開けようとしたとき、隣のドアが開く。

ビクッと僕は目を瞑り、恐る恐るそちらを伺う。


「…物音がしたから何かと思えばネムか。」


ユースに見つかっちゃった…。

どう言い訳すればいいのかな…、こんな夜中に出かけるなんて変だよね?


「…やっぱ寝られなかったんだろ。」


ん?

ユースは呆れた顔でこちらを見ている。


「一緒に寝てやるから、こっちこい。」


あ、あれ?

よく分からないまま僕は少しずつユースに近づく。


「早く寝るぞ。」

「わっ!」


ガシッとユースに手を捕まれ、ユースの部屋に押し込まれる。

奥のベットに押し倒され、ユースを見上げるとおでこにキスをされる。

ボスッと隣にユースが倒れ込み、ぎゅっと横から抱きしめられる。

これじゃ抱き枕だよ!

動こうとしてもユースはびくともしない。

ユースの体温が温かくてうとうとしてきた…。


「寝ろ。」

「んー…」


相槌すら上手く発することもできず、目を瞑って温かいユースに擦り寄る。

よしよしと撫でてくれるユースの手が心地よくてふにゃふにゃと笑ってしまう。


「ほんと…お前、無防備だよな。」

「…っ…」


え…?と思ったときにはユースの顔が目の前にあって、僕の唇とユースの唇が重なっていた。


「んんっ…」


ちゅっ…ちゅっ…と何度も重ねるだけのキスをされる。

眠くて瞼が閉じてくるが何度もされるキスに一々反応してしまい眠れない。


「んん、ゆーす、んっ、ねむ、い…よ…」

「…ふっ、寝ていいぞ。」


ユースから許可も降りたので、ユースの胸に抱きつき顔を埋め頭を撫でられながらも深い眠りについた。













鳥のさえずりで目が覚めてくる。

もう朝か…。

まだ、少し眠いなぁ。

ん、…あれ、なんか身動きが取れないな…。

僕が起きようと動いても腰が何かに固定されているようで動かない。

僕の股間に何か硬いものがあたってる気がする。

前後に動かそうとしてだめだったので上下に動いてみる。


「ん、あっ、…」


グイッと勢い良く腰を上下に動かすと股間にその硬いものが、ぐりっと擦れて思わず声が出る。

寝起きで判断力が低下してるせいか何に押し付けてるのかも全くわからないまま、気持ちよくて何度も腰を擦り付ける。


「ん、あっ、ん…、んん、あ、ん…」


思わず漏れてしまう声を抑えることもせずその何かに押し付けグリグリと上下に動かす。


「…っ!」


唐突に口が柔らかい何かで塞がれる。

息が苦しくて口を開くと生暖かいものが侵入してくる。


「んむっ、んぅ…、んん、んあ…、んんぅ…」


あ、れ、これってキス…?

息苦しさからか、目が覚めてくる。


「んん、んあ…、んぅ…、んんっ…」


昨日、僕何したっけ…あ、ユースと寝たんだよね。

抱き枕にされて…?

段々と理解してきた僕は完全に目が覚めてきて目を開き、目の前の光景に驚く。

まだ寝ぼけてそうなユースの顔が目の前にあって、虚ろな瞳のまま僕の唇を貪っている。


「ん、ゆーす…!」


抵抗しようとユースの胸を手で押すがびくともしない。

それどころかお尻を両手で鷲掴まれて余計まずい体勢になってしまう。


「あんっ、…ちょっ、ゆーすっ、まって…!」


ユースの大きな手で僕のお尻が上下左右に揉まれる。

服の上からだけど、お尻を揉まれるだけで力が抜けてしまう。


「あ、だめ…ちから、入らな、い…」


僕は全く力の入らない腕に呆れて、ユースに身を委ねるように抱きつき、ユースが目を覚めるまでの辛抱かな…と、お尻を揉まれるのを受入れた。

ユースが虚ろな顔のまま、またキスをしてくる。


「ん、ぁ…ふ、んん、ん…ふぁ…」


僕とユースがキスをしていると、ユースの部屋のドアがドンドンドンとすごい勢いで叩かれる。


「おいっ!!ユース!大変だぞ!!ネムちゃんがいない!!!」


この声はアルくん…?

ドンドンドンとまた叩かれるがユースは起きることなく、僕とキスを続けている。


「ん、ある、くん…ぁ、んん…、ん…」


ドンドンドンと叩かれるドアで僕の声がアルくんに届いてないのがわかる。


「まじ、寝起き悪いのいい加減にしろよな!」


そう言うとアルくんはドアに体当たりし始めた。

ガンッという音とアルくんの声がクリアに聞こえてドアが開いたのがわかる。

ギシギシと聞こえてくる足音に、何故か悪いことをしているような気分になり声を潜めてしまう。


「…っ…」


無慈悲にも近づいてきたアルくんがユースのベットに腰掛けてきた。

ギシッとベットが軋む。


「おい、ユース!起きろ!」


ガバッと布団が剥がされ、僕の視界が明るくなる。


「…え、?」


アルくんの声が混乱している。


「ん、アル…くんっ、ふ、んん…、ぁ…」


僕が助けを求めるようにアルくんを涙目で見上げる。

すると、硬直していたアルくんは我を取り戻したようで、僕をユースから剥がそうと僕のことを引っ張ってくれる。

ユースはがっしりと僕に抱きついていてなかなか離れない。


「こんの!筋肉勇者ぁあ!!」

「ふ、きんにく、ふふ、…!」


アルくんの罵倒に思わず笑う。

アルくんは僕の後ろにまわり僕を後ろから抱きしめて強く引っ張る。

するとなんとかユースから抜け出せたようで、僕とアルくんはベットの下にそのままの勢いで落っこちる。


「うおっ!」

「うわぁ!」


衝撃に耐えるように目を瞑ったが、アルくんを下敷きにしてしまったようで僕に痛みはなかった。


「う…痛い。」

「あ、ごめんね、アルくん!!」


僕が慌てて立ち上がると、アルくんも立ち上がりながら僕に笑った。


「ネムちゃんは悪くないから謝んなくていいよ。…悪いのユースだし。」


そう言ってジト目でまだスヤスヤしているユースの方を見ている。


「ユース、幸せそうに寝てるね。」

「ホントだよ、俺達の努力にも寝ててユースは絶対気づかないからな。」


怒った顔をしながらアルくんはユースの頭をべしっと叩く。

頭を叩かれてもピクッと反応するだけでスヤスヤと眠っている。


「あははっ、これでも起きないね!」


頭を叩かれても起きないユースに思わず笑ってしまう。


「いい加減起こさないと、今日は教会に行く用事があるんだよね。」

「教会…?」


なんで教会に?


「ネムちゃんは必要ないけどユースは一応教会公認の勇者だからね、その勇者に選ばれた俺も含めて街に来たら教会に挨拶とちょっとした儀式?をしに行かなきゃいけないんだ。」


あ、そっか僕は無理やり付いてきただけだからね。

行く必要ないのか。

じゃあ今日は僕はどうしよう。


「…今日は帰りも遅いし、もしかしたら一日で終わらないかもしれないし、街に行くのもネムちゃん一人だと心配だから宿にいてもらうほうがいいかなぁ。」


アルくんに頭を撫でられて僕はニコニコ笑う。


「うん、わかった。」


あ、でもギルドとか行ってみたいからこっそり行こうかな。

ウルフがいるかも!




僕はワクワクしながらアルくんと一緒にユースを起こしにかかるのだった。
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