24 / 38
クロック帝国編
魔王は囚われる
しおりを挟む「席が空いてるか確認してくるね。」
「ありがとう!」
ウルフが昼食を食べるためにおすすめのお店に連れて行ってくれた。
席が空いてるかどうか確認するためにウルフが店内に入ったのを見送り、僕は店の前で待つ。
「あれ、あの人僕のこと見てる…?」
街の歩く人たちの中に一人だけジッと僕を見つめている人がいる。
暑い中、真っ黒なローブで顔も見れず、まるで冬かのような格好をしている彼(?)はとても浮いている。
周りの人々はその人に気づくこともぶつかることもなく素通りしていく。
これって、おかしいよね…?
そう気づいたときにはもう遅くて、グワングワンと頭が痛み、目の前のローブの人が二重三重にブレてきて最後には視界が真っ暗になった。
「ん、んぅ…?」
目を開けたはずだが、視界は真っ暗なままで肌寒さから身体をよじると素肌の太ももが触れ合い、服を着ていないことに気づく。
驚いて体を動かそうとしても、手足が拘束されているのか一定の場所までしか腕や足を動かすことが出来ない。
ガシャンガシャンと鎖の音がすることから何かに鎖で繋がれているのかも。
口は特に拘束されていないようで喋ろうと思えば喋れるし、開閉も可能だ。
ただ、目に布状の何かをつけられている感覚があり目を塞がれている。
裸で動いてもふかふかのすべすべで痛くないことから寝そべっている場所はベットみたいだ。
「起きましたか…?」
少し遠くからぼそぼそと聞こえた声に僕はビクッと過剰に反応してしまった。
「…そんなに怯えなくて大丈夫ですよ…。」
この状況で怯えないなんてことあるのかな…。
コツコツと近付いてくる足音に僕の心臓がドクドクと脈打つ。
足音がやみ、荒い息遣いが近くで聞こえる。
僕の体に顔を近づけているのか生暖かい息が肌にかかる。
はぁ、はぁ、という息遣いがずっと近くで聞こえる。
衣擦れの音がしたかと思うと、手汗をかいているのか、しっとりとした手のひらで左胸に触れられる。
「ひっ…」
「ああ、こんなにも心臓がドクドクとしていますね。」
大きい手が僕の左胸を包むように触れてそのままふにふにと感触を確かめ始める。
「ひゃ、やだ…!」
「天使様の身体はスベスベで、こんなにおっぱいも柔らかいのですね…!」
て、天使…?
僕は魔王であって、天使なんかじゃないよ…?
「ぼ、く、天使、じゃないぃ…ぁんっ…!」
「いや、貴方様は僕の天使です!」
「な、なんでぇ…んんっ…!」
「ずっと、ずっと、見てきたんです…。
貴方様が冒険に出てからずっと…。
自分の身を削ることも厭わず、人の為に動き、どんな者でも許し、受け入れる。
そんな貴方様を天使と呼ばずになんと呼べばいいのですか…!」
えっと、魔王です…。
…そんなことは冗談でも言えないことは僕もわかってるので、どうにかして落ち着かせないといけないと頑張って考え始める。
目の前の男の人は話しながら、先程より息遣いが荒くなり、興奮したように僕の両胸をもみ始めた。
「ひ、だめ、やぁっ、そんなに、激しく、揉ま、ないでぇ……ぁんっ!」
「はぁ、はぁ、可愛いです…僕の天使様…!」
目隠しをされているせいか、いつもより触られている感触を鋭敏に感じ取ってしまう。
「これ、飲んでください…。もっと、気持ちよくなれます…。」
「ん、んぐっ!」
前にお父様のお酒をこっそりと飲んだことがあったが、その時のような喉の焼けるトロトロとした液体を飲まされる。
吐き出そうとしたけど、胸から与えられる刺激で自然と口が開いてしまい液体が喉をトロトロと流れていく。
ごくんっ…と全部飲み干すと、じわじわと身体が熱くなってきて、胸を揉まれているのもそれだけでイッてしまいそうなほど気持ちよく感じて、お腹もきゅんきゅんと疼き始め、はやく僕のお尻に入れてほしくてどうしようもなくなる。
「むね、だけ、やらぁっ、もっと、触ってぇ…!」
早くこの熱から開放されたくて目の前の男の人に懇願する。
「おねがい、おねがいだからぁっ…!」
はぁはぁ、と興奮した男の人は僕の体をひっくり返してお尻を持ち上げるとお尻の間をペロペロと舐めはじめた。
「んんっ、ひゃ、んぁっ…」
穴に舌を挿し込み、ぬぷぬぷと挿入を繰り返す。
僕のお尻はもう唾液とお尻から出る分泌液でビチャビチャになっている。
「気持ちいいれふ、か…?」
お尻を舐めながら問いかけられて吐息がお尻にあたってくすぐったくて思わずお尻を相手の顔に押し付けてしまう。
「天使様のお尻…、いい匂い…」
相手はそのまま僕の腰を掴み、自分自身でグッ…とお尻を顔に押し付けスーッ…と大きく息を吸っている。
「やらぁ、あぅっ、はやくぅ、入れてよぉ…!」
僕は我慢できなくてスリスリとお尻を動かし彼の顔に擦り付ける。
「天使様は僕の何を入れてほしいんですか…?」
笑みを浮かべているであろう高揚した声で男の人は僕に囁いてくる。
「僕に、おちん○ん入れてぇっ…!」
恥ずかしく思うこともなく自然と言葉が口から出てくる。
「どこに、おちん○ん入れてほしいのですか…?」
「僕のお尻の穴におちん○ん入れてぇっ、いっぱい出して、お腹もいっぱいにしてほしいのぉっ…!」
お尻を相手に突き出して、両手で掴み穴が見えるように左右に開く。
「よくできましたね、はぁ、はぁ…」
荒い息遣いの男の人は僕の腰を掴みニュルニュルとした棒状のそれをお尻に擦りつけ、穴にあてると一気に貫いた。
「ひ、あァあアアあアあアあああッアアアッ!!!」
バチバチと意識が弾けそうになるが、ギリギリのところで意識が戻ってくる。
「はぁ、はぁ、ん、入りました…。」
手が大きいことから背が高いだろうことは想像したけど、あれも大きかったらしい。
僕のお尻が裂けそうなほど開いているし、先端もお尻を通り越してお腹の入り口まで触れている。
僕は飲んだ液体のおかげか感覚が麻痺しているようで、通常だったら痛く感じるであろうサイズのものが入っていても、とても気持ちよく感じている。
なんだか、満たされている、そんな気がしてしまう。
「ちゅー、したい。」
「…キス、ですか?」
僕はこくこくと頷いて、うむぅっ…と口を突き出す。
すると、ギシギシとベットが軋む音がして吐息が顔に近づき、優しく唇に柔らかいものが触れる。
ちゅっ…ちゅっ…と舌入れることはなく、鳥のように僕の唇をついばんでいる。
「お顔、見たい、名前知りたい、…だめ?」
僕がほっぺを相手の頬にスリスリと擦り付けながら耳元で問いかけると、ピタッと固まった男の人はそろそろと大きな手で僕の目元の布をゆっくりとずらす。
目を開けると窓もない暗い部屋だったようで、光は一切入っておらず、そして目の前で不安そうにしている彼は、髪も肌も浅黒く、闇の中でも煌めく金色の瞳をしていた。
33
あなたにおすすめの小説
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
できるかぎり毎日? お話の予告と皆の裏話? のあがるインスタとYouTube
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
* ゆるゆ
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが、びっくりして憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
ノィユとヴィルの動画を作ってみました!(笑)
インスタ @yuruyu0
Youtube @BL小説動画 です!
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったらお話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです!
ヴィル×ノィユのお話です。
本編完結しました!
『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました!
時々おまけのお話を更新するかもです。
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
お前らの目は節穴か?BLゲーム主人公の従者になりました!
MEIKO
BL
本編完結しています。お直し中。第12回BL大賞奨励賞いただきました。
僕、エリオット・アノーは伯爵家嫡男の身分を隠して公爵家令息のジュリアス・エドモアの従者をしている。事の発端は十歳の時…家族から虐げられていた僕は、我慢の限界で田舎の領地から家を出て来た。もう二度と戻る事はないと己の身分を捨て、心機一転王都へやって来たものの、現実は厳しく死にかける僕。薄汚い格好でフラフラと彷徨っている所を救ってくれたのが完璧貴公子ジュリアスだ。だけど初めて会った時、不思議な感覚を覚える。えっ、このジュリアスって人…会ったことなかったっけ?その瞬間突然閃く!
「ここって…もしかして、BLゲームの世界じゃない?おまけに僕の最愛の推し〜ジュリアス様!」
知らぬ間にBLゲームの中の名も無き登場人物に転生してしまっていた僕は、命の恩人である坊ちゃまを幸せにしようと奔走する。そして大好きなゲームのイベントも近くで楽しんじゃうもんね〜ワックワク!
だけど何で…全然シナリオ通りじゃないんですけど。坊ちゃまってば、僕のこと大好き過ぎない?
※貴族的表現を使っていますが、別の世界です。ですのでそれにのっとっていない事がありますがご了承下さい。
悪役令息物語~呪われた悪役令息は、追放先でスパダリたちに愛欲を注がれる~
トモモト ヨシユキ
BL
魔法を使い魔力が少なくなると発情しちゃう呪いをかけられた僕は、聖者を誘惑した罪で婚約破棄されたうえ辺境へ追放される。
しかし、もと婚約者である王女の企みによって山賊に襲われる。
貞操の危機を救ってくれたのは、若き辺境伯だった。
虚弱体質の呪われた深窓の令息をめぐり対立する聖者と辺境伯。
そこに呪いをかけた邪神も加わり恋の鞘当てが繰り広げられる?
エブリスタにも掲載しています。
義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!
ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。
「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」
なんだか義兄の様子がおかしいのですが…?
このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ!
ファンタジーラブコメBLです。
平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります。
※(2025/4/20)第一章終わりました。少しお休みして、プロットが出来上がりましたらまた再開しますね。お付き合い頂き、本当にありがとうございました!
えちち話(セルフ二次創作)も反応ありがとうございます。少しお休みするのもあるので、このまま読めるようにしておきますね。
※♡、ブクマ、エールありがとうございます!すごく嬉しいです!
※表紙作りました!絵は描いた。ロゴをスコシプラス様に作って頂きました。可愛すぎてにこにこです♡
【登場人物】
攻→ヴィルヘルム
完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが…
受→レイナード
和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。
クールな義兄の愛が重すぎる ~有能なおにいさまに次期当主の座を譲ったら、求婚されてしまいました~
槿 資紀
BL
イェント公爵令息のリエル・シャイデンは、生まれたときから虚弱体質を抱えていた。
公爵家の当主を継ぐ日まで生きていられるか分からないと、どの医師も口を揃えて言うほどだった。
そのため、リエルの代わりに当主を継ぐべく、分家筋から養子をとることになった。そうしてリエルの前に表れたのがアウレールだった。
アウレールはリエルに献身的に寄り添い、懸命の看病にあたった。
その甲斐あって、リエルは奇跡の回復を果たした。
そして、リエルは、誰よりも自分の生存を諦めなかった義兄の虜になった。
義兄は容姿も能力も完全無欠で、公爵家の次期当主として文句のつけようがない逸材だった。
そんな義兄に憧れ、その後を追って、難関の王立学院に合格を果たしたリエルだったが、入学直前のある日、現公爵の父に「跡継ぎをアウレールからお前に戻す」と告げられ――――。
完璧な義兄×虚弱受け すれ違いラブロマンス
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる