【完結/R15BL】人格が破綻したあたおか勇者の愛が重すぎるんだが……?(加筆修正版)

架月ひなた

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第一章、あたおか勇者にお持ち帰りされて監禁された話

こっわ……

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 恍惚とした表情を浮かべ、カプリスに持ち上げられて膝の上に座らされる。
 下半身だけ拘束魔法を解かれると、カプリスを跨いでいるせいで服の裾が持ち上がって捲れた。
 下履きを履かされていないから、見えるか見えないかのラインが際どくて腹が立つ。

「もう少しで見えそうなんですけどね……」

 何も言う気になれなくて視線を逸らす。口付けで唇は覆われ、口内を貪られた。

「……っ!」

 何とか体を動かそうとしていると、左腕だけ微かに動く様になっているのが分かって神経をそこだけに集中させていく。思いっきり力を込めると、拘束が解けた。

 次いで魔力制御装置も全力で引きちぎる。もうゼロコンマにも満たない時間の流れだった。転移魔法で出来るだけ遠くまで移動する。

 ——何処だここ。もしかして闇の森の近くか?

 それならばついている。過去に一時期暮らしていた事があるからだ。
 即座に闇の森まで飛んでちょうど中間地点に降り立った。

「元魔王が何の用だ。その格好は奴隷用か? 討伐されて人族にでも飼われたか」

 下卑た笑いと共に背後に影が伸びる。視線を向けると巨大な魔族が立っていた。

「あ゛? 誰だお前…………」

 見上げた時に魔族の首が飛んだ。

 ——は?

「アフェ~クシ~オン~、ど~こで~すか~?」

 思わず悲鳴を上げそうになり手で口を押さえる。
 カプリスが長剣に巻きつけた細ベルトを持ってブンブンと振り回していた。その度に地面と森の木々が削れて空を舞っていく。

 時折り焦れたように斜めに剣を振り払う。閃光が走り、森が斜めに削ぎ落とされる。至る所から阿鼻叫喚が聞こえてきた。

 ——お前は破壊神か何かかっ!

 幸いな事に己の姿は魔族の影になっていて見えていないみたいだ。

 ——コイツの体が大きくて良かった。

 倒れ込んできた体を支えながら、体の下に潜り込む。カプリスが通り過ぎたのを確認してからまた転移魔法で飛んだ……飛んだつもりだった。

「やーーーっと、見つけましたーーー。こんなところで隠れんぼしてたんですね」
「ひっ」

 背後からガッシリと抱きしめられて、とうとう悲鳴が出た。空に浮いたまま抱きしめられているので、服の裾が風で靡く。

 ——何で捕えられた? コイツの魔力量……リミッターぶっ壊れてんじゃないのか?

 通常であれば転移中の人物を捕えるなど不可能に近い。出来る事があるにはある。でもそれは相手の魔力量や質を熟知していて、更に強い繋がりがある場合のみだ。初対面に近い己とカプリスには当てはまらない。

「浮いたままブチ犯すのもありですね。そこの魔物の匂いが移っているのには嫉妬してしまいますが……。まさか犯されたりはしていないですよね?」

 横に首を振る。

「ああ、良かった。でももう食べるのを我慢できないのでここでしちゃいましょうか。アフェクシオン……?」

 低音の声音で名を紡がれ、ごくりと生唾を飲み込んだ。

「どうした?」
「もう逃げないですよね? せっかく家の中で優しくしてあげようと思っていたのに逃げたのはアフェクシオンですもんね……?」

 死を悟り、心を決めた。





 近くにあった洞窟内に連れ込まれて、逃げられないように服を引きちぎられる。立ったまま壁に背を預けて、不本意ながらも大人しくしていた。
 先程とは違い、カプリスの機嫌は上向いてきているようだった。

「はっ、てめ、しつこい」

 未知なる体験過ぎて嫌だというのに、カプリスは執拗にこちらの体を指で慣らしていく。

「まだ足りない気がしますので念の為弛緩作用のある魔法をかけときますね」

 ——何の為に?

 指を抜いて、服を脱ぎ始めたカプリスを眺める。

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