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家に帰ると家族が泣いていた。
「アゼリア!心配したのよ!」
「申し訳ありません!」
「なんだって、公爵家に。…はあ。何か不興を買ってしまったのかと、心配した。」
異母兄と甥っ子は頭を抱えて一晩でげっそりやつれた。
連絡の行き違いということにして、公爵家から謝罪を受けた。
あのバカ令嬢。
もう少し上手くやれよ。
…まあ、殺すつもりだったならこんなもんだが。
「アゼリアは、公爵家の使用人になるのか。はぁ。」
「めでたいような心配なような。」
もう一通の手紙。
バカ令嬢のオーリスが私を使用人として召し抱えると一筆書いた。
本当はここの暮らしが好きだけど。
あの思い込みの激しいのに付きまとわれちゃなぁ。
家にいても休まらんわ。
下手したら家族になんかあるかもしれないし。
「アゼリアは賢いわ。大丈夫よ。」
意外と夫人が擁護する。
「ありがとうございます。精一杯お勤めをして参ります。」
いつも口やかましいくせに。
やっぱり好きだわ。
「ただ、寂しいだけよ。せっかくうちから学園に通わせられると思ったのに。」
娘を学園に入れるのが貴族のステータス。
一年と半年のどちらかの履修。
下位貴族の多くは半年だ。
夫人の努力で私を半年、学園に入れるはずだった。
本当なら半端もんは入れないからね。
自分でも努力した。
社交界に出入りして血筋はともかくとして、夫人とガバネスから学んだ品行方正と優秀さ、見た目、見て覚えた社交術を駆使して許可を取ったんだ。
推薦をもらわなきゃ通えない。
半分平民の私はそれなりの人数と身分の人から認められなきゃいけなかった。
マジ疲れた。
同居じゃないもうひとりの甥っ子ガド。
次の跡取りの勤める主人に面通しをしてもらい、なんとかお願いした。
結局、ガドとは会ってない。
そいつも学園にいるらしい、としか知らん。
男は寮が多いんだって。
「仕方ない。急いで支度をさせよう。」
「ええ、急がなくては。」
ん?なんで?
手紙を見ると今日中にって書いてあって、あのバカと心の中で呟く。
屋敷に着いて挨拶が終わり、オーリスのもとへ。
二人っきりと確認した上で頬っぺたをつねった。
「ふざけんな。どういうつもりだ?」
「いひゃい、いひゃい。」
跡が残ると面倒なのですぐに手を離す。
「なんで?何が?だって協力するって。」
頬を押さえて涙目にキョトンとしてる。
「…1日、2日くらい余裕持たせろ。家族となかなか会えなくなるんだから。」
お茶を飲む暇も別れを惜しむ暇もなかったんだ。
このくらいされとけ。
「あ、そうか。…ごめん。家族と仲いいんだっけ。」
「いいよ、今のでチャラだから。」
「わかった。…でも、ごめんね。」
こいつが貴族らしからぬのは本当だと思う。
申し訳なさそうに下から窺う目に確信はしてる。
言葉遣いも態度も。
私が鞭を打たれて当然なのに。
あの話に聞いた平和な空気を感じる。
「オーリスお嬢様、使用人の身分で大変失礼致しました。」
居ずまいを正して頭を下げる。
「え?え!」
「不遜な使用人に罰を。」
手を出して鞭打ちを勧める。
「え!いやよ!」
「…よろしいのでしょうか?身分がございます。けじめとして受ける覚悟がございます。」
淡々と目を見つめて申し上げると出した手を握って下げさせられる。
「いやよ!私、無理!」
「…さようですか。」
「は、話し方も戻して。さっきみたいなのでいいから。やめてよ。」
泣きそうな顔で懇願する。
「…お望みとあらば。」
やっぱり貴族らしからぬ。
「…でも、人前では。…わかるよな?」
ちろっと睨むと顔を引き締めて頷く。
「分かってる。ちゃんと公爵令嬢みたいにする。」
本当にできんのかよ。
必死な顔から本気だとは分かるが。
「…まあ、がんばれ。」
「がんばる!」
呑気な女だ。
ニコニコ笑って喜んでる。
「こっちも癖になるから極力まともに話す。他人に聞かれちゃヤバいし。」
「大丈夫よ、ここには人が来ないから。」
「…なんで?」
「噂くらい聞いたでしょ?私の。」
使用人を鞭打ちしまくるどS令嬢。
有名だ。
招待された時も覚悟して来たからな。
背中とお腹にはコルセットの代わりに薄い鉄板仕込んでた。
昨日、家族も帰らない私のことを死んだと思ったらしい。
「…まあ、それなりに。」
「呼ばない限り使用人はここに寄らないの。」
「…ふぅん。」
悲しそうにうつ向くのも本心に見える。
あれだけ無下に扱って今だに鞭打ちをしないんだ。
妙なのはこいつだ。
別に貴族が傍若無人なのは普通のことだ。
平和ボケしたこいつの感覚が妙なんだ。
「ご飯、ちゃんと食べた?」
「え?」
「朝と昼、食べたのかと聞いたの。」
「え、あ、まだ。」
「なんで食わないの?」
「へ、部屋から部屋から出ないから。」
「持ってこないの?使用人は。」
「う、うん。言わないなら持ってこないの。」
「あ、そう。じゃあ、取ってくるよ。待っといて。」
「あ、…うん。」
部屋を出て厨房へ。
怯えたような同情するような視線が鬱陶しいが、そんなもんだろうと受け入れて厨房の一角を借りる。
赤ちゃんが食べるようなパン粥を作る。
お母さんが死ぬ前に唯一食べられたやつ。
チーズと薫製肉を少し入れたから、あれよりもっと豪華になったけど。
「そんなの作ってどうするんだ?」
料理人のおっさんが聞いてくる。
「オーリスお嬢様へ。食欲がないそうですので。」
「やめとけ。鞭打ちを受けるぞ。」
まわりにいた賄いの女達も口々に囃し立てた。
「…かもしれませんね。その時は慰めてください。」
にこっと軽く微笑んで静かになったその場を離れた。
私は母に似て顔がいいから。
笑えば大概のことは片付く。
だが、あまり使うと虫がつく。
適度に。
部屋に入り、オーリスの食事の支度をした。
小さめのテーブルに食器を並べて顎をしゃくる。
「食え。」
「あ、うん。いただきます。」
「ん?いただきます?」
「食べる前の挨拶。こう言ってからご飯を食べるの。」
「へぇ、お祈りじゃないんだ。」
ふーふーと匙を吹いて少しずつ食べる。
栄養を取らせようと、牛乳と蜂蜜を暖めとものを添える。
「ゆっくり食べなよ。」
「うん。でも美味しくて。あつっ。はふはふ。」
匙に大盛り乗せて食らいついてる。
「少し、休憩しな。」
匙を持つ手を止めてテーブルに置かせた。
「いつから食べてない?」
「4日?もっとかも。」
「どうして食べるのを止めた?」
「思い出したから。」
「前世の?」
「うん。」
前世の記憶を取り戻したら今までの行いが恐ろしくなったと。
「そのくせ、私を殺そうとしたのか。…お前、ふざけてんなぁ。」
「ご、ごめんなさい。」
匙をとって小さくひとくち掬う。
「ゆっくりね。」
口許に当てる。
「う、うん。…あーん。」
弱ったお母さんにしたように少しずつ口に入れてやる。
「ゆっくり噛めよ。」
「うん。」
モグモグと口を動かして飲み込む。
またひとくち掬う。
次はもっと少なめに。
「ゆっくり。」
「うん。」
安心した顔で小さく食べた。
「昨日の話。またしてみ。」
優しく言うと頷いた。
この世界はおとめげーむ。
シナリオがあって悪役令嬢のオーリスは死ぬんだって。
死なないにしても、今までの鞭を打った分を返されて平民落ち。
本人が震えてるのを見ると死ぬほど打たれるようだ。
「今から話、変えられるんじゃないの?」
頭を振る。
シナリオの通りになるそうだ。
「ふーん。」
また泣いてる。
こいつ、本当に泣き虫。
「私が使用人になったからシナリオ変わるんじゃない?」
てか、主人公の性格違いすぎる。
優しく清楚な乙女って。
笑える。
乙女は合ってるけどな。
まだ綺麗な体だ。
「うん。でも、学園に行ったらわかんないよ。」
「…そうか。」
「…あーん。」
「ん?ああ、はいはい。」
真面目に話をしてるのにお腹すいてるらしい。
「バッドエンド?ならなきゃいいんでしょ?」
「うん。」
「私が男と付き合わなきゃ良いだけだし。」
自分がそういうことするの笑えるわ。
まだ生きるのに必死でそこまで余裕ないし。
「うん。でも、好きになるかも。」
「…なるかなぁ。」
「わからないでしょ?あーん。」
「確かに、断言はできないね。はい、あーん。」
おかわりを欲しがったがやめておいた。
作るのがめんどくさいから。
夜中、隣の侍女の部屋て寝てるとオーリスがうるさかった。
部屋に行くと夢にうなされてる。
揺すって起こすとまたわんわん泣いた。
死にたくないと。
明日もどうせ暇だろうと添い寝して朝まで話をしてやった。
空が白む前に寝た。
私も2日目の夜更かしは疲れてそのまま眠った。
「アゼリア!心配したのよ!」
「申し訳ありません!」
「なんだって、公爵家に。…はあ。何か不興を買ってしまったのかと、心配した。」
異母兄と甥っ子は頭を抱えて一晩でげっそりやつれた。
連絡の行き違いということにして、公爵家から謝罪を受けた。
あのバカ令嬢。
もう少し上手くやれよ。
…まあ、殺すつもりだったならこんなもんだが。
「アゼリアは、公爵家の使用人になるのか。はぁ。」
「めでたいような心配なような。」
もう一通の手紙。
バカ令嬢のオーリスが私を使用人として召し抱えると一筆書いた。
本当はここの暮らしが好きだけど。
あの思い込みの激しいのに付きまとわれちゃなぁ。
家にいても休まらんわ。
下手したら家族になんかあるかもしれないし。
「アゼリアは賢いわ。大丈夫よ。」
意外と夫人が擁護する。
「ありがとうございます。精一杯お勤めをして参ります。」
いつも口やかましいくせに。
やっぱり好きだわ。
「ただ、寂しいだけよ。せっかくうちから学園に通わせられると思ったのに。」
娘を学園に入れるのが貴族のステータス。
一年と半年のどちらかの履修。
下位貴族の多くは半年だ。
夫人の努力で私を半年、学園に入れるはずだった。
本当なら半端もんは入れないからね。
自分でも努力した。
社交界に出入りして血筋はともかくとして、夫人とガバネスから学んだ品行方正と優秀さ、見た目、見て覚えた社交術を駆使して許可を取ったんだ。
推薦をもらわなきゃ通えない。
半分平民の私はそれなりの人数と身分の人から認められなきゃいけなかった。
マジ疲れた。
同居じゃないもうひとりの甥っ子ガド。
次の跡取りの勤める主人に面通しをしてもらい、なんとかお願いした。
結局、ガドとは会ってない。
そいつも学園にいるらしい、としか知らん。
男は寮が多いんだって。
「仕方ない。急いで支度をさせよう。」
「ええ、急がなくては。」
ん?なんで?
手紙を見ると今日中にって書いてあって、あのバカと心の中で呟く。
屋敷に着いて挨拶が終わり、オーリスのもとへ。
二人っきりと確認した上で頬っぺたをつねった。
「ふざけんな。どういうつもりだ?」
「いひゃい、いひゃい。」
跡が残ると面倒なのですぐに手を離す。
「なんで?何が?だって協力するって。」
頬を押さえて涙目にキョトンとしてる。
「…1日、2日くらい余裕持たせろ。家族となかなか会えなくなるんだから。」
お茶を飲む暇も別れを惜しむ暇もなかったんだ。
このくらいされとけ。
「あ、そうか。…ごめん。家族と仲いいんだっけ。」
「いいよ、今のでチャラだから。」
「わかった。…でも、ごめんね。」
こいつが貴族らしからぬのは本当だと思う。
申し訳なさそうに下から窺う目に確信はしてる。
言葉遣いも態度も。
私が鞭を打たれて当然なのに。
あの話に聞いた平和な空気を感じる。
「オーリスお嬢様、使用人の身分で大変失礼致しました。」
居ずまいを正して頭を下げる。
「え?え!」
「不遜な使用人に罰を。」
手を出して鞭打ちを勧める。
「え!いやよ!」
「…よろしいのでしょうか?身分がございます。けじめとして受ける覚悟がございます。」
淡々と目を見つめて申し上げると出した手を握って下げさせられる。
「いやよ!私、無理!」
「…さようですか。」
「は、話し方も戻して。さっきみたいなのでいいから。やめてよ。」
泣きそうな顔で懇願する。
「…お望みとあらば。」
やっぱり貴族らしからぬ。
「…でも、人前では。…わかるよな?」
ちろっと睨むと顔を引き締めて頷く。
「分かってる。ちゃんと公爵令嬢みたいにする。」
本当にできんのかよ。
必死な顔から本気だとは分かるが。
「…まあ、がんばれ。」
「がんばる!」
呑気な女だ。
ニコニコ笑って喜んでる。
「こっちも癖になるから極力まともに話す。他人に聞かれちゃヤバいし。」
「大丈夫よ、ここには人が来ないから。」
「…なんで?」
「噂くらい聞いたでしょ?私の。」
使用人を鞭打ちしまくるどS令嬢。
有名だ。
招待された時も覚悟して来たからな。
背中とお腹にはコルセットの代わりに薄い鉄板仕込んでた。
昨日、家族も帰らない私のことを死んだと思ったらしい。
「…まあ、それなりに。」
「呼ばない限り使用人はここに寄らないの。」
「…ふぅん。」
悲しそうにうつ向くのも本心に見える。
あれだけ無下に扱って今だに鞭打ちをしないんだ。
妙なのはこいつだ。
別に貴族が傍若無人なのは普通のことだ。
平和ボケしたこいつの感覚が妙なんだ。
「ご飯、ちゃんと食べた?」
「え?」
「朝と昼、食べたのかと聞いたの。」
「え、あ、まだ。」
「なんで食わないの?」
「へ、部屋から部屋から出ないから。」
「持ってこないの?使用人は。」
「う、うん。言わないなら持ってこないの。」
「あ、そう。じゃあ、取ってくるよ。待っといて。」
「あ、…うん。」
部屋を出て厨房へ。
怯えたような同情するような視線が鬱陶しいが、そんなもんだろうと受け入れて厨房の一角を借りる。
赤ちゃんが食べるようなパン粥を作る。
お母さんが死ぬ前に唯一食べられたやつ。
チーズと薫製肉を少し入れたから、あれよりもっと豪華になったけど。
「そんなの作ってどうするんだ?」
料理人のおっさんが聞いてくる。
「オーリスお嬢様へ。食欲がないそうですので。」
「やめとけ。鞭打ちを受けるぞ。」
まわりにいた賄いの女達も口々に囃し立てた。
「…かもしれませんね。その時は慰めてください。」
にこっと軽く微笑んで静かになったその場を離れた。
私は母に似て顔がいいから。
笑えば大概のことは片付く。
だが、あまり使うと虫がつく。
適度に。
部屋に入り、オーリスの食事の支度をした。
小さめのテーブルに食器を並べて顎をしゃくる。
「食え。」
「あ、うん。いただきます。」
「ん?いただきます?」
「食べる前の挨拶。こう言ってからご飯を食べるの。」
「へぇ、お祈りじゃないんだ。」
ふーふーと匙を吹いて少しずつ食べる。
栄養を取らせようと、牛乳と蜂蜜を暖めとものを添える。
「ゆっくり食べなよ。」
「うん。でも美味しくて。あつっ。はふはふ。」
匙に大盛り乗せて食らいついてる。
「少し、休憩しな。」
匙を持つ手を止めてテーブルに置かせた。
「いつから食べてない?」
「4日?もっとかも。」
「どうして食べるのを止めた?」
「思い出したから。」
「前世の?」
「うん。」
前世の記憶を取り戻したら今までの行いが恐ろしくなったと。
「そのくせ、私を殺そうとしたのか。…お前、ふざけてんなぁ。」
「ご、ごめんなさい。」
匙をとって小さくひとくち掬う。
「ゆっくりね。」
口許に当てる。
「う、うん。…あーん。」
弱ったお母さんにしたように少しずつ口に入れてやる。
「ゆっくり噛めよ。」
「うん。」
モグモグと口を動かして飲み込む。
またひとくち掬う。
次はもっと少なめに。
「ゆっくり。」
「うん。」
安心した顔で小さく食べた。
「昨日の話。またしてみ。」
優しく言うと頷いた。
この世界はおとめげーむ。
シナリオがあって悪役令嬢のオーリスは死ぬんだって。
死なないにしても、今までの鞭を打った分を返されて平民落ち。
本人が震えてるのを見ると死ぬほど打たれるようだ。
「今から話、変えられるんじゃないの?」
頭を振る。
シナリオの通りになるそうだ。
「ふーん。」
また泣いてる。
こいつ、本当に泣き虫。
「私が使用人になったからシナリオ変わるんじゃない?」
てか、主人公の性格違いすぎる。
優しく清楚な乙女って。
笑える。
乙女は合ってるけどな。
まだ綺麗な体だ。
「うん。でも、学園に行ったらわかんないよ。」
「…そうか。」
「…あーん。」
「ん?ああ、はいはい。」
真面目に話をしてるのにお腹すいてるらしい。
「バッドエンド?ならなきゃいいんでしょ?」
「うん。」
「私が男と付き合わなきゃ良いだけだし。」
自分がそういうことするの笑えるわ。
まだ生きるのに必死でそこまで余裕ないし。
「うん。でも、好きになるかも。」
「…なるかなぁ。」
「わからないでしょ?あーん。」
「確かに、断言はできないね。はい、あーん。」
おかわりを欲しがったがやめておいた。
作るのがめんどくさいから。
夜中、隣の侍女の部屋て寝てるとオーリスがうるさかった。
部屋に行くと夢にうなされてる。
揺すって起こすとまたわんわん泣いた。
死にたくないと。
明日もどうせ暇だろうと添い寝して朝まで話をしてやった。
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