まったり異世界観光 ～観光チートで異世界を楽しみつくす～

１１

マゴットで一晩過ごした。

あれから腹を満たしたら、すぐに床について、秒で意識を失った。
何日かぶりのベッドの反発は、何よりも耐えがたいモノがあった。
そこそこ旅慣れはしているが、外ではどうしても環境が悪いし、何だかんだ気も張るので、街についた日の眠りはどうしても深くなる。
さらには、転生したて？なので、いつもよりも若干気が張っていたのかなとも思う。
というか、前世に目覚めてからまだ、ちゃんとした寝床で寝てなかったからな。
大丈夫とは識っていても、この世界の睡眠環境に一抹の不安があった。
無駄な心配だったけどな。

翌朝、窓から射す朝日で目を覚ますと、疲れはだいぶとれていた。
ただ、若干身体が硬くなっていたので、部屋でストレッチして過ごす。
一応、肉体労働者のはしくれでもあるので、身体は大事。

さて、馬車の出発時刻まではまだ余裕がある。
朝食なしの宿泊プランなので、どっか早朝営業しているとこでメシでも食おうかな。

「またのご利用をお待ちしています」

宿を出て、朝飯を食える場所を探す。
昨日の様に屋台で買うのもなくはないが、せっかくなら街でしか食えないちゃんとした系のやつが食いたい。
定食とか麺類とかそういうの。
ターミナルの方なら朝仕事の人たちが利用するためのメシ処もあるだろう。

「そういえば・・・」

ひとつ心当たりがあったことを思い出し、そちらに向かってみる。
ターミナルから少しだけ離れたところ、狭い路地に入ると一軒の寂れた食堂があった。
所見だとちょっと入るかどうか迷うような外見だが、実はここ、マリーたちのオススメのとこ。
不定休なのでやってるかどうかわからんかったけど、どうやらやっているみたいだ。
せっかくなので、ここで朝食といこうか。
外見は寂れているが、店の前などはきれいにされていて不潔な感じはない。
清掃などが行き届いている証拠だ。
まぁ食えないモノは出てこないだろう。

さぁ鬼が出るか、蛇が出るか。
彼女らを信じてのれんをくぐった。