言葉なく抱き合ったあの五分間を、ボクは決して忘れない

温かな指先が頬にふれる。コタツの中で上気したボクよりも、さらに熱をおびた指先……緊張の程は彼女の方が上だと知る。
「内緒だよ……」
照れくさそうに目を伏せ、薄闇の中でノブちゃんが笑う。
ベッドからは、マリコの規則正しい寝息が聞こえてくる。罪悪感に胸が痛んだ。
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