とある情景 短編集

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とある情景 (絶望)

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僕は今、目の前がスローになるということを初めて体感している。

まるで水中で体を動かしているように、いやそれよりももっとゆっくりと動いているように感じる。

人間は絶望的な危機に迫られると本当に周りがゆっくりに見えるのだと、後に冷静になったときに知った。

しかし、今はまだそんな余裕はない。

時間が進むに連れ、ゆっくりと、確実に絶望へと向かっている。

アインシュタインは言った。

時間は相対的だと。

もし、今がそうなのだとしたら僕が素早く動いているから周りがゆっくりに感じているだけなのだろうか?

もしそうなら、絶望を回避できただろう。

しかし、回避は出來なかった。

僕は知らなかった。

相対的に時間の差を感じれるのは光速レベルでの話だということ。




そして、絶望は訪れた。




ベチャ!



ジャムを塗られたトーストがジャムの面を下に落下した。




終わった。
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