オッドアイの守り人

小鷹りく

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Chapter 4: 中野

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帰路の途中で寄ったスーパーで買ったビール、それからつまみをテーブルに置いて、服を着替える。

 家の中ではゆっくりしたいから、ラフなトレーナーの上下。

 一人暮らしにしては小綺麗にしている方ではあるとは思うが、なんだろう、センスのなさからか、自分ながら、殺風景な部屋だ。ものがあまりない。


今はミニマム生活とか流行ってるらしいが、人も余り来ないし、これぐらいでいいのだろうか。


 洗面所で顔を洗い、自分の目を見る。2つとも違う色。見慣れた目。


やっぱりどっちかに色が寄っていくことはないのかな。


昔テレビで外国へ行った純日本人の目が、周りの人の目の色に環境同化しようとしてブルーに変わって行ったという話を聞いたけど、俺には起きなかった。


 俺の能力は、自分の事を嫌いな人が近寄ると発動するようで、その人が緑がかって見えるのだが、それが俺を好きな人に発動されるなら、


相手の行為を勝手に先読みしてしまうのは申し訳ないけれど、好意がわかれば恋愛は簡単に進むのに…。


まぁ卑怯な話だが、今まで残念なことに緑色以外は見たことがない。


 それに俺が告白した初恋の相手からは何の色も見えなかった事を考えると、


好意を持っていても見えるものではないのかもしれない。


 友人のあまりいない俺にとっては、この能力は嫌われている人から出来るだけより嫌われないように努力するくらいしかできないもので、それ以上でも以下でも無いような気がする。


 ため息をつきながらソファーに座って早速テレビをつけて、録画していたアニメを見る。


俺はアニメが好きだ。たまにオッドアイのキャラクターが出てくる。俺のようなしょぼい能力ではないが。


 目からビームなど出るものなど見たときには、頑張れば出せるのかと思ってやろうとしたことがあるが、


何も起こらなかった。当たり前だ。2次元の世界は厳しい。


 ビールの缶を開けて一口飲むと、部屋のチャイムが鳴った。


 "あれ?なんかネットで買ってたっけ?"


 独り言を言いながらモニターを覗く。


「染谷!」


 ビール缶の水滴で濡れた手を拭いて、モニターのスピーカーボタンを押す。


「どうした?染谷?お前今日飲み会じゃないのか?」


「お疲れ様~。その予定だったんだけど、中野も来るし、君は来ないから、行くの気が引けたんだ。とりあえず開けてもらえる?」


「あ、あ、うん、ごめん、すぐ開ける」


 染谷が俺んちに来るのはあの時以来だ…



 招かれざる客ではない、俺はすぐに玄関へ走り、手前の鏡で何故か髪を整え、トレーナーの上下のしわをとりあえず伸ばしてみて鍵をガチャリと開けた。
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