オッドアイの守り人

小鷹りく

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第二部 オッドアイの行方ー失われた記憶を求めて

特別監査室

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「特別監査室は特別な血を守る組織です。数少ない力のうち、伊集院家の力は恐らく唯一の能力と言っていい。血は大昔から貴方の家系により守られて来ました。その力が災いして命を落とされる方もいましたが、何とか守り抜いて来られた。今それを絶やすわけにはいかない。

 情報伝達手段が多様になり過ぎた現代では秘密を守れる人間も少なくなりました。伊集院家の中でさえ、それは難しくなってしまった…。悲しいことです。

 血の繋がらない秋成君はその重要さを学ばず、むしろ伊集院家の血筋でない自分に劣等感を持って育ってしまった。そして彼は血筋以外にその秘密を漏らした。幸いな事に調査したらそれらの人間の記憶は全て改ざんされていましたがね。貴方の仕業でしょう?」

 記憶を改ざんしたのは赤乃さんだ。俺が闇の中で《意識体》としてしか存在しない間、俺の体を動かしていたのは、ご先祖の御霊とでも言えばいいのか、赤乃という人格だ。俺が人を殺しかけた時、彼は俺の体を乗っ取り、俺は意識だけの存在で頭の中に居た。体が一つしかない為、二重人格の様な事になるが、厳密に言うとそうじゃない。赤乃さんは俺にない能力を持っている。”思考を読み取る能力”だ。そして彼が俺の体を動かす時、瞳の色は赤色になる。だが今赤乃さんの話をしても混乱を増やすだけだ、俺はまだ黙っていた。
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