オッドアイの守り人

小鷹りく

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第二部 オッドアイの行方ー失われた記憶を求めて

同じフロアで

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世間話をする東とドライバーの会話は私と石原には何の事だかさっぱり検討も付かないものだったが、東の語学力の高さは現地の人とすぐに仲良く喋れるほどのレベルだと判明した。

 信号の多い道路で何度も赤いランプに足を止められ、その度に東が建物を指差して運転手と話している。

 染「何を聞いているんだ?」

 東「日本人が住みそうなマンションとかないですかねぇって聞いてます。日本人コミュニティがある所とか…でも日本人て案外群れないんですって。集まる時は集まるんだけど、固まって住んだりしないって。そんなもんですかね。」

 石「チャイナタウンやコリアンタウンはどの都市でもできるけど、ジャパニーズタウンてあんまり聞かないですもんね。」

 染「そういえばそうだな…。」

 尚更探しにくいというわけか。特に海静様は一匹狼的な所があると報告書にあったから、日本人が沢山居る所は逆に警戒してしまうかも知れないな…ローカルの人達ばかりが住む様な所の方が寧ろ良いのかもしれない。

 着いたよ、と恐らく言っただろうタクシードライバーは東を見てにこりとした。

 東「謝謝了。」

 これは私でもわかる、ありがとうだな。料金を払い荷物を出し、ホテルへのチェックインをする。

「予約の染谷と石原・東だ。」

「はい、ご予約承っております。滞在日数はツインルームが一ヶ月、ダブルルームが三ヶ月予定でお間違い無いでしょうか?」

「ええ、それでお願いします。」

「ではパスポートとクレジットカードを…、ありがとうございます。」

 パスポートをそれぞれ渡す。

「お部屋は同じ階で隣同士がよろしいですか?それとも別のフロアをご希望でしょうか?」

 二人が喧嘩し出したら早めに止めれる方が良いよな…。

 染「同じフロアで」

 石「別々のフロアで」

 声が被った。
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