オッドアイの守り人

小鷹りく

文字の大きさ
222 / 231
パロディ (本編と矛盾する設定もあり。)

諦めない事が肝心ですね

しおりを挟む


ソファで本を読む海静様

知的で素敵だ…。

お風呂が沸きましたと告げると、こちらを見てありがとうと微笑む。

ああ、美しい…。

上着を脱いで脱衣所へ向かったので、上着に皺がいかないようにハンガーに掛ける。

ついでに匂いを嗅いでみる。

はぁ~…、いい匂いだ…。

最近彼のジャケットを匂うのが日課になっているが、海静様は知る由もない。

「おい、何をしている?」

あ、見つかってしまった。

「海静様、お風呂に入ったのでは?!」

「シャンプーが切れてたから、予備の場所がわからなくて出てきたんだ。俺のジャケットを抱き締めて何してるんだ?」

「いえ、これは、あのっ…ファブった方が良いかどうか確認を…。」

「ファブ?あぁ、ファブ◯ーズの事か。何だよ、俺そんなに臭いのか?」
 
クンクンと自分の体を匂いながら海静様は少し悲しそうな顔をする。

私は慌てて自分の発した嘘の言い訳を否定した。

「いえ!滅相も無い!実は海静様の匂いが良い香りで私はいつでも嗅いでいたい程で、だからこうして脱がれた後、毎日ジャケットを嗅いでいるんで……スー。」

「……」(白い目で染谷を見る)

墓穴を掘った私の腕から海静様はジャケットを奪い返した。

「変態ちっくな行動は禁止だ、良臣!」

「いえ!私は只、ジャケットをしまおうと…。」

「問答無用。ジャケット匂うの禁止!」

「はい…。」

またも白い目で私を見て海静様はお風呂に戻られた。


それから無闇にジャケットを脱いでもそこらへんに置かなくなった海静様。

私はその代わり一緒に寝る際に思いっきり襟元の匂いを吸い込んでチャージをする事にした。

「スーーーーーッ。」

首元の香りを思いっきり吸い込むとくすぐったがるその仕草がまた可愛くていじらしい。

「スーーーーーッ。」

「おいっ!」

「はい、何でしょう、海静様。」

「毎晩鼻息と呼吸が荒いぞ!眠たいのに寝れないじゃないか。」

「だって、ジャケットの匂いを嗅いではいけないと言われて、海静様の匂い不足です。」

「何を訳のわからん事を…。」

「スゥーーーーッ。」

「分かったよ!ジャケットの匂いは嗅いでいいから、寝る時に首元で匂いを嗅ぐのは止めてくれ!」

海静様はこそばゆくて仕方ないらしく、私はまたジャケットを匂う許可を貰った。

何でも諦めずにしてみるものですね。

「スーーーーッ。(匂いを吸い込む鼻音)」


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

ふたなり治験棟

ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。 男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!

fall~獣のような男がぼくに歓びを教える

乃木のき
BL
お前は俺だけのものだ__結婚し穏やかな家庭を気づいてきた瑞生だが、元恋人の禄朗と再会してしまう。ダメなのに逢いたい。逢ってしまえばあなたに狂ってしまうだけなのに。 強く結ばれていたはずなのに小さなほころびが2人を引き離し、抗うように惹きつけ合う。 濃厚な情愛の行く先は地獄なのか天国なのか。 ※エブリスタで連載していた作品です

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...