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教理VS病理
(6)
しおりを挟む2時間ほど歩き、自宅の最寄り駅付近までたどり着くと、さすがに疲れを覚え、また、病院対策で厚着をしているせいで汗びっしょりになったため、少し休憩することに。
でも、痩せてから大の苦手になった冷房のある場所は避けたいな。
定期を使って駅のホームに入場した茉莉は、陽の当たっていないベンチを探し、そこに座った。
服を脱ぎ、Tシャツとショートパンツだけになると、日陰の空気がほどよい涼しさ。
朝、凍らせた状態で持って出たペットボトルの水は完全に融け、少しぬるくなっていたが、乾ききった喉には十分、心地いい。
水っていいな。
ノンカロリーだし、最高の飲み物だわ。
そして、筋肉をほぐすためのストレッチを始める。
ところが……
「先輩!
星川先輩、お久しぶりです」
聞き覚えのある声がして、その方向を見ると、そこには、幼なじみでもある2学年下の後輩女子が。
たしかに、久しぶりだわ。
この子と会うの、いつ以来だろう。
あ、そうだ、中学の卒業式の朝。
私が痩せたことに気づいて、雑誌に出られそうとまで言ってくれて、それで私、初めて「リセ」を買ったんだっけ。
こんなところで、ストレッチしている姿を見られるなんて、なんか、恥ずかしいな。
しかし、その気持ちはすぐ、別の感情に変わった。
どうしたんだろう、この子。
私を見る目が、なんか、前と違う気がする。
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