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教理VS病理
(9)
しおりを挟む帰宅して、シャワーを浴び、茉莉はいつもの儀式をおこなった。
30.1キロ。
朝、ふだんより多めに食べたあとに量った30.6キロが、ウォーキング効果か、500グラム減り、なんと記録更新。
安堵と歓喜とともに、茉莉の心には別の感情が。
あとちょっとで、20キロ台。
でも、私の身長でそれは異常かもしれない。
嘘のつけない性格の後輩もああ言っていたことだし、31キロくらいまで戻そうかな。
勉強をするうち、空腹感も出てきて、夕食は久しぶりにちゃんと摂ることにする。
ところが……
両親の分も含めて、メニューを考え始めた途端、自分が食べられそうなものがほとんどないことに気づいた。
せいぜい、お豆腐と海藻サラダくらい。
メインの豚の生姜焼きなんて、絶対無理だわ。
だったらその分、白米を少し食べてみようかしら。
だが、白米が炊き上がり、ジャーを開けた瞬間、そのむわっとした湯気とともに広がる独特のにおいをかいだ茉莉は、気分が悪くなり、空腹感も消滅。
結局、豆腐を5分の1丁ほどと、手のひらサイズの皿の海藻サラダで、済ませることに。
それでも十分に満足で、そんな自分にも満足できた。
もう、7時近いし、こんな遅い時間にちゃんと食べるなんて、論外。
このあとは勉強するだけだから、脂肪になるだけだし、
やっぱり、夜は控えめにしなきゃ。
そのかわり、朝にちゃんと食べることにしよう。
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