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最悪の審判、それでも…
(8)
しおりを挟むバスの終点でもある、病院の最寄り駅周辺は、茉莉の知らない土地だったが、駅前に商店街があり、書店もすぐに見つかった。
しかし……
置いてありそうな場所に『リセ』が見つからず、1分ほど目を上下左右に動かしたところ、すぐに見つけられなかった理由が判明。
表紙、いつものあの人じゃないんだ。
誰だろう、この子。
あ、そういえば、先月号に、次号から新しい読者モデルが登場する、みたいなことが書かれていたっけ。
たしかに可愛いけど、いきなり表紙だなんて、すごいな。
その数分後……
電車の席に座り、雑誌を開いた茉莉は、思わず声をあげそうになった。
細い!
いつものあの人も細いけど、この子はもっと小柄できゃしゃな感じ。
手も足も折れそうに細くて、ワンピースタイプの水着の写真なんて、肋骨がうっすら透けて見えるし、胸は小学生みたいに薄い。
巻頭を飾る彼女の特集は8頁あり、最後の頁はインタビュー。
一気に読み進める茉莉の目は、体重のところで急停止する。
32キロ!!
そうか……そりゃそうだよね、こんなに細いんだもの。
とはいえ、身長は150センチしかないらしい。
それに、まだ中学2年。
茉莉は知る由もなかったが、じつのところ、本当の身長は149センチ弱で、彼女は1センチ強、サバを読んでいた。
また、中2で発育の遅い子なら、これくらいの体型は皆無ではない。
つまり、身長も年齢も違う茉莉が、意識すべき存在ではなかったが……
この子の体型、すごく憧れる。
いいなぁ、こういう細さ。
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