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~拓海~
挨拶
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「はああぁ… 」
もう…なんなんだよ、今日は…。
昼間の笠村のわけわかんない態度も…そして、原田さんの意味深な物言いも…
本当に意味が分からない…。
まさかだけど…
そういう、意味ではないよな…?
まさかな、そりゃ、ないよな…。
俺はデスクに戻った後、ほぼ笠村の方は見ずに、奴がそこにはいないかのように徹底してその方向を見ず、視界から消し…なんとか夕方までに仕事を終えた。
幸い午後からはブラック珈琲が効いたのか…もしくは、おかしな緊張感もあってか頭は異常に冴えわたり、仕事は素早く進んでいった。
今日は何もする気がしない…。
かえって、レトルトの何かを準備するのすら面倒だ…。
そんな気持ちで、自宅近くのコンビニに寄り、適当な弁当とアイスを選ぶ。
そういえば、前に…
瑠衣と、あの人…あ、名前なんだっけ…
あの、杉崎の彼女って…そうだ、林だ…あの人と瑠衣が家に乱入してきた時に買っておいたアイスが確かまだ冷凍庫にあったはずだなと思いつつ、まあいいかとかごを台に差し出した。
「あざ~~した~~」
店員の適当な挨拶に軽く会釈しつつビニル袋を受け取り、店を出る。
「さびっ…」
まあまあ寒い…そういえば、季節は冬だった…。
季節感がいまいち感じられないのは地球温暖化の影響か?…なんて、馬鹿なことが頭の中をよぎる…。
そういえば、葉月はいちいち人に丁寧だったなと思い出す…。
コンビニの店員にはいちいち頷き、帰り際はペコリと会釈をし…外食の際、会計が済んで店を出る時にはきちんと「ご馳走様でした」と一言、挨拶をする…。
葉月と付き合う前にはもちろん気付かなかった…。
学生だからか一緒に外で食事をするというシチュエーションすらなかったからだ。
だが、初めてのデートで、俺が奢った際に俺に、はにかみながら「ごちそうさま」と言うのと同じ笑顔で、
店員の男に「ご馳走様でした」と言ってお辞儀をしていく葉月が、無性に可愛いと思った。
それと同時に、他の男にまで愛想をふりまくなよと、少し嫉妬のような気持ちを覚えたのを今でも思い出せる。
きちんとした印象…葉月の親でもないが、どこに出しても恥ずかしくない葉月。
挨拶は大事だと、それまで挨拶が適当だった俺に、会社ではちゃんとした方がいいよと真面目な顔で話をしてきたのを思い出す…。
後でわかったことだが、意外なことに、食事の後にこんな風に言わない女も相当数、いる…。
会計直後は直ぐに仲間と話し始め、もはや店員はその場所にいないに等しいような態度で颯爽と店を出て行く奴は、たとえば大学のサークル内でも…そしてこの職場にも結構、普通にいた。
結局俺は葉月の影響もあってか…自分自身がそうすることに慣れたのか…
一人の時でもそうすることが常になったのだが…。
もう…なんなんだよ、今日は…。
昼間の笠村のわけわかんない態度も…そして、原田さんの意味深な物言いも…
本当に意味が分からない…。
まさかだけど…
そういう、意味ではないよな…?
まさかな、そりゃ、ないよな…。
俺はデスクに戻った後、ほぼ笠村の方は見ずに、奴がそこにはいないかのように徹底してその方向を見ず、視界から消し…なんとか夕方までに仕事を終えた。
幸い午後からはブラック珈琲が効いたのか…もしくは、おかしな緊張感もあってか頭は異常に冴えわたり、仕事は素早く進んでいった。
今日は何もする気がしない…。
かえって、レトルトの何かを準備するのすら面倒だ…。
そんな気持ちで、自宅近くのコンビニに寄り、適当な弁当とアイスを選ぶ。
そういえば、前に…
瑠衣と、あの人…あ、名前なんだっけ…
あの、杉崎の彼女って…そうだ、林だ…あの人と瑠衣が家に乱入してきた時に買っておいたアイスが確かまだ冷凍庫にあったはずだなと思いつつ、まあいいかとかごを台に差し出した。
「あざ~~した~~」
店員の適当な挨拶に軽く会釈しつつビニル袋を受け取り、店を出る。
「さびっ…」
まあまあ寒い…そういえば、季節は冬だった…。
季節感がいまいち感じられないのは地球温暖化の影響か?…なんて、馬鹿なことが頭の中をよぎる…。
そういえば、葉月はいちいち人に丁寧だったなと思い出す…。
コンビニの店員にはいちいち頷き、帰り際はペコリと会釈をし…外食の際、会計が済んで店を出る時にはきちんと「ご馳走様でした」と一言、挨拶をする…。
葉月と付き合う前にはもちろん気付かなかった…。
学生だからか一緒に外で食事をするというシチュエーションすらなかったからだ。
だが、初めてのデートで、俺が奢った際に俺に、はにかみながら「ごちそうさま」と言うのと同じ笑顔で、
店員の男に「ご馳走様でした」と言ってお辞儀をしていく葉月が、無性に可愛いと思った。
それと同時に、他の男にまで愛想をふりまくなよと、少し嫉妬のような気持ちを覚えたのを今でも思い出せる。
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一人の時でもそうすることが常になったのだが…。
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