【完結(続編)ほかに相手がいるのに】

もえこ

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~拓海~

ガチ

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「…大の男が…っていうか、大の、大人の男が…そんな冗談、拓海君に言うと思う…?ないわあ~まじないわ~」

「は…?いやいや、そんなんあり得ないよな…?俺、こんな見た目だし…完全に、男だぞ…女の要素なし。」

「…もう~~ 拓海君、ほんっとわかってないね…そこから…そんなとこから説明しなきゃなの…?」

「… はあ…?何言って… 」

「…あのさあ…女の要素があるから、男が、女の要素強めの男を選ぶとでも…好きになるとでも思ってるの?」

「…ん?違うのか…悪いが、男が男って…俺にはそんなイメージしかない…だから、からかいとか冗談かって…」

「…もうさ~それ、完全に決めつけ…偏見だからね…。あ、そうだBL本、持ってこようか?家に何冊かあるし、興味あるなら…」

「いらん…。そういうことじゃなくて…」興味があるわけが、ない…。

「あのね…普通に社会人…んで、その人、拓海君の直属の上司なんでしょう…?そんな人が、単なる一時的なからかいで、拓海君にそんなこと言うと思う…?今、この時代だよ…?ハラスメントなんて言われたら怖いし、普通にそんな冗談、軽々しくは言えないと思う…だから… 私はガチだと思う。絶対…そうだよ…そうに決まってる。」

「…ガチ…?マジ、なのか…嘘だろ…」

「ガチだよ、マジだよ…ガチマジだよ…はああ…ほんと、拓海君てモテるんだから~彼女にフラれたばかりのくせに~次は男に告られるって…なんか、すごいむかつく…。」

「…そんなこと…言われても…ああ…それにしても、マジ…なのか…?いや、嘘だろ…どうしよ… 」

「どうしよう、じゃないよ…ほんと、隙だらけなんだから…てか、どんな人なの、その人…年齢は?見た目は?」

「…多分、俺よりだいぶ…上…40にはならんけど、多分近い…30後半だろうな…」

課長は仕事がデキる…昇進スピードは異例らしい。

「えええっ…そんな年齢…?おっさんじゃん!!その人、キモイおっさんなの!?いやあああ…」

「… いや… キモイオッサン…て、感じでは…ない… むしろ… 」

多分、かなりのイケメンで、そういえば…女性社員がよく噂してる…。
カッコいいのに、なんで結婚しないのか…とか、彼女は居るのか…とか…。

「えええ~~~何、むしろって…まさか、イケメンなの?イケオジなの…?さいってーーー!!」

瑠衣の身振り手振りが凄い…
壊れかけている…
話したのは失敗かもしれない…不意にそう思った…。

「…ああ…もう、なんか考えるの面倒…てか、なんか嫌になってきた…もういいや、この話は終わ…」

「終わりじゃないよ~こんな中途半端に終われるわけないじゃん!!こっち来て、拓海君!!早急に!!」

グイと手を引かれて、無理矢理ベッドに押し倒される…。

「…瑠衣…?」

「絶対、渡さない…渡さないから…その男に!…拓海君は…!!! 」

「はあ…? そんなわけ、あっ … んぅっ…!!る… いっ… んんっ…」

いきなり、唇を塞がれ、物が言えなくなる…。

「しよ… ?ね…拓海君… きて…すっごくムラムラする…っていうか、イライラする~~!!今日は絶対、簡単には許してやらないから…覚悟してね、拓海君…変な話、瑠衣にした拓海君の…せいだよ… 」

「る…瑠衣… 」 

「黙って… 」

瑠衣が俺に覆いかぶさる… まるで、男女逆転だ…

でも、これは悪いことではなく… むしろ、今の俺にとっては歓迎だ…
俺は笑って、瑠衣を抱きしめた。



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