155 / 718
Ver.3.0 ~動き始める大きな世界~
ver.3.0-26 フラグ建設会社は、他の人の下にも来るらしい
しおりを挟む
‥‥‥妖精郷での騒動を終え、待ちくたびれていたトーカに遅れた理由を説明する。
最初こそは妖精郷の光景を画像で見て羨ましがっていたが‥‥‥妖精女王の捕食婚活話を聞いたところで、物凄く安堵の息を吐いていた。
「よかったかもしれない…‥‥必死過ぎるその姿は、同じ女の子として見ていられないの」
「そうなのか?」
「そうだよ!!だって理想が高すぎて結婚できない人って結構いるけど、そこまで無茶やる人って結構怖いもん!!友人にファンタジーにしかいないような王子様を理想に抱いて、作るために結構しでかした人とかがいたもの!!」
どんな友人だそれは。逆源氏物語でも行う気だったのか。
なお、その友人の結末としては他の女の子に理想の彼氏を取られてしまったそうで、現在新しい恋を発見するべく諦めずに新しい計画を練っているらしい。妖精女王とあったらいい友人になりそうな、恐ろしい組み合わせになりそうで怖いな。
「それで、手に入れたのが優遇されるものと、特殊成長剤?お兄ちゃん、中々面白そうなのを得ているよね」
「まぁ、これを手に入れられたのは良いけど、どうしようかなと思ってさ。一応、譲渡も可能だし、トーカの方のメーちゃんやジラゴンをすぐに進化させたいならあげるよ」
「いや、別に良いの。私のモンスターは私の理想通りになるように、努力を積み重ねて成長させる。人の手に頼らずとも、立派なかわいい子に育て上げてみせるの!!」
ぐっとこぶしを握り、そう宣言するトーカ。
「でも結果が、他の奴だよな?」
「あれはまだ分からなかったの。それにこれからどうなるのか分からないし、希望は抱いたほうが良いのよ!!」
【そういうもんだろうゼ。俺っちたちだって主の想いに答えて動くから、それが強ければいつか叶えさせられるかもだゼ】
トーカの言葉に対して、執事のシーサーがそう答える。
まぁ、そういうものなら僕の方から特にいう事は無いし、希望があるなら叶えられるまで努力をどんどんつみ重ねてしまうほうが良いだろう。
でもなぜだろうか、シーサーの顔がちょっと笑っている気がする。
【‥‥‥彼、私の兄弟姉妹の中ではいたずら好きの方ですからネ。嘘はついていないはずですガ、本当にやるかどうかは分かりませんネ】
ぼそっとロロがそう口をこぼすが、聞かないふりをしておく。善意があるなら良い方向に転ぶと思いたいが‥‥‥どうなんだろうなぁ、他の人の使用人の挙動は理解できない。
それはともかく、トーカがいらないのであれば、僕の方が使うべきだろう。幸い、直ぐに使って良さそうなのとしてコユキがいるしね。
「一応聞いておくけど、コユキはすぐに成長したい?それとも、ゆっくりと経験をつみ重ねたい?」
【スノォ‥‥‥スノースノー!!】
【すぐに大きくなれるなら、成長剤が欲しいそうデス。待っている間、他の面子と触れ合ってましたが、自分も早く大きくなって、主様の役に立てるようになりたいと言ってマス】
「そっか、じゃあ使うよ」
【スノー♪】
使用することを決めると、嬉しそうに宙をくるりと回るコユキ。
この特殊成長剤を使用すると、進化がすぐにできるらしいが‥‥‥何が出るのだろうか?
―――――
>「特殊成長剤」を「コユキ」に使用します。よろしいでしょうか?
>使用されました。
>「スノークリスタル」の「コユキ」の進化先が解放されました!!
>隠し進化先も同時に解放されました!!
>特殊進化先も解放されました!!
>進化先を選択してください。
『通常進化』
1:『スノーダル』
雪だるま‥‥‥と見せかけ、樽の形状をした雪の塊のモンスター。アイテムを色々と冷凍保存して違うものへ変化させることが可能となり、暑い国々では冷たいものを得る手段として重宝されている。
また、全身から出る冷気が調整可能となり、いるだけで周囲の気温を一気に下げることも可能になる。
2:『アイスチャクラム』
円盤状の武器に似た姿の氷のモンスター。回転する氷の刃は周囲を切り裂き、防御と攻撃を同時にこなせるようになっている。
常に回転しているわけではないので、通常時では触れ合うことも可能であり、使いようによっては面白い戦い方が可能なモンスターでもある。
3:『ワラワラシ』
藁で包まれた小さな童のような姿をしているモンスター。中身は雪の人形となっており、いるだけでパーティメンバーの幸運を少し向上させる効果を持つ。攻撃性能はそこまで無いが、幸運を招くので敵の攻撃を回避しやすかったりする。
『隠し進化』
1:『雪鬼』
鬼の姿をした、雪国に出現すると言われているモンスター。一気にパワー系となっており、振るう拳で敵を凍らし、砕いていく。
ただし、武器を持つと凍ってしまって持つことができないのが悩みとされているが、その氷の力も非常に強くなっており、敵の足止めからトドメ役など幅広く対応が出来る。
『特殊進化』
1:『アイスバード』
氷の身体で出来た大きな鳥のモンスター。吹雪を発生させて攻撃に使用するだけではなく、冷凍光線も放出して炎すら凍らせてしまうと言われている。
その氷の羽は美しく、宝飾品になるほか加工すると氷耐性が向上するなど、様々な氷の可能性を秘めている。
2:『???』
不明。進化させると開示されます。
―――――
「‥‥‥うわぉ、一気に解放されたんだけど」
「個人的にはワラワラシが気になるかも。小さな童のようなモンスターも、可愛いかも?」
【スノー!】
想った以上に進化先が豊富だったようで、コユキの成長先が色々と示されていた。というか、特殊進化のアイスバードはまだ良いとして、隠し進化の雪鬼ってどこをどうしたらそうなるのだろうか?このふわふわと浮いている氷の結晶のような可愛い姿のモンスターに何があったのかと言いたくなるだろう。
「そしてついでに、???かぁ‥‥‥マリーやリンの時にもあったけど、これを選んで今に至っているんだよなぁ‥‥‥」
先が分からないからこそ面白かったりもするが、その分リスクもあるだろう。
でも、案外雪に関する系統になるのであれば、妖精郷で妖精女王の遣わせた番人にドラゴンがいたので、アイスドラゴンだとかそういうのが出る可能性もある。
男の子ならちょっと気になるが…‥‥まぁ、変なのにはならないと思いたい。
「コユキ、どれになりたい?」
【スノ?スノノノノ・・・】
選択肢を示してみれば、うむむっと悩むコユキ。
自身の成長先が多かったのは嬉しいようだが、多すぎて悩みまくるようだ。
【シャゲシャゲ、シャゲェ】
【ガウガウ】
そんな悩む様子を見て、気持ちが分かるというように頷くマリーたち。そう言えばこっちはこっちで進化先も色々あったし、今のコユキの気持ちが分かるのだろう。
でもその結果が今の姿な訳だが…‥‥これはこれで満足なようだ。黒き女神の使い魔という先になった時点で考えなくて済むようになったのもあるかもしれない‥‥‥あれ?
(‥‥‥そう考えるとコユキのほうもそうなるよな?)
ふと、そんな事に気が付いたが、使い魔と言っても姿は色々とあるのでどういう風になるのかはまだわからない。
でもまぁ、今は色々と先を示せるのであればそれで良いのかもしれない。
そして少々悩んだ末に、コユキは選び抜いた。
【スノー!!】
【???になっているものを選びたいそうデス。自分でも分からない、未知の存在、けれどもそれで主様の役に立てそうならやってみたい、と言っていマス】
「今の一言に、どれだけ詰まっているんだろうか」
「たまにテイムモンスターたちの鳴き声を翻訳して聞いて見たくなるの」
わかるわかる。すっごい分かる。全員鳴き声で基本的に会話できているけど、その中身を翻訳したらどのぐらいの量なのか結構気になるのだ。こういう時に、某話せる猫のような力が欲しくなるだろう。
「それじゃ、特殊進化先の???を選択するよ」
【スノ!】
さぁこい!!とでも言うように、やる気満々のコユキ。
その姿を見てちょっと微笑ましく想いつつ、僕は進化先を選択した。
―――――
>選択されました。進化が開始されます!!
―――――
【スーーーーーノーーーーーー!!】
既に何度も慣れた進化の瞬間だが、相変わらず一瞬体が光って形を変えている。
そして光が終わった瞬間には進化を終えており、姿は大きく変貌しているのもお決まりのはず・・・・・であった。
【ユッキー!!】
「鳴き声変わった?」
「というか、姿もあんまり変わっていないような‥‥?」
進化を終え、姿を見せたのは進化前とは変わらぬような氷の結晶のコユキの姿。
いや、一回りほど大きくなっているようで、色合いも透明感のあった氷の結晶から真っ白な純白の氷の姿になっているだろう。
―――――
>進化が完了しました。『スノークリスタル』から『雪軍曹』になりました。
『雪軍曹』
スノークリスタルが特殊進化を経て、姿がそこそこ大きくなったモンスター。
一見、通常進化をしたように見えなくもないが、その内部は大きく変わっており、次の進化では姿を返るためのエネルギーが蓄えられている。
また、雪軍曹になったことで特殊なスキル『雪兵召喚』が使用可能になっており、使用すると30分間雪だるまの兵士たちが10~15体ほど同時に出現し、命令に従って敵に攻撃を仕掛ける。
―――――
【ユキユッキー!!】
「なるほど、他の兵士を呼びだして戦うタイプになったのか…‥‥戦闘のスタイルとしては、リッチとかが使う骸骨やゴーストを呼びだす感じに近くなったのかな?」
【違いとしては、こっちの方が統率が取れそうですよネ】
いつぞやかの烏合の衆モドキになっていたリッチなどに比べると、確かにコユキのほうがより効率よく、的確に兵士へ指示ができそうな気がする。
それと、いつものようなツッコミどころのある姿にならなかったのは、どことなく安心できるだろう。
「そもそもこれが、一番まともな感じなんだよなぁ…‥‥とりあえず、強くなれておめでとう、コユキ」
【ユッキー!】
姿が大きく変貌したわけではないが、新しい力を実感できているのか喜ぶコユキ。
その姿は無邪気な子供が喜びまくっているようにも見えて、僕らは微笑ましく思うのであった‥‥‥
【んー、大きく変貌しなかったのは意外だったゼ。あれ?でもまてよ?】
【どうしたのですカ?】
【いや、内部で溜めている状態ってだけで、姿が大きく変貌する可能性は消えていないだけだゼ。それに、ここの運営の上の人の性格を考えると…‥‥】
【…‥‥うん、黙っておきましょウ。ご主人様が珍しくまともなものを得られたと喜んでいるので、水を差したくないのデス】
【早めに知らせておいたほうが良いと思うゼ?ま、うちの主っちではないし、別に良いかだゼー】
…‥‥その一方で、ふと気が付いた使用人たちがひそひそ話をしていたが、僕らは気が付かないのであった。
最初こそは妖精郷の光景を画像で見て羨ましがっていたが‥‥‥妖精女王の捕食婚活話を聞いたところで、物凄く安堵の息を吐いていた。
「よかったかもしれない…‥‥必死過ぎるその姿は、同じ女の子として見ていられないの」
「そうなのか?」
「そうだよ!!だって理想が高すぎて結婚できない人って結構いるけど、そこまで無茶やる人って結構怖いもん!!友人にファンタジーにしかいないような王子様を理想に抱いて、作るために結構しでかした人とかがいたもの!!」
どんな友人だそれは。逆源氏物語でも行う気だったのか。
なお、その友人の結末としては他の女の子に理想の彼氏を取られてしまったそうで、現在新しい恋を発見するべく諦めずに新しい計画を練っているらしい。妖精女王とあったらいい友人になりそうな、恐ろしい組み合わせになりそうで怖いな。
「それで、手に入れたのが優遇されるものと、特殊成長剤?お兄ちゃん、中々面白そうなのを得ているよね」
「まぁ、これを手に入れられたのは良いけど、どうしようかなと思ってさ。一応、譲渡も可能だし、トーカの方のメーちゃんやジラゴンをすぐに進化させたいならあげるよ」
「いや、別に良いの。私のモンスターは私の理想通りになるように、努力を積み重ねて成長させる。人の手に頼らずとも、立派なかわいい子に育て上げてみせるの!!」
ぐっとこぶしを握り、そう宣言するトーカ。
「でも結果が、他の奴だよな?」
「あれはまだ分からなかったの。それにこれからどうなるのか分からないし、希望は抱いたほうが良いのよ!!」
【そういうもんだろうゼ。俺っちたちだって主の想いに答えて動くから、それが強ければいつか叶えさせられるかもだゼ】
トーカの言葉に対して、執事のシーサーがそう答える。
まぁ、そういうものなら僕の方から特にいう事は無いし、希望があるなら叶えられるまで努力をどんどんつみ重ねてしまうほうが良いだろう。
でもなぜだろうか、シーサーの顔がちょっと笑っている気がする。
【‥‥‥彼、私の兄弟姉妹の中ではいたずら好きの方ですからネ。嘘はついていないはずですガ、本当にやるかどうかは分かりませんネ】
ぼそっとロロがそう口をこぼすが、聞かないふりをしておく。善意があるなら良い方向に転ぶと思いたいが‥‥‥どうなんだろうなぁ、他の人の使用人の挙動は理解できない。
それはともかく、トーカがいらないのであれば、僕の方が使うべきだろう。幸い、直ぐに使って良さそうなのとしてコユキがいるしね。
「一応聞いておくけど、コユキはすぐに成長したい?それとも、ゆっくりと経験をつみ重ねたい?」
【スノォ‥‥‥スノースノー!!】
【すぐに大きくなれるなら、成長剤が欲しいそうデス。待っている間、他の面子と触れ合ってましたが、自分も早く大きくなって、主様の役に立てるようになりたいと言ってマス】
「そっか、じゃあ使うよ」
【スノー♪】
使用することを決めると、嬉しそうに宙をくるりと回るコユキ。
この特殊成長剤を使用すると、進化がすぐにできるらしいが‥‥‥何が出るのだろうか?
―――――
>「特殊成長剤」を「コユキ」に使用します。よろしいでしょうか?
>使用されました。
>「スノークリスタル」の「コユキ」の進化先が解放されました!!
>隠し進化先も同時に解放されました!!
>特殊進化先も解放されました!!
>進化先を選択してください。
『通常進化』
1:『スノーダル』
雪だるま‥‥‥と見せかけ、樽の形状をした雪の塊のモンスター。アイテムを色々と冷凍保存して違うものへ変化させることが可能となり、暑い国々では冷たいものを得る手段として重宝されている。
また、全身から出る冷気が調整可能となり、いるだけで周囲の気温を一気に下げることも可能になる。
2:『アイスチャクラム』
円盤状の武器に似た姿の氷のモンスター。回転する氷の刃は周囲を切り裂き、防御と攻撃を同時にこなせるようになっている。
常に回転しているわけではないので、通常時では触れ合うことも可能であり、使いようによっては面白い戦い方が可能なモンスターでもある。
3:『ワラワラシ』
藁で包まれた小さな童のような姿をしているモンスター。中身は雪の人形となっており、いるだけでパーティメンバーの幸運を少し向上させる効果を持つ。攻撃性能はそこまで無いが、幸運を招くので敵の攻撃を回避しやすかったりする。
『隠し進化』
1:『雪鬼』
鬼の姿をした、雪国に出現すると言われているモンスター。一気にパワー系となっており、振るう拳で敵を凍らし、砕いていく。
ただし、武器を持つと凍ってしまって持つことができないのが悩みとされているが、その氷の力も非常に強くなっており、敵の足止めからトドメ役など幅広く対応が出来る。
『特殊進化』
1:『アイスバード』
氷の身体で出来た大きな鳥のモンスター。吹雪を発生させて攻撃に使用するだけではなく、冷凍光線も放出して炎すら凍らせてしまうと言われている。
その氷の羽は美しく、宝飾品になるほか加工すると氷耐性が向上するなど、様々な氷の可能性を秘めている。
2:『???』
不明。進化させると開示されます。
―――――
「‥‥‥うわぉ、一気に解放されたんだけど」
「個人的にはワラワラシが気になるかも。小さな童のようなモンスターも、可愛いかも?」
【スノー!】
想った以上に進化先が豊富だったようで、コユキの成長先が色々と示されていた。というか、特殊進化のアイスバードはまだ良いとして、隠し進化の雪鬼ってどこをどうしたらそうなるのだろうか?このふわふわと浮いている氷の結晶のような可愛い姿のモンスターに何があったのかと言いたくなるだろう。
「そしてついでに、???かぁ‥‥‥マリーやリンの時にもあったけど、これを選んで今に至っているんだよなぁ‥‥‥」
先が分からないからこそ面白かったりもするが、その分リスクもあるだろう。
でも、案外雪に関する系統になるのであれば、妖精郷で妖精女王の遣わせた番人にドラゴンがいたので、アイスドラゴンだとかそういうのが出る可能性もある。
男の子ならちょっと気になるが…‥‥まぁ、変なのにはならないと思いたい。
「コユキ、どれになりたい?」
【スノ?スノノノノ・・・】
選択肢を示してみれば、うむむっと悩むコユキ。
自身の成長先が多かったのは嬉しいようだが、多すぎて悩みまくるようだ。
【シャゲシャゲ、シャゲェ】
【ガウガウ】
そんな悩む様子を見て、気持ちが分かるというように頷くマリーたち。そう言えばこっちはこっちで進化先も色々あったし、今のコユキの気持ちが分かるのだろう。
でもその結果が今の姿な訳だが…‥‥これはこれで満足なようだ。黒き女神の使い魔という先になった時点で考えなくて済むようになったのもあるかもしれない‥‥‥あれ?
(‥‥‥そう考えるとコユキのほうもそうなるよな?)
ふと、そんな事に気が付いたが、使い魔と言っても姿は色々とあるのでどういう風になるのかはまだわからない。
でもまぁ、今は色々と先を示せるのであればそれで良いのかもしれない。
そして少々悩んだ末に、コユキは選び抜いた。
【スノー!!】
【???になっているものを選びたいそうデス。自分でも分からない、未知の存在、けれどもそれで主様の役に立てそうならやってみたい、と言っていマス】
「今の一言に、どれだけ詰まっているんだろうか」
「たまにテイムモンスターたちの鳴き声を翻訳して聞いて見たくなるの」
わかるわかる。すっごい分かる。全員鳴き声で基本的に会話できているけど、その中身を翻訳したらどのぐらいの量なのか結構気になるのだ。こういう時に、某話せる猫のような力が欲しくなるだろう。
「それじゃ、特殊進化先の???を選択するよ」
【スノ!】
さぁこい!!とでも言うように、やる気満々のコユキ。
その姿を見てちょっと微笑ましく想いつつ、僕は進化先を選択した。
―――――
>選択されました。進化が開始されます!!
―――――
【スーーーーーノーーーーーー!!】
既に何度も慣れた進化の瞬間だが、相変わらず一瞬体が光って形を変えている。
そして光が終わった瞬間には進化を終えており、姿は大きく変貌しているのもお決まりのはず・・・・・であった。
【ユッキー!!】
「鳴き声変わった?」
「というか、姿もあんまり変わっていないような‥‥?」
進化を終え、姿を見せたのは進化前とは変わらぬような氷の結晶のコユキの姿。
いや、一回りほど大きくなっているようで、色合いも透明感のあった氷の結晶から真っ白な純白の氷の姿になっているだろう。
―――――
>進化が完了しました。『スノークリスタル』から『雪軍曹』になりました。
『雪軍曹』
スノークリスタルが特殊進化を経て、姿がそこそこ大きくなったモンスター。
一見、通常進化をしたように見えなくもないが、その内部は大きく変わっており、次の進化では姿を返るためのエネルギーが蓄えられている。
また、雪軍曹になったことで特殊なスキル『雪兵召喚』が使用可能になっており、使用すると30分間雪だるまの兵士たちが10~15体ほど同時に出現し、命令に従って敵に攻撃を仕掛ける。
―――――
【ユキユッキー!!】
「なるほど、他の兵士を呼びだして戦うタイプになったのか…‥‥戦闘のスタイルとしては、リッチとかが使う骸骨やゴーストを呼びだす感じに近くなったのかな?」
【違いとしては、こっちの方が統率が取れそうですよネ】
いつぞやかの烏合の衆モドキになっていたリッチなどに比べると、確かにコユキのほうがより効率よく、的確に兵士へ指示ができそうな気がする。
それと、いつものようなツッコミどころのある姿にならなかったのは、どことなく安心できるだろう。
「そもそもこれが、一番まともな感じなんだよなぁ…‥‥とりあえず、強くなれておめでとう、コユキ」
【ユッキー!】
姿が大きく変貌したわけではないが、新しい力を実感できているのか喜ぶコユキ。
その姿は無邪気な子供が喜びまくっているようにも見えて、僕らは微笑ましく思うのであった‥‥‥
【んー、大きく変貌しなかったのは意外だったゼ。あれ?でもまてよ?】
【どうしたのですカ?】
【いや、内部で溜めている状態ってだけで、姿が大きく変貌する可能性は消えていないだけだゼ。それに、ここの運営の上の人の性格を考えると…‥‥】
【…‥‥うん、黙っておきましょウ。ご主人様が珍しくまともなものを得られたと喜んでいるので、水を差したくないのデス】
【早めに知らせておいたほうが良いと思うゼ?ま、うちの主っちではないし、別に良いかだゼー】
…‥‥その一方で、ふと気が付いた使用人たちがひそひそ話をしていたが、僕らは気が付かないのであった。
32
あなたにおすすめの小説
薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜
仁徳
ファンタジー
少年はとある研究室で実験動物にされていた。毎日薬漬けの日々を送っていたある日、薬を投与し続けても、魔法もユニークスキルも発動できない落ちこぼれの烙印を押され、魔の森に捨てられる。
森の中で魔物が現れ、少年は死を覚悟したその時、1人の女性に助けられた。
その後、女性により隠された力を引き出された少年は、シャカールと名付けられ、魔走学園の唯一の人間魔競走者として生活をすることになる。
これは、薬漬けだった主人公が、走者として成り上がり、ざまぁやスローライフをしながら有名になって、世界最強になって行く物語
今ここに、新しい異世界レースものが開幕する!スピード感のあるレースに刮目せよ!
競馬やレース、ウマ娘などが好きな方は、絶対に楽しめる内容になっているかと思います。レース系に興味がない方でも、異世界なので、ファンタジー要素のあるレースになっていますので、楽しめる内容になっています。
まずは1話だけでも良いので試し読みをしていただけると幸いです。
(更新終了) 採集家少女は採集家の地位を向上させたい ~公開予定のない無双動画でバズりましたが、好都合なのでこのまま配信を続けます~
にがりの少なかった豆腐
ファンタジー
突然世界中にダンジョンが現れた。
人々はその存在に恐怖を覚えながらも、その未知なる存在に夢を馳せた。
それからおよそ20年。
ダンジョンという存在は完全にとは言わないものの、早い速度で世界に馴染んでいった。
ダンジョンに関する法律が生まれ、企業が生まれ、ダンジョンを探索することを生業にする者も多く生まれた。
そんな中、ダンジョンの中で獲れる素材を集めることを生業として生活する少女の存在があった。
ダンジョンにかかわる職業の中で花形なのは探求者(シーカー)。ダンジョンの最奥を目指し、日々ダンジョンに住まうモンスターと戦いを繰り広げている存在だ。
次点は、技術者(メイカー)。ダンジョンから持ち出された素材を使い、新たな道具や生活に使える便利なものを作り出す存在。
そして一番目立たない存在である、採集者(コレクター)。
ダンジョンに存在する素材を拾い集め、時にはモンスターから採取する存在。正直、見た目が地味で功績としても目立たない存在のため、あまり日の目を見ない。しかし、ダンジョン探索には欠かせない縁の下の力持ち的存在。
採集者はなくてはならない存在ではある。しかし、探求者のように表立てって輝かしい功績が生まれるのは珍しく、技術者のように人々に影響のある仕事でもない。そんな採集者はあまりいいイメージを持たれることはなかった。
しかし、少女はそんな状況を不満に思いつつも、己の気の赴くままにダンジョンの素材を集め続ける。
そんな感じで活動していた少女だったが、ギルドからの依頼で不穏な動きをしている探求者とダンジョンに潜ることに。
そして何かあったときに証拠になるように事前に非公開設定でこっそりと動画を撮り始めて。
しかし、その配信をする際に設定を失敗していて、通常公開になっていた。
そんなこともつゆ知らず、悪質探求者たちにモンスターを擦り付けられてしまう。
本来であれば絶望的な状況なのだが、少女は動揺することもあせるようなこともなく迫りくるモンスターと対峙した。
そうして始まった少女による蹂躙劇。
明らかに見た目の年齢に見合わない解体技術に阿鼻叫喚のコメントと、ただの作り物だと断定しアンチ化したコメント、純粋に好意的なコメントであふれかえる配信画面。
こうして少女によって、世間の採取家の認識が塗り替えられていく、ような、ないような……
※カクヨムにて先行公開しています。
異世界に移住することになったので、異世界のルールについて学ぶことになりました!
心太黒蜜きな粉味
ファンタジー
※完結しました。感想をいただけると、今後の励みになります。よろしくお願いします。
これは、今まで暮らしていた世界とはかなり異なる世界に移住することになった僕の話である。
ようやく再就職できた会社をクビになった僕は、不気味な影に取り憑かれ、異世界へと運ばれる。
気がつくと、空を飛んで、口から火を吐いていた!
これは?ドラゴン?
僕はドラゴンだったのか?!
自分がドラゴンの先祖返りであると知った僕は、超絶美少女の王様に「もうヒトではないからな!異世界に移住するしかない!」と告げられる。
しかも、この世界では衣食住が保障されていて、お金や結婚、戦争も無いというのだ。なんて良い世界なんだ!と思ったのに、大いなる呪いがあるって?
この世界のちょっと特殊なルールを学びながら、僕は呪いを解くため7つの国を巡ることになる。
※派手なバトルやグロい表現はありません。
※25話から1話2000文字程度で基本毎日更新しています。
※なろうでも公開しています。
つまみ食いしたら死にそうになりました なぜか王族と親密に…毒を食べただけですけど
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私は貧しい家に生まれた
お母さんが作ってくれたパイを始めて食べて食の楽しさを知った
メイドとして働くことになれて少しすると美味しそうなパイが出される
王妃様への食事だと分かっていても食べたかった
そんなパイに手を出したが最後、私は王族に気に入られるようになってしまった
私はつまみ食いしただけなんですけど…
墓守の荷物持ち 遺体を回収したら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアレア・バリスタ
ポーターとしてパーティーメンバーと一緒にダンジョンに潜っていた
いつも通りの階層まで潜るといつもとは違う魔物とあってしまう
その魔物は僕らでは勝てない魔物、逃げるために必死に走った
だけど仲間に裏切られてしまった
生き残るのに必死なのはわかるけど、僕をおとりにするなんてひどい
そんな僕は何とか生き残ってあることに気づくこととなりました
【完結】国外追放の王女様と辺境開拓。王女様は落ちぶれた国王様から国を買うそうです。異世界転移したらキモデブ!?激ヤセからハーレム生活!
花咲一樹
ファンタジー
【錬聖スキルで美少女達と辺境開拓国造り。地面を掘ったら凄い物が出てきたよ!国外追放された王女様は、落ちぶれた国王様゛から国を買うそうです】
《異世界転移.キモデブ.激ヤセ.モテモテハーレムからの辺境建国物語》
天野川冬馬は、階段から落ちて異世界の若者と魂の交換転移をしてしまった。冬馬が目覚めると、そこは異世界の学院。そしてキモデブの体になっていた。
キモデブことリオン(冬馬)は婚活の神様の天啓で三人の美少女が婚約者になった。
一方、キモデブの婚約者となった王女ルミアーナ。国王である兄から婚約破棄を言い渡されるが、それを断り国外追放となってしまう。
キモデブのリオン、国外追放王女のルミアーナ、義妹のシルフィ、無双少女のクスノハの四人に、神様から降ったクエストは辺境の森の開拓だった。
辺境の森でのんびりとスローライフと思いきや、ルミアーナには大きな野望があった。
辺境の森の小さな家から始まる秘密国家。
国王の悪政により借金まみれで、沈みかけている母国。
リオンとルミアーナは母国を救う事が出来るのか。
※激しいバトルは有りませんので、ご注意下さい
カクヨムにてフォローワー2500人越えの人気作
【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
───────
自筆です。
アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞
『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』
チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。
その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。
「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」
そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!?
のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる