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第一章 転生
3 乙女ゲームの世界
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☆
私は飯塚桃子。
年齢は26歳でした。
仕事場はブラック企業で朝から深夜まで仕事に追われていた。
休日出勤は当たり前。
そんな心が病に冒されそうだった環境で、正常な心を保てたのは、スマホゲームの『俺様の天使』通称『俺天』という乙女ゲームだった。
登場するイケメン達は5人。
アスビラシオン・ツアールトハイト(王太子21歳)
レユール・シメトリーナ(宰相21歳)さいしょう
ラウ・クローラー(王太子の従者26歳)
コンスルタ・コーリオン伯爵家長男(弟の親友16歳)
オブリガシオン・カスティージョ(隣国の王太子25歳)
どのコースを選んでも最終的にハッピーエンドを迎える。
このゲームを私は中学の頃からやっていた。この5人の中でお気に入りがあった。
断然、ラウ・クローラー様が見た目も男気も気に入っていた。
何度もラウ様を選んで、攻略を進めてきた。
私はフラリと目眩を起こし、会社の階段から落ちた。
連日の残業と休日出勤続きで疲れていた。
そこまでは覚えているけれど、目覚めたらゲームの中に生まれ変わっていた。
その事に気付いたのは、私が5歳の時だった。
私は双子の弟がいるが、公爵家の令嬢だった。
10歳の時、この国の国王様とお妃様に呼び出されて、私は両親と共に登城した。
そこには、見たことのある王子様がいた。
一目見ただけで、分かる。
アスビラシオン・ツアールトハイト王太子様だ。
私はアスビラシオン・ツアールトハイト王太子と婚約の約束をさせられてしまった。
私が婚約したかったのは、ラウ・クローラー様だ。
意に沿わない婚約の話に、どうにかこの婚約を破棄にしたいと考えた。
幸い、双子の弟は、私と瓜二つ。両親さえも間違えるほどだった。
勉強をサボる私に弟は、賭けを言い出していた。
「時々、入れ替わって、バレなかったら勝ちで、バレてしまったら負けだよ」と……。
私は、ほくそ笑んだ。
どこまでもお人好しの弟は、家庭教師の先生が叱られているのを見て、提案してきた。
「絶対に負けない自信があるわ。わたしはチェリーの事なら、何でも知っているんだから」
そう、私はチェリーの事も他の主人公の事もよく知っている。
その時の私は王太子をチェリーに任せて、私はラウ・クローラー様一筋で貫こうと考えた。
弟もモブの一人だ。
私にそっくりな容貌していて、私の手下のように使えばいいと思っていた。
弟は姉に従う……それは日本での私の家庭と同じだった。
転生するまで、弟は私に従い、言うまま何でもして見せた。
学生時代、私が夜に家を出かける時も、協力してくれたし、おやつもいつも弟より一つ多かった。
だから、この世界でも弟は私の言いなりになればいい。
ゲームの中のモブの一人であるならば。
私の世界で、私が一番好きなラウ・クローラー様とハッピーエンドを迎えるための礎になってくれたら、これ幸い。
16歳になり、結婚もできる年齢に近づいた。
弟の婚約者はラウ様の妹君だ。
ラウ様のイベントを進めるとき、メアリーが悪役令嬢になる。ラウ様の妹だけれど、本編ではメアリーとモモは相容れない間柄だった。だから、私は出会った頃から、メアリーを大切に操作して反抗しないおとなしい子に育ててきた。
今では親友になっている。
今更、「お兄様を渡しません」等と言うはずがない。
今日は絶好のチャンスなのだ。
私は衣装部屋に入り、清楚な白いワンピースを出して、それを身につける。
転生してきたこの世界で、私は幸せになりたい。
もうブラック企業で連日残業に休日出勤もしなくて良くなった。
「ラウ様、好きです。どうか私を好きになってください」
私はラウ様、一筋です。
私は飯塚桃子。
年齢は26歳でした。
仕事場はブラック企業で朝から深夜まで仕事に追われていた。
休日出勤は当たり前。
そんな心が病に冒されそうだった環境で、正常な心を保てたのは、スマホゲームの『俺様の天使』通称『俺天』という乙女ゲームだった。
登場するイケメン達は5人。
アスビラシオン・ツアールトハイト(王太子21歳)
レユール・シメトリーナ(宰相21歳)さいしょう
ラウ・クローラー(王太子の従者26歳)
コンスルタ・コーリオン伯爵家長男(弟の親友16歳)
オブリガシオン・カスティージョ(隣国の王太子25歳)
どのコースを選んでも最終的にハッピーエンドを迎える。
このゲームを私は中学の頃からやっていた。この5人の中でお気に入りがあった。
断然、ラウ・クローラー様が見た目も男気も気に入っていた。
何度もラウ様を選んで、攻略を進めてきた。
私はフラリと目眩を起こし、会社の階段から落ちた。
連日の残業と休日出勤続きで疲れていた。
そこまでは覚えているけれど、目覚めたらゲームの中に生まれ変わっていた。
その事に気付いたのは、私が5歳の時だった。
私は双子の弟がいるが、公爵家の令嬢だった。
10歳の時、この国の国王様とお妃様に呼び出されて、私は両親と共に登城した。
そこには、見たことのある王子様がいた。
一目見ただけで、分かる。
アスビラシオン・ツアールトハイト王太子様だ。
私はアスビラシオン・ツアールトハイト王太子と婚約の約束をさせられてしまった。
私が婚約したかったのは、ラウ・クローラー様だ。
意に沿わない婚約の話に、どうにかこの婚約を破棄にしたいと考えた。
幸い、双子の弟は、私と瓜二つ。両親さえも間違えるほどだった。
勉強をサボる私に弟は、賭けを言い出していた。
「時々、入れ替わって、バレなかったら勝ちで、バレてしまったら負けだよ」と……。
私は、ほくそ笑んだ。
どこまでもお人好しの弟は、家庭教師の先生が叱られているのを見て、提案してきた。
「絶対に負けない自信があるわ。わたしはチェリーの事なら、何でも知っているんだから」
そう、私はチェリーの事も他の主人公の事もよく知っている。
その時の私は王太子をチェリーに任せて、私はラウ・クローラー様一筋で貫こうと考えた。
弟もモブの一人だ。
私にそっくりな容貌していて、私の手下のように使えばいいと思っていた。
弟は姉に従う……それは日本での私の家庭と同じだった。
転生するまで、弟は私に従い、言うまま何でもして見せた。
学生時代、私が夜に家を出かける時も、協力してくれたし、おやつもいつも弟より一つ多かった。
だから、この世界でも弟は私の言いなりになればいい。
ゲームの中のモブの一人であるならば。
私の世界で、私が一番好きなラウ・クローラー様とハッピーエンドを迎えるための礎になってくれたら、これ幸い。
16歳になり、結婚もできる年齢に近づいた。
弟の婚約者はラウ様の妹君だ。
ラウ様のイベントを進めるとき、メアリーが悪役令嬢になる。ラウ様の妹だけれど、本編ではメアリーとモモは相容れない間柄だった。だから、私は出会った頃から、メアリーを大切に操作して反抗しないおとなしい子に育ててきた。
今では親友になっている。
今更、「お兄様を渡しません」等と言うはずがない。
今日は絶好のチャンスなのだ。
私は衣装部屋に入り、清楚な白いワンピースを出して、それを身につける。
転生してきたこの世界で、私は幸せになりたい。
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「ラウ様、好きです。どうか私を好きになってください」
私はラウ様、一筋です。
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