隣のマンションの白い壁

守 秀斗

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第7話:ボディコンドレスで外出したり、海水浴場で超ハイレグ水着姿になってみる

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 高速道路の近くで裸になってしまった私。大事なところもさらしちゃった。すごく興奮したわ。ただ、不満があるの。ネットに私の全裸動画が投稿されてしまったんだけどね。その動画、顔ははっきりとよく見えないし、もう淫乱変態女扱いされてもいいわ。事実だもん。

 でも、幽霊扱いなのよ。心霊現象サイトで投稿されてた。こんな美人でスタイル抜群の女を化け物扱いなんてむかついた。

 ああ、もういいわ。合法的に私の抜群のスタイルを見せつけてやる。でも、さすがに全裸にはなれないわよね。そんなわけで、ピンヒールを履いて、超ミニのボディコンシャスドレスを着て、外の歩道を歩く私。こういう場合、おしゃれな女性は下着の線が見えないようにTバックを履くんだけど。私はわざと普通のショーツを履く。下着の線を見られたいの。わざと目立つ下着を履く変態の私。ああ、見てほしいわ、じっくりと私のきれいなお尻を、いやらしい下着の線を。私の変態度もだいぶ上がってきたみたいね。通りすがりの男はみんな見てるわ。

 そして、また言っちゃうけど……。

 ああ、見られるのって快感よね!
 注目されるのって、気持ちいい!
 生きてるって感じがする!

 ああ、私は生きてるのよ!

 スカートからすらりと伸びる長い脚。肉感的な太股からひきしまったふくらはぎまでのきれいな曲線。私は芸術品よ。それにプラスして下着の線が見えるのが色っぽいわ、複合効果ね。

 ふざけんな! このナルシス女って罵声がしつこく聞こえてきたわ。
 でも、きれいなんだからいいじゃないのって、何度言わせるのよ。

 男たちにいやらしい視線で見られて気持ちいいのか、この変態ってまた罵声が聞こえてきたわ。

 気持ちいいわよ、もう、性の探究者とか言い訳はしないわ。私は変態ね。でも、他の女性もきれいにお化粧して、おしゃれしてるじゃないの。見られたいのよ。女は見られたい生き物なのよ。

 私だけですか?
 違うわよね。

 違うのかしら。
 私だけ?

 いいや、気持ちいいから。

 さて、すっかりいい気分で街を闊歩する私。若い時だけなんだからね、こんな格好ができるのは。だからミニのドレスを着ているのよ。おばあさんになったら着れないじゃないの。人生、一度きり。思いっ切り楽しまないと。って、何度も何度も同じこと言ってるわね。一垓回くらいかしら。ちなみに『垓』は『京』の次の単位ね。

 そんなわけでいい気になって闊歩していると、突然、片足を引っ張られた。

「うわ!」

 思わず、前のめりでスっ転びそうになる。手をついて、何とか四つん這いの格好になるが、スカートがめくれて下着が丸見え。膝を擦りむいた。どうやら、細いヒールの部分が下水道の蓋の溝にはまったみたい。情けない。

「イタタ」
「あら、あなた、大丈夫」
「だ、大丈夫です」

 通りすがりのおばさんに心配されてしまった。
 やれやれ。

 人前で四つん這いになるなんて、久々だなあ。佐島君と別れて以来してないな。全裸で四つん這いになったのも自分からだった。佐島君、興奮してたなあ。まあ、今は自宅で、さんざん四つん這いになって、自分でしてるけどね。四つん這いになるのって好きだわ。やっぱり後ろからされる妄想をすると興奮するの。征服されてるって気分になるのよ。ああ、誰か、私を征服してよ! おっと、なんてことを考えているのかしら、私。だいたい、征服してくれる彼氏もいないし、そんな状況で一人で散歩するってのも何だか情けなくなって、その日は家に帰った。

……………………………………………………

 後日、私の映像がネットでアップされていた。

『変態ボディコンドレスで気取って歩くアホ女の下着が丸見え』って題名。
 
 ふざけないでよ、何よ、アホ女って。けど、確かに情けない格好だわ。まあ、後ろからの撮影で顔は映ってないのでほっておく。それにしても、注目はされたいけど、笑い物にされるのなんて、ああ、最悪!

……………………………………………………

 この前、セクシーなボディコンミニドレスで歩道を歩いていたら、スっ転んでスカートがめくれて下着が丸出し。おまけに、それをネットで晒されてしまった。アホ女扱い。

 ああ、むかつく。私は注目は浴びたいの。私のきれいな体を見てもらいたいのよ。それなのに、不様な格好を撮影されてネットで晒された。クソー!

 リベンジよ。今日は休日。よく晴れてるわね。海水浴場に行こうっと。すこし前に行ったけど、海開き前で人が少なかった。でも、今日はたくさん人がいるんじゃないかしら。そこで、注目されて気持ち良くなるのよ。さて、私の愛車の中古の軽自動車で近くの海水浴場に行く。予想通り、いっぱい海水浴客がいるわ。

 そして、私は車の中でハイレグで大胆に胸が開いた水着姿になる。もう、超セクシーよ。自分でもこんなの着ていいのかしらって思うくらい。で、車から降りると、うわ! 今日はすごい猛暑ね。全身、汗がすぐにだらだらと出てくる。それがまた色っぽいわ。

 さて、そのハイレグ水着で砂浜を歩く。もう男性はみんな私を見てるの。ああ、気持ちがいいわ。見られるのって本当に最高。興奮してくる。ああ、濡れちゃいそう。私は泳ぎが下手くそなんで海には入らないから水着は濡れないけど、なんだか別の部分が濡れてきそうな感じ。あら、私って、本当に変態ね。

 でも、いいのよ。気持ちいいんだから。

 それにしても、他の女性の皆さん、やはり大人しいローレグタイプばかりだなあ。せっかく若いんだから、ハイレグにすればいいのに。ラッシュガードなんて半ズボンじゃないの。

 大きなお世話よ、この変態女って罵声が聞こえてきそうね。
 
 違うのよ、もう一澗回くらい同じ事を言いたいけど、若いのは一度きりよ、この夏も二度と戻ってこないのよ!

 って、叫んでも仕方が無いわね。
 ちなみに『澗』は『垓』の次の単位ね。
 頭の悪い私には読めないけど。

 さて、ちょっと砂浜に座って、日焼け止めクリームを塗る。男性の皆さんが私の姿態を、いやらしい水着姿をチラ見している。さらに興奮してしまう私。ああ、本当に濡れてきたわ。水着を浸透しそうなくらい。アンダーショーツがなんとか遮ってるわ。そして、私はさりげなく股を広げていく。

 見てるわ。あそこを見られてるの。ああん、見られてる、もう、最高にエクスタシー!

 日焼け止めクリームを塗るそぶりで、えい、思いっ切り股を広げてみた。もう完全な痴女ね。
ああ、でも、見られたいの。もっと見て、視線で私をメチャクチャにしてほしい。ああん、興奮しすぎて頭がボーっとしてきたわ。頭がくらくらしそうね。顔もほてってきたわ。

 あら、股を閉じようとしても閉じられないわ。もっと広げてしまう。なにかの魔法にかかったのかしら。それとも、私は男の人たちにもっと股間を見られたいのかしら。私って、いやらしいわ。変態ね。でも、興奮する。

 すると、背の高くてイケメンで胸の分厚い男性が近づいてきた。ああ、私のタイプの男性だわ。私を抱きかかえる。どこにつれていくのかしら。抱かれるのかしら。私としたいのかしら。
いいわ、メチャクチャにしてほしい。征服してほしい。ありとあらゆることをして、私を絶頂へ突き上げてほしい。ああん、興奮して、私、意識が薄れていく……。

……………………………………………………

 気が付くとベッドに寝ている私。あれ、眠ったまましちゃったのかしら、あの男性と。でも、周りをよく見ると、ここは海水浴場の事務所みたい。
 
「ああ、気が付きましたか。このスポーツドリンクを飲んでくれますか」

 さっき、私を抱きかかえた男性が心配そうにペットボトルを差し出す。やだ、私、熱中症で倒れたんだわ。この男性はライフセイバーの人らしい。急に頭が痛くなってきた。スポーツドリンクをゴクゴクと飲む。あんまり飲みすぎて、口の端から涎がダラダラと垂れちゃった。なんだかいやらしい姿ね。

「救急車を呼ぼうか迷ったんですけど、すぐに気が付かれたんで、これは大丈夫かなあと思いまして。どうですか、体調は」
「は、はい、どうもすみませんでした」

 平身低頭の私。大股広げてぶっ倒れていたのかしら。それを想像すると、ちょっと情けないわ。

「じゃあ、ここで調子が戻るまでしばらく休んでいてください」

 そう言って、私の好みのタイプのイケメンライフセイバーさんはさっさと出て行った。やれやれ。恋のひとつでも生まれるかと思ったのに。だいぶ調子がよくなったんで、事務所の人に挨拶して帰る。

「お世話をおかけしました」
「これからは、ちゃんと水分は事前に多めに飲んでおくことね」

 事務所のおばさんに説教される。おまけに、そのおばさん、私の水着姿を汚いものみたいに見てる。よく見ると股の部分が濡れている。アンダーショーツも通り越しちゃったのかしら。もしかして、あのイケメンライフセイバーさんにも見られたのかしら。ああ、興奮する。でも、少し疲れた。愛車でさっさと家に帰る。そして、ちょっと反省する。もしかしたら、また映像が投稿されてるかも。
 
『熱中症で倒れた今時珍しいハイレグ水着のバカ女』って題名で。

 もう検索する気もないわ。ああん、全然、気持ち良くないわよ。
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