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第2章
107 浮かんでくる顔《後編》
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双子は、見た目も性格もきゅるんとしていて愛らしいしコミュ力があるから。小学校でも中学校でも人気者だった。
バスケの試合を見学しに行った時なんか、男女問わずキャーキャー言われまくっているのをこの目で目撃した。
きっと今の高校でも人気者だろうし、それぞれ浴びるほど告白を受けるだろう。
だから俺も前に、『お前ら、彼氏彼女とか作らんの? 家に呼んだって良いんだぞ! そしたら俺、全力でもてなすからな~!』と提案したことがあるのだが、『要らなーい』『作らなーい』と一蹴されてしまった。
いわく、『おにいと同じくらい優しくてかっこよくてかわいい人がいたら良いけど』『にいちゃんと同じくらい優しくてかっこよくてかわいい人がいたら良いけど』『いないからね~』『無理だよね~』とのことらしい。
(いや、いるだろ……! 俺より優しくてかっこよくてかわいい? 人なんて、溢れるほどいるだろ!! 街中を歩いてみたら数歩に一人は出くわすレベルでいる!! というか、お前らのクラスメイト全員……いや、むしろ全人類がそうだろ……!!)
なんなんだその低すぎるハードルは……。と思ったが、双子は頑なに『いない』と却下してきた。
やばい。俺、育て方間違ったかも……。とその時は少し後ずさったものだ。
(俺に浮かれた話が今まで無かったのも関係してんのかな……)
二人は俺の背中を見て育ったから、全部俺をお手本にしている説はある。今まで俺が青春したり恋愛を楽しむことが一度もなかったから、本人達もそういったことに興味が出ないのかもしれない。
(なら、俺がリア充になれれば、変わるか……?)
そうかもしれない。
俺が率先して、恋愛って楽しい! 彼女サイコーー! というところを見せてあげれば、次第に二人にも年相応の情緒が芽生えてくれることだろう。
「よーし。頑張るぞ。あいつらの目を、そろそろ俺以外に向けさせないとな……!」
恋愛なんていつでもできると言えばそうだけど、同時に、学生の時にしかできないことは確実にある。
異性と手を繋いで帰ったり、制服で遊園地デートをしたり、イチャイチャプリクラを撮ったり、ハンバーガー食べながら一緒にテスト勉強したり、放課後の誰もいない教室でじゃれあったり……エトセトラ。
俺はどれもできなかった。彼女どころか友達すらろくにいなくて、バイトに明け暮れた高校時代だった。
結果、こんな……青春コンプレックスを拗らせた面倒くさすぎる二十四歳の出来上がりだ。
双子には、俺みたいになって欲しくない。あとで、『あーあ、あの時、兄兄言って過ごさなきゃ良かったな~。十代のピュアな恋愛は、若い時しかできなかったのに!!』と後悔しても遅いのだ。
それに、一生兄兄言ってるのは全く健全じゃないし、二人の為によくない気がする。
──『彼女はいた方がいいよ。これからの人生、ひとりの人と関係を深めて、恋人になって、ゆくゆくは結婚をするわけだからね。同じ指輪をつけて、人生を共に歩む伴侶を見つける。友達じゃ、そうはなり得ないよね』
「……」
秋風の言うように、ゆくゆくは伴侶を見つけてその人と人生を歩むわけだから。
海依斗も海乃莉も、もちろん俺も、それぞれにぴったりとハマる相手を見つけ、自分の人生を歩むべきだろう。少し寂しいけど。それが、普通だ。
「そうと決まれば、早く返信しないとな! かりんちゃんに……!!」
俺は急いでコップを洗い、シャワーを浴びに行って、ついでに秋風から借りたハンカチを手洗いをして、脱衣所で陰干しさせた。
それからいつものように適当にドライヤーを済ませ、歯磨きをして、軽く掃除した後、自分の部屋に飛び込んだ。
(完了! あとは、寝るまで自由時間だっ)
「……て、あ! そうだ……!」
俺は居間に置きっ放しだったボディバッグとふーもちアオくんを取りに行き、自分の部屋に戻った。
とりあえず、今日の戦利品を飾っておかねば。
まず、ふーもちアオくんは、テレビボードの上に置いてあげるとする。
「うんうん、良い感じ……!」
あと、コラボカフェでゲットしたポストカードと、ストロータグと、コースター……。
これはオープンラックに飾っておこう。
そんなふうにバッグから取り出して、いそいそとグッズを設置していたら、ふとコースターのアキと目が合った。
「……」
(あ……、秋風にもメッセージしなきゃな)
忘れていた。
(俺から誘って、忙しい中一日付き合ってくれたわけだし……お礼を言うのが筋だな)
俺はベッドに腰掛け、メッセージアプリを開いた。
「えーと……、どうしよ。とりあえず……今日はありがとう、で……」
ぶつぶつ声に出して呟きながら、スマホに文字を打ち込んでいく。
【秋風、今日はありがとう!! 最初から最後までずっと楽しかった。色々とちって、迷惑かけてごめん。本当助かった】
【あと、帰り際、なんでも相談乗ってくれるって言ってたのマジか? 俺、モテないし、こんなチャンス滅多にないからさ。今回に全てをかけてるんだよな! だから、お言葉に甘えさせてもらうわ。協力、頼んだ!!】
「……うーん? 既読、つかんな……」
いつもなら速攻で既読がつくのに。帰ったら仕事すると言ってたから、まだスマホを見ていないんだろうか。
「……」
俺は首を傾げ、秋風とのトークルームから出た。
それから、かりんちゃんに返信をする。
「ご飯ですねっ! 俺でよければ、ぜひぜひ! お店選びもお任せください! 楽しみでーす!! ……と。これで良いなっ」
(まあ、お任せくださいも何も、お店を教えてくれるのは秋風なんだがな……! なははは)
ここはありがたく、俺の手柄ということにさせてもらおう。女の子の前では、良い格好をしないと。
友達に選んでもらうとか言ったら、ダサいし。全部台無しだからな。
「……ふう……」
全てを終えた俺はスマホを置いて、ベッドにどさりと仰向けになった。
(今日は色んなことがあったなあ……)
正直、最後の最後で人生で初めて女の子からの誘いを受け、テンションが爆上がりすぎてしまった。俺の小さい脳みそじゃ処理しきれない。この興奮は。
「あー、楽しみだな~っ。かりんちゃんとのデート!」
天井を見つめながら、にへにへと口角が上がるのを抑えきれない。別に誰にも見られていないから、このまま変な顔しててもいいか。
「まず~、一回目は食事して! ヘマしなければ、二回目が来るわけ! そしたら、今度はご飯じゃなくて軽く遊びに行こーっと! そんで、三回目も誘って、今度は遠出とかしちゃうんだー」
一つ一つ指で数えつつ計画を立て、俺はうんうんと頷いた。
「そしてそして、四回目か五回目あたりで、ムードのあるところ行くぞっ。うん。遊園地の、観覧車の中とか! めちゃくちゃロマンチックなとこ! んで、良い感じになっちゃったりして、告白なんかしちゃったりして……! そ、そして、奇跡的にOKなんてもらえちゃったりしたら!! 俺の人生にもようやく初彼女が……────」
「……、…………?」
笑顔のまま、俺の表情筋も、思考も完全に止まった。
楽しい未来の妄想をしていたはずなのに。
なぜか……今。
急に……、ふっと、秋風の顔が脳裏に浮かんできたのだ。
──『あー……やっちゃった……』
今日──待ち合わせした時の、恥ずかしそうな秋風の顔。
──『……ごめんね……?』
写真に夢中すぎたのを反省した時の、しょげた顔。
──『王子様にでも、なるよ。なんにでもなるし、なんでもする』
靴を履かせてくれた時の、こっちを見上げてくる切実な顔。
── 『別に、俺もあれくらいできるもん』
音ゲーガチ勢に張り合っていた時の、拗ねた顔。
──『……あー、面白かった。波青は本当にかわいいね』
俺の予約ミスに爆笑して目尻を拭っていた時の、楽しそうな顔。
──『波青の貴重な時間を使ってくれて、ありがとう。誘ってくれた時……嬉しかった。今日は本当に、とても良い思い出になったよ』
夜ご飯を終えて目を伏せた時の、桜に攫われてしまいそうな顔。
──『波青は、月より綺麗だよ』
無理やり褒め言葉をひねり出した時の、苦しそうな顔。
──『本当に綺麗』
俺の背後の三日月を見た時の、眩しそうな顔。
── 『……このまま時間が止まってくれたら良いのにな……』
ボソッと呟いた時の、悲しそうな顔……。
「……」
なんで、こんなに。
秋風の顔ばかり浮かんでくるのは……なんでだ。
(……だって、あいつ……いろんな顔するんだもん)
出会った頃は、仮面みたいに、ニコニコしかしていなかったのに。
今は、意外と、コロコロ表情が変わるなって。思って。
だから、頭から離れない。それだけ……。
「…………」
── 『じゃあね。波青』
……そういえば……。
さっき、バイバイした時。背を向けられたから、見えなかったけど。
あの時秋風は、どんな顔をしていたんだろう?
「……」
なんでそんなことが、無性に気にかかるんだろう。
「……っ」
俺はぶんぶんと横に首を振って、「どうせ、普通の顔か!」と大きく声に出した。
想像したって答えの出ないことを考えても、仕方がない。
ただのバイバイだし、特別な顔も特にしていないだろう。
(そんなことより、今日の成果を確かめる為にグループチャットでも見るとするか!)
「うん、そうしよ……!」
俺は妙なモヤモヤした居心地の悪さを忘れるために、よしっと体を起こして、グループチャットのアプリを起動した。
バスケの試合を見学しに行った時なんか、男女問わずキャーキャー言われまくっているのをこの目で目撃した。
きっと今の高校でも人気者だろうし、それぞれ浴びるほど告白を受けるだろう。
だから俺も前に、『お前ら、彼氏彼女とか作らんの? 家に呼んだって良いんだぞ! そしたら俺、全力でもてなすからな~!』と提案したことがあるのだが、『要らなーい』『作らなーい』と一蹴されてしまった。
いわく、『おにいと同じくらい優しくてかっこよくてかわいい人がいたら良いけど』『にいちゃんと同じくらい優しくてかっこよくてかわいい人がいたら良いけど』『いないからね~』『無理だよね~』とのことらしい。
(いや、いるだろ……! 俺より優しくてかっこよくてかわいい? 人なんて、溢れるほどいるだろ!! 街中を歩いてみたら数歩に一人は出くわすレベルでいる!! というか、お前らのクラスメイト全員……いや、むしろ全人類がそうだろ……!!)
なんなんだその低すぎるハードルは……。と思ったが、双子は頑なに『いない』と却下してきた。
やばい。俺、育て方間違ったかも……。とその時は少し後ずさったものだ。
(俺に浮かれた話が今まで無かったのも関係してんのかな……)
二人は俺の背中を見て育ったから、全部俺をお手本にしている説はある。今まで俺が青春したり恋愛を楽しむことが一度もなかったから、本人達もそういったことに興味が出ないのかもしれない。
(なら、俺がリア充になれれば、変わるか……?)
そうかもしれない。
俺が率先して、恋愛って楽しい! 彼女サイコーー! というところを見せてあげれば、次第に二人にも年相応の情緒が芽生えてくれることだろう。
「よーし。頑張るぞ。あいつらの目を、そろそろ俺以外に向けさせないとな……!」
恋愛なんていつでもできると言えばそうだけど、同時に、学生の時にしかできないことは確実にある。
異性と手を繋いで帰ったり、制服で遊園地デートをしたり、イチャイチャプリクラを撮ったり、ハンバーガー食べながら一緒にテスト勉強したり、放課後の誰もいない教室でじゃれあったり……エトセトラ。
俺はどれもできなかった。彼女どころか友達すらろくにいなくて、バイトに明け暮れた高校時代だった。
結果、こんな……青春コンプレックスを拗らせた面倒くさすぎる二十四歳の出来上がりだ。
双子には、俺みたいになって欲しくない。あとで、『あーあ、あの時、兄兄言って過ごさなきゃ良かったな~。十代のピュアな恋愛は、若い時しかできなかったのに!!』と後悔しても遅いのだ。
それに、一生兄兄言ってるのは全く健全じゃないし、二人の為によくない気がする。
──『彼女はいた方がいいよ。これからの人生、ひとりの人と関係を深めて、恋人になって、ゆくゆくは結婚をするわけだからね。同じ指輪をつけて、人生を共に歩む伴侶を見つける。友達じゃ、そうはなり得ないよね』
「……」
秋風の言うように、ゆくゆくは伴侶を見つけてその人と人生を歩むわけだから。
海依斗も海乃莉も、もちろん俺も、それぞれにぴったりとハマる相手を見つけ、自分の人生を歩むべきだろう。少し寂しいけど。それが、普通だ。
「そうと決まれば、早く返信しないとな! かりんちゃんに……!!」
俺は急いでコップを洗い、シャワーを浴びに行って、ついでに秋風から借りたハンカチを手洗いをして、脱衣所で陰干しさせた。
それからいつものように適当にドライヤーを済ませ、歯磨きをして、軽く掃除した後、自分の部屋に飛び込んだ。
(完了! あとは、寝るまで自由時間だっ)
「……て、あ! そうだ……!」
俺は居間に置きっ放しだったボディバッグとふーもちアオくんを取りに行き、自分の部屋に戻った。
とりあえず、今日の戦利品を飾っておかねば。
まず、ふーもちアオくんは、テレビボードの上に置いてあげるとする。
「うんうん、良い感じ……!」
あと、コラボカフェでゲットしたポストカードと、ストロータグと、コースター……。
これはオープンラックに飾っておこう。
そんなふうにバッグから取り出して、いそいそとグッズを設置していたら、ふとコースターのアキと目が合った。
「……」
(あ……、秋風にもメッセージしなきゃな)
忘れていた。
(俺から誘って、忙しい中一日付き合ってくれたわけだし……お礼を言うのが筋だな)
俺はベッドに腰掛け、メッセージアプリを開いた。
「えーと……、どうしよ。とりあえず……今日はありがとう、で……」
ぶつぶつ声に出して呟きながら、スマホに文字を打ち込んでいく。
【秋風、今日はありがとう!! 最初から最後までずっと楽しかった。色々とちって、迷惑かけてごめん。本当助かった】
【あと、帰り際、なんでも相談乗ってくれるって言ってたのマジか? 俺、モテないし、こんなチャンス滅多にないからさ。今回に全てをかけてるんだよな! だから、お言葉に甘えさせてもらうわ。協力、頼んだ!!】
「……うーん? 既読、つかんな……」
いつもなら速攻で既読がつくのに。帰ったら仕事すると言ってたから、まだスマホを見ていないんだろうか。
「……」
俺は首を傾げ、秋風とのトークルームから出た。
それから、かりんちゃんに返信をする。
「ご飯ですねっ! 俺でよければ、ぜひぜひ! お店選びもお任せください! 楽しみでーす!! ……と。これで良いなっ」
(まあ、お任せくださいも何も、お店を教えてくれるのは秋風なんだがな……! なははは)
ここはありがたく、俺の手柄ということにさせてもらおう。女の子の前では、良い格好をしないと。
友達に選んでもらうとか言ったら、ダサいし。全部台無しだからな。
「……ふう……」
全てを終えた俺はスマホを置いて、ベッドにどさりと仰向けになった。
(今日は色んなことがあったなあ……)
正直、最後の最後で人生で初めて女の子からの誘いを受け、テンションが爆上がりすぎてしまった。俺の小さい脳みそじゃ処理しきれない。この興奮は。
「あー、楽しみだな~っ。かりんちゃんとのデート!」
天井を見つめながら、にへにへと口角が上がるのを抑えきれない。別に誰にも見られていないから、このまま変な顔しててもいいか。
「まず~、一回目は食事して! ヘマしなければ、二回目が来るわけ! そしたら、今度はご飯じゃなくて軽く遊びに行こーっと! そんで、三回目も誘って、今度は遠出とかしちゃうんだー」
一つ一つ指で数えつつ計画を立て、俺はうんうんと頷いた。
「そしてそして、四回目か五回目あたりで、ムードのあるところ行くぞっ。うん。遊園地の、観覧車の中とか! めちゃくちゃロマンチックなとこ! んで、良い感じになっちゃったりして、告白なんかしちゃったりして……! そ、そして、奇跡的にOKなんてもらえちゃったりしたら!! 俺の人生にもようやく初彼女が……────」
「……、…………?」
笑顔のまま、俺の表情筋も、思考も完全に止まった。
楽しい未来の妄想をしていたはずなのに。
なぜか……今。
急に……、ふっと、秋風の顔が脳裏に浮かんできたのだ。
──『あー……やっちゃった……』
今日──待ち合わせした時の、恥ずかしそうな秋風の顔。
──『……ごめんね……?』
写真に夢中すぎたのを反省した時の、しょげた顔。
──『王子様にでも、なるよ。なんにでもなるし、なんでもする』
靴を履かせてくれた時の、こっちを見上げてくる切実な顔。
── 『別に、俺もあれくらいできるもん』
音ゲーガチ勢に張り合っていた時の、拗ねた顔。
──『……あー、面白かった。波青は本当にかわいいね』
俺の予約ミスに爆笑して目尻を拭っていた時の、楽しそうな顔。
──『波青の貴重な時間を使ってくれて、ありがとう。誘ってくれた時……嬉しかった。今日は本当に、とても良い思い出になったよ』
夜ご飯を終えて目を伏せた時の、桜に攫われてしまいそうな顔。
──『波青は、月より綺麗だよ』
無理やり褒め言葉をひねり出した時の、苦しそうな顔。
──『本当に綺麗』
俺の背後の三日月を見た時の、眩しそうな顔。
── 『……このまま時間が止まってくれたら良いのにな……』
ボソッと呟いた時の、悲しそうな顔……。
「……」
なんで、こんなに。
秋風の顔ばかり浮かんでくるのは……なんでだ。
(……だって、あいつ……いろんな顔するんだもん)
出会った頃は、仮面みたいに、ニコニコしかしていなかったのに。
今は、意外と、コロコロ表情が変わるなって。思って。
だから、頭から離れない。それだけ……。
「…………」
── 『じゃあね。波青』
……そういえば……。
さっき、バイバイした時。背を向けられたから、見えなかったけど。
あの時秋風は、どんな顔をしていたんだろう?
「……」
なんでそんなことが、無性に気にかかるんだろう。
「……っ」
俺はぶんぶんと横に首を振って、「どうせ、普通の顔か!」と大きく声に出した。
想像したって答えの出ないことを考えても、仕方がない。
ただのバイバイだし、特別な顔も特にしていないだろう。
(そんなことより、今日の成果を確かめる為にグループチャットでも見るとするか!)
「うん、そうしよ……!」
俺は妙なモヤモヤした居心地の悪さを忘れるために、よしっと体を起こして、グループチャットのアプリを起動した。
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