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参ノ章:激突
第64話 ネゴシエーター
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仁豪町の北西部を占めている豊博府地区は、この町においてもかなり近代化の進んだ建築物の目立つ地域であった。いわば葦が丘地区における、嵐鳳財閥が管理をしている区画を地区全体に広げた様な物であり、住人達におおよそ庶民と呼ばれる程度の者達はほとんどいない。
元はそのような地域では無かったのだが、一部の勢力によって現世との交流が積極的に行われるようになった結果、仁豪町における物流と情報の統制という役割を自然と担い、これによって現世の多様な物資や富を入手しやすくなったのが成り立ちであった。そこから物品を元手に商売を行って成り上がった者達が非常に多いのだが、親類同士で固まっている組織や企業のみが残ってしまい、招良河地区以上に余所者の介入を毛嫌いしている始末である。
その一角のホテルの前に、黒いスーツを来たコンシェルジュたちが待機をしていた。ホテルの入り口を不機嫌そうに見返し、改めて腕時計の時刻をチェックする。電話で上司に報告を行ってから、何度もこの動作を繰り返していた。雇い主の目もある以上、急いでもらわなければ困る。
だが、自分達の焦りは全くの杞憂だった。見慣れた三台のミニバンと、綺麗に整備された事が分かるほどに輝く車体をした大型ピックアップトラックが正面の入り口に止まった。すぐさまミニバンから鬼たちが肩を慣らしながら現れ、それと同時にピックアップトラックからも窮屈そうに亜弐香が姿を見せる。ジャケットを羽織っており、ネクタイまで付けていた。
「若頭、一人で運転って退屈じゃなかったですかい ?」
鬼の一人がストレッチをしている彼女に話しかけた。この町では飲酒運転など誰も気にしないせいか、全員少しテンションが高い。
「だって、僕こんな体だし。乗っちゃうと皆くつろげないでしょ」
言われてみればそうである。身長の高さも太ましい横の幅も含め、亜弐香と同じ車に乗るのは暑苦しいどころの話では無い。察してくれたことが嬉しいのか、彼女は少しだけ愛想笑いを浮かべてから、全員を待機させて先にホテルへ乗り込む。目的地のレストランは二十八階であり、そこまで昇って行く必要があった。
入る時と同様に屈みながらエレベーターを出て行ってから、レストランの受付に向かう。すると落ち着きの無かったスタッフが安堵したように顔を明るくし、近くに駆け寄ってからレストランの会員証を手渡して来る。事前に連絡のあった通りではあるが、他人の会員証を盗用している可能性があるとして店には入店させずにいるとの事であった。
ふとレストランから外れた廊下の奥の方を見ると、確かに怒鳴っている間抜けな集団がいた。別に珍しい種族では無いが、化け猫である。自分の部下である先鋒達がレストランから引き離してはいるが、あのまま居座られて目に付く事になれば部外者にとっては不愉快に違いない。
「後は大丈夫」
受付のスタッフに優しく言い聞かせてから、彼女はその会員証をシャツの胸ポケットにしまってから騒ぎ立てている集団の方へ向かった。彼らを食い止めて落ち着かせようとしていた部下の一人が、自分を見て一礼をした事で迷惑客たちも少し落ち着く。落ち着くというよりは、彼女の体躯を見て気圧されたと言った方が正しいのかもしれないが。
「ご挨拶が遅れて申し訳ありません」
刺激をしない様に落ち着いた物言いから亜弐香は入り、名刺ケースから自身の名刺を取り出す。”フロム・リンボ・ソリューションズ”という社名が、愛らしくデフォルメされた鬼のキャラクターと共に書かれていた。
「当ホテルの社外顧問…裂田と申します。支配人が別件で不在のため、代理として対応に参りました」
彼女は張り付いたような笑顔と共に一礼をした。
「話は伺っております。会員証を見せたのにもかかわらず、レストランへの入店を拒否されたと…お間違いはないですか ?」
「そ…そや ! 俺のカードを見せたら、怪しいとかほざきよってな ! そんな理由で大事なお得意さんを足蹴にしてええわけないやろ ! な⁉」
「成程。それにつきましては、不愉快な思いをさせてしまい大変失礼しました 」
事情を聞いた亜弐香が演技ではあるが申し訳なさそうな態度を見せるや否や、化け猫の集団たちはみるみる機嫌を良くし始める。クレーマーにありがちな、相手が己に屈服する姿を見て自身の存在価値を上等だと思い込む。そんな醜悪な自己肯定方法であった。
「…ところで、ご存じですか ?」
だが、彼らの空気を一変させようと亜弐香が動いた。
「当ホテルのレストランで使われる会員証には、それぞれIDを設定しております。スタッフであれば会員証を使ってお客様の情報にアクセスが可能であり、不審に思った際には事前に紐づけした緊急連絡先へ確認を取る事も可能です」
「…な、なんや急に」
「既に登録されている情報からカードの持ち主に連絡を行っていますが、どういうわけか応答が無いのです。何より、このカードの持ち主は来週にディナーでの予約を取っています。こちらに変更の連絡を入れる事もしないのに、もてなしてくれると踏んで来た…そのような解釈でよろしいですか ?」
「お、おう。来週予定が入ってな ! しょうがなく、どうにか今日に変更できんかって来たんや ! ワシの大事な友達にここの美味い飯食わせたいって前から思ってたんやで ! 頼むわホンマ」
迷惑客のリーダーと思わしきオスの化け猫は、とうとう情に訴えかけだす。この期に及んで白を切るつもりでいる…そのふてぶてしさだけは褒めてやりたい気分だった。
「…随分と気が変わったのですね」
「あ ?」
「こちらのお客様は個室で、それも一人での予約をされていましたよ。”お気に入りの店は皆に秘密にしておきたいのよ”なんて、いつもシェフを呼んで嬉しそうに話していたそうです。何より…お調べした所、この会員証の持ち主は女性です。まさか、あなた様が御本人だと仰るおつもりですか ?」
亜弐香の指摘に、迷惑客のリーダーはバツが悪そうな顔をする。その後ろで、何やらスマホを弄っている者もいた。指の動きからして恐らくフリップの動作…誰かを連絡を取っている可能性がある。こんな所で呑気にネットサーフィンなどするわけもないからだ。
「何がしたいのかはわかりませんが、これでも尚お引き取り願えないのであれば…こちらも実力行使という事になります。我々としては不快な思いをさせたくない…また改めて、来店していただけないでしょうか ?」
亜弐香が最終警告を出すが、迷惑客達もとい盗人どもは静かであった。諦めたわけでは無いだろう。手筈通りに動いている事に納得をしているかのように互いに目を見合わせており、食い下がる気が無いのは彼らの放つ殺気で分かる。ハナから食事が目的では無さそうだった。
「やっぱり…どうも納得できんなあ」
迷惑客のリーダーが放ったわざとらしい発言は、明確な言いがかりであった。抑揚のない声で、それもこちらを凝視しながら発言する姿が不自然すぎる。この展開を最初から狙っていたのだろう。
「楽しみにしてた以上、ワシらも引き下がるわけにはいかん。腹を割って話をしたいんやけど…表まで来てくれんか ? それぐらいしてくれるやろ ?」
「ええ、いいですよ」
いかにもな挑発が続けて来るが、亜弐香は特に不満も無さそうに同意する。やはり対話なんかよりも体を動かす事の方が、自分にはつくづく性に合ってるらしい。体がウズウズし始めていた。
彼らのお望み通りエレベーターに乗り、再び一階まで戻ってから玄関の前で待つことにした彼女だが、部下たちが礼をして迎えてくれた直後にそれは起こった。大型のトレーラーが二台、周りのガードレールや標識を壊しながら豪快に現れ、ホテルの前で急停車したのだ。車を停めているロータリーを塞いでしまっており、少なくとも脱出は難しいだろう。
「な、何だこいつら⁉」
同伴する事になった平治が慌てふためくが、隣にいた老齢の鬼が平然と金棒を渡して来た。
「死にたくねえだろ。使え」
彼の言葉から何が起こるかを察した平治が、金棒を断る理由は無かった。威勢のいい返事をする事すら無く、無言で受け取ってからへっぴり腰で構える姿を亜弐香が眺めていると、後ろから笑い声がする。
「まさかホンマに出てくれるとは思わんかったわ ! 取締役だか何だか知らんが、この場でぶっ殺したるわっ!!」
トレーラーの一台から、鉄仮面を被った化け猫の集団が出てきたのと同じタイミングで、クレーマー達もどこからか用意してきた武器を携えて背後から怒鳴る。だが、当の亜弐香は肩を落とし、ため息交じりに脱いだジャケットとネクタイを地面に捨てた。何とも平凡な喧嘩の仕方である。そんな風に落胆していたのだ。
元はそのような地域では無かったのだが、一部の勢力によって現世との交流が積極的に行われるようになった結果、仁豪町における物流と情報の統制という役割を自然と担い、これによって現世の多様な物資や富を入手しやすくなったのが成り立ちであった。そこから物品を元手に商売を行って成り上がった者達が非常に多いのだが、親類同士で固まっている組織や企業のみが残ってしまい、招良河地区以上に余所者の介入を毛嫌いしている始末である。
その一角のホテルの前に、黒いスーツを来たコンシェルジュたちが待機をしていた。ホテルの入り口を不機嫌そうに見返し、改めて腕時計の時刻をチェックする。電話で上司に報告を行ってから、何度もこの動作を繰り返していた。雇い主の目もある以上、急いでもらわなければ困る。
だが、自分達の焦りは全くの杞憂だった。見慣れた三台のミニバンと、綺麗に整備された事が分かるほどに輝く車体をした大型ピックアップトラックが正面の入り口に止まった。すぐさまミニバンから鬼たちが肩を慣らしながら現れ、それと同時にピックアップトラックからも窮屈そうに亜弐香が姿を見せる。ジャケットを羽織っており、ネクタイまで付けていた。
「若頭、一人で運転って退屈じゃなかったですかい ?」
鬼の一人がストレッチをしている彼女に話しかけた。この町では飲酒運転など誰も気にしないせいか、全員少しテンションが高い。
「だって、僕こんな体だし。乗っちゃうと皆くつろげないでしょ」
言われてみればそうである。身長の高さも太ましい横の幅も含め、亜弐香と同じ車に乗るのは暑苦しいどころの話では無い。察してくれたことが嬉しいのか、彼女は少しだけ愛想笑いを浮かべてから、全員を待機させて先にホテルへ乗り込む。目的地のレストランは二十八階であり、そこまで昇って行く必要があった。
入る時と同様に屈みながらエレベーターを出て行ってから、レストランの受付に向かう。すると落ち着きの無かったスタッフが安堵したように顔を明るくし、近くに駆け寄ってからレストランの会員証を手渡して来る。事前に連絡のあった通りではあるが、他人の会員証を盗用している可能性があるとして店には入店させずにいるとの事であった。
ふとレストランから外れた廊下の奥の方を見ると、確かに怒鳴っている間抜けな集団がいた。別に珍しい種族では無いが、化け猫である。自分の部下である先鋒達がレストランから引き離してはいるが、あのまま居座られて目に付く事になれば部外者にとっては不愉快に違いない。
「後は大丈夫」
受付のスタッフに優しく言い聞かせてから、彼女はその会員証をシャツの胸ポケットにしまってから騒ぎ立てている集団の方へ向かった。彼らを食い止めて落ち着かせようとしていた部下の一人が、自分を見て一礼をした事で迷惑客たちも少し落ち着く。落ち着くというよりは、彼女の体躯を見て気圧されたと言った方が正しいのかもしれないが。
「ご挨拶が遅れて申し訳ありません」
刺激をしない様に落ち着いた物言いから亜弐香は入り、名刺ケースから自身の名刺を取り出す。”フロム・リンボ・ソリューションズ”という社名が、愛らしくデフォルメされた鬼のキャラクターと共に書かれていた。
「当ホテルの社外顧問…裂田と申します。支配人が別件で不在のため、代理として対応に参りました」
彼女は張り付いたような笑顔と共に一礼をした。
「話は伺っております。会員証を見せたのにもかかわらず、レストランへの入店を拒否されたと…お間違いはないですか ?」
「そ…そや ! 俺のカードを見せたら、怪しいとかほざきよってな ! そんな理由で大事なお得意さんを足蹴にしてええわけないやろ ! な⁉」
「成程。それにつきましては、不愉快な思いをさせてしまい大変失礼しました 」
事情を聞いた亜弐香が演技ではあるが申し訳なさそうな態度を見せるや否や、化け猫の集団たちはみるみる機嫌を良くし始める。クレーマーにありがちな、相手が己に屈服する姿を見て自身の存在価値を上等だと思い込む。そんな醜悪な自己肯定方法であった。
「…ところで、ご存じですか ?」
だが、彼らの空気を一変させようと亜弐香が動いた。
「当ホテルのレストランで使われる会員証には、それぞれIDを設定しております。スタッフであれば会員証を使ってお客様の情報にアクセスが可能であり、不審に思った際には事前に紐づけした緊急連絡先へ確認を取る事も可能です」
「…な、なんや急に」
「既に登録されている情報からカードの持ち主に連絡を行っていますが、どういうわけか応答が無いのです。何より、このカードの持ち主は来週にディナーでの予約を取っています。こちらに変更の連絡を入れる事もしないのに、もてなしてくれると踏んで来た…そのような解釈でよろしいですか ?」
「お、おう。来週予定が入ってな ! しょうがなく、どうにか今日に変更できんかって来たんや ! ワシの大事な友達にここの美味い飯食わせたいって前から思ってたんやで ! 頼むわホンマ」
迷惑客のリーダーと思わしきオスの化け猫は、とうとう情に訴えかけだす。この期に及んで白を切るつもりでいる…そのふてぶてしさだけは褒めてやりたい気分だった。
「…随分と気が変わったのですね」
「あ ?」
「こちらのお客様は個室で、それも一人での予約をされていましたよ。”お気に入りの店は皆に秘密にしておきたいのよ”なんて、いつもシェフを呼んで嬉しそうに話していたそうです。何より…お調べした所、この会員証の持ち主は女性です。まさか、あなた様が御本人だと仰るおつもりですか ?」
亜弐香の指摘に、迷惑客のリーダーはバツが悪そうな顔をする。その後ろで、何やらスマホを弄っている者もいた。指の動きからして恐らくフリップの動作…誰かを連絡を取っている可能性がある。こんな所で呑気にネットサーフィンなどするわけもないからだ。
「何がしたいのかはわかりませんが、これでも尚お引き取り願えないのであれば…こちらも実力行使という事になります。我々としては不快な思いをさせたくない…また改めて、来店していただけないでしょうか ?」
亜弐香が最終警告を出すが、迷惑客達もとい盗人どもは静かであった。諦めたわけでは無いだろう。手筈通りに動いている事に納得をしているかのように互いに目を見合わせており、食い下がる気が無いのは彼らの放つ殺気で分かる。ハナから食事が目的では無さそうだった。
「やっぱり…どうも納得できんなあ」
迷惑客のリーダーが放ったわざとらしい発言は、明確な言いがかりであった。抑揚のない声で、それもこちらを凝視しながら発言する姿が不自然すぎる。この展開を最初から狙っていたのだろう。
「楽しみにしてた以上、ワシらも引き下がるわけにはいかん。腹を割って話をしたいんやけど…表まで来てくれんか ? それぐらいしてくれるやろ ?」
「ええ、いいですよ」
いかにもな挑発が続けて来るが、亜弐香は特に不満も無さそうに同意する。やはり対話なんかよりも体を動かす事の方が、自分にはつくづく性に合ってるらしい。体がウズウズし始めていた。
彼らのお望み通りエレベーターに乗り、再び一階まで戻ってから玄関の前で待つことにした彼女だが、部下たちが礼をして迎えてくれた直後にそれは起こった。大型のトレーラーが二台、周りのガードレールや標識を壊しながら豪快に現れ、ホテルの前で急停車したのだ。車を停めているロータリーを塞いでしまっており、少なくとも脱出は難しいだろう。
「な、何だこいつら⁉」
同伴する事になった平治が慌てふためくが、隣にいた老齢の鬼が平然と金棒を渡して来た。
「死にたくねえだろ。使え」
彼の言葉から何が起こるかを察した平治が、金棒を断る理由は無かった。威勢のいい返事をする事すら無く、無言で受け取ってからへっぴり腰で構える姿を亜弐香が眺めていると、後ろから笑い声がする。
「まさかホンマに出てくれるとは思わんかったわ ! 取締役だか何だか知らんが、この場でぶっ殺したるわっ!!」
トレーラーの一台から、鉄仮面を被った化け猫の集団が出てきたのと同じタイミングで、クレーマー達もどこからか用意してきた武器を携えて背後から怒鳴る。だが、当の亜弐香は肩を落とし、ため息交じりに脱いだジャケットとネクタイを地面に捨てた。何とも平凡な喧嘩の仕方である。そんな風に落胆していたのだ。
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