終生飼育は原則ですから

乃浦

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被保護編 339年

339年1月2-2

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「私が結婚した方がいいんじゃないかとも思うんだけど」
「レイとですか?」
「まさか。誰か適当な人と。ソサイゾ派だった貴族とすればいいんじゃないかと。できれば田舎に住んでる人がいいんだけど、適当な人はいない?」
「いません」
「年下は気の毒だけど、五十代とか六十代でもいいならいるでしょ」
「いません。私はお気の毒で選べません」
「そうだよね。いくら形だけでも目障りな人間が来たら嫌か・・・勝手なことを考えた」
 そちらですか。そうじゃない。

「レイはあなたの相手を処分しますよ」
 怪訝な顔をしたが、理由を思いついたらしい。
「私が入りこんで処分理由を見つけると? 処分しないで共存するために行こうと思うんだけど。それとも」
 ようやく予測した答えか?
「私が選んだから?」
 そうです。ただ選んだから。

「私が目をつけた時点で、最も敵対しそうな人間ではあるかもしれない。けれど何も事を起こさないのに処分はできない」
 違う。やはり違う。レイはあなたが関係する限り、あなたが予測するような理性的思考はできない。
 さっさと押し倒して、そして嫌われ避けられればいい。
 そうなっても説得すれば、彼女は私の側には留まる。

「レイと結婚はできないんですか?」
「なぜシルヴィオまでそんなことを?」
「レイが望んでいるからです」
「・・・それは、私を好きって言うか、そういう意味で?」
「愛しています」
 レイの為に言う。
 彼女は深刻に俯いた。なぜここまで嫌がる?
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