すれ違ってしまった恋~期限付きだけど…やり直します~

秋風 爽籟

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14話 初めての試合見学

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7月…



もうすぐ夏休みだ…

何して過ごそう…

昔の私は、何をして遊んでたんだろうな…



剣はクラブだろうしなぁ。

夏で引退だしね…



「剣、夏休みもクラブだよね?」



「うん、そうだな…しかも、試合あるし…」



「そうだよね…またも一緒にどこかに行けないなぁ…」



「楓、25日暇なら試合見に来る?」



「えっ、いいの?暇で~す」



「なら、祥子と来たら?」



「分かった。祥子に聞いてみる」



楓は、祥子にすぐ聞いてみた。



「祥子、剣たち25日に試合あるんだって。一緒に行かない?」



「ホント?行きたい」



「祥子の好きな、誠まことも野球部だからいいんじゃない?」



「だから…行きたいんだよ…」



祥子は、先輩にチョコをあげたけど…見事に振られていた…

それにしても、気が変わるの早いな…



「そうだね…行こう行こう」



前の人生では試合を見に行ったことは無かった…

本当に私達は付き合ってたのか?っていうくらい何もしていないよね。

今度こそ、付き合ってるって日々を過ごしたい。



25日、当日…



楓は、祥子の家に迎えに行って…

一緒に電車に乗って試合がある学校に行った。

剣たち野球部のみんなはもう来てる。

野球部って、後輩も結構いるんだね…



「相手の学校って、けっこう強いらしいよ」



って祥子が言った。どうやら野球部の友達に聞いたらしい…



「そうなんだ?剣たち大丈夫かな?」



心配した通り、1回裏で相手に1点取られてしまった…

そして2回表も点を取れず…



そのまま、相手も剣のチームも点が取れずに5回まで進んだ。

5回表、剣のバッターの順番になった。



「剣、頑張ってー」



と、声を出してみた。

その声を聞いて、剣が一瞬、楓の方を見た気がした…



剣は、ヒットを出して…2塁までいった。

野球のルールは、あまり分からないけど…

剣すごい!!



そして、次は4番バッターの仁ひとしだ。



「祥子が、仁打ってー」



と声を掛ける。



仁は、ホームランを打った。

一気に歓声があがる…



「やったー!」



楓は祥子と飛び上がって喜んだ…



そのまま、お互いに点が取れず…

試合終了…



「剣、すごいよー。おめでとう」



「ありがとう。でも今日勝ったから、来週も試合になっちゃったよ」



「そうか…そんなのいいよ。試合頑張ってね」



「うん…次は、遠い学校だから来て貰えないけど…頑張るよ」



「分かった。応援してるね」



祥子は、この試合を見に行ったことがきっかけで

誠と付き合い始めた…



楓は、剣の試合が見れて本当に嬉しかった。



これから、まだまだ続く夏休み…

剣に会えなくて寂しくなっても絶対に

よそ見はしない…
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