14 / 31
2章 3話 梓の将来
しおりを挟む
高校生活も、それなりに楽しかった。
正直、普通の高校生みたいに帰りに何処かに遊びに行ったりも出来ない…
帰りは迎えが来るし…
高校の中という狭い世界だけで
バイトなんてできるわけもない…
たまにはカラオケに行ったりしたいよ…
一度だけ、律と友達とカラオケに行ったことがある。
文化祭の後の打ち上げに行きたいと母に頼んだ…
母は父に内緒よって…
行かせてくれた。
すごく楽しかった…
律に
「大学どうするの?」
って聞いたら、律は…
「俺は、経営の勉強をして父さんの会社を継ぐよ」
「梓は、どうするんだ?」
「私は、どうしようかな…出版社とか…勤めてみたいなって思ってる」
「じゃ、大学は別々になりそうだな…」
「そうかもね…」
ある日、父が…
「梓、大学はどうするんだ?」
と聞いてきた。
「どうしようか迷っている…私、将来何になりたいか、まだ分からないけど…普通にお勤めしたいな…」
「梓は、勤めには出なくていい」
「え?なんで?私、仕事してみたい」
「梓は、大学を出たら…結婚しなさい」
「え?誰と?」
「お父さんの知り合いの息子さんとだ。そうすれば会社も、もっと大きくできる」
「……嫌だよ。私は好きな人と結婚したい」
「これは、決まっていることなんだ…我儘言うんじゃない」
梓は、泣いて頼んだけど…
父は、ダメだと言い張った。
なんでなの?
このままいけば、元と会えたって…
結婚していることになってしまう。
私は、まだ高校生なのに…
大学を卒業するころには、状況も変わっているかもしれない…
それにかけるしかない…
そして…
大学は、無難な大学に行かされた。
兄は、大学を卒業してから、父の会社に入った。
叔母が来た時に、相談してみた。
「お父さんが、大学を卒業したら結婚しろって言うんだけど…」
「やっぱり?私も、そう言われたんだけど…私は逃げた。それに父は、分かってくれたんだ…」
「そうか…やっぱお爺ちゃんは、優しいもんね。でもうちの父は強情だから…」
「父が許してくれたから、今こうして幸せだよ…好きな人と結婚して、駿も生まれて…」
駿は、中学生になっていた。
―――私の可愛い長男…叔母さんの所に生まれて良かったね。
「私の人生どうなるんだろう?不安しかないよ」
「ま、またいつでも相談に乗るから…」
「うん…」
とりあえず、大学生活では就職できるように色々な資格を取った。
梓は、アルバイトをしたことがない…
それも、どうかと思ったから、夏休みにゼミがあるからと
嘘をついて本屋さんでアルバイトをした。
律とは、ちょこちょこ連絡を取って会っている。
相変わらず…彼女は定着しないみたいだけど…
律にも相談してみた。
「お父さんがさ、大学出たら知り合いの息子さんと結婚しろって言うんだけど…」
「マジか…俺も、政略結婚させられると思うよ…」
「そうなの?」
「親が、そんな話をしてるの聞いちゃったんだ…だから遊びまくってるってわけ…」
「そうか…。でも、あんたが遊びまくってるのは前からでしょ?」
「はははっ、そうだったけ?」
律は、割り切っているんだろうな…
でも、私には元に会うという目標がある。
なんとか…逃げるしかない…
正直、普通の高校生みたいに帰りに何処かに遊びに行ったりも出来ない…
帰りは迎えが来るし…
高校の中という狭い世界だけで
バイトなんてできるわけもない…
たまにはカラオケに行ったりしたいよ…
一度だけ、律と友達とカラオケに行ったことがある。
文化祭の後の打ち上げに行きたいと母に頼んだ…
母は父に内緒よって…
行かせてくれた。
すごく楽しかった…
律に
「大学どうするの?」
って聞いたら、律は…
「俺は、経営の勉強をして父さんの会社を継ぐよ」
「梓は、どうするんだ?」
「私は、どうしようかな…出版社とか…勤めてみたいなって思ってる」
「じゃ、大学は別々になりそうだな…」
「そうかもね…」
ある日、父が…
「梓、大学はどうするんだ?」
と聞いてきた。
「どうしようか迷っている…私、将来何になりたいか、まだ分からないけど…普通にお勤めしたいな…」
「梓は、勤めには出なくていい」
「え?なんで?私、仕事してみたい」
「梓は、大学を出たら…結婚しなさい」
「え?誰と?」
「お父さんの知り合いの息子さんとだ。そうすれば会社も、もっと大きくできる」
「……嫌だよ。私は好きな人と結婚したい」
「これは、決まっていることなんだ…我儘言うんじゃない」
梓は、泣いて頼んだけど…
父は、ダメだと言い張った。
なんでなの?
このままいけば、元と会えたって…
結婚していることになってしまう。
私は、まだ高校生なのに…
大学を卒業するころには、状況も変わっているかもしれない…
それにかけるしかない…
そして…
大学は、無難な大学に行かされた。
兄は、大学を卒業してから、父の会社に入った。
叔母が来た時に、相談してみた。
「お父さんが、大学を卒業したら結婚しろって言うんだけど…」
「やっぱり?私も、そう言われたんだけど…私は逃げた。それに父は、分かってくれたんだ…」
「そうか…やっぱお爺ちゃんは、優しいもんね。でもうちの父は強情だから…」
「父が許してくれたから、今こうして幸せだよ…好きな人と結婚して、駿も生まれて…」
駿は、中学生になっていた。
―――私の可愛い長男…叔母さんの所に生まれて良かったね。
「私の人生どうなるんだろう?不安しかないよ」
「ま、またいつでも相談に乗るから…」
「うん…」
とりあえず、大学生活では就職できるように色々な資格を取った。
梓は、アルバイトをしたことがない…
それも、どうかと思ったから、夏休みにゼミがあるからと
嘘をついて本屋さんでアルバイトをした。
律とは、ちょこちょこ連絡を取って会っている。
相変わらず…彼女は定着しないみたいだけど…
律にも相談してみた。
「お父さんがさ、大学出たら知り合いの息子さんと結婚しろって言うんだけど…」
「マジか…俺も、政略結婚させられると思うよ…」
「そうなの?」
「親が、そんな話をしてるの聞いちゃったんだ…だから遊びまくってるってわけ…」
「そうか…。でも、あんたが遊びまくってるのは前からでしょ?」
「はははっ、そうだったけ?」
律は、割り切っているんだろうな…
でも、私には元に会うという目標がある。
なんとか…逃げるしかない…
1
あなたにおすすめの小説
貴方の幸せの為ならば
缶詰め精霊王
恋愛
主人公たちは幸せだった……あんなことが起きるまでは。
いつも通りに待ち合わせ場所にしていた所に行かなければ……彼を迎えに行ってれば。
後悔しても遅い。だって、もう過ぎたこと……
【完】まさかの婚約破棄はあなたの心の声が聞こえたから
えとう蜜夏
恋愛
伯爵令嬢のマーシャはある日不思議なネックレスを手に入れた。それは相手の心が聞こえるという品で、そんなことを信じるつもりは無かった。それに相手とは家同士の婚約だけどお互いに仲も良く、上手くいっていると思っていたつもりだったのに……。よくある婚約破棄のお話です。
※他サイトに自立も掲載しております
21.5.25ホットランキング入りありがとうございました( ´ ▽ ` )ノ
Unauthorized duplication is a violation of applicable laws.
ⓒえとう蜜夏(無断転載等はご遠慮ください)
もう何も信じられない
ミカン♬
恋愛
ウェンディは同じ学年の恋人がいる。彼は伯爵令息のエドアルト。1年生の時に学園の図書室で出会って二人は友達になり、仲を育んで恋人に発展し今は卒業後の婚約を待っていた。
ウェンディは平民なのでエドアルトの家からは反対されていたが、卒業して互いに気持ちが変わらなければ婚約を認めると約束されたのだ。
その彼が他の令嬢に恋をしてしまったようだ。彼女はソーニア様。ウェンディよりも遥かに可憐で天使のような男爵令嬢。
「すまないけど、今だけ自由にさせてくれないか」
あんなに愛を囁いてくれたのに、もう彼の全てが信じられなくなった。
私ってわがまま傲慢令嬢なんですか?
山科ひさき
恋愛
政略的に結ばれた婚約とはいえ、婚約者のアランとはそれなりにうまくやれていると思っていた。けれどある日、メアリはアランが自分のことを「わがままで傲慢」だと友人に話している場面に居合わせてしまう。話を聞いていると、なぜかアランはこの婚約がメアリのわがままで結ばれたものだと誤解しているようで……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる