従者は知らない間に外堀を埋められていた

SEKISUI

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 アラモード公爵家に連行された私
 お部屋は悪役令息のショコラ様のお隣の部屋
 「何故にここ?」
 ここ下っ端の使用人部屋じゃないよね
 広いよ
 置かれた調度品は絶対高いやつ
 ベッドはどう見てもフカフカでシーツは絹でしょ
 可怪しいよ
 「お前は誰に使えるつもりだ?」
 「ゆくゆくは貴方様にですが」
 「そうだろう。ならば俺の隣の部屋で問題ない」
 イヤイヤイヤ何言ってるのレベル1の従者が公爵令息に使えられるわけないじゃない
 「私は未熟者中の未熟者まだこの部屋を使わせてもらう資格はありません」
 「お前は誰の者だ」
 「えっ?」
 私は私のものですけど
 ちょっと意味がわかりませんね
 「俺のものだろ」
 ドヤ顔でおっしゃられました
 腕組んで胸を張って偉そう
 実際偉いんだけど、親が
 「???」
 「今日からお前の主人は俺だ」
 雇い主は貴方ではないよ
 公爵様だからね
 回り回ってそうなのかな
 「・・・アハハ・・・ソデスネ」
 お前のモノは俺のモノ的なジャ〇ヤニズムですかね?
 「わかってるならいい」
 意味がわからんわぁ
 「えぇっとですが私はまだ1つの仕事すらまともに出来ません、この部屋を使わせてもらうなど時期早々です。故に先ず私は仕事を覚える為に使用人部屋から始めるべきではないかと思われます」
 研修すら受けてません
 お茶位は淹れられますが所詮自己満足
 寧ろただのお茶位しか入れられません
 給仕としてはド素人
 「俺専属の従者になるのだぞ。何時でも駆けつけられる様に俺の隣の部屋が一番いいだろう。それとも俺の隣は不満か?」
 どおしても隣に住まわせる気だな・・・・いきなり下っ端が公爵令息の隣の部屋だなんて妬まれないかな?
 でもこの坊っちゃんは聞かないみたいだ
 「イイエ滅相モナイ。ウレシイナア」
 ハァ~隣だと落ち着かないんだけど、遠回しに申し上げたんですがダメだった
 「大体お前は今日からアラモード家の人間だ」
 違いますよ
 リーフ家の者です
 「問題ない」
 イヤイヤ問題しかありませんから
 ダメです
 「今は俺専属の従者だ」
 確かに専属の従者とのことでしたが1年後のはず
 まだ専属じゃありません
 あくまで専属見習い

  
    その日は仕事はせずに荷物の片付けたら悪役令息にお茶に誘われた
 「座れ」
 ご自分の膝を叩かれました
 気付かなかったことにしよう
 私はそっと向かいへ腰掛けた
 「そこじゃない、ここだ」
 いえいえそれは椅子ではなく膝ですよ
 「どこの世界に従者を膝に乗せる主人がいるのです」
 ダメですよ
 主従関係が可怪しくなるからね
 下克上も捨てがたいが相手は私ですから、ちょっと違う
 「今は友人としてお茶に誘ったのだ。気にせず座れ」
 再びポンポンと膝を叩かれる
 いや友人としても変だから
 もしや仕事モードになったら私が悪役令息を膝に乗せないといけないのだろうか?
 遠慮させて頂きたい

 「俺はもうお前位は乗せられる」
 「ん?」
 「兄君の膝には乗っていただろう」
 え~昔のこと根に保たれてた
 何年前の話だよ
 執念深かった
 仕方ない
 「お邪魔します」
 座りましたよ
 恥しかったけど、これでいいですか?
 「ふふ♪」 
 ちょうご機嫌じゃん
 これで面目はたもたれたのかな
 腰に手を回されてギュウギュウ抱きしめられた
 どんだけ嬉しいんだ
 まぁいいか

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