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第八章 霜月(十一月)
195.十一月十八日 午後 魂抜きの儀
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色々な意味で心配されていた週末の天気だが、八早月の願いが通じたのか冬らしく乾いた晴れ間となっていた。これならば気分よく儀式に集中できると言うものである。
「八早月ちゃん一人じゃなかったんだね。
結構大仰なことになるみたいでびっくりしちゃった」
「私一人でもできなくはないのだけれど、体力を消耗し過ぎると大変なのよ。
綾乃さんが抱えて連れて行ってくれるならそれでもいいのだけどね?
と言うのは冗談で、本当は儀式で巫が倒れたら周囲が心配するでしょう?」
「確かにそっか、本当に儀式が滞りなく済んだのかって不安になっちゃうもんね。
だからこんなに大人数でやるってわけか」
「儀式と言うのは効果だけではなく形式も必要なのよ。
綾乃さんのお宅を立てる前にも地鎮祭を執り行ったでしょう?
あれも最大限簡略化するなら神杭を打ち込むだけでいいのだから」
「確かにそれだとただ工事しただけっぽく感じちゃって効能を疑うかも。
形式って言うのも大切だってこと、凄くわかりやすいね」
「だから今日は時間がかかってしまうけれど終いまでお付き合いをお願いよ?
本当は次回以降に予定している祠の創建だけでも良かったのだけれどね。
綾乃さんにとっては藻さんを祀る本社が大切ですから必ず出席していただき、神事にも参加していただかなければなりません」
「ええっ!? そうなの? 私で何か役立てるならいいけど迷惑にならない?
神事と言っても巫女的な感じでそこにいればいいだけだよね?」
「それはまだ決めていませんが、神事は藻さんが望む形になるでしょうね。
ああそれと巳さんはこちらへは祀らないことになりました。
本人がどうしても八岐大蛇様のお側が良いと言って聞かないものですから」
「まあそりゃそうだよ、巳女さんにしてみたら厄介払いみたいに感じるかもだし。
藻様は私が生きているうちはきっちりお祀りしていくから安心してね」
「それほど気負わなくとも大丈夫、人々に必要とされなくなれば消えるのみ。
まあ今回のように魂抜きをせずに放置しているとこの場に呪縛されかねませんが」
「私はそんなに薄情じゃありませんよーだ。今だってもっと八岐神社へお参りに行きたいくらいなんだから見くびらないでよね?」
八早月は綾乃が責任を背負い込みすぎて重荷とならないよう気を使ったつもりだったのだが、綾乃は綾乃でちゃんと考えた上で覚悟を現したつもりだったのだ。その言葉を聞いて一番感銘を受けたのは当然のように藻であった。
こんな風に雑談をしながら祭事の支度が整うのを待っているのだが、どうにも退屈で仕方がないと言う者が三名ほどいる。正確には三名と五体で、八早月の両肩と頭の上に乗っている、美晴と夢路、そして巳女、さらには車の中でぐったりとしている美晴と夢路の本体である。
「神事なんてめったに見られないから面白そうって思って来てみたけどさ。
別に面白いことなんてなにもなかったかも……」
「でも行こうって言ったのはハルが最初じゃないの。
私は興味なくはないから構わないんだけど、待ち時間は確かに退屈だね。
この姿だとスマホで時間つぶしってわけにもいかないし」
「まったく失敬な、わらわに力を使わせておいて退屈とは何たることなのじゃ。
わらわだって無関係な神事に付き合いとうなかったのじゃよ?
それを主殿の命であるからこうしてやって来ていると言うのにこの小娘共は……」
「まあそう言わずにお願いよ? 巳さんだって祠を建てる時には儀式をするのよ?
その時には皆がお付き合いしてくれるのだから持ちつ持たれつでしょう?」
「確かに誰もいないよりは賑やかしがおった方が良いじゃろうが……
じゃが藻殿には僕もおるし巫女もおる、わらわにはなんもなく悔しいの蛇」
「そうはおっしゃいますが、私は巫女へ遣いを与えたわけではありませぬ。
いつの間にか僕が現れて巫女へ憑りつき、そを元に私が顕現したと言う順です。
いやはや縁と言うのはほんに面白いものでございますねえ」
「面白くないの蛇! わらわも遣いを呼び出してしまうかと考えてしまうのじゃ。
いっそのことこの小娘共に憑りついてしまおうかと思わなくもないのじゃが……」
「そんなことできるの!? そしたらアタシも巫になれるならうれしいんだけど!」
「これ巳女殿、滅多な事を言うものではございませぬ、なあ主様?
我が巫女は決して気楽に過ごして来たわけではないのですぞ?」
「そうね、巳さんは危険性を無視しておかしなことを言わないで下さいな。
美晴さんや夢路さんが妖に追い回される毎日となりたいなら別ですけれどね。
綾乃さんの場合、幼少より繰り返されたそのような毎日を経て今があると言うことを忘れてはなりません」
二人に叱られた巳女は反省の態度を見せ、それを聞いた美晴も同じようにしょんぼりとうなだれた。どうやらその気の無かった夢路はケラケラと笑っており、一緒に綾乃が笑えていることを八早月は本当にうれしく感じていた。
「筆頭様、準備が整いました。ですが八畑宮司が『本当に巫女を連れてこなくて良かったのか』とまだ言っておりますので、改めて説明していただけますか?」
「わかりました、珍しいことなので不安なのかもしれません。
では聡明さんは配置について待機願います、麗明も同様にお願いしますね」
筆頭家と七家の補助当番だからと駆り出された序列三番目である双宗聡明と、その呼士である麗明は八早月へ恭順の意を示し所定の場所へ向かった。その反対側には七草ドロシーと春凪が立っている。もちろん真宵もすでにその輪の中にいた。
これから例の三角地に祀られている牛塚の魂抜きを行うのだが、生活道路に隣接しているため、各所との調整に大分時間がかかってしまい伸び伸びとなっていた。いくら神事だとは言え勝手に行うことは出来ず、現代では神の力よりも行政の都合が優先されるのは致し方ないことだ。
八岐大蛇に許可を取ってから約ひと月、その間に久野町町長や町会長へ繋ぎを付けたり、所轄で道路使用許可を取ったり、普段のお役目の間を縫って初崎宿が事務手続きに奔走していた。
八早月がそう言った事務的なことをやろうとすると、まず身分証明の辺りで手続きが止まってしまうし、役場ならともかく警察や代議士相手だとさらに面倒なことになるのは目に見えている。
そんなことで結局出て行くのであれば、最初から自分でやるのが効率的だと言うことで、宿や耕太郎が貧乏くじを引いて事務仕事を引き受けていると言うわけだ。
その甲斐あって今日と言う日にこぎつけたわけで、それがわかっている八早月はもちろん尽力に感謝している。ただ、給料制でもボーナスがあるわけでもない八家の仕組み上、彼らに与えられるのは労いの言葉くらいなものだ。
「では宮司殿よろしいですね、巫女は綾乃さんがおりますからご心配なく。
綾乃さんはこの印まですり足で進み二礼してから大幣を渡してください。拍手は不要ですからね」
「わかった、他に何か注意することはある? 藻孤はどうすればいいの?」
「モコは綾乃さんに乗っていて構いませんよ。今回は無関係ですしね。
儀式の巫女として手伝っていただくのも経験以外の意図はありません」
「えー、せめてなんか今後のための下準備とかだったらよかったのになぁ。
それでもまったく意味がないってことはないんだよね?」
「さすが綾乃さんは察しが良い、儀式への参加は心の鍛錬に良いですからね。
常世との繋がりを深めるためにもぜひ体験していただきたかったのです。
それに給金も巫女の規定料分きちんと出しますからね」
「やった! ちょうど欲しいものもあったし嬉しい臨時収入だよ、ありがとー」
そんなやり取りを眺めながら年老いた宮司は目を細め笑っている。しかし八早月が合図をするとその表情は真剣なものへと変わり、いよいよ儀式が始まるのだった。
「八早月ちゃん一人じゃなかったんだね。
結構大仰なことになるみたいでびっくりしちゃった」
「私一人でもできなくはないのだけれど、体力を消耗し過ぎると大変なのよ。
綾乃さんが抱えて連れて行ってくれるならそれでもいいのだけどね?
と言うのは冗談で、本当は儀式で巫が倒れたら周囲が心配するでしょう?」
「確かにそっか、本当に儀式が滞りなく済んだのかって不安になっちゃうもんね。
だからこんなに大人数でやるってわけか」
「儀式と言うのは効果だけではなく形式も必要なのよ。
綾乃さんのお宅を立てる前にも地鎮祭を執り行ったでしょう?
あれも最大限簡略化するなら神杭を打ち込むだけでいいのだから」
「確かにそれだとただ工事しただけっぽく感じちゃって効能を疑うかも。
形式って言うのも大切だってこと、凄くわかりやすいね」
「だから今日は時間がかかってしまうけれど終いまでお付き合いをお願いよ?
本当は次回以降に予定している祠の創建だけでも良かったのだけれどね。
綾乃さんにとっては藻さんを祀る本社が大切ですから必ず出席していただき、神事にも参加していただかなければなりません」
「ええっ!? そうなの? 私で何か役立てるならいいけど迷惑にならない?
神事と言っても巫女的な感じでそこにいればいいだけだよね?」
「それはまだ決めていませんが、神事は藻さんが望む形になるでしょうね。
ああそれと巳さんはこちらへは祀らないことになりました。
本人がどうしても八岐大蛇様のお側が良いと言って聞かないものですから」
「まあそりゃそうだよ、巳女さんにしてみたら厄介払いみたいに感じるかもだし。
藻様は私が生きているうちはきっちりお祀りしていくから安心してね」
「それほど気負わなくとも大丈夫、人々に必要とされなくなれば消えるのみ。
まあ今回のように魂抜きをせずに放置しているとこの場に呪縛されかねませんが」
「私はそんなに薄情じゃありませんよーだ。今だってもっと八岐神社へお参りに行きたいくらいなんだから見くびらないでよね?」
八早月は綾乃が責任を背負い込みすぎて重荷とならないよう気を使ったつもりだったのだが、綾乃は綾乃でちゃんと考えた上で覚悟を現したつもりだったのだ。その言葉を聞いて一番感銘を受けたのは当然のように藻であった。
こんな風に雑談をしながら祭事の支度が整うのを待っているのだが、どうにも退屈で仕方がないと言う者が三名ほどいる。正確には三名と五体で、八早月の両肩と頭の上に乗っている、美晴と夢路、そして巳女、さらには車の中でぐったりとしている美晴と夢路の本体である。
「神事なんてめったに見られないから面白そうって思って来てみたけどさ。
別に面白いことなんてなにもなかったかも……」
「でも行こうって言ったのはハルが最初じゃないの。
私は興味なくはないから構わないんだけど、待ち時間は確かに退屈だね。
この姿だとスマホで時間つぶしってわけにもいかないし」
「まったく失敬な、わらわに力を使わせておいて退屈とは何たることなのじゃ。
わらわだって無関係な神事に付き合いとうなかったのじゃよ?
それを主殿の命であるからこうしてやって来ていると言うのにこの小娘共は……」
「まあそう言わずにお願いよ? 巳さんだって祠を建てる時には儀式をするのよ?
その時には皆がお付き合いしてくれるのだから持ちつ持たれつでしょう?」
「確かに誰もいないよりは賑やかしがおった方が良いじゃろうが……
じゃが藻殿には僕もおるし巫女もおる、わらわにはなんもなく悔しいの蛇」
「そうはおっしゃいますが、私は巫女へ遣いを与えたわけではありませぬ。
いつの間にか僕が現れて巫女へ憑りつき、そを元に私が顕現したと言う順です。
いやはや縁と言うのはほんに面白いものでございますねえ」
「面白くないの蛇! わらわも遣いを呼び出してしまうかと考えてしまうのじゃ。
いっそのことこの小娘共に憑りついてしまおうかと思わなくもないのじゃが……」
「そんなことできるの!? そしたらアタシも巫になれるならうれしいんだけど!」
「これ巳女殿、滅多な事を言うものではございませぬ、なあ主様?
我が巫女は決して気楽に過ごして来たわけではないのですぞ?」
「そうね、巳さんは危険性を無視しておかしなことを言わないで下さいな。
美晴さんや夢路さんが妖に追い回される毎日となりたいなら別ですけれどね。
綾乃さんの場合、幼少より繰り返されたそのような毎日を経て今があると言うことを忘れてはなりません」
二人に叱られた巳女は反省の態度を見せ、それを聞いた美晴も同じようにしょんぼりとうなだれた。どうやらその気の無かった夢路はケラケラと笑っており、一緒に綾乃が笑えていることを八早月は本当にうれしく感じていた。
「筆頭様、準備が整いました。ですが八畑宮司が『本当に巫女を連れてこなくて良かったのか』とまだ言っておりますので、改めて説明していただけますか?」
「わかりました、珍しいことなので不安なのかもしれません。
では聡明さんは配置について待機願います、麗明も同様にお願いしますね」
筆頭家と七家の補助当番だからと駆り出された序列三番目である双宗聡明と、その呼士である麗明は八早月へ恭順の意を示し所定の場所へ向かった。その反対側には七草ドロシーと春凪が立っている。もちろん真宵もすでにその輪の中にいた。
これから例の三角地に祀られている牛塚の魂抜きを行うのだが、生活道路に隣接しているため、各所との調整に大分時間がかかってしまい伸び伸びとなっていた。いくら神事だとは言え勝手に行うことは出来ず、現代では神の力よりも行政の都合が優先されるのは致し方ないことだ。
八岐大蛇に許可を取ってから約ひと月、その間に久野町町長や町会長へ繋ぎを付けたり、所轄で道路使用許可を取ったり、普段のお役目の間を縫って初崎宿が事務手続きに奔走していた。
八早月がそう言った事務的なことをやろうとすると、まず身分証明の辺りで手続きが止まってしまうし、役場ならともかく警察や代議士相手だとさらに面倒なことになるのは目に見えている。
そんなことで結局出て行くのであれば、最初から自分でやるのが効率的だと言うことで、宿や耕太郎が貧乏くじを引いて事務仕事を引き受けていると言うわけだ。
その甲斐あって今日と言う日にこぎつけたわけで、それがわかっている八早月はもちろん尽力に感謝している。ただ、給料制でもボーナスがあるわけでもない八家の仕組み上、彼らに与えられるのは労いの言葉くらいなものだ。
「では宮司殿よろしいですね、巫女は綾乃さんがおりますからご心配なく。
綾乃さんはこの印まですり足で進み二礼してから大幣を渡してください。拍手は不要ですからね」
「わかった、他に何か注意することはある? 藻孤はどうすればいいの?」
「モコは綾乃さんに乗っていて構いませんよ。今回は無関係ですしね。
儀式の巫女として手伝っていただくのも経験以外の意図はありません」
「えー、せめてなんか今後のための下準備とかだったらよかったのになぁ。
それでもまったく意味がないってことはないんだよね?」
「さすが綾乃さんは察しが良い、儀式への参加は心の鍛錬に良いですからね。
常世との繋がりを深めるためにもぜひ体験していただきたかったのです。
それに給金も巫女の規定料分きちんと出しますからね」
「やった! ちょうど欲しいものもあったし嬉しい臨時収入だよ、ありがとー」
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