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第八章 霜月(十一月)
207.十一月二十六日 夜半 溢れる想い(閑話)
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あんなに恥ずかしい思いをしたのは初めてだし、あれほど真剣に人と向き合ったのも初めてだった。学校から帰って来てからずっと、丸一日前のことを思い返しながら飛雄は布団の上でゴロゴロしている。
気は抜けているかもしれないが別に無気力になっているわけではない。最後の最後でようやくわかってもらえて気持ちを伝えることができた。そのことは嬉しくてホッとできたこともあり安堵感を持っているのは確かだ。でも全てがうまく行ったわけではない。
◇◇◇
飛雄は帰りに駅まで送ってもらい、電車を待つ間二人で話をしたのだが――
「今度こそオレの気持ちはちゃんと伝わったよな? これでもまだわからないか?
答えを今すぐ聞かせてくれとは言わないけど、いつかは聞かせてくれよな?」
「それは何の答えかしら? 飛雄さんが私を愛しているのは伝わったわ。
でもそれに対して私は何を答えればいいの? まだ結婚は出来ないわよ?
私はまだ中学に入ったばかりだし高校へも行きたいと言う話はしたわよね?
だから今すぐ子作りするわけにはいかないわ」
「こっ!? いやいや話が飛躍しすぎだよ。そりゃ好きだって言ったら次は……
つ、付き合うとか、そういうのにオッケーしてくれるか答えが聞きたいよ」
「ああそう言うことなのですか、手順がどうもよくわからなくてごめんなさい。
この間もお話したけれど、そう言ったことを考えるのは高校卒業後ですね。
私は誰かに婿入りしてもらって鍛冶師を継いでもらいたいの」
「それはオレでもいいんだろ? 何か資格とか条件はあるのか?
鍛冶師が誰でも継げるものかも知らなくて悪いが修行が必要なら努力するよ」
「特別なものは何もないわ、あるとすれば絶対に諦めないと言う信念かしら。
それと未来永劫八畑村に住んで骨をうずめる覚悟も必要ね。
その言い方、もしかして飛雄さんが婿入りしてくれると言うのかしら。
それなら他を探さなくて済むし、今来ている話は断れるから助かるわ」
「ヨシわかった、ちゃんとそこまで考えておく。今すぐは無理でもいずれな。
八早月に認めてもらえるような男になるよ。
それと他の話はきっちり断ってくれ、俺の気持ちはわかってくれたんだよな?」
「わかったもなにもすでに認めているし尊敬もしているわ。
博識だし英語は得意だし野球にも打ち込んでいる努力家で素敵だもの」
「また褒めすぎる…… じゃ、じゃあオレと付き合ってくれるのか?」
「この場合の付き合うと言うのは同行すると言う意味ではなく交際よね?
それはお互いの家が遠すぎて成り立たないのではないかしら。
私の乏しい知識によると、恋人同士はいつも一緒に居たいらしいわよ?」
「確かにそれはそうかもしれないけどさ……
物理的な距離はどうしようもないだろ? だから諦めろって?」
「何を諦めるのかがわからないわ。付き合うと言うことを?
一緒に過ごすことが交際ならこうして時間が合う時だけの交際ではダメかしら?
近くにいていつでも会えることが条件だと言うならそれは結婚ではないの?」
「待ってくれ、オレもわからなくなってきた…… つまり結局どういうことだ?
八早月としてはオレの気持ちを聞いてどう感じたのかが気になるんだけど……」
「そうね、嬉しかったわ、始めて家族以外から愛してるなんて言われたんだもの。
でも飛雄さんがどうしたいのかはわからない、漫画だとデートするわよね?
映画を見たり水族館へ行ったり、キスをするなんてこともあるのかしら」
「きっ!? まあそう言うのは追々…… とにかく時間を作ってまた来るよ。
その時はまた会ってくれるよな?」
「そんなこと確認する必要ないじゃないの、もちろん歓迎するわ。
でもまずはこちらからご挨拶に伺おうと思うのだけれど、家長はお父さま?
それとも本家は別にあってそちらに話を通す必要があるかしら?」
「本家は別にあるっちゃあるけどそんなしがらみは無いよ。
でもわざわざ挨拶ってなんの? その…… 二人は付き合いますって許可?」
「何を言っているのですか、婿を迎えるのであれば家長の了承が当然必要です。
櫛田家は私が家長ですから失礼の無いように正式なご挨拶へ伺うのです。
今すぐ求婚には応じられないけれど将来婿に迎えるお約束をしないと失礼だわ。
こちらは大切なご長男をいただくのですからね」
「あれ? もしかしてオレが求婚したことになってる? いや大歓迎だけどさ。
でも伝統ある旧家がそんな簡単に決めてしまって構わないもんなのか?」
「私が家長なのだから私の自由に決まっているわ。
ただ法律的には自由でないから飛雄さんには少し待っていただくけれどね。
そう言えば一つだけ気になることがあるの、少し伺ってよろしいかしら?」
「なんでも聞いてくれよ、オレには別に隠したりすることがないからな。
逆に平凡すぎて嫌われないかが心配なくらいだよ」
「飛雄さん、ご自身を卑下するのはおやめなさい、櫛田の婿になるなら堂々とね。
それで確認なのだけれど、野球や英語はもう辞めてしまうのかしら?
ぷろというものにはなれないと高校までしかできないものなのですか?
英語はまあ自己学習やドロシーに教わることもできるでしょうね」
「ああ、まだそこまで考えてなかったなぁ、英語は特別好きでもないかな。
でも野球はもう少し続けたいかもしれないけど、オレは八早月を選びたい!」
「それではいつの日か後悔するかもしれないではありませんか。
高校よりも高みがあって挑戦できるとわかっているなら挑戦すべきです。
鍛冶なぞは全てやりきってからでも遅くはないのですから。
半端な気持ちを抱えたまま婿へ来ていただいても私が気になってしまいます」
「そうだな、ありがとう、やっぱ八早月の考え方は尊敬できる、すごいよ。
オレももっと今後についてしっかり考えてみる、それを待ってくれるのか?」
「まあ限度はありますが、私は跡継ぎさえ出来れば他にこだわりはありません。
まずは方向性を検討し目標や道筋にめどがついた段階でお話を進めましょうか」
「進める話と言うのはその…… 婚約ってこと……?」
「希望しないのであれば止めておきますか? 私はどちらでも構いませんよ?
今はまだ口約束ですからいくらでもやめられますしね」
「大丈夫、それに関してオレの意思は固いぜ、絶対に八早月を幸せにするんだ!
そのためにできることはなんでもするから任せてくれ」
「私は今のようなのんびりした暮らしが続くだけで幸せです。
あまり気負い過ぎなくてもよろしいでしょう、自然体が一番ですからね。
結納に伺う準備ができたら教えてください、こちらも準備を整えておきます」
「あ、ああ、わかったようなわからないような、でもわかったよ。
それじゃまたな、メッセージ送ったりしてもいいよな?」
「なにか用がある時は遠慮なくどうぞ、野球の試合もいつか見てみたいですね。
ああ、電車が来てしまいました、この度は遠方からありがとうございました」
「来て良かったよ、楽しかったしスッキリしたからな、それじゃまた!
寒鳴さんたちもありがとうね、また来るよ!」
◇◇◇
だが飛雄はいまだ両親へ打ち明けられずにいた。なんと言っても婚約の仮約束という大仰な話をしてきたとはとても言えず、どうするべきか悩みながら、また布団の上をゴロゴロと行き来するのだった。
気は抜けているかもしれないが別に無気力になっているわけではない。最後の最後でようやくわかってもらえて気持ちを伝えることができた。そのことは嬉しくてホッとできたこともあり安堵感を持っているのは確かだ。でも全てがうまく行ったわけではない。
◇◇◇
飛雄は帰りに駅まで送ってもらい、電車を待つ間二人で話をしたのだが――
「今度こそオレの気持ちはちゃんと伝わったよな? これでもまだわからないか?
答えを今すぐ聞かせてくれとは言わないけど、いつかは聞かせてくれよな?」
「それは何の答えかしら? 飛雄さんが私を愛しているのは伝わったわ。
でもそれに対して私は何を答えればいいの? まだ結婚は出来ないわよ?
私はまだ中学に入ったばかりだし高校へも行きたいと言う話はしたわよね?
だから今すぐ子作りするわけにはいかないわ」
「こっ!? いやいや話が飛躍しすぎだよ。そりゃ好きだって言ったら次は……
つ、付き合うとか、そういうのにオッケーしてくれるか答えが聞きたいよ」
「ああそう言うことなのですか、手順がどうもよくわからなくてごめんなさい。
この間もお話したけれど、そう言ったことを考えるのは高校卒業後ですね。
私は誰かに婿入りしてもらって鍛冶師を継いでもらいたいの」
「それはオレでもいいんだろ? 何か資格とか条件はあるのか?
鍛冶師が誰でも継げるものかも知らなくて悪いが修行が必要なら努力するよ」
「特別なものは何もないわ、あるとすれば絶対に諦めないと言う信念かしら。
それと未来永劫八畑村に住んで骨をうずめる覚悟も必要ね。
その言い方、もしかして飛雄さんが婿入りしてくれると言うのかしら。
それなら他を探さなくて済むし、今来ている話は断れるから助かるわ」
「ヨシわかった、ちゃんとそこまで考えておく。今すぐは無理でもいずれな。
八早月に認めてもらえるような男になるよ。
それと他の話はきっちり断ってくれ、俺の気持ちはわかってくれたんだよな?」
「わかったもなにもすでに認めているし尊敬もしているわ。
博識だし英語は得意だし野球にも打ち込んでいる努力家で素敵だもの」
「また褒めすぎる…… じゃ、じゃあオレと付き合ってくれるのか?」
「この場合の付き合うと言うのは同行すると言う意味ではなく交際よね?
それはお互いの家が遠すぎて成り立たないのではないかしら。
私の乏しい知識によると、恋人同士はいつも一緒に居たいらしいわよ?」
「確かにそれはそうかもしれないけどさ……
物理的な距離はどうしようもないだろ? だから諦めろって?」
「何を諦めるのかがわからないわ。付き合うと言うことを?
一緒に過ごすことが交際ならこうして時間が合う時だけの交際ではダメかしら?
近くにいていつでも会えることが条件だと言うならそれは結婚ではないの?」
「待ってくれ、オレもわからなくなってきた…… つまり結局どういうことだ?
八早月としてはオレの気持ちを聞いてどう感じたのかが気になるんだけど……」
「そうね、嬉しかったわ、始めて家族以外から愛してるなんて言われたんだもの。
でも飛雄さんがどうしたいのかはわからない、漫画だとデートするわよね?
映画を見たり水族館へ行ったり、キスをするなんてこともあるのかしら」
「きっ!? まあそう言うのは追々…… とにかく時間を作ってまた来るよ。
その時はまた会ってくれるよな?」
「そんなこと確認する必要ないじゃないの、もちろん歓迎するわ。
でもまずはこちらからご挨拶に伺おうと思うのだけれど、家長はお父さま?
それとも本家は別にあってそちらに話を通す必要があるかしら?」
「本家は別にあるっちゃあるけどそんなしがらみは無いよ。
でもわざわざ挨拶ってなんの? その…… 二人は付き合いますって許可?」
「何を言っているのですか、婿を迎えるのであれば家長の了承が当然必要です。
櫛田家は私が家長ですから失礼の無いように正式なご挨拶へ伺うのです。
今すぐ求婚には応じられないけれど将来婿に迎えるお約束をしないと失礼だわ。
こちらは大切なご長男をいただくのですからね」
「あれ? もしかしてオレが求婚したことになってる? いや大歓迎だけどさ。
でも伝統ある旧家がそんな簡単に決めてしまって構わないもんなのか?」
「私が家長なのだから私の自由に決まっているわ。
ただ法律的には自由でないから飛雄さんには少し待っていただくけれどね。
そう言えば一つだけ気になることがあるの、少し伺ってよろしいかしら?」
「なんでも聞いてくれよ、オレには別に隠したりすることがないからな。
逆に平凡すぎて嫌われないかが心配なくらいだよ」
「飛雄さん、ご自身を卑下するのはおやめなさい、櫛田の婿になるなら堂々とね。
それで確認なのだけれど、野球や英語はもう辞めてしまうのかしら?
ぷろというものにはなれないと高校までしかできないものなのですか?
英語はまあ自己学習やドロシーに教わることもできるでしょうね」
「ああ、まだそこまで考えてなかったなぁ、英語は特別好きでもないかな。
でも野球はもう少し続けたいかもしれないけど、オレは八早月を選びたい!」
「それではいつの日か後悔するかもしれないではありませんか。
高校よりも高みがあって挑戦できるとわかっているなら挑戦すべきです。
鍛冶なぞは全てやりきってからでも遅くはないのですから。
半端な気持ちを抱えたまま婿へ来ていただいても私が気になってしまいます」
「そうだな、ありがとう、やっぱ八早月の考え方は尊敬できる、すごいよ。
オレももっと今後についてしっかり考えてみる、それを待ってくれるのか?」
「まあ限度はありますが、私は跡継ぎさえ出来れば他にこだわりはありません。
まずは方向性を検討し目標や道筋にめどがついた段階でお話を進めましょうか」
「進める話と言うのはその…… 婚約ってこと……?」
「希望しないのであれば止めておきますか? 私はどちらでも構いませんよ?
今はまだ口約束ですからいくらでもやめられますしね」
「大丈夫、それに関してオレの意思は固いぜ、絶対に八早月を幸せにするんだ!
そのためにできることはなんでもするから任せてくれ」
「私は今のようなのんびりした暮らしが続くだけで幸せです。
あまり気負い過ぎなくてもよろしいでしょう、自然体が一番ですからね。
結納に伺う準備ができたら教えてください、こちらも準備を整えておきます」
「あ、ああ、わかったようなわからないような、でもわかったよ。
それじゃまたな、メッセージ送ったりしてもいいよな?」
「なにか用がある時は遠慮なくどうぞ、野球の試合もいつか見てみたいですね。
ああ、電車が来てしまいました、この度は遠方からありがとうございました」
「来て良かったよ、楽しかったしスッキリしたからな、それじゃまた!
寒鳴さんたちもありがとうね、また来るよ!」
◇◇◇
だが飛雄はいまだ両親へ打ち明けられずにいた。なんと言っても婚約の仮約束という大仰な話をしてきたとはとても言えず、どうするべきか悩みながら、また布団の上をゴロゴロと行き来するのだった。
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