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第九章 師走(十二月)
213.十二月三日 放課後 濁った気持ち
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いよいよ期末テスト一週間前となり今週は部活も休みである。そのためいつもは先に引き上げていく美晴ものんびりと放課後を楽しんでいた。だが週末からスッキリしない心中のままである八早月は、今日も浮かない表情を浮かべている。
「八早月ちゃんまだ気にしてるの? アタシもあれから考えてみたんだけどさ。
いわゆる一般的で普通の価値観って言うのを理解するのは難しいんだよ。
だから無理して考え込むより自分の想いをそのままぶつけたらいいと思うよ?」
「自分の想い? それは飛雄さんを婿養子に迎えたいのかと言う事でしょう?
正直に言えば彼でないとしても私はそれを受け入れるだろうと思うの。
でも受け入れることが私の気持ちなのかはわからないままだわ、なぜなの?」
「なぜって言われてもねえ、八早月ちゃんが家を背負っているからなのかな。
自分のことより家のことをまず考えてるでしょ? だから婿って言うんだよ。
婿が欲しいかどうかじゃなくて恋人がほしいかどうか考えてみたらどう?」
「そうね、別に欲しくはないと思うわ、それならば告白を断るべきなのかしら。
だって離れていていつも一緒にはいられないし、私もまだ恋がわからないわ。
美晴さんはどうなのかしら? 橋乃鷹さんのことを愛しているの?」
「そ、そんなの恥ずかしくて言えないってば! 今は八早月ちゃんの話だし!
そんなこと言うなら綾ちゃんはどうなの? 私たちより年上なんだしさ」
自分の話になって困ると言った様子の美晴は、矛先を変えようと綾乃を身代わりに差し出してきた。その綾乃は突如自分へ振られ焦った様子になり、顔の前で両手を振りながら必死に否定する。
「全然、全然だよ、四宮先輩と私はまったくそんなことないってば、もう……
こうなるから文化祭であんなことするの反対だったのにさー」
「それでは綾乃さんと直臣はまだ親しい関係にはなっていないと言うことかしら?
困ったわね、すでに臣人さんへ報告してしまって将来安泰と喜ばれたのよ?」
「ええっ!? ちょっと八早月ちゃん、なんでそんな先走ったことを!
もう、こんなことになったのも夢ちゃんのせいだからね……」
「やあね綾乃さん、冗談に決まっているわ。後継問題はそんな簡単ではないもの。
なるほど、つまり私と飛雄さんを二人にするために夢路さんが策を練ったのね。
どうもおかしいと思ったのよ、漫画で読んだような展開ばかり続いたのだから」
週末を経て頭を冷やしたこともあり、流石の八早月でも何かを察したようだ。だがそれよりも綾乃にカマをかけたことに周囲は驚いてしまった。どちらかと言うと他人との関わり方では受け身が主体の八早月である。
しかしこれには理由が有り、昨日あまりにも整理がつかなかったので、直臣に告白する心境について聞いてみようと四宮家を訪ねて行ったのだ。
◇◇◇
「直臣、少し聞来たいことがあって突然来てしまったわ、申し訳ないわね。
実は綾乃さんとのことなのだけれど――」
「筆頭! 申し訳ございません! 騙すつもりはなかったんですが筆頭のためだと説得されてつい承知してしまったのです」
「騙す? それはどういう意味なのかしら、本当は綾乃さんを好きではないと?
まさか私の親友を弄ぶ気ではないでしょうね」
「め、滅相もない、そう言うことではなく……
寒鳴さんも楽しんでいる様子でしたので……」
このように五秒で策謀が明らかになってしまった。直臣にとって八早月はどうしても畏れを抱く対象であり、常に見透かされているような感覚を持ってしまうのだ。さらに言えばそれを差し引いても、直臣は人が良過ぎて嘘を突き通すことに不向きだったのは、夢路たちにとって大きな誤算だっただろう。
◇◇◇
労せずして真相へたどり着いた八早月は、漫画の知識と地頭の良さを生かして綾乃へカマをかけたと言うわけだ。しかし別に騙されたと怒ってはいない。結果的に飛雄と二人の時間が得られたことは望むところであったのだし、お陰でいいところをたくさん知ることも出来た。
しかしそれはそれとして、やられたままで大人しくしていられるほど、八早月は出来た人間でもない。多少なりともやり返して見返してやりたいと思うのは当然のことである。
それと同時に、自分が飛雄をどう想っているのかいまだにわからないのも本当で、なるべく早く解決したい問題ではある。なんと言っても飛雄や高岳家からの返答待ちとしているにもかかわらず、自分の気が変わったなどと言うことがあってはならない。
だが考えれば考えるほど、婿養子に迎えるなら飛雄しかいないと結論付けている。それが軽い気持ちでないことは間違いなく、今も出来れば飛雄に会いたいと思っている。しかしその理由をはっきり表現できないもどかしさが八早月を悩ませているのだった。
だがこの日美晴に言われたことで明確になったことがあった。八早月は飛雄を婿養子として迎えたいと思うと同時に、恋人と言う間柄も望んでいる。それはつまり飛雄の告白が嬉しかったと言う一番最初へと立ち戻るということだ。
そう考えてみれば簡単なことで、八早月は自分が考えているよりもずっと成長しており、ちゃんと恋心を抱ける少女になっていたのだと内心喜んでいた。
「別に綾乃さんや直臣のこと怒っていないわ、私の為を思ってくれたのでしょう?
私もあの直臣があれほど大胆な行動に出るのは意外だと感じていたもの。
でもきっかけはどこからやってくるのかわからないものと言うわ。
だから私もきっと最初に野球の手ほどきを受けた時には胸に秘めていたのかもしれない……」
「それってもしかして!?」
「とうとう気が付いたって感じじゃない!?」
「だからうまく行くって言ったのよ!」
「そのせいなのかしら、今は美晴さんが恥ずかしくて言えない気持ちがわかるわ。
それに随分と押し付けがましいことを言ってしまって困らせたかもしれない。
今からでも謝って取り消した方がいいでしょうね、ええそうしましょう」
「八早月ちゃん待った! 多分もう手遅れと言うか大騒ぎになってるみたい……
零愛さんへ連絡した時には、まだ誰にも言ってなかったらしいんだけどさ。
週末に一族会議が行われてて凄いことになってるって言ってたもん」
「私のせいでそんなことに!? それは大変、今すぐ謝罪へ向かわないと!
ああでも今日は当番だから行かれないわ、木曜日まで待つしかないのかしら」
「電話じゃだめなの? 遠いのはわかってるんだし失礼ってこともないでしょ。
それとも理由を付けて飛雄君に会いに行きたいだけだったりしてね」
「な!? 美晴さんったらなんてことを言うのよ、あくまで飛雄さんからなのよ?
私から愛するようになったわけではないに決まっているわ。
夢路さんそうでしょう? これはきっと飛雄さんの想いや行動で私の目盛が溜まってしまったということなのでしょ?」
「ん? なに? 夢、目盛ってなんのこと?」
「夢ちゃんったらまた八早月ちゃんに変なことを教えたんでしょ?」
「いやあ、多分これはアレだ、恋愛ゲーコミカライズの影響じゃないかなと……
攻略対象の異性と仲良くなっていくとメーターが上がって行くってやつだよ。
私のせいっちゃそうだけど普通は現実的だと思わないはずだよねえ……」
「だから八早月ちゃんは普通じゃないんだってわかってるでしょうに!
もう夢のバカ! せっかくいい感じだったと思ったのにもう!」
二人が夢路を責めている理由がわからないため八早月は気にも留めず、今すぐ飛雄の元へ駆けつける方法について思考を巡らせていた。
「八早月ちゃんまだ気にしてるの? アタシもあれから考えてみたんだけどさ。
いわゆる一般的で普通の価値観って言うのを理解するのは難しいんだよ。
だから無理して考え込むより自分の想いをそのままぶつけたらいいと思うよ?」
「自分の想い? それは飛雄さんを婿養子に迎えたいのかと言う事でしょう?
正直に言えば彼でないとしても私はそれを受け入れるだろうと思うの。
でも受け入れることが私の気持ちなのかはわからないままだわ、なぜなの?」
「なぜって言われてもねえ、八早月ちゃんが家を背負っているからなのかな。
自分のことより家のことをまず考えてるでしょ? だから婿って言うんだよ。
婿が欲しいかどうかじゃなくて恋人がほしいかどうか考えてみたらどう?」
「そうね、別に欲しくはないと思うわ、それならば告白を断るべきなのかしら。
だって離れていていつも一緒にはいられないし、私もまだ恋がわからないわ。
美晴さんはどうなのかしら? 橋乃鷹さんのことを愛しているの?」
「そ、そんなの恥ずかしくて言えないってば! 今は八早月ちゃんの話だし!
そんなこと言うなら綾ちゃんはどうなの? 私たちより年上なんだしさ」
自分の話になって困ると言った様子の美晴は、矛先を変えようと綾乃を身代わりに差し出してきた。その綾乃は突如自分へ振られ焦った様子になり、顔の前で両手を振りながら必死に否定する。
「全然、全然だよ、四宮先輩と私はまったくそんなことないってば、もう……
こうなるから文化祭であんなことするの反対だったのにさー」
「それでは綾乃さんと直臣はまだ親しい関係にはなっていないと言うことかしら?
困ったわね、すでに臣人さんへ報告してしまって将来安泰と喜ばれたのよ?」
「ええっ!? ちょっと八早月ちゃん、なんでそんな先走ったことを!
もう、こんなことになったのも夢ちゃんのせいだからね……」
「やあね綾乃さん、冗談に決まっているわ。後継問題はそんな簡単ではないもの。
なるほど、つまり私と飛雄さんを二人にするために夢路さんが策を練ったのね。
どうもおかしいと思ったのよ、漫画で読んだような展開ばかり続いたのだから」
週末を経て頭を冷やしたこともあり、流石の八早月でも何かを察したようだ。だがそれよりも綾乃にカマをかけたことに周囲は驚いてしまった。どちらかと言うと他人との関わり方では受け身が主体の八早月である。
しかしこれには理由が有り、昨日あまりにも整理がつかなかったので、直臣に告白する心境について聞いてみようと四宮家を訪ねて行ったのだ。
◇◇◇
「直臣、少し聞来たいことがあって突然来てしまったわ、申し訳ないわね。
実は綾乃さんとのことなのだけれど――」
「筆頭! 申し訳ございません! 騙すつもりはなかったんですが筆頭のためだと説得されてつい承知してしまったのです」
「騙す? それはどういう意味なのかしら、本当は綾乃さんを好きではないと?
まさか私の親友を弄ぶ気ではないでしょうね」
「め、滅相もない、そう言うことではなく……
寒鳴さんも楽しんでいる様子でしたので……」
このように五秒で策謀が明らかになってしまった。直臣にとって八早月はどうしても畏れを抱く対象であり、常に見透かされているような感覚を持ってしまうのだ。さらに言えばそれを差し引いても、直臣は人が良過ぎて嘘を突き通すことに不向きだったのは、夢路たちにとって大きな誤算だっただろう。
◇◇◇
労せずして真相へたどり着いた八早月は、漫画の知識と地頭の良さを生かして綾乃へカマをかけたと言うわけだ。しかし別に騙されたと怒ってはいない。結果的に飛雄と二人の時間が得られたことは望むところであったのだし、お陰でいいところをたくさん知ることも出来た。
しかしそれはそれとして、やられたままで大人しくしていられるほど、八早月は出来た人間でもない。多少なりともやり返して見返してやりたいと思うのは当然のことである。
それと同時に、自分が飛雄をどう想っているのかいまだにわからないのも本当で、なるべく早く解決したい問題ではある。なんと言っても飛雄や高岳家からの返答待ちとしているにもかかわらず、自分の気が変わったなどと言うことがあってはならない。
だが考えれば考えるほど、婿養子に迎えるなら飛雄しかいないと結論付けている。それが軽い気持ちでないことは間違いなく、今も出来れば飛雄に会いたいと思っている。しかしその理由をはっきり表現できないもどかしさが八早月を悩ませているのだった。
だがこの日美晴に言われたことで明確になったことがあった。八早月は飛雄を婿養子として迎えたいと思うと同時に、恋人と言う間柄も望んでいる。それはつまり飛雄の告白が嬉しかったと言う一番最初へと立ち戻るということだ。
そう考えてみれば簡単なことで、八早月は自分が考えているよりもずっと成長しており、ちゃんと恋心を抱ける少女になっていたのだと内心喜んでいた。
「別に綾乃さんや直臣のこと怒っていないわ、私の為を思ってくれたのでしょう?
私もあの直臣があれほど大胆な行動に出るのは意外だと感じていたもの。
でもきっかけはどこからやってくるのかわからないものと言うわ。
だから私もきっと最初に野球の手ほどきを受けた時には胸に秘めていたのかもしれない……」
「それってもしかして!?」
「とうとう気が付いたって感じじゃない!?」
「だからうまく行くって言ったのよ!」
「そのせいなのかしら、今は美晴さんが恥ずかしくて言えない気持ちがわかるわ。
それに随分と押し付けがましいことを言ってしまって困らせたかもしれない。
今からでも謝って取り消した方がいいでしょうね、ええそうしましょう」
「八早月ちゃん待った! 多分もう手遅れと言うか大騒ぎになってるみたい……
零愛さんへ連絡した時には、まだ誰にも言ってなかったらしいんだけどさ。
週末に一族会議が行われてて凄いことになってるって言ってたもん」
「私のせいでそんなことに!? それは大変、今すぐ謝罪へ向かわないと!
ああでも今日は当番だから行かれないわ、木曜日まで待つしかないのかしら」
「電話じゃだめなの? 遠いのはわかってるんだし失礼ってこともないでしょ。
それとも理由を付けて飛雄君に会いに行きたいだけだったりしてね」
「な!? 美晴さんったらなんてことを言うのよ、あくまで飛雄さんからなのよ?
私から愛するようになったわけではないに決まっているわ。
夢路さんそうでしょう? これはきっと飛雄さんの想いや行動で私の目盛が溜まってしまったということなのでしょ?」
「ん? なに? 夢、目盛ってなんのこと?」
「夢ちゃんったらまた八早月ちゃんに変なことを教えたんでしょ?」
「いやあ、多分これはアレだ、恋愛ゲーコミカライズの影響じゃないかなと……
攻略対象の異性と仲良くなっていくとメーターが上がって行くってやつだよ。
私のせいっちゃそうだけど普通は現実的だと思わないはずだよねえ……」
「だから八早月ちゃんは普通じゃないんだってわかってるでしょうに!
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