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第十章 睦月(一月)
239.一月一日 午後 八家新年会
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名目は新年会なのだが宴席が用意される気配はないし、すでについさっき昼食を済ませたばかりだ。キレイな着物を着ているのだしまさか新年早々立ち合いをするとは思えないが、一体どういった新年会なのだろうと綾乃は一人考え込み、不安と楽しみを織り混ぜた気分で大広間に繋がる部屋で待機していた。
そもそも八畑村八家と言う旧家の新年会に、完全な部外者である綾乃が同席しようとしていること自体何かがおかしい。もしかしたら四宮直臣がやって来て一族に紹介されてしまうなんてことがあるかもしれない。まさか!?
「ねえ八早月ちゃん、せっかくきれいな着物着せてもらえたのは嬉しいけどさ。
一族の新年会に私が同席するのってちょっと場違いじゃない?
なんか会席って雰囲気でもなさそうだし、奥で待ってようかと思うんだけど?」
「別にそれほど身構えるような席でもないし、もちろん宴席でもないのよ。
だから全然気にしないでいいわ、何かさせようなんて思っていないわ。
もし直臣が来るのを警戒しているなら安心して、今日は当主しか来ないもの」
「じゃあただの同席見学ってことでいい? 絶対だよ?」
「そうは言っても着物姿を褒められるくらいのことはあるかもしれないわ。
他にはもしかしたら童が付いて来てしまうかもしれないくらいかしら。
念のため伝えておくけれど、なにかが見えても気にしないでちょうだいね。
簡単に説明しておくと、これから当主がやって来て奉納用の短刀を納めるの。
その一部には鉄や鋼、炎の自然神などが憑りつくことがあるのよ。
産まれたてだから話しかけては来ないし悪気もないから驚かないでね」
「まあそれくらいなら別に平気かな、ちょっとだけ緊張するけどさ。
それにしても刀に神様が宿るなんてやっぱり鍛冶師としてすごいんだね」
「まあ私には縁の無い話だわ、辛うじて刀に見える程度しか作れないもの。
それ以上出来るようになるつもりもないけれど、耕太郎さんや宿おじさまは凄いの作ってくるから楽しみね」
そして数十分ほど経つと一人目が現れた。最初にやって来たのは初崎宿であることから、どうやら上から順番にやってくるのだと言うことがわかる。歴史と伝統のある行事事は意味の有る無しや合理性よりも順序や手順を重んじるからだ。
「失礼いたします! 本年もよろしくお願いいたします。
年の明けたこの日に、引き続き八岐大蛇様へ遣えることが出来ている喜び!
これもひとえに筆頭家当主、櫛田八早月殿のお蔭にございます」
「初崎宿殿、本年もよろしくお願いいたします。
同じ八岐大蛇様の贄として、これからも地域の安寧に努めましょう。
分家第一位として他家を導き指導していること、感謝いたします」
どちらがどういう立場なのかはっきりとわかるような堅苦しい挨拶がなされたが、片方はまだ幼く見える振袖の少女、片方は屈強な白髪交じりの中年男性である。共通点と言えば同じ柄の着物を着ていることくらいか。
「まあ堅苦しい挨拶はこの辺にしましょうか。
今年の出来はいかがでしたか? 先に私のを見せますが笑わないで下さいよ?
綾乃さんは初顔合わせですが、顔に似合わず気のいいおじさんですので怯えないで下さいね」
「明けましておめでとうございます、以前学園にいらしたのでお顔は覚えてます。
全然怖そうじゃないから大丈夫、八早月ちゃんってばすぐそう言うこと言うんだから」
「筆頭は口が悪いですからね、それはさておき今年のを拝見いたしましょう」
そう言いながら間に置かれている桐箱から包みを取り出した。長さは二十センチ程度、宿が中身を取り出すと先ほど言っていたように小刀の刀身が現れた。綾乃は包丁や工作用のカッターくらいしか刃物を見たことが無いため興味深く覗き込む。
「綾乃さん、これは私が鍛《う》った物で拙い出来のものですからね?
これくらいで感心していたら、この後宿おじさまの鍛えた物を見たら腰を抜かしますよ?」
「でもこう言うの見るの初めてだったからさ、包丁とは全然違うね。
小さくても刀なんだなぁって感じるよ」
「まったく恥ずかしい限りですね、宿おじさまの評はいかがでしょう。
去年よりは大分いいと思っていますが先は長そうですね」
「そうですなあ、去年と違って最低ラインには達していると言っておきます。
あと四、五年もすれば一人前のものが鍛てるんじゃないでしょうか。
と言うわけで、今年のではまだまだ研ぎまで進めませんな」
「それくらいは自分でもわかっています。でも成型まではなかなかでしょう?
もう自宅で使う程度の包丁なら作れるかもしれませんね」
「いやいやそれくらいは余裕でしょう、直臣が研ぎへ進んだのは去年だったかな。
釣りで使うナイフを鍛ったと言うので見せてもらいましたがなかなかの出来でしたよ?」
「あの子は本当に器用ですね、なんでもできるのは本当にすごいです。
もう少し心が強ければと思うのですが、優しさを失ってもらいたくはない。
本当に悩ましいですねえ、綾乃さんもそう思いませんか?」
「ちょっと、そこで私に振ってくるの!? まあ優しいに越したことはないかな。
でも確かにお役目のこととか考えたら強さや厳しさは無視できないよねえ」
綾乃がそう答えると、なぜか八早月も宿もほほうと感心している。それに気づいた綾乃は、これはどう考えても嵌められたとしか思えず逃げ出したくなっていた。しかし次の瞬間、その考えはどこかへ吹き飛んでしまう。
「では宿おじさまのを見せていただきましょう。綾乃さん、心の準備はよろしいですか? 腰を抜かさないよう気を確かに持っていてくださいね」
大げさな物言いと共に八早月が包みを受け取り紐を解いていく。短刀を入れる袋は別珍生地で誂えた筒状の袋である。中身を入れた後に余った部分を折り返し紐で結んであるのだが、結び目をほどき中身をガサガサと出していくとさらに紙で包まれていた。
八早月がその包装紙をめくると、綾乃にはその短刀がマンガの一場面のように光り輝いているように見え、自分の目を疑い数度擦った。だがしかし、姿を見せた短刀は本当に光っていたのだ。
「ええっ!? この刀もしかして光ってる!? 私の目がおかしいの?」
「まあまあ落ち着いて、確かに光っているけれどすぐに消えるから大丈夫よ。
これは鉄粉から産まれた自然神で光を反射した瞬間に自分も発光するの。
でもずっと続くわけでは無くて、光るのは暗いところから出した時だけよ」
「へえ、なんかきれいだね。キラキラというより淡く光ってて朧月みたい。
これが、ええっと宿さんが作った刀なんですかあ」
綾乃が何の気なしに言ったこの一言に、意外な反応を見せたのが鍛った当人の宿であった。どうもその呼び名が気に入ったらしい。
「左様ですよ。朧月とは随分と風流な褒め言葉をいただき嬉しいですな。
仕立てるときには号として『朧月』をいただくことにしましょう。
寒鳴殿、よろしいですかな?」
「えっ? それはどういう意味ですか? 号って言われてもわからないんですけど……」
「耳にしたことがあるかもしれませんが、刀等の通り名のようなものです。
僕が鍛った物には全て刀工銘の『初崎』が入り茎へ銘を切ります。
ああ、茎と言うのは柄、つまり握る部分に納められる箇所のことですな。
それに対し号と言うのは語られることの多い愛称とも言える名称のこと。
そう言えば国宝に『狐が崎』との号を持つ太刀がありますが銘は『為次』ですよ」
「わかったような気がします、ご丁寧にありがとうございました。
でもそんな重要なところに私が思いつきで言った言葉を付けていいんですか?」
「売り物でもありませんし、いいとこ親族の嫁入り道具になるか死蔵するのみ。
寒鳴殿が嫁入りの祭には筆頭に鍛ってもらうとよろしいかと」
「いえいえいえ、私は嫁に来るつもりなんてありませんから!
どうせ八早月ちゃんが変なこと言ってるんでしょ!」
「突然どうしたの? 私はなにも言っていないし今の話は一般的な話のはずよ?
嫁入り道具の中に短刀が含まれていると言う話、聞いたことないかしら?
花嫁小物の一つで懐剣や懐刀と呼ばれる物なのだけれど」
嫁入りと言う言葉に過剰反応してしまい顔を真っ赤に染め上げる羽目になった綾乃は、せめて朧でもいいので何かに隠れてしまいたかった。
そもそも八畑村八家と言う旧家の新年会に、完全な部外者である綾乃が同席しようとしていること自体何かがおかしい。もしかしたら四宮直臣がやって来て一族に紹介されてしまうなんてことがあるかもしれない。まさか!?
「ねえ八早月ちゃん、せっかくきれいな着物着せてもらえたのは嬉しいけどさ。
一族の新年会に私が同席するのってちょっと場違いじゃない?
なんか会席って雰囲気でもなさそうだし、奥で待ってようかと思うんだけど?」
「別にそれほど身構えるような席でもないし、もちろん宴席でもないのよ。
だから全然気にしないでいいわ、何かさせようなんて思っていないわ。
もし直臣が来るのを警戒しているなら安心して、今日は当主しか来ないもの」
「じゃあただの同席見学ってことでいい? 絶対だよ?」
「そうは言っても着物姿を褒められるくらいのことはあるかもしれないわ。
他にはもしかしたら童が付いて来てしまうかもしれないくらいかしら。
念のため伝えておくけれど、なにかが見えても気にしないでちょうだいね。
簡単に説明しておくと、これから当主がやって来て奉納用の短刀を納めるの。
その一部には鉄や鋼、炎の自然神などが憑りつくことがあるのよ。
産まれたてだから話しかけては来ないし悪気もないから驚かないでね」
「まあそれくらいなら別に平気かな、ちょっとだけ緊張するけどさ。
それにしても刀に神様が宿るなんてやっぱり鍛冶師としてすごいんだね」
「まあ私には縁の無い話だわ、辛うじて刀に見える程度しか作れないもの。
それ以上出来るようになるつもりもないけれど、耕太郎さんや宿おじさまは凄いの作ってくるから楽しみね」
そして数十分ほど経つと一人目が現れた。最初にやって来たのは初崎宿であることから、どうやら上から順番にやってくるのだと言うことがわかる。歴史と伝統のある行事事は意味の有る無しや合理性よりも順序や手順を重んじるからだ。
「失礼いたします! 本年もよろしくお願いいたします。
年の明けたこの日に、引き続き八岐大蛇様へ遣えることが出来ている喜び!
これもひとえに筆頭家当主、櫛田八早月殿のお蔭にございます」
「初崎宿殿、本年もよろしくお願いいたします。
同じ八岐大蛇様の贄として、これからも地域の安寧に努めましょう。
分家第一位として他家を導き指導していること、感謝いたします」
どちらがどういう立場なのかはっきりとわかるような堅苦しい挨拶がなされたが、片方はまだ幼く見える振袖の少女、片方は屈強な白髪交じりの中年男性である。共通点と言えば同じ柄の着物を着ていることくらいか。
「まあ堅苦しい挨拶はこの辺にしましょうか。
今年の出来はいかがでしたか? 先に私のを見せますが笑わないで下さいよ?
綾乃さんは初顔合わせですが、顔に似合わず気のいいおじさんですので怯えないで下さいね」
「明けましておめでとうございます、以前学園にいらしたのでお顔は覚えてます。
全然怖そうじゃないから大丈夫、八早月ちゃんってばすぐそう言うこと言うんだから」
「筆頭は口が悪いですからね、それはさておき今年のを拝見いたしましょう」
そう言いながら間に置かれている桐箱から包みを取り出した。長さは二十センチ程度、宿が中身を取り出すと先ほど言っていたように小刀の刀身が現れた。綾乃は包丁や工作用のカッターくらいしか刃物を見たことが無いため興味深く覗き込む。
「綾乃さん、これは私が鍛《う》った物で拙い出来のものですからね?
これくらいで感心していたら、この後宿おじさまの鍛えた物を見たら腰を抜かしますよ?」
「でもこう言うの見るの初めてだったからさ、包丁とは全然違うね。
小さくても刀なんだなぁって感じるよ」
「まったく恥ずかしい限りですね、宿おじさまの評はいかがでしょう。
去年よりは大分いいと思っていますが先は長そうですね」
「そうですなあ、去年と違って最低ラインには達していると言っておきます。
あと四、五年もすれば一人前のものが鍛てるんじゃないでしょうか。
と言うわけで、今年のではまだまだ研ぎまで進めませんな」
「それくらいは自分でもわかっています。でも成型まではなかなかでしょう?
もう自宅で使う程度の包丁なら作れるかもしれませんね」
「いやいやそれくらいは余裕でしょう、直臣が研ぎへ進んだのは去年だったかな。
釣りで使うナイフを鍛ったと言うので見せてもらいましたがなかなかの出来でしたよ?」
「あの子は本当に器用ですね、なんでもできるのは本当にすごいです。
もう少し心が強ければと思うのですが、優しさを失ってもらいたくはない。
本当に悩ましいですねえ、綾乃さんもそう思いませんか?」
「ちょっと、そこで私に振ってくるの!? まあ優しいに越したことはないかな。
でも確かにお役目のこととか考えたら強さや厳しさは無視できないよねえ」
綾乃がそう答えると、なぜか八早月も宿もほほうと感心している。それに気づいた綾乃は、これはどう考えても嵌められたとしか思えず逃げ出したくなっていた。しかし次の瞬間、その考えはどこかへ吹き飛んでしまう。
「では宿おじさまのを見せていただきましょう。綾乃さん、心の準備はよろしいですか? 腰を抜かさないよう気を確かに持っていてくださいね」
大げさな物言いと共に八早月が包みを受け取り紐を解いていく。短刀を入れる袋は別珍生地で誂えた筒状の袋である。中身を入れた後に余った部分を折り返し紐で結んであるのだが、結び目をほどき中身をガサガサと出していくとさらに紙で包まれていた。
八早月がその包装紙をめくると、綾乃にはその短刀がマンガの一場面のように光り輝いているように見え、自分の目を疑い数度擦った。だがしかし、姿を見せた短刀は本当に光っていたのだ。
「ええっ!? この刀もしかして光ってる!? 私の目がおかしいの?」
「まあまあ落ち着いて、確かに光っているけれどすぐに消えるから大丈夫よ。
これは鉄粉から産まれた自然神で光を反射した瞬間に自分も発光するの。
でもずっと続くわけでは無くて、光るのは暗いところから出した時だけよ」
「へえ、なんかきれいだね。キラキラというより淡く光ってて朧月みたい。
これが、ええっと宿さんが作った刀なんですかあ」
綾乃が何の気なしに言ったこの一言に、意外な反応を見せたのが鍛った当人の宿であった。どうもその呼び名が気に入ったらしい。
「左様ですよ。朧月とは随分と風流な褒め言葉をいただき嬉しいですな。
仕立てるときには号として『朧月』をいただくことにしましょう。
寒鳴殿、よろしいですかな?」
「えっ? それはどういう意味ですか? 号って言われてもわからないんですけど……」
「耳にしたことがあるかもしれませんが、刀等の通り名のようなものです。
僕が鍛った物には全て刀工銘の『初崎』が入り茎へ銘を切ります。
ああ、茎と言うのは柄、つまり握る部分に納められる箇所のことですな。
それに対し号と言うのは語られることの多い愛称とも言える名称のこと。
そう言えば国宝に『狐が崎』との号を持つ太刀がありますが銘は『為次』ですよ」
「わかったような気がします、ご丁寧にありがとうございました。
でもそんな重要なところに私が思いつきで言った言葉を付けていいんですか?」
「売り物でもありませんし、いいとこ親族の嫁入り道具になるか死蔵するのみ。
寒鳴殿が嫁入りの祭には筆頭に鍛ってもらうとよろしいかと」
「いえいえいえ、私は嫁に来るつもりなんてありませんから!
どうせ八早月ちゃんが変なこと言ってるんでしょ!」
「突然どうしたの? 私はなにも言っていないし今の話は一般的な話のはずよ?
嫁入り道具の中に短刀が含まれていると言う話、聞いたことないかしら?
花嫁小物の一つで懐剣や懐刀と呼ばれる物なのだけれど」
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