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第十章 睦月(一月)
240.一月一日 午後 五振三柄年初披露会
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綾乃の顔色が真っ赤から平常に戻ったころ次の訪問客が訪れた。やって来たのは分家序列二位の双宗家当主である聡明である。まずは先ほどのように堅苦しい挨拶を行っていたが、今度は三人に増えた状態で形式ばった挨拶となった。
「さてと、今年も宿殿の短刀は業物でしょうか? どれどれ――
―― ふむう、相変わらず素晴らしい、私は今年もダメでした。
もちろん気を入れて鍛っていますから凡作と言う事ではありませんがね」
「それでは拝見させていただきましょうか、聡明さんはその間に私が鍛った物を何かしら評することができるか、少しでもいいので考えてみてください」
これは失敗したとばかりにおでこを叩いた双宗聡明だったが、その表情は笑顔であり焦った様子はない。つまり似たようなやり取りが毎年行われているのだろうと綾乃は推察した。
それにしても場違いすぎると悩みつつも、貴重な体験であることは間違いなく、せめている意味を持ちたくて客人へお茶を淹れていた。部屋の外へやって来た玉枝は茶道具一式を運んできた際、綾乃へ気楽に気楽にと耳打ちしてくれ、お陰で緊張はとうに解けている
宿と聡明へお茶を出してから八早月のすぐ後ろへと陣取り、 先ほどと同じように刀身を取り出すところを眺めようとすると、目に飛び込んできたのは刀ではなかった。
「さっきと全然違う! これって槍ってこと? スラッとしてモデルみたい。
全員刀ってわけじゃないんだね、なんか面白いなあ」
「そうね、私たちは八家の五振三柄と呼んでいるのよ。
刀剣が五振、他は槍と鉾と鎚で全て柄が付いているでしょう?
だから三柄と言うことで今日が五振三柄年初披露会というわけなのよ」
「そんな名前の付いた会だなんて聞いてなかったけどね……
でも槍も作り方は同じなんだね、ここのところがウニウニってしてるもん。
さっきの朧月とはまた違って細かいのがキレイだなあ」
「朧月とは宿殿の短刀ですか? 名前を付けてくるとは珍しいですな。
しかも五十男のセンスとは思えない美麗な響き、さては絵美さんが?」
「いやいや、うちのやつは興味持たんから名付けなんてしませんよ。
名はこちらの寒鳴嬢から頂きました、良い名でしょう?」
「ほほう、こちらが筆頭のご友人であの寒鳴殿でしたか、私はお初でしたな?
双宗聡明と申します、拙作を褒めていただき感謝いたします」
「そ、そんなご丁寧に、却ってお気を遣わせてしまい申し訳ありません。
私はただ八早月ちゃんの友達ってだけなので普通に扱って下さい……」
どうやら大げさな物言いは八早月だけではないようで、八家の人間は総じて褒め好きでやたらと人を持ち上げてくる。褒められること自体は悪いことでもないし、綾乃も嫌いではないのだが、それにしても過剰過ぎていつも気恥ずかしさが勝ってしまうのだ。
あれこれ考えているうちに槍の品評は終わったようで、聡明と宿が何やら難しい話をしている。一息ついた八早月は再び槍の穂を眼前へ掲げまじまじと見つめていた。
「槍って刀と違って両側に刃があるんだね。なんか砂浜のある岬みたい。
武器だって考えると怖いけど、美術品だと思うと目を奪われるなあ」
「やはり綾乃さんは詩人よね、言葉の響きに美しさを感じるもの。
私も早く上達して綾乃さんに名付けしてもらいたいと言う気になって来たわ」
「またそうやって大げさなこと言うんだからさ。
八畑村の人たちってそんな中で育つから、きっと同じように褒め体質になるのね」
「褒め体質なんてそれこそ大げさよ、でも貶すより褒める方がいいでしょう?
私なんてなにも言ってもらえないから寂しくて仕方ないわ」
「そう言えば八早月ちゃんのを見せてもらってないね、どれどれ――
―― あ、ああ…… なんと言うか、かた、じ、丈夫そうね?」
綾乃は桐箱の中に並べられていた赤茶色の物体を確認し、精一杯の愛想で褒めてみたが八早月は真顔で綾乃を見つめている。沈黙に耐えられなくなった綾乃がもう謝るしかないとしゃがみ込んだその瞬間――
「聡明さん、宿おじさま、今の聞いたかしら? 確かに褒め言葉ではないわ。
でもなにも言わないよりはよほどマシだと思わなくて? さすが綾乃さんだわ」
「なにがさすがなのかわからないけど、酷いこと言ってごめんね。
でも本当にどうしていいか何を言っていいかわからなかったのよ」
「気にしないでいいわ、私も自分でどうしようかと思っていたくらいだもの。
でも去年はもっと酷かったし、年々良くなっていくと思いたいわね」
八早月はそう言いながら自分の作である、短刀のように見えなくもない形状の鉄板を眺めていた。確かにこれを褒めるのに丈夫そうという言葉はしっくりくる。
その鉄板がいつの日か朧月のような美しい短刀になることを想像すると楽しみになる八早月、そして全く想像がつかず不安になる綾乃だった。
「ところで寒鳴殿、先ほどの名称を私もいただいてよろしいかな?
砂浜の岬だとちと語呂が悪いので『白浜岬』にしようと存じます」
「え、ええっ!? また!? 本当にそんな簡単に決めていいものなんですか?
なんと言うかもう少し子供の名前みたいに大切に考えた方が……」
「綾乃さん本当に気にしないでいいのよ。
この辺りの名人になると今までにかなりの数を鍛っているわ。
つまり名前なんて付けようとしても思い浮かばないんだわ、そうでしょう?」
「いやいや、そんなことはござらぬ、まだ辞書を開いてポンが残っております。
まあ気を悪くしたら申し訳ないがそのくらい気楽につける物なのですよ」
奇しくも剣と槍を名付けてしまい戸惑っていた綾乃だったが、よくわからない論法で八早月と宿に言いくるめられてしまった。そこは大人っぽく見えてもまだ中学二年生の少女、ちょろいものだ。
その後も次々に当主たちがやって来て品評をしているが、皆の評価が一番高かったのは意外にもドロシーの鍛ってきた刀身だった。それは銀色の光沢が美しくまるで宝飾品のように磨かれていた。
「いやあ、正直驚きましたぞ。去年の直剣は実用品の装いだったというのに。
一年でこれだけの加工技術を身に着けるとは驚き桃の木山椒の木ですな」
「モモノキ? それはモモタロウのなる木でしょうかナ?
つまり鬼退治ができるくらいには良くデキテいると思って良いのでスカ?
セッシャも鍛冶を始めて十年少々、見た目だけならソレナリグッド嬉しいデス」
「私もうかうかしていられませんな、いつまでも凡作ばかりでは不甲斐ない。
早く宿殿たちの領域へとたどり着きたいものです」
「あら中さん、まずは櫻さんに追いつかないといけませんよ?
櫻さんが鍛つ神杭には立派な土の自然神が憑くのですからね。
綾乃さんのお宅にもしっかりと根付いていつも見守ってくれていますものね」
「そう言えばたまにぼわぁんって床下が温かくなる時あるよ!
あれが土の自然神の加護なのかもしれないね」
「ええ、どの神が憑くのかは決まっていないけれど、神杭の場合は土が多いわね。
まあ本人の特性と造りからいえば当然よね、耕太郎さんならほとんど水だし。
きっと中さんなら風の系統で臣人さんなら木の系統でしょうね」
「八早月ちゃんならどうなりそうなの? 体の中にあるの神刃だっけ?
その性質に引かれるってことは草薙剣なんだし草の系統になるのかな。
それとも天叢雲剣だから雲―― ってことはないかー」
「雲の自然神は聞いたことないけれど風神雷神のお仲間かもしれないわね。
いつか見られる時が来るのか、それとも鍛冶をそこそこにしてしまうのか。
私は後者だと思っているしそれを願っているのだけれどね」
「えー、なんか夢の無い話だなぁ、そんなに鍛冶が嫌いなの?
せっかく修行してるんだし、八早月ちゃんなら高みを目指しそうなのにさ」
「せっかくと言うなら、せっかく候補が見つかったのだから任せたいわ。
今回も大分火傷してしまって、冬でなかったらボツボツの腕をさらけ出すところよ?」
そう言って服の上から腕をさすっている八早月は、そう言えば年が開けてからまだ飛雄から連絡がないことを今更思い出していた。
「さてと、今年も宿殿の短刀は業物でしょうか? どれどれ――
―― ふむう、相変わらず素晴らしい、私は今年もダメでした。
もちろん気を入れて鍛っていますから凡作と言う事ではありませんがね」
「それでは拝見させていただきましょうか、聡明さんはその間に私が鍛った物を何かしら評することができるか、少しでもいいので考えてみてください」
これは失敗したとばかりにおでこを叩いた双宗聡明だったが、その表情は笑顔であり焦った様子はない。つまり似たようなやり取りが毎年行われているのだろうと綾乃は推察した。
それにしても場違いすぎると悩みつつも、貴重な体験であることは間違いなく、せめている意味を持ちたくて客人へお茶を淹れていた。部屋の外へやって来た玉枝は茶道具一式を運んできた際、綾乃へ気楽に気楽にと耳打ちしてくれ、お陰で緊張はとうに解けている
宿と聡明へお茶を出してから八早月のすぐ後ろへと陣取り、 先ほどと同じように刀身を取り出すところを眺めようとすると、目に飛び込んできたのは刀ではなかった。
「さっきと全然違う! これって槍ってこと? スラッとしてモデルみたい。
全員刀ってわけじゃないんだね、なんか面白いなあ」
「そうね、私たちは八家の五振三柄と呼んでいるのよ。
刀剣が五振、他は槍と鉾と鎚で全て柄が付いているでしょう?
だから三柄と言うことで今日が五振三柄年初披露会というわけなのよ」
「そんな名前の付いた会だなんて聞いてなかったけどね……
でも槍も作り方は同じなんだね、ここのところがウニウニってしてるもん。
さっきの朧月とはまた違って細かいのがキレイだなあ」
「朧月とは宿殿の短刀ですか? 名前を付けてくるとは珍しいですな。
しかも五十男のセンスとは思えない美麗な響き、さては絵美さんが?」
「いやいや、うちのやつは興味持たんから名付けなんてしませんよ。
名はこちらの寒鳴嬢から頂きました、良い名でしょう?」
「ほほう、こちらが筆頭のご友人であの寒鳴殿でしたか、私はお初でしたな?
双宗聡明と申します、拙作を褒めていただき感謝いたします」
「そ、そんなご丁寧に、却ってお気を遣わせてしまい申し訳ありません。
私はただ八早月ちゃんの友達ってだけなので普通に扱って下さい……」
どうやら大げさな物言いは八早月だけではないようで、八家の人間は総じて褒め好きでやたらと人を持ち上げてくる。褒められること自体は悪いことでもないし、綾乃も嫌いではないのだが、それにしても過剰過ぎていつも気恥ずかしさが勝ってしまうのだ。
あれこれ考えているうちに槍の品評は終わったようで、聡明と宿が何やら難しい話をしている。一息ついた八早月は再び槍の穂を眼前へ掲げまじまじと見つめていた。
「槍って刀と違って両側に刃があるんだね。なんか砂浜のある岬みたい。
武器だって考えると怖いけど、美術品だと思うと目を奪われるなあ」
「やはり綾乃さんは詩人よね、言葉の響きに美しさを感じるもの。
私も早く上達して綾乃さんに名付けしてもらいたいと言う気になって来たわ」
「またそうやって大げさなこと言うんだからさ。
八畑村の人たちってそんな中で育つから、きっと同じように褒め体質になるのね」
「褒め体質なんてそれこそ大げさよ、でも貶すより褒める方がいいでしょう?
私なんてなにも言ってもらえないから寂しくて仕方ないわ」
「そう言えば八早月ちゃんのを見せてもらってないね、どれどれ――
―― あ、ああ…… なんと言うか、かた、じ、丈夫そうね?」
綾乃は桐箱の中に並べられていた赤茶色の物体を確認し、精一杯の愛想で褒めてみたが八早月は真顔で綾乃を見つめている。沈黙に耐えられなくなった綾乃がもう謝るしかないとしゃがみ込んだその瞬間――
「聡明さん、宿おじさま、今の聞いたかしら? 確かに褒め言葉ではないわ。
でもなにも言わないよりはよほどマシだと思わなくて? さすが綾乃さんだわ」
「なにがさすがなのかわからないけど、酷いこと言ってごめんね。
でも本当にどうしていいか何を言っていいかわからなかったのよ」
「気にしないでいいわ、私も自分でどうしようかと思っていたくらいだもの。
でも去年はもっと酷かったし、年々良くなっていくと思いたいわね」
八早月はそう言いながら自分の作である、短刀のように見えなくもない形状の鉄板を眺めていた。確かにこれを褒めるのに丈夫そうという言葉はしっくりくる。
その鉄板がいつの日か朧月のような美しい短刀になることを想像すると楽しみになる八早月、そして全く想像がつかず不安になる綾乃だった。
「ところで寒鳴殿、先ほどの名称を私もいただいてよろしいかな?
砂浜の岬だとちと語呂が悪いので『白浜岬』にしようと存じます」
「え、ええっ!? また!? 本当にそんな簡単に決めていいものなんですか?
なんと言うかもう少し子供の名前みたいに大切に考えた方が……」
「綾乃さん本当に気にしないでいいのよ。
この辺りの名人になると今までにかなりの数を鍛っているわ。
つまり名前なんて付けようとしても思い浮かばないんだわ、そうでしょう?」
「いやいや、そんなことはござらぬ、まだ辞書を開いてポンが残っております。
まあ気を悪くしたら申し訳ないがそのくらい気楽につける物なのですよ」
奇しくも剣と槍を名付けてしまい戸惑っていた綾乃だったが、よくわからない論法で八早月と宿に言いくるめられてしまった。そこは大人っぽく見えてもまだ中学二年生の少女、ちょろいものだ。
その後も次々に当主たちがやって来て品評をしているが、皆の評価が一番高かったのは意外にもドロシーの鍛ってきた刀身だった。それは銀色の光沢が美しくまるで宝飾品のように磨かれていた。
「いやあ、正直驚きましたぞ。去年の直剣は実用品の装いだったというのに。
一年でこれだけの加工技術を身に着けるとは驚き桃の木山椒の木ですな」
「モモノキ? それはモモタロウのなる木でしょうかナ?
つまり鬼退治ができるくらいには良くデキテいると思って良いのでスカ?
セッシャも鍛冶を始めて十年少々、見た目だけならソレナリグッド嬉しいデス」
「私もうかうかしていられませんな、いつまでも凡作ばかりでは不甲斐ない。
早く宿殿たちの領域へとたどり着きたいものです」
「あら中さん、まずは櫻さんに追いつかないといけませんよ?
櫻さんが鍛つ神杭には立派な土の自然神が憑くのですからね。
綾乃さんのお宅にもしっかりと根付いていつも見守ってくれていますものね」
「そう言えばたまにぼわぁんって床下が温かくなる時あるよ!
あれが土の自然神の加護なのかもしれないね」
「ええ、どの神が憑くのかは決まっていないけれど、神杭の場合は土が多いわね。
まあ本人の特性と造りからいえば当然よね、耕太郎さんならほとんど水だし。
きっと中さんなら風の系統で臣人さんなら木の系統でしょうね」
「八早月ちゃんならどうなりそうなの? 体の中にあるの神刃だっけ?
その性質に引かれるってことは草薙剣なんだし草の系統になるのかな。
それとも天叢雲剣だから雲―― ってことはないかー」
「雲の自然神は聞いたことないけれど風神雷神のお仲間かもしれないわね。
いつか見られる時が来るのか、それとも鍛冶をそこそこにしてしまうのか。
私は後者だと思っているしそれを願っているのだけれどね」
「えー、なんか夢の無い話だなぁ、そんなに鍛冶が嫌いなの?
せっかく修行してるんだし、八早月ちゃんなら高みを目指しそうなのにさ」
「せっかくと言うなら、せっかく候補が見つかったのだから任せたいわ。
今回も大分火傷してしまって、冬でなかったらボツボツの腕をさらけ出すところよ?」
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