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第十章 睦月(一月)
247.一月五日 夜 血判
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二人が部屋へ戻ると、先ほどの座卓には筆書きの書類が二通用意されているのが見えた。手繰も雄二郎も特に何も言わず険しい顔を見せるでも無いことから、話は無事円満にまとまったのだと察した八早月と飛雄である。
「八早月ちゃんと飛雄さんはこちら側に座ってね。では読むわよ?」
手繰は二人を並んで座らせ、許嫁の儀を執り行うといい書類にかかれていることを読み始めた。それは簡単に言えば結納であり両家親族同意のもとに二人を許嫁と定めるものとすると示された。
だがお互いの優先事項は婚姻ではなく、すべきことややりたいことがあるうちは自由であることが明記されている。これは八早月にとって大切な事であるがどう表現すれば自然なのか悩んだ末こうなってしまった一文だ。
将来どうするのか、どうなるのかはまだわからないが、八早月も綾乃のように大学へ行きたくなるかもしれない。それに飛雄には悔いが残らずやりきったと思えるところまで野球を続けてほしかった。
櫛田家に婿入りしてしまえば鍛冶修行の日々が待っている。恐らく自由な時間はほとんどなくなるだろう。さらに言えば自由があっても気軽に出かけられる環境でもない。衣食住に関しては困らないが、現代の基準で言えば八畑村への移住は軟禁されに来るようなものである。
二人があれこれと思案しているうちに手繰による読み上げが終わり、いよいよ血判による結納締結をすることとなった。今時血判などと言われて緊張しない一般人はおらず、それは神職の高岳家であっても変わらない。
「や、八早月? 本当に手のひらを切るのか? マジで?」
「何を言っているのですか、神刃で斬るのですから現世への影響はありません。
書類に血はつきませんし座卓が汚れることもありませんからご心配なく」
「そう言う問題じゃないんだけどな…… オレの手も八早月が切るのか?
それとも自分で? 同じ事するとなると金鵄に斬らせるってことだよな?」
「そうですが人の皮膚を切り裂くような力はあるのでしょうか?
力量と言うことではなく能力や制限がどうなっているかと言うことです」
「人に向けた攻撃自体試したことがないからわからないなぁ。
こんな事なら試しておけばよかったか」
「もう、こんなことに時間をかけていても仕方ありませんよ?
ほら手をお出しくださいな、参りますよ? はい、はいっと、ほらにぎにぎしてください」
八早月があっという間に飛雄の手を取り手のひらに十字を書くようなしぐさをしたところ、手のひらから多量の血が溢れ出てきた。
「うわぁああ、痛ってええええ! 握ってどうするんだ? 痛てててて」
「手のひら全てに血がついたら書類の上から手形を押してください。
ためらわずこんな感じですから、痛いくらい平気です、すぐ治しますから」
八早月は何のためらいもなく自分の手のひらを切り裂くと、何度かにぎにぎしてから書類に掌を押し付けた。確かに周りに零れたり飛び散ったりする様子はない。しかしきちんと小さな手形がついているのは見て取れた。
飛雄も痛みを我慢しつつもう一枚の書類に血判をし儀式は終了だ。八早月より二回りほど大きな手形は真っ赤なのだが、周囲には一滴も落ちていない。いつの間にか飛雄のすぐ側には小人のような巳女が来ておりまた治療をしてくれた。
「それでは私の血判が押された書を持ちかえり高岳家で保管ください。
飛雄さんの分はこちらでお預かりいたします、それと――」
八早月が手繰へ目配せをすると後ろに置いてあったバッグから風呂敷に包まれた何かを取り出した。小さな箱のような形をしているが何だろうと、飛雄と父たちは覗き込んだ。
「では高岳様、こちらをお納めくださいませ。奇数が良いのは同じですか?
そのため五円玉を同封しておきました、無礼と受け取らないようお願いいたします」
「こ、これは? 当方が受け取ってよろしいのでしょうか?
私共で用意し持たせるものは多くありませんのであまりに、その……」
「問題ございません、こちらはご長男をいただくのですから当然でしょう。
来ていただくまでの期間はわかりませんが、自己研鑽のためにもご遠慮せずに。
必要に応じて追加のご用意も考えておりますのお気軽にお申し付けください」
目の前に包みを差し出された雄二郎は中身が何かを察し戸惑っている。もちろん磯吉もなにが行われているかを理解して驚きの表情だ。この場で起きていることが何なのかわからず呆けた顔を見せているのは飛雄だけだった。
「ささ、どうぞお仕舞下さい、これで無事結納が済みましたね。
正月で用意出来るものが限られ大したおもてなしができずお恥ずかしい。
ですが下女たちが頑張ってくれましたので、そろそろ皆で夕食にしましょう。
もうお湯が沸いておりますのでまずは汗をお流しくださいませ。
房枝さん、用意をお願いしますね」
「はい奥様、かしこまりました、それと火鉢へ炭を追加いたしますね。
夜になり大分冷えてきましたのでおこたにしましょうか?」
「それもいいですね、では用意が出来たら食堂へ移動いたしましょう。
高岳様は苦手なものなどございますか? 海鮮は用意出来ていないのです。
山の幸ばかりとなりますので無理せず好きなものだけおつまみ下さいね」
「これは恐縮です、私も兄も食に頓着は無いのでお気になさらず。
山の幸を食す機会は多くないので楽しみです、以前いただいた山菜もおいしくいただきました」
「あらあら、こんな田舎のものを喜んでいただけたのなら嬉しい限りですね。
お口に合うようなら帰りにお持ちいただけるよう手配いたしましょう」
そんな風に大人な会話が続けられながら、櫛田家ではいつもより少しだけ遅く、そして人の多い賑やかな夕餉の時間を迎えていた。献立は山菜料理が中心の懐石風で鹿肉をメインに据えた、決して豪華ではないがなかなかに凝ったものだ。
「まさか房枝さんまで台所に立っていたとは驚きです、とてもおいしいですよ。
いつもこのくらいの味付けにしてくれたら嬉しいのですけれどね」
「あらいやですよお、お嬢さまったらお世辞なんて珍しですなあ。
ワシだって煮炊きくらいはちゃんと出来るのでございますよ?
味付けは玉枝に任せておけばおかしなことにゃならんでしょうしな」
「なるほど、それなら納得だわ。鹿肉も軟らかく煮てあるしおいしいわね。
飛雄さんたちもこれなら平気かしら、気に入っていただけると良いのだけれど」
「鹿って初めてだけど普通にうまいもんなんだな、それにキノコとよくあうね。
こっちの天ぷらもなんだかわからないけどうまいよ、甘い天ぷらなんて初めてだ」
「あらま、若旦那様に褒めていただき光栄ですな。それは干し柿でございます。
都会じゃ珍しいのかもしれねえですがここいらじゃごく普通のもんじゃね。
こっちの吸い物はどうだかね? 干しまったけ出汁だから香りが良いです」
「まつたけを干してしまうとは贅沢な、確かに香りが高く美味ですなあ。
いやあ、海のものしかろくに知らんので恥ずかしい限り、山もいいもんです」
どうやら飛雄も父親たちも十分堪能してくれているようだと八早月は一安心だった。夢路曰く『男は胃袋を掴むべし』らしいが八早月自身は料理がまったくできないため、少々不安を感じていた。
しかし最終的に腹に入ってしまえば誰が作ったのかは大した問題でもないように思える。もちろん味がいいことと量が多いことは大前提だが、これなら八早月が作らずとも誰かに頼めばいいし、何なら将来は飛雄が作ればよい、などと考えていた。
目の前でそんなことを考えている許嫁がいるとは考えていない飛雄は、ようやく肩の荷が下りてホッとしていた。自分を見つめる八早月の姿も最高に気分を盛り上げてくれる。
だが、今日はなんていい日なんだと思いつつ、明日には帰宅しなければいけないことを思い出し情けないほど寂しさを感じてしまうのだった。
「八早月ちゃんと飛雄さんはこちら側に座ってね。では読むわよ?」
手繰は二人を並んで座らせ、許嫁の儀を執り行うといい書類にかかれていることを読み始めた。それは簡単に言えば結納であり両家親族同意のもとに二人を許嫁と定めるものとすると示された。
だがお互いの優先事項は婚姻ではなく、すべきことややりたいことがあるうちは自由であることが明記されている。これは八早月にとって大切な事であるがどう表現すれば自然なのか悩んだ末こうなってしまった一文だ。
将来どうするのか、どうなるのかはまだわからないが、八早月も綾乃のように大学へ行きたくなるかもしれない。それに飛雄には悔いが残らずやりきったと思えるところまで野球を続けてほしかった。
櫛田家に婿入りしてしまえば鍛冶修行の日々が待っている。恐らく自由な時間はほとんどなくなるだろう。さらに言えば自由があっても気軽に出かけられる環境でもない。衣食住に関しては困らないが、現代の基準で言えば八畑村への移住は軟禁されに来るようなものである。
二人があれこれと思案しているうちに手繰による読み上げが終わり、いよいよ血判による結納締結をすることとなった。今時血判などと言われて緊張しない一般人はおらず、それは神職の高岳家であっても変わらない。
「や、八早月? 本当に手のひらを切るのか? マジで?」
「何を言っているのですか、神刃で斬るのですから現世への影響はありません。
書類に血はつきませんし座卓が汚れることもありませんからご心配なく」
「そう言う問題じゃないんだけどな…… オレの手も八早月が切るのか?
それとも自分で? 同じ事するとなると金鵄に斬らせるってことだよな?」
「そうですが人の皮膚を切り裂くような力はあるのでしょうか?
力量と言うことではなく能力や制限がどうなっているかと言うことです」
「人に向けた攻撃自体試したことがないからわからないなぁ。
こんな事なら試しておけばよかったか」
「もう、こんなことに時間をかけていても仕方ありませんよ?
ほら手をお出しくださいな、参りますよ? はい、はいっと、ほらにぎにぎしてください」
八早月があっという間に飛雄の手を取り手のひらに十字を書くようなしぐさをしたところ、手のひらから多量の血が溢れ出てきた。
「うわぁああ、痛ってええええ! 握ってどうするんだ? 痛てててて」
「手のひら全てに血がついたら書類の上から手形を押してください。
ためらわずこんな感じですから、痛いくらい平気です、すぐ治しますから」
八早月は何のためらいもなく自分の手のひらを切り裂くと、何度かにぎにぎしてから書類に掌を押し付けた。確かに周りに零れたり飛び散ったりする様子はない。しかしきちんと小さな手形がついているのは見て取れた。
飛雄も痛みを我慢しつつもう一枚の書類に血判をし儀式は終了だ。八早月より二回りほど大きな手形は真っ赤なのだが、周囲には一滴も落ちていない。いつの間にか飛雄のすぐ側には小人のような巳女が来ておりまた治療をしてくれた。
「それでは私の血判が押された書を持ちかえり高岳家で保管ください。
飛雄さんの分はこちらでお預かりいたします、それと――」
八早月が手繰へ目配せをすると後ろに置いてあったバッグから風呂敷に包まれた何かを取り出した。小さな箱のような形をしているが何だろうと、飛雄と父たちは覗き込んだ。
「では高岳様、こちらをお納めくださいませ。奇数が良いのは同じですか?
そのため五円玉を同封しておきました、無礼と受け取らないようお願いいたします」
「こ、これは? 当方が受け取ってよろしいのでしょうか?
私共で用意し持たせるものは多くありませんのであまりに、その……」
「問題ございません、こちらはご長男をいただくのですから当然でしょう。
来ていただくまでの期間はわかりませんが、自己研鑽のためにもご遠慮せずに。
必要に応じて追加のご用意も考えておりますのお気軽にお申し付けください」
目の前に包みを差し出された雄二郎は中身が何かを察し戸惑っている。もちろん磯吉もなにが行われているかを理解して驚きの表情だ。この場で起きていることが何なのかわからず呆けた顔を見せているのは飛雄だけだった。
「ささ、どうぞお仕舞下さい、これで無事結納が済みましたね。
正月で用意出来るものが限られ大したおもてなしができずお恥ずかしい。
ですが下女たちが頑張ってくれましたので、そろそろ皆で夕食にしましょう。
もうお湯が沸いておりますのでまずは汗をお流しくださいませ。
房枝さん、用意をお願いしますね」
「はい奥様、かしこまりました、それと火鉢へ炭を追加いたしますね。
夜になり大分冷えてきましたのでおこたにしましょうか?」
「それもいいですね、では用意が出来たら食堂へ移動いたしましょう。
高岳様は苦手なものなどございますか? 海鮮は用意出来ていないのです。
山の幸ばかりとなりますので無理せず好きなものだけおつまみ下さいね」
「これは恐縮です、私も兄も食に頓着は無いのでお気になさらず。
山の幸を食す機会は多くないので楽しみです、以前いただいた山菜もおいしくいただきました」
「あらあら、こんな田舎のものを喜んでいただけたのなら嬉しい限りですね。
お口に合うようなら帰りにお持ちいただけるよう手配いたしましょう」
そんな風に大人な会話が続けられながら、櫛田家ではいつもより少しだけ遅く、そして人の多い賑やかな夕餉の時間を迎えていた。献立は山菜料理が中心の懐石風で鹿肉をメインに据えた、決して豪華ではないがなかなかに凝ったものだ。
「まさか房枝さんまで台所に立っていたとは驚きです、とてもおいしいですよ。
いつもこのくらいの味付けにしてくれたら嬉しいのですけれどね」
「あらいやですよお、お嬢さまったらお世辞なんて珍しですなあ。
ワシだって煮炊きくらいはちゃんと出来るのでございますよ?
味付けは玉枝に任せておけばおかしなことにゃならんでしょうしな」
「なるほど、それなら納得だわ。鹿肉も軟らかく煮てあるしおいしいわね。
飛雄さんたちもこれなら平気かしら、気に入っていただけると良いのだけれど」
「鹿って初めてだけど普通にうまいもんなんだな、それにキノコとよくあうね。
こっちの天ぷらもなんだかわからないけどうまいよ、甘い天ぷらなんて初めてだ」
「あらま、若旦那様に褒めていただき光栄ですな。それは干し柿でございます。
都会じゃ珍しいのかもしれねえですがここいらじゃごく普通のもんじゃね。
こっちの吸い物はどうだかね? 干しまったけ出汁だから香りが良いです」
「まつたけを干してしまうとは贅沢な、確かに香りが高く美味ですなあ。
いやあ、海のものしかろくに知らんので恥ずかしい限り、山もいいもんです」
どうやら飛雄も父親たちも十分堪能してくれているようだと八早月は一安心だった。夢路曰く『男は胃袋を掴むべし』らしいが八早月自身は料理がまったくできないため、少々不安を感じていた。
しかし最終的に腹に入ってしまえば誰が作ったのかは大した問題でもないように思える。もちろん味がいいことと量が多いことは大前提だが、これなら八早月が作らずとも誰かに頼めばいいし、何なら将来は飛雄が作ればよい、などと考えていた。
目の前でそんなことを考えている許嫁がいるとは考えていない飛雄は、ようやく肩の荷が下りてホッとしていた。自分を見つめる八早月の姿も最高に気分を盛り上げてくれる。
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