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第十章 睦月(一月)
251.一月八日 夕刻 西洋呪術再び
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地上でそんなことが起きている中、誰も正気で無いことをいいことに宙へと上がった八早月は、上空から少しづつ高度を下げていく。ある程度の高さまで来たところで藻との関係性が一瞬途切れたように感じたため、それ以上は下がらないよう命じてからいよいよ作戦開始だ。
「では巳さん、お願いできますか? 風を計算に入れて人の多いところへお願いしますね」
「まったく主様は蛇遣いが荒い、そんな難しいこと出来るのか疑問なのじゃ。
それよりもこの結界を壊した方が早いのではないのかえ?」
「巳さんは結界が見えるのですか? 私には見えませんし藻さんはいかがです?
結界を構成している呪符の位置がわかれば何とかなりそうですね!」
「巳殿、私も結界自体は見えませんよ? どのような形なのですか?
見えているなら高さはいかほどなのか教えてくださいまし」
「高さはあの建物くらいじゃろか、ひふうみい―― 十三カ所から伸びておる。
恐らくその根っこが呪符の位置ではないじゃろうか、と言っても見えぬのじゃった」
巳女は大まかな目標を八早月え伝えていく。砂場の奥に一つ、雲梯の辺りに一つ、体育館の入り口付近に一つと言った具合である。そしてその線が結ばれている位置はやはりステージ近辺で、どうやら楽団裏手になるようだ。
こうなれば後は地上から始末していくことになる。八早月は行ったり来たりと忙しいことにブツブツと文句を言いながら地上へと降り立った。そこではホッとしたような綾乃と美晴、そして池の鯉のように口をパクパクさせている橋乃鷹涼が待ち構えていた。
「何か言いたいのなら後でゆっくりとうかがいます、ですが今は時間が惜しい。
早速行って参りますが、先ほどの呪符は藻さんが預かりここで待機願います」
「かしこまりました、主様も十分にご注意を。
結界の効果が明確では無いですからから用心に越したことはございません」
「肝に銘じておきます、真宵さんも巳さんもこちらにいてください。
万一の際には自身の判断での戦闘を許可します」
綾乃以外には何が行われているのかはっきりわからないが、涼はともかく美晴はなんとなく察している。金井小の敷地内へ入ると真宵たちが動けなくなると言うことだろうと考えており、それは概ね正解だった。
またまた校庭内へ入った八早月は先ほど巳女から聞いて書き留めていた場所へと向かった。一番近いのは青いプラスチック製の植木鉢がたくさん並べられている花壇の付近である。
先ほどの呪符は攪乱するための偽物、と言うことは全く別の形状である可能性が高い。それにもしかしたら地面の中に埋められているかもしれない。その時真宵から念話が届いた。
『八早月さ―― もうす―― み―― ざい―― み――』
『途切れ途切れで聞き取れませんが右と言いたいのでしょうか?
何か明確な目印はありませんか?』
『み―― るあ―― あ―― なの―― とで――
―― にあ―― の―― いは―― ねも――』
『もっと右の赤いなにかでしょうか、赤赤赤…… 赤い花ですね!
この辺りから伸びていると言うわけですね、巳さん真宵さん、流石です!』
恐らく上空から巳女が確認し真宵が伝えようと自分たちの判断で思いつき実行しているのだと察した八早月は、考えが及ばず明確な指示を出せなかった自分の至らなさ恥じるばかりだと反省していた。
だが反省するのは後でいい、今は一刻も早く結界の芯を探し出すのが先決と急いで探って行く。するとその甲斐あって花壇へと差し込まれた杭のようなものを見つけた。上面には例の魔方陣と言う紋様が掘られている。
『真宵さん、巳さん! ありました! 次へ向かいます!』
『よか―― で―― まで―――― ぶんに―― ださ――』
『はい、ありがとうございます、それでは次もお願いしますね』
いつも八早月のことを第一に心配してくれる真宵たちに感謝しつつ、もう少ししっかりしなければならないと気を引き締めながら八早月は走る。砂場の奥と雲梯の辺りにも同じ杭が撃ち込まれていたが、こちらは花壇のように周囲がごちゃごちゃしていないのですぐに見つかった。
『これで三本始末できましたね、残り十本速やかな排除に向かいましょう。
念話はどうですか? 結界は弱まっているでしょうか』
『はい、だい―― す。これな―― 普通に―― きる―― かいか――』
『あと一、二本と言うところでしょうか、急ぎましょう』
体育館の入り口で一本、その裏手の体育倉庫奥にもう一本と続けて発見して除去した八早月は通信の回復と共にもう一つの異変に気が付いた。
『いかがいたしましたか!? 八早月様! 今参ります!』
『いえ、真宵さんたちは表で待機願います、何者かが侵入するようなら斬り捨てて構いません』
そして八早月は念話をやめて改めて口を開いた。
「それであなたは何者なのでしょうか、日本語は通じるのでしょうか。
どうなのですか? 異国のお方?」
「ハハハ、ボクはジャパン育ちだからね、もちろん日本語はペラペラさ。
逆に英語のほうが苦手なくらいなんだぜ?」
「英語が苦手とは気が合いそうですね。
それを確かめるためにも手合わせをお願いできますか?
武器を用意するならお待ちしますよ?」
強烈な殺気を放っていることから只者ではないとすぐに察した八早月は、赤髪に碧眼を持ち黒いスーツをまとった異国人に警戒を強めていた。武器に言及したのは後から出されるくらいなら最初から見ておいたほうが対処法を考えやすいからである。
目の前の相手は、八早月がそれほど警戒を高めたくなる程の雰囲気を醸し出している。恐らくは熟練の武道家であると睨んだのだが、さらに懐から変わった得物を取り出した。
それは手のひらよりもわずかに長い程度、二十センチほどの太い革紐のようなものだ。先には重りが内封されているようでこんもりと丸くコブのように盛り上がっている。その形状からひと目で隠し武器の一種だとわかるが、それを堂々と出してきたことからもこの男の自信がうかがえると言うものだ。
対して八早月は武器を持っていない。無ければ戦えないわけではないが、相手の徒手を交わしてもあの武器の長さ分わずかに攻撃が伸びてくるだろう。捌くにはなにか武器があった方がいいのは間違いない。
「仕方ありません、一般人相手には使いたくないのですがね。
あなたはおそらく暗殺やそれに準ずる稼業の方でしょう?
加減する必要はございませんわね? それとも大人しく投降するならそれも良し」
「まさかまさかリィルガァル、君のような小さな子がボクに抵抗するのかい?
ベッド以外で女の子に怪我をさせるのは趣味じゃないんだよ、ァンダスタン?」
「のーあんだすたんですね。特にべっどと怪我の関係性が意味不明です。
日が沈むまでにまだ時間がありますが、もう眠たくなってしまったのですか?
やれやれ、大人なのに意外とだらしないですね」
「まったく生意気なキトゥンちゃんだ、望みどおりお仕置きしてあげよう」
「それをそっくりお返します、八岐八家筆頭、櫛田八早月、受けて立ちましょう」
「我流、キーマ・ターリーだ、覚悟してもらおうか」
まさかこんな田舎の小学校校庭の隅で異国人と立ち会うとは想像したこともなかった八早月だが、この男を野放しにすることは出来ないと考え本気でやりあおうと決断し剣を握りしめた。
「では巳さん、お願いできますか? 風を計算に入れて人の多いところへお願いしますね」
「まったく主様は蛇遣いが荒い、そんな難しいこと出来るのか疑問なのじゃ。
それよりもこの結界を壊した方が早いのではないのかえ?」
「巳さんは結界が見えるのですか? 私には見えませんし藻さんはいかがです?
結界を構成している呪符の位置がわかれば何とかなりそうですね!」
「巳殿、私も結界自体は見えませんよ? どのような形なのですか?
見えているなら高さはいかほどなのか教えてくださいまし」
「高さはあの建物くらいじゃろか、ひふうみい―― 十三カ所から伸びておる。
恐らくその根っこが呪符の位置ではないじゃろうか、と言っても見えぬのじゃった」
巳女は大まかな目標を八早月え伝えていく。砂場の奥に一つ、雲梯の辺りに一つ、体育館の入り口付近に一つと言った具合である。そしてその線が結ばれている位置はやはりステージ近辺で、どうやら楽団裏手になるようだ。
こうなれば後は地上から始末していくことになる。八早月は行ったり来たりと忙しいことにブツブツと文句を言いながら地上へと降り立った。そこではホッとしたような綾乃と美晴、そして池の鯉のように口をパクパクさせている橋乃鷹涼が待ち構えていた。
「何か言いたいのなら後でゆっくりとうかがいます、ですが今は時間が惜しい。
早速行って参りますが、先ほどの呪符は藻さんが預かりここで待機願います」
「かしこまりました、主様も十分にご注意を。
結界の効果が明確では無いですからから用心に越したことはございません」
「肝に銘じておきます、真宵さんも巳さんもこちらにいてください。
万一の際には自身の判断での戦闘を許可します」
綾乃以外には何が行われているのかはっきりわからないが、涼はともかく美晴はなんとなく察している。金井小の敷地内へ入ると真宵たちが動けなくなると言うことだろうと考えており、それは概ね正解だった。
またまた校庭内へ入った八早月は先ほど巳女から聞いて書き留めていた場所へと向かった。一番近いのは青いプラスチック製の植木鉢がたくさん並べられている花壇の付近である。
先ほどの呪符は攪乱するための偽物、と言うことは全く別の形状である可能性が高い。それにもしかしたら地面の中に埋められているかもしれない。その時真宵から念話が届いた。
『八早月さ―― もうす―― み―― ざい―― み――』
『途切れ途切れで聞き取れませんが右と言いたいのでしょうか?
何か明確な目印はありませんか?』
『み―― るあ―― あ―― なの―― とで――
―― にあ―― の―― いは―― ねも――』
『もっと右の赤いなにかでしょうか、赤赤赤…… 赤い花ですね!
この辺りから伸びていると言うわけですね、巳さん真宵さん、流石です!』
恐らく上空から巳女が確認し真宵が伝えようと自分たちの判断で思いつき実行しているのだと察した八早月は、考えが及ばず明確な指示を出せなかった自分の至らなさ恥じるばかりだと反省していた。
だが反省するのは後でいい、今は一刻も早く結界の芯を探し出すのが先決と急いで探って行く。するとその甲斐あって花壇へと差し込まれた杭のようなものを見つけた。上面には例の魔方陣と言う紋様が掘られている。
『真宵さん、巳さん! ありました! 次へ向かいます!』
『よか―― で―― まで―――― ぶんに―― ださ――』
『はい、ありがとうございます、それでは次もお願いしますね』
いつも八早月のことを第一に心配してくれる真宵たちに感謝しつつ、もう少ししっかりしなければならないと気を引き締めながら八早月は走る。砂場の奥と雲梯の辺りにも同じ杭が撃ち込まれていたが、こちらは花壇のように周囲がごちゃごちゃしていないのですぐに見つかった。
『これで三本始末できましたね、残り十本速やかな排除に向かいましょう。
念話はどうですか? 結界は弱まっているでしょうか』
『はい、だい―― す。これな―― 普通に―― きる―― かいか――』
『あと一、二本と言うところでしょうか、急ぎましょう』
体育館の入り口で一本、その裏手の体育倉庫奥にもう一本と続けて発見して除去した八早月は通信の回復と共にもう一つの異変に気が付いた。
『いかがいたしましたか!? 八早月様! 今参ります!』
『いえ、真宵さんたちは表で待機願います、何者かが侵入するようなら斬り捨てて構いません』
そして八早月は念話をやめて改めて口を開いた。
「それであなたは何者なのでしょうか、日本語は通じるのでしょうか。
どうなのですか? 異国のお方?」
「ハハハ、ボクはジャパン育ちだからね、もちろん日本語はペラペラさ。
逆に英語のほうが苦手なくらいなんだぜ?」
「英語が苦手とは気が合いそうですね。
それを確かめるためにも手合わせをお願いできますか?
武器を用意するならお待ちしますよ?」
強烈な殺気を放っていることから只者ではないとすぐに察した八早月は、赤髪に碧眼を持ち黒いスーツをまとった異国人に警戒を強めていた。武器に言及したのは後から出されるくらいなら最初から見ておいたほうが対処法を考えやすいからである。
目の前の相手は、八早月がそれほど警戒を高めたくなる程の雰囲気を醸し出している。恐らくは熟練の武道家であると睨んだのだが、さらに懐から変わった得物を取り出した。
それは手のひらよりもわずかに長い程度、二十センチほどの太い革紐のようなものだ。先には重りが内封されているようでこんもりと丸くコブのように盛り上がっている。その形状からひと目で隠し武器の一種だとわかるが、それを堂々と出してきたことからもこの男の自信がうかがえると言うものだ。
対して八早月は武器を持っていない。無ければ戦えないわけではないが、相手の徒手を交わしてもあの武器の長さ分わずかに攻撃が伸びてくるだろう。捌くにはなにか武器があった方がいいのは間違いない。
「仕方ありません、一般人相手には使いたくないのですがね。
あなたはおそらく暗殺やそれに準ずる稼業の方でしょう?
加減する必要はございませんわね? それとも大人しく投降するならそれも良し」
「まさかまさかリィルガァル、君のような小さな子がボクに抵抗するのかい?
ベッド以外で女の子に怪我をさせるのは趣味じゃないんだよ、ァンダスタン?」
「のーあんだすたんですね。特にべっどと怪我の関係性が意味不明です。
日が沈むまでにまだ時間がありますが、もう眠たくなってしまったのですか?
やれやれ、大人なのに意外とだらしないですね」
「まったく生意気なキトゥンちゃんだ、望みどおりお仕置きしてあげよう」
「それをそっくりお返します、八岐八家筆頭、櫛田八早月、受けて立ちましょう」
「我流、キーマ・ターリーだ、覚悟してもらおうか」
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