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第十章 睦月(一月)
252.一月八日 夕方 決着
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戦闘とは無縁そうな小学校の校庭では、今まさに八早月と謎の人物が相対し戦いの火蓋が切って落とされるところだった。先に仕掛けたのはキーマ・ターリーと名乗った男である。男は一気に距離を詰め初撃を放つ。
拳の先には先ほどの隠し武器を握っているがこれは見せかけの罠である。わざわざ目立つように見せておき、いざと言う時に使い方を変えるのだろう。形状からすれば徒手拳を繰り出した後に遠心力で相手を叩くものであることは明白だ。
最初は使用を控えておいて様子を探り、八早月が拳を紙一重でかわすようになったら仕込みは完了。同じように既のところで身をかわすと、次は武器の先端が後頭部等の死角へ回り込んで攻撃を加えることができると言う寸法である。
と、八早月はここまで読んでいた。方や八早月は見た目は素手で拳を握りしめているだけである。しかし実のところその手には神刃の草薙剣 形代が握られている。
直接的に怪我を負わせるようなことは出来ないが、相手の攻撃を弾くことや痛みを与えることは可能である。そのまま戦意喪失まで持っていくか、気絶させればカタがつくと考えていた。
しかしキーマも歴戦の猛者らしくことはそう簡単には進まない。八早月はかわすよりも弾くようにして隠し武器が襲ってくるような死角を作らない立ち回り、そしてキーマは何とか八早月の体制を崩して死角を作らせようと距離を詰めてくる。
「タア! テヤッ、ハッ!」
「なんの! はい! はあっ!」
本来なら静かな体育倉庫の奥には覇気を伴う二人の掛け声だけが轟く。今はまだ戦闘開始直後、それぞれが相手の力量を値踏みしている段階である。そしてどちらもこの相手はなかなかの遣い手であると判断していた。
こうなると地味な探り合いが続くことになるのだが、ここで八早月はいつもより体の動きが悪いことを感じ取っていた。おそらく呪術のせいもあるし真宵がいないせいでもあるだろう。
いつもなら真宵が一緒に戦ってくれるはずだが今はそばにいない。自分だけの力で切り抜けるしかないのだ。考えてみれば、身内の立ち合いを除けば対人戦闘は八早月にとって初めての経験のため知らずのうちに緊張していた。
いくら緊張しようがこの戦いは避けられない。なんせ呪術に用いられたのが明白な呪具を撤去していたところを邪魔すると言うことはあちら側の人間と言うことで間違いない。しかもいきなり好戦的な態度で向ってくるなぞただ事ではないに決まっている。決して野放しにしていい相手ではないと判断したのだ。
繰り返し八早月を襲う拳と、まれに繰り出される蹴り技の鋭さはかなりのものだ。それでも八早月にとってかわすことだけなら容易い。問題は隠し武器の存在とあまりに長いリーチへの対応である。
八早月の身長は百四十センチに満たない。それに引き換えキーマは百八十センチ以上はあるだろう。今まで見たことのある人物で比べると板倉に近いがさらに背が高く想像以上に遠くから拳が届いてくる。
だがそれは逆に懐での小回りが利かないことが推察される。八早月は一気に距離を詰めて胸元へと逆手の斬撃を繰り出した。だがその瞬間、八早月の拳は上に上がって行かず途中でなにかに阻まれだ。
「くっ! 一体どういう―― !?」
「そんなことには対策済みだよ、次はボクの番だね、エイヤアッ!!」
キーマは肘の辺りに仕込んだ革ベルトを反対の手で掴み、八早月が突き上げた腕を途中で引っかけ止めたのだ。広い懐の隙を埋めるための策としてはなかなかの物である。そしてボクの番と言った通りそこから膝蹴りを繰り出してきた。
腕を絡み取られている八早月はとっさに抜け出すことが難しい。この一撃は受け止め耐えるしかない、キーマはそう考えてガードの上からのダメージを狙い全力で膝を突き立てた。いわゆるムエタイの首相撲のような体勢から襲い掛かる膝が直撃すれば大ダメージ必至である。
だがこの瞬間、キーマの体が大きく仰け反ることになる。
「グワアアッ!? ッツウ! チクショウ、なにが起きたんだ」
キーマが胸を抑えながら膝をついている。八早月は革ベルトに受け止められ痛い目にあった肘の裏をさすりながら相手を無言で見つめるだけだ。見えない角度から放った攻撃がどういうものだったか、わざわざ解説するほど優しくも甘くもない。
それはわかってしまえば単純なものだ。キーマの繰り出した膝蹴りを、膝を折り曲げ足の裏でガードする。その勢いを乗せて逆立ちするように蹴り上げたと言うわけだ。しかし本当は顎を狙ったのだから効果は薄かった。
「さ、これで終わりではありませんよね、続けましょう?
そろそろ貴方の動きもわかってきましたから本気で倒させていただきます」
「小娘が戯言を言う、だが正直驚いているよ、まさかこんな少女がいるなんて。
だがボクも負けるわけにはいかない、こちらも本気でいかせてもらおう」
そう言うとキーマは隠し武器を手の先にだらんとぶら下げるように構えた。いよいよ警戒していた攻撃が繰り出されると言うわけだ。だがそれこそが八早月にとっての勝ち筋だった。
サップを最大限に活かすなら徒手拳は正拳付きではなくボクシングのフックのような弧を描く必要がある。手の先から繰り出される追加攻撃は遠心力を加えることで初めて効果を発揮するからだ。そしてその動きはどうしても大振りになりやすい。
だがキーマはさすがの手練れである。八早月の予想よりもはるかに直線的な動きでストレートに近いパンチを繰り出していた。最後に手首を動かすことでサップを振ってくるため隙が少なく反撃が難しい。
「シュッ、シュッ―― シュッ、シュッ! ―― ッシャッ!」
「ぱん、ぺち―― ぱちん、たっ―― ぺちっ」
ここまでくるとキーマもなにかがおかしいと気付き始めていた。一体この少女はどうやって攻撃を受けているのだろうか、と。全ての攻撃が死角を突く前にあっさりと弾かれているが、どう見ても手には武器を持っていない。まさか素手で弾くことなどできるはずもなく男は困惑していた。
「手が止まったようですね、それではこちらから参りましょう。
キーマ殿、お覚悟!」
掛け声とともに走り寄って行った八早月を先ほどのように革ベルトを垂れ下げながら迎えうとうとしたキーマ、しかし少女は突然目の前から消えてしまった。向ってくる八早月の視線から、先ほど同様一撃必殺を狙って顎を狙ってくると踏んでいたのだがどうやら違っていたようだ。
それを理解したのは膝に激痛が走った後である。上半身を狙っているような動きはフェイントで、一気に体を沈めてから膝を切り裂いていったのだ。しかしナイフや刀を持っている様子は無く、実際にキーマの膝から出血は無い。痛みはあるがそれだけである。
『くう、小娘のくせに鋭い手刀を出す、既に少女だと侮っているわけではない。
この調子だと逃げることも考えた方が良さそうだ』
「さあ次! 参ります!」
キーマが逃げを考えたせいで反応がわずかに遅れてしまった。それがそのまま隙になり、またもや視界から見失ってしまう。だがさすがに二度は引っかからず真下にいることはわかっていた。だがそれ自体が罠だったのだ。
「ふふ、顔を下げてくれましたね、ようやく届きます」
本当にそう言っていたのか定かではないが、キーマは薄れゆく意識の中で確かに少女の声を聞いた。キーマは痛みよりも気持ちよさすら感じながら何が起きたのかを考えてみた。
キーマは真下に潜りこまれたことに対し、上から拳を叩きこもうと振りかぶりながら覗き込んだ。つまり体を折り曲げかがむような格好をしたのだ。そこへ真下から飛び上がるように現れた少女の小さな拳が、的確に大男の顎をカウンターで捉え脳震盪を引き起こしたと言うわけである。
『おっと、さすがに大きな人ですから重いですね。
残りの杭を抜きに行く前にこの方の処置をしなければなりません。
拘束しておかなければなりませんがどうすればいいでしょうねえ』
八早月は少しの間考え込んでいたが、申し訳ないと思いつつも演奏会の誘導に使われていたロープを拝借することにした。それを使ってキーマを縛り上げ、とりあえず体育館の裏へ転がしておく。
『真宵さん、体育館の裏に賊を転がしてありますので監視をお願いします。
すでにその場所の結界は解かれているので問題ないと思います』
『はっ、すでに到着しました、まさかの異国人でしたか。
念のため須佐乃へ連絡しておきましたので、間もなく宿様が駆けつけて下さるでしょう』
『そうでしたそうでした、いつも先回りしてくれてありがとうございます。
私は杭を抜きに行きますので何かあれば教えてください』
『かしこまりました、賊がまだいるやもしれませんのでご用心くださいませ』
だが結局ほかに賊はおらず、全ての杭を抜き終わる前には演奏会も平常運転へと戻り、こちらも無事に終演を迎えていた。
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拳の先には先ほどの隠し武器を握っているがこれは見せかけの罠である。わざわざ目立つように見せておき、いざと言う時に使い方を変えるのだろう。形状からすれば徒手拳を繰り出した後に遠心力で相手を叩くものであることは明白だ。
最初は使用を控えておいて様子を探り、八早月が拳を紙一重でかわすようになったら仕込みは完了。同じように既のところで身をかわすと、次は武器の先端が後頭部等の死角へ回り込んで攻撃を加えることができると言う寸法である。
と、八早月はここまで読んでいた。方や八早月は見た目は素手で拳を握りしめているだけである。しかし実のところその手には神刃の草薙剣 形代が握られている。
直接的に怪我を負わせるようなことは出来ないが、相手の攻撃を弾くことや痛みを与えることは可能である。そのまま戦意喪失まで持っていくか、気絶させればカタがつくと考えていた。
しかしキーマも歴戦の猛者らしくことはそう簡単には進まない。八早月はかわすよりも弾くようにして隠し武器が襲ってくるような死角を作らない立ち回り、そしてキーマは何とか八早月の体制を崩して死角を作らせようと距離を詰めてくる。
「タア! テヤッ、ハッ!」
「なんの! はい! はあっ!」
本来なら静かな体育倉庫の奥には覇気を伴う二人の掛け声だけが轟く。今はまだ戦闘開始直後、それぞれが相手の力量を値踏みしている段階である。そしてどちらもこの相手はなかなかの遣い手であると判断していた。
こうなると地味な探り合いが続くことになるのだが、ここで八早月はいつもより体の動きが悪いことを感じ取っていた。おそらく呪術のせいもあるし真宵がいないせいでもあるだろう。
いつもなら真宵が一緒に戦ってくれるはずだが今はそばにいない。自分だけの力で切り抜けるしかないのだ。考えてみれば、身内の立ち合いを除けば対人戦闘は八早月にとって初めての経験のため知らずのうちに緊張していた。
いくら緊張しようがこの戦いは避けられない。なんせ呪術に用いられたのが明白な呪具を撤去していたところを邪魔すると言うことはあちら側の人間と言うことで間違いない。しかもいきなり好戦的な態度で向ってくるなぞただ事ではないに決まっている。決して野放しにしていい相手ではないと判断したのだ。
繰り返し八早月を襲う拳と、まれに繰り出される蹴り技の鋭さはかなりのものだ。それでも八早月にとってかわすことだけなら容易い。問題は隠し武器の存在とあまりに長いリーチへの対応である。
八早月の身長は百四十センチに満たない。それに引き換えキーマは百八十センチ以上はあるだろう。今まで見たことのある人物で比べると板倉に近いがさらに背が高く想像以上に遠くから拳が届いてくる。
だがそれは逆に懐での小回りが利かないことが推察される。八早月は一気に距離を詰めて胸元へと逆手の斬撃を繰り出した。だがその瞬間、八早月の拳は上に上がって行かず途中でなにかに阻まれだ。
「くっ! 一体どういう―― !?」
「そんなことには対策済みだよ、次はボクの番だね、エイヤアッ!!」
キーマは肘の辺りに仕込んだ革ベルトを反対の手で掴み、八早月が突き上げた腕を途中で引っかけ止めたのだ。広い懐の隙を埋めるための策としてはなかなかの物である。そしてボクの番と言った通りそこから膝蹴りを繰り出してきた。
腕を絡み取られている八早月はとっさに抜け出すことが難しい。この一撃は受け止め耐えるしかない、キーマはそう考えてガードの上からのダメージを狙い全力で膝を突き立てた。いわゆるムエタイの首相撲のような体勢から襲い掛かる膝が直撃すれば大ダメージ必至である。
だがこの瞬間、キーマの体が大きく仰け反ることになる。
「グワアアッ!? ッツウ! チクショウ、なにが起きたんだ」
キーマが胸を抑えながら膝をついている。八早月は革ベルトに受け止められ痛い目にあった肘の裏をさすりながら相手を無言で見つめるだけだ。見えない角度から放った攻撃がどういうものだったか、わざわざ解説するほど優しくも甘くもない。
それはわかってしまえば単純なものだ。キーマの繰り出した膝蹴りを、膝を折り曲げ足の裏でガードする。その勢いを乗せて逆立ちするように蹴り上げたと言うわけだ。しかし本当は顎を狙ったのだから効果は薄かった。
「さ、これで終わりではありませんよね、続けましょう?
そろそろ貴方の動きもわかってきましたから本気で倒させていただきます」
「小娘が戯言を言う、だが正直驚いているよ、まさかこんな少女がいるなんて。
だがボクも負けるわけにはいかない、こちらも本気でいかせてもらおう」
そう言うとキーマは隠し武器を手の先にだらんとぶら下げるように構えた。いよいよ警戒していた攻撃が繰り出されると言うわけだ。だがそれこそが八早月にとっての勝ち筋だった。
サップを最大限に活かすなら徒手拳は正拳付きではなくボクシングのフックのような弧を描く必要がある。手の先から繰り出される追加攻撃は遠心力を加えることで初めて効果を発揮するからだ。そしてその動きはどうしても大振りになりやすい。
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「シュッ、シュッ―― シュッ、シュッ! ―― ッシャッ!」
「ぱん、ぺち―― ぱちん、たっ―― ぺちっ」
ここまでくるとキーマもなにかがおかしいと気付き始めていた。一体この少女はどうやって攻撃を受けているのだろうか、と。全ての攻撃が死角を突く前にあっさりと弾かれているが、どう見ても手には武器を持っていない。まさか素手で弾くことなどできるはずもなく男は困惑していた。
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キーマ殿、お覚悟!」
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それを理解したのは膝に激痛が走った後である。上半身を狙っているような動きはフェイントで、一気に体を沈めてから膝を切り裂いていったのだ。しかしナイフや刀を持っている様子は無く、実際にキーマの膝から出血は無い。痛みはあるがそれだけである。
『くう、小娘のくせに鋭い手刀を出す、既に少女だと侮っているわけではない。
この調子だと逃げることも考えた方が良さそうだ』
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キーマが逃げを考えたせいで反応がわずかに遅れてしまった。それがそのまま隙になり、またもや視界から見失ってしまう。だがさすがに二度は引っかからず真下にいることはわかっていた。だがそれ自体が罠だったのだ。
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本当にそう言っていたのか定かではないが、キーマは薄れゆく意識の中で確かに少女の声を聞いた。キーマは痛みよりも気持ちよさすら感じながら何が起きたのかを考えてみた。
キーマは真下に潜りこまれたことに対し、上から拳を叩きこもうと振りかぶりながら覗き込んだ。つまり体を折り曲げかがむような格好をしたのだ。そこへ真下から飛び上がるように現れた少女の小さな拳が、的確に大男の顎をカウンターで捉え脳震盪を引き起こしたと言うわけである。
『おっと、さすがに大きな人ですから重いですね。
残りの杭を抜きに行く前にこの方の処置をしなければなりません。
拘束しておかなければなりませんがどうすればいいでしょうねえ』
八早月は少しの間考え込んでいたが、申し訳ないと思いつつも演奏会の誘導に使われていたロープを拝借することにした。それを使ってキーマを縛り上げ、とりあえず体育館の裏へ転がしておく。
『真宵さん、体育館の裏に賊を転がしてありますので監視をお願いします。
すでにその場所の結界は解かれているので問題ないと思います』
『はっ、すでに到着しました、まさかの異国人でしたか。
念のため須佐乃へ連絡しておきましたので、間もなく宿様が駆けつけて下さるでしょう』
『そうでしたそうでした、いつも先回りしてくれてありがとうございます。
私は杭を抜きに行きますので何かあれば教えてください』
『かしこまりました、賊がまだいるやもしれませんのでご用心くださいませ』
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