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第十章 睦月(一月)
256.一月十一日 宵の口 カレー、彼、ばれ
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うるさいのが去り一区切りと言った様子の当主会合はまだ続く。八早月は先日起きていた出来事について語り始めた。
「さて、引き留めて申し訳ありません、実は先日ドリーが保護した子の件です。
それ自体はただの迷子でしたが実は母親がバトン教会に出入りしていた様子。
それについては耕太郎さんが調査してくれていますので伺いましょうか」
「はっ、ええ、実はたいした情報はありませんでした。
母親の名は牧原松美三十八歳、子供は宗也四歳で母子家庭、近名井村在住です。
バトン教会が強制勧誘で摘発されて以来、特に接点は確認できませんでした。
信仰先を失ったことで生きる気概が薄くなっている模様ですな。
先日の迷子騒動は何度か起きていて今回で三度目だったとのこと。
児相では育児放棄の疑いありと判断するも決定的ではないようで子供を保護できていません」
「なるほど、なかなかに複雑な事情がありそうですが、今回の事件とは無関係な可能性が高そうですな」
「ええ、母子家庭となったのは宗教に傾倒し離婚したためで被害者でもある。
もし今もバトンと関係があるのならもう少し覇気があるでしょう。
今は寝たきりではないですが、生活保護で食いつないでいる状態ですからな」
「まともに面倒を見てもらえず子供がかわいそうですね、手は出せませんが。
児相を突いて無理にでも引き取らせてしまいましょうか」
「母親としてそうしたい気持ちは理解できるが、施設入りが幸せとも限らぬ。
こう言うのは専門家に任せておいた方がいいのではないかな?」
「でも彼らは所詮お役所ですからね、専門家と言っても事務処理の専門家ですよ」
過去に何があったか知らないが、櫻は児童相談所を信用していない様子だ。娘の楓は分校を出て中学からは九遠学園に通っている。そうそう似たような境遇にあいそうにないが、それでも何か思うこと、感じることがあるのだろう。
「櫻さんは本当に優しいですね、その気持ちは楓に伝わっていると感じます。
今はまだ甘やかしておけばいいのではないでしょうかね、五月が楽しみですよ」
「はい、期待を裏切らないような結果を出せるよう指導して参ります。
最近は朝早くから打ち込みをするなどして精進しておりますから必ずや……」
前回の職贄の儀では大恥をかいた六田家である。今年はまともな姿を披露し恥を雪ぎたいだろう。その楓当人は、短期間とは言え八早月からの直接指導も受けたことで心を入れ替え日々研鑽を積んでいる。おそらく今年は良い結果を出すだろうと八早月も櫻も信じていた。
「話が少しそれましたが、まあわかったのはそれくらいなものです。
今後バトンが積極的に人を増やそうと動いた際には接触があるやもしれません。
それまでは時折確認する程度にしておこうと考えております」
「わかりました、幹部のような重要人物でないのなら放っておけば良いでしょう。
どちらかと言えば、子供の処遇が気になるくらいでしょうかね。
もし気になるのであれば櫻さんが引き継いでも構いませんよ?
どう動くかもお任せします、私では理解判断するのが難しい内容ですからね」
「ありがとうございます、耕太郎殿、その案件は私にお任せ下さい。
そのほうがバトン結社を追うことに集中できるでしょうし都合が良い。
別件と言うか関連で気になることがあるのですがよろしいですか?
先日の楽団自体は何者だったのでしょうか、やはり信者ですか?」
「ああ、あれはただの市民団体でした。どうやら演奏が発動条件らしいです。
西洋の呪いがどうやってその効果を実現しているのか。
詳しい仕組みはわかりませんが随分と凝ったことができることには驚かされます」
「まあ古式の神事でも雅楽を捧げ神を降臨させるものがありますしね。
西洋に似たようなものがあって当然かと。
昔の話ですが、どこかの学校でキャンプファイヤーとフォークダンスで何かが呼び出され集団酩酊が起きたこともありましたからな」
「そうでしたね、今はやりませんが大昔には麻を焚いて舞の効果を高めることも当たり前だったようですし、音楽と神事は密接な関係があって当然でしょう」
そんな雑談をしながら会合は終わりを告げた。八早月は終了を告げるための鈴を鳴らした。するとずっと待機していた房枝がやってきて皆のお茶を入れ替えるため回っていく。会合中は出入り禁止なので終了の合図を待っていたのだ。
「房枝さん、ありがとうございます。ところで夕飯はもう作り始めていますか?
私、どうしてもカレーが食べたいのですが玉枝さんは作れるでしょうか」
「どでしょうかねえ、見たことねえんでできないと思いますがなあ。
いちお聞いてみますけど出来なかったら申し訳ございません」
「奇遇ですね、僕もカレーが食べたくて仕方ないんですよ。
きっとあの男のせいでしょうな。あれは本名なんでしょうかねえ」
「宿殿、驚きですが奴の名は本名でしたし戸籍も有り日本国籍と確認済みです。
両親は米国人らしいですがヤツを産むとすぐ両親だけ帰国したらしい。
置いてきぼりとなり施設で育ったため、日本国籍となったようですな。
なかなか壮絶な人生で苦労もしているのですよ」
「せっかく苦労して来たのに裏社会で生きるようになったのは残念ですね。
まあこれからは改心して陽の当たる場所を歩けるよう導いてあげましょう。
それでカレーの件ですが――」
「筆頭? カレーの具材は肉じゃがと大差ありませんよ。
後はカレー粉を入れるだけでできますから料理としては簡単な部類です。
ルーがなければお分けしますからご安心ください」
「なんと、櫻さんは料理が上手で尊敬します。私は何もできませんから。
いつか習わなくてもいけないかもしれないとは考えているのですけれどね。
まさか婿に作らせるわけにもいきませんし、悩みどころです」
「今時男性が台所に立つことは珍しくありませんからよろしいのでは?
料理上手な殿方が見つかるといいですね」
「そうですね、そう言えば料理が出来るのかどうかはまだ聞いていませんでした。
あとでメッセージを送って聞いておくことにしましょう」
「えっ!? まさかもうお相手は決まっているのですか?
いつの間にそんなことが!? 宿さんは知っていましたか?」
「いやいや、僕も初耳ですよ? 筆頭、いわゆる彼氏が出来たと言う事ですか?
同じ学校の男子生徒か何かですかね?」
「いいえ、正月に親御さんと共に参られて正式に結納を交わしました。
そう言えば会合の議題にしようと書き留めてはいたのでした。
本日は緊急会合だったので飛ばしてしまいましたけれど、まあそう言うことです」
「何故そんな大切なことをなにも言わずに! いや反対はしませんがね?
きちんと挨拶をするとか、宴席を設けるとかしないと失礼ではありませんか。
それでお相手はどこのどなたなのですか?」
「名は高岳飛雄さん、歳は十六か七の高校二年生ですが間もなく三年ですね。
浪内西郡にお住いの巫ですよ、向こうでは御神子と呼ぶそうです。
以前少しお話しましたし、共にお役目へ出たので知ってる方もいますよね?」
「ワォウ、あのボゥイフレンドゥのことですか? 気絶してしまった?
あの時はワガハイがミジュクなせいでご迷惑おかけ申してしまいましたデスネ」
「しっ、ドリーは余計なこと言わなくていいのですよ、かわいそうでしょう?
そう言えば会ったのはドリーと臣人さんくらいでしたかね」
「左様でございますな、高校野球をやっているあの男子でしたか。
あの鳥の呼士は興味深い物でした、力は弱かったので小さな祠の巫でしょうか」
「ええそうらしいですね。代々地元の小祠を守っている家系です。
ですが双子が生まれた時だけお役目につくと言う変わった盟約で成り立っている一族のようですね」
カレーの話は一気に消え去り、しばらくは八早月の婚約相手の話で盛り上がっていた。当主の面々も結局は娯楽の少ない八畑村の住人であるわけで、こんな面白い話に食付かないわけがなかったのだ。
そして次に飛雄がやってくる際には、八家を上げての宴をすると言うことで意見がまとまり、本日の会合はようやく解散となった。
「さて、引き留めて申し訳ありません、実は先日ドリーが保護した子の件です。
それ自体はただの迷子でしたが実は母親がバトン教会に出入りしていた様子。
それについては耕太郎さんが調査してくれていますので伺いましょうか」
「はっ、ええ、実はたいした情報はありませんでした。
母親の名は牧原松美三十八歳、子供は宗也四歳で母子家庭、近名井村在住です。
バトン教会が強制勧誘で摘発されて以来、特に接点は確認できませんでした。
信仰先を失ったことで生きる気概が薄くなっている模様ですな。
先日の迷子騒動は何度か起きていて今回で三度目だったとのこと。
児相では育児放棄の疑いありと判断するも決定的ではないようで子供を保護できていません」
「なるほど、なかなかに複雑な事情がありそうですが、今回の事件とは無関係な可能性が高そうですな」
「ええ、母子家庭となったのは宗教に傾倒し離婚したためで被害者でもある。
もし今もバトンと関係があるのならもう少し覇気があるでしょう。
今は寝たきりではないですが、生活保護で食いつないでいる状態ですからな」
「まともに面倒を見てもらえず子供がかわいそうですね、手は出せませんが。
児相を突いて無理にでも引き取らせてしまいましょうか」
「母親としてそうしたい気持ちは理解できるが、施設入りが幸せとも限らぬ。
こう言うのは専門家に任せておいた方がいいのではないかな?」
「でも彼らは所詮お役所ですからね、専門家と言っても事務処理の専門家ですよ」
過去に何があったか知らないが、櫻は児童相談所を信用していない様子だ。娘の楓は分校を出て中学からは九遠学園に通っている。そうそう似たような境遇にあいそうにないが、それでも何か思うこと、感じることがあるのだろう。
「櫻さんは本当に優しいですね、その気持ちは楓に伝わっていると感じます。
今はまだ甘やかしておけばいいのではないでしょうかね、五月が楽しみですよ」
「はい、期待を裏切らないような結果を出せるよう指導して参ります。
最近は朝早くから打ち込みをするなどして精進しておりますから必ずや……」
前回の職贄の儀では大恥をかいた六田家である。今年はまともな姿を披露し恥を雪ぎたいだろう。その楓当人は、短期間とは言え八早月からの直接指導も受けたことで心を入れ替え日々研鑽を積んでいる。おそらく今年は良い結果を出すだろうと八早月も櫻も信じていた。
「話が少しそれましたが、まあわかったのはそれくらいなものです。
今後バトンが積極的に人を増やそうと動いた際には接触があるやもしれません。
それまでは時折確認する程度にしておこうと考えております」
「わかりました、幹部のような重要人物でないのなら放っておけば良いでしょう。
どちらかと言えば、子供の処遇が気になるくらいでしょうかね。
もし気になるのであれば櫻さんが引き継いでも構いませんよ?
どう動くかもお任せします、私では理解判断するのが難しい内容ですからね」
「ありがとうございます、耕太郎殿、その案件は私にお任せ下さい。
そのほうがバトン結社を追うことに集中できるでしょうし都合が良い。
別件と言うか関連で気になることがあるのですがよろしいですか?
先日の楽団自体は何者だったのでしょうか、やはり信者ですか?」
「ああ、あれはただの市民団体でした。どうやら演奏が発動条件らしいです。
西洋の呪いがどうやってその効果を実現しているのか。
詳しい仕組みはわかりませんが随分と凝ったことができることには驚かされます」
「まあ古式の神事でも雅楽を捧げ神を降臨させるものがありますしね。
西洋に似たようなものがあって当然かと。
昔の話ですが、どこかの学校でキャンプファイヤーとフォークダンスで何かが呼び出され集団酩酊が起きたこともありましたからな」
「そうでしたね、今はやりませんが大昔には麻を焚いて舞の効果を高めることも当たり前だったようですし、音楽と神事は密接な関係があって当然でしょう」
そんな雑談をしながら会合は終わりを告げた。八早月は終了を告げるための鈴を鳴らした。するとずっと待機していた房枝がやってきて皆のお茶を入れ替えるため回っていく。会合中は出入り禁止なので終了の合図を待っていたのだ。
「房枝さん、ありがとうございます。ところで夕飯はもう作り始めていますか?
私、どうしてもカレーが食べたいのですが玉枝さんは作れるでしょうか」
「どでしょうかねえ、見たことねえんでできないと思いますがなあ。
いちお聞いてみますけど出来なかったら申し訳ございません」
「奇遇ですね、僕もカレーが食べたくて仕方ないんですよ。
きっとあの男のせいでしょうな。あれは本名なんでしょうかねえ」
「宿殿、驚きですが奴の名は本名でしたし戸籍も有り日本国籍と確認済みです。
両親は米国人らしいですがヤツを産むとすぐ両親だけ帰国したらしい。
置いてきぼりとなり施設で育ったため、日本国籍となったようですな。
なかなか壮絶な人生で苦労もしているのですよ」
「せっかく苦労して来たのに裏社会で生きるようになったのは残念ですね。
まあこれからは改心して陽の当たる場所を歩けるよう導いてあげましょう。
それでカレーの件ですが――」
「筆頭? カレーの具材は肉じゃがと大差ありませんよ。
後はカレー粉を入れるだけでできますから料理としては簡単な部類です。
ルーがなければお分けしますからご安心ください」
「なんと、櫻さんは料理が上手で尊敬します。私は何もできませんから。
いつか習わなくてもいけないかもしれないとは考えているのですけれどね。
まさか婿に作らせるわけにもいきませんし、悩みどころです」
「今時男性が台所に立つことは珍しくありませんからよろしいのでは?
料理上手な殿方が見つかるといいですね」
「そうですね、そう言えば料理が出来るのかどうかはまだ聞いていませんでした。
あとでメッセージを送って聞いておくことにしましょう」
「えっ!? まさかもうお相手は決まっているのですか?
いつの間にそんなことが!? 宿さんは知っていましたか?」
「いやいや、僕も初耳ですよ? 筆頭、いわゆる彼氏が出来たと言う事ですか?
同じ学校の男子生徒か何かですかね?」
「いいえ、正月に親御さんと共に参られて正式に結納を交わしました。
そう言えば会合の議題にしようと書き留めてはいたのでした。
本日は緊急会合だったので飛ばしてしまいましたけれど、まあそう言うことです」
「何故そんな大切なことをなにも言わずに! いや反対はしませんがね?
きちんと挨拶をするとか、宴席を設けるとかしないと失礼ではありませんか。
それでお相手はどこのどなたなのですか?」
「名は高岳飛雄さん、歳は十六か七の高校二年生ですが間もなく三年ですね。
浪内西郡にお住いの巫ですよ、向こうでは御神子と呼ぶそうです。
以前少しお話しましたし、共にお役目へ出たので知ってる方もいますよね?」
「ワォウ、あのボゥイフレンドゥのことですか? 気絶してしまった?
あの時はワガハイがミジュクなせいでご迷惑おかけ申してしまいましたデスネ」
「しっ、ドリーは余計なこと言わなくていいのですよ、かわいそうでしょう?
そう言えば会ったのはドリーと臣人さんくらいでしたかね」
「左様でございますな、高校野球をやっているあの男子でしたか。
あの鳥の呼士は興味深い物でした、力は弱かったので小さな祠の巫でしょうか」
「ええそうらしいですね。代々地元の小祠を守っている家系です。
ですが双子が生まれた時だけお役目につくと言う変わった盟約で成り立っている一族のようですね」
カレーの話は一気に消え去り、しばらくは八早月の婚約相手の話で盛り上がっていた。当主の面々も結局は娯楽の少ない八畑村の住人であるわけで、こんな面白い話に食付かないわけがなかったのだ。
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