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第十章 睦月(一月)
270.一月二十三日 午後 絶望
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「なんでよ! よりによってなんで明日に神事があるの? おかしくない?
せっかく前もっていろいろ考えて準備してたのに! 黙ってたのも酷いよ!
八早月ちゃんがそんな人間だったなんて私ショック! 今日はもう帰る!」
珍しく興奮した綾乃はフリースペースを飛び出していってしまった。残された八早月、そして美晴と夢路の間にも気まずい雰囲気が漂っている。
「それじゃアタシは部活行ってくるね、でもさ酷いまでは言わないけどアタシもショックだな……」
「私も部室行くね。二人ともショックと言うか残念なんだよ、もちろん私もね。
でも神事があるなら仕方ないと思う、できれば事前に教えて欲しかったけどさ」
最後に残った八早月は座ったままじっと自分の手を見つめて固まっていた。そこへ声をかけてきたのは真宵である。
『八早月様、もう少し伝え方があったのかもしれませんね。
ご学友たちは八早月様のことを想って明日の日を待っていたのでしょうから』
『もちろんわかっているわ、でもこればかりは仕方ないのよ、一応神事だし。
出来れば私も明日休みたくはないし、皆と一緒に過ごしたいのだけれどね。
どうすればいいと思う? なにかいい案は無いかしら』
続いて藻が声をかける。
『正直に話してしまった方がわだかまりなくてよろしいのでは?
暦でいけば平日とやらなのでしょう? 休みとなる数日後に機会を設けると。
それが一番平穏な解決策かと存じます』
『本当? どうすればいいかわからないけれど、それでも明日の事は言えないわ。
どう考えても受け入れてもらえないことなのよ? そうでしょう?』
『左様でしょうか? 私は明日の予定が特段恥ずべきこととは思いません。
我が巫女も話せば理解するはずかと存じます、信じてあげてくださいませ』
八早月の心が揺れ動く中、さらなる意見が発せられる。出遅れたと口を挟んできたのは当然巳女である。
『大体主様は細かいことに気を使いすぎなのじゃ、下々はただ受け入れるのみ。
主様のように貴きお方の言うことやることに黙って従うべきなのじゃ。
それがきちんと理解できている村の者たちは立派であると褒めて遣わすのじゃ』
『巳女殿は黙っていてください、話が拗れてしまいますからな。
八早月様、とにかくあまり塞ぎこみませぬよう、お顔を上げてくださいませ』
『そうね、とりあえず一人になってしまったし帰るとしましょうか。
たまにはこういうこともあるわ、別にずっと仲違いが続くわけで無し』
こうして初めて綾乃と喧嘩してしまった八早月は、失意のまま帰路へと付いた。
その頃、書道部の部室へとやってきた夢路は、すでにやって来ていた直臣へとあいさつし道具の用意を始めた。その途中、八早月に神事の内容を聞いていなかったことを思い出し、従兄なら当然知っているはずだと考え聞いてみることにした。
「四宮先輩、明日の神事ってなんなんですか? 先輩もやっぱり学校お休み?
明日の当てが外れて私たちちょっとガッカリしてるんですよ」
「ああ、明日って二十四日だもんね、でも別に神事は無いはずだよ?
この日に入れるなんてあり得ないよ、なんせ村を上げての祝事だからさ」
「えっ? でも八早月ちゃんが明日は神事で学校休むって言ってましたよ?
お祭りの用意って意味だったのかな? 先輩は休まないんですか?」
「僕たちは学校終ってからで用が足りるからね、なにかするわけでもないし。
でも筆頭は朝から大変だと思うよ、毎年のこととは言え神輿に乗せられ雪道だもの」
「はっ? それってどういうことですか? まさか神事じゃなくて祝事って……」
「うんうん、筆頭の生誕祝いの練り歩きだよ、村の家を一軒一軒回るんだよね。
ああ、担ぎ手は村の力自慢が集められるから道中の心配はないよ。
みんなは見に行かないの? 昼過ぎから始まるけど八家につくのは夕方だし。
学校終ってからでも十分間にあうはず、筆頭が休みで足が無くて困ってるの?
良かったら僕の家の車に乗って行く? 山本さん含めいつもの三人だよね?」
「お言葉に甘えさせていただきます! よっし、これで何とかなりそう!
本当にありがとうございます、心配事が無くなってホッとしましたー!」
「お役に立てそうで良かったよ、それでは今日も張り切って練習しよう」
何も知らない直臣は、あとでどうなるかなど想像もせずにペラペラと内情を話してしまった。全てを知った夢路は舌なめずりをしながら書道に取り組み『慶事』『祝事』『友情』等と夢中になって仕上げていった。
◇◇◇
そして部活終了後に陸上部へと向かい美晴と合流する。目的はもちろん明日のことについて相談するためである。こちらも事実を知った美晴は目を輝かせ腕まくりをするようなしぐさで何やら考えを巡らせている。
片づけを急ぎ着替えたら猛ダッシュで帰宅である。危うく置いてきぼりになりそうな夢路だったが、何とか多少の遅れで美晴の家へと到着し、息を切らせ興奮したまま綾乃へと連絡した。
そしてこちらはベッドの上に寝転びとろけそうな格好の綾乃である。
『ピポパピポー、ポピパピ、ピッ』
「夢ちゃあん? どうしたの? ―――――――――――――――― えっ!?
それ本当なの!? 八早月ちゃん照れ屋だから見て欲しくないんだね。
と言うよりもそもそも知られたくないってことかな。だけどもう遅い!」
『もちろん綾乃ちゃんも行くよね? もしも帰れなかった時のための用意もね。
どうせ押しかければなんとでもなるしさ、持つべきものは先輩だね』
「それでどういうお祭りなのか聞いて来たの? きっと順路とかあるよね。
先輩の家から八早月ちゃんち遠いから歩いていくのは大変でしょ?」
『それなら大丈夫、村中全部周ってきて最後に八岐神社が終点なんだってさ。
だから神社で待てばいいし、先輩たち学校帰宅組も神社で待つらしいよ。
八早月ちゃんたちの従妹がほぼ全員集まるみたいだからちょっと楽しみ』
「でもこれで一安心だよ、内緒にしようとしてたのはショックだけどさ。
まあ聞いただけでも相当恥ずかしいもんね、お神輿で村中練り歩きって凄い。
八畑村のイベントって相変わらず想像範囲を超えることが多いなあ」
『マジそれね、また私はケーキ焼いていくから他の何か準備しといてね。
多分全部終わってから八早月ちゃんちでってことになるからさ。
急に行くんだし食べるものも持って行った方がいいかなぁ』
「じゃあ私は何かお料理作って行くよ、これから冷蔵庫と相談してみる!
夢ちゃんも頑張ってねー」
帰宅後に落ち込んで部屋にこもっていた綾乃にもたらされた朗報は、一気に元気回復となるに十分だった。通話を終えて飛び起きたら一気にキッチンまで走って行き冷蔵庫を開ける。夕飯の支度を始めようとしていた母の小言も耳に入らず中身を漁って行くが、見栄えの良さそうなものが出来そうになくガッカリだ。
「ねえママ、明日八早月ちゃんのお誕生日でお祝いしたいんだけどなにかない?
忙しいみたいだから料理とか持ち寄って八早月ちゃんの家に行くつもりなの。
失敗しないで見栄えのいいの教えて! 泊まってくると思うけどいいよね?」
「ダメって言ってももう約束したんでしょ? 櫛田さんへ一報入れておくわね。
後は料理と言ってもねえ、きっと洋食がいいんでしょ?」
「あー。八早月ちゃんのママには言わないで、サプライズなんだからさ。
向こうについたら私から謝っとくし、そのあと連絡するからお話してくれる?
それで料理はどうしたらいいかな?」
「今ある材料だと大したものできないわよ、遅くならないうちに買い物行こうか。
櫛田さんのお宅って釜戸なのよね? お風呂も薪? 大きさわかるかしら?」
「うーん、大体ならわかるかなあ、何か関係あるの?」
「まあママにまかせておきなさーい!」
ドンっと胸を叩いた綾乃の母は、エプロンを外しながら買い物へ向かう準備を始めた。それを見て大喜びで後に続く綾乃である。この後買い物へ行きウキウキ気分で明日の誕生日パーティーのために腕を振るうのだった。
さらに時間は進み寒鳴家の主が帰宅してきた。料理の準備で疲れ果ててしまった綾乃は早くも寝てしまっている。
「綾乃がこんなに早寝するなんて珍しいな、体調が悪いわけでないならいいが。
それにしても今日も遅くなった、お腹がペコペコだよ、夕飯はなんだい?」
「ちょっと諸事情合ってこんな感じになってしまったのよね……」
残業で夜遅く帰ってきた大黒柱のために寒鳴家の食卓に用意されたのは、『30%OFF』と大き目のシールが貼られたスーパーの特売弁当である。これは綾乃の母が専業主婦になってから初めての出来事であった。
せっかく前もっていろいろ考えて準備してたのに! 黙ってたのも酷いよ!
八早月ちゃんがそんな人間だったなんて私ショック! 今日はもう帰る!」
珍しく興奮した綾乃はフリースペースを飛び出していってしまった。残された八早月、そして美晴と夢路の間にも気まずい雰囲気が漂っている。
「それじゃアタシは部活行ってくるね、でもさ酷いまでは言わないけどアタシもショックだな……」
「私も部室行くね。二人ともショックと言うか残念なんだよ、もちろん私もね。
でも神事があるなら仕方ないと思う、できれば事前に教えて欲しかったけどさ」
最後に残った八早月は座ったままじっと自分の手を見つめて固まっていた。そこへ声をかけてきたのは真宵である。
『八早月様、もう少し伝え方があったのかもしれませんね。
ご学友たちは八早月様のことを想って明日の日を待っていたのでしょうから』
『もちろんわかっているわ、でもこればかりは仕方ないのよ、一応神事だし。
出来れば私も明日休みたくはないし、皆と一緒に過ごしたいのだけれどね。
どうすればいいと思う? なにかいい案は無いかしら』
続いて藻が声をかける。
『正直に話してしまった方がわだかまりなくてよろしいのでは?
暦でいけば平日とやらなのでしょう? 休みとなる数日後に機会を設けると。
それが一番平穏な解決策かと存じます』
『本当? どうすればいいかわからないけれど、それでも明日の事は言えないわ。
どう考えても受け入れてもらえないことなのよ? そうでしょう?』
『左様でしょうか? 私は明日の予定が特段恥ずべきこととは思いません。
我が巫女も話せば理解するはずかと存じます、信じてあげてくださいませ』
八早月の心が揺れ動く中、さらなる意見が発せられる。出遅れたと口を挟んできたのは当然巳女である。
『大体主様は細かいことに気を使いすぎなのじゃ、下々はただ受け入れるのみ。
主様のように貴きお方の言うことやることに黙って従うべきなのじゃ。
それがきちんと理解できている村の者たちは立派であると褒めて遣わすのじゃ』
『巳女殿は黙っていてください、話が拗れてしまいますからな。
八早月様、とにかくあまり塞ぎこみませぬよう、お顔を上げてくださいませ』
『そうね、とりあえず一人になってしまったし帰るとしましょうか。
たまにはこういうこともあるわ、別にずっと仲違いが続くわけで無し』
こうして初めて綾乃と喧嘩してしまった八早月は、失意のまま帰路へと付いた。
その頃、書道部の部室へとやってきた夢路は、すでにやって来ていた直臣へとあいさつし道具の用意を始めた。その途中、八早月に神事の内容を聞いていなかったことを思い出し、従兄なら当然知っているはずだと考え聞いてみることにした。
「四宮先輩、明日の神事ってなんなんですか? 先輩もやっぱり学校お休み?
明日の当てが外れて私たちちょっとガッカリしてるんですよ」
「ああ、明日って二十四日だもんね、でも別に神事は無いはずだよ?
この日に入れるなんてあり得ないよ、なんせ村を上げての祝事だからさ」
「えっ? でも八早月ちゃんが明日は神事で学校休むって言ってましたよ?
お祭りの用意って意味だったのかな? 先輩は休まないんですか?」
「僕たちは学校終ってからで用が足りるからね、なにかするわけでもないし。
でも筆頭は朝から大変だと思うよ、毎年のこととは言え神輿に乗せられ雪道だもの」
「はっ? それってどういうことですか? まさか神事じゃなくて祝事って……」
「うんうん、筆頭の生誕祝いの練り歩きだよ、村の家を一軒一軒回るんだよね。
ああ、担ぎ手は村の力自慢が集められるから道中の心配はないよ。
みんなは見に行かないの? 昼過ぎから始まるけど八家につくのは夕方だし。
学校終ってからでも十分間にあうはず、筆頭が休みで足が無くて困ってるの?
良かったら僕の家の車に乗って行く? 山本さん含めいつもの三人だよね?」
「お言葉に甘えさせていただきます! よっし、これで何とかなりそう!
本当にありがとうございます、心配事が無くなってホッとしましたー!」
「お役に立てそうで良かったよ、それでは今日も張り切って練習しよう」
何も知らない直臣は、あとでどうなるかなど想像もせずにペラペラと内情を話してしまった。全てを知った夢路は舌なめずりをしながら書道に取り組み『慶事』『祝事』『友情』等と夢中になって仕上げていった。
◇◇◇
そして部活終了後に陸上部へと向かい美晴と合流する。目的はもちろん明日のことについて相談するためである。こちらも事実を知った美晴は目を輝かせ腕まくりをするようなしぐさで何やら考えを巡らせている。
片づけを急ぎ着替えたら猛ダッシュで帰宅である。危うく置いてきぼりになりそうな夢路だったが、何とか多少の遅れで美晴の家へと到着し、息を切らせ興奮したまま綾乃へと連絡した。
そしてこちらはベッドの上に寝転びとろけそうな格好の綾乃である。
『ピポパピポー、ポピパピ、ピッ』
「夢ちゃあん? どうしたの? ―――――――――――――――― えっ!?
それ本当なの!? 八早月ちゃん照れ屋だから見て欲しくないんだね。
と言うよりもそもそも知られたくないってことかな。だけどもう遅い!」
『もちろん綾乃ちゃんも行くよね? もしも帰れなかった時のための用意もね。
どうせ押しかければなんとでもなるしさ、持つべきものは先輩だね』
「それでどういうお祭りなのか聞いて来たの? きっと順路とかあるよね。
先輩の家から八早月ちゃんち遠いから歩いていくのは大変でしょ?」
『それなら大丈夫、村中全部周ってきて最後に八岐神社が終点なんだってさ。
だから神社で待てばいいし、先輩たち学校帰宅組も神社で待つらしいよ。
八早月ちゃんたちの従妹がほぼ全員集まるみたいだからちょっと楽しみ』
「でもこれで一安心だよ、内緒にしようとしてたのはショックだけどさ。
まあ聞いただけでも相当恥ずかしいもんね、お神輿で村中練り歩きって凄い。
八畑村のイベントって相変わらず想像範囲を超えることが多いなあ」
『マジそれね、また私はケーキ焼いていくから他の何か準備しといてね。
多分全部終わってから八早月ちゃんちでってことになるからさ。
急に行くんだし食べるものも持って行った方がいいかなぁ』
「じゃあ私は何かお料理作って行くよ、これから冷蔵庫と相談してみる!
夢ちゃんも頑張ってねー」
帰宅後に落ち込んで部屋にこもっていた綾乃にもたらされた朗報は、一気に元気回復となるに十分だった。通話を終えて飛び起きたら一気にキッチンまで走って行き冷蔵庫を開ける。夕飯の支度を始めようとしていた母の小言も耳に入らず中身を漁って行くが、見栄えの良さそうなものが出来そうになくガッカリだ。
「ねえママ、明日八早月ちゃんのお誕生日でお祝いしたいんだけどなにかない?
忙しいみたいだから料理とか持ち寄って八早月ちゃんの家に行くつもりなの。
失敗しないで見栄えのいいの教えて! 泊まってくると思うけどいいよね?」
「ダメって言ってももう約束したんでしょ? 櫛田さんへ一報入れておくわね。
後は料理と言ってもねえ、きっと洋食がいいんでしょ?」
「あー。八早月ちゃんのママには言わないで、サプライズなんだからさ。
向こうについたら私から謝っとくし、そのあと連絡するからお話してくれる?
それで料理はどうしたらいいかな?」
「今ある材料だと大したものできないわよ、遅くならないうちに買い物行こうか。
櫛田さんのお宅って釜戸なのよね? お風呂も薪? 大きさわかるかしら?」
「うーん、大体ならわかるかなあ、何か関係あるの?」
「まあママにまかせておきなさーい!」
ドンっと胸を叩いた綾乃の母は、エプロンを外しながら買い物へ向かう準備を始めた。それを見て大喜びで後に続く綾乃である。この後買い物へ行きウキウキ気分で明日の誕生日パーティーのために腕を振るうのだった。
さらに時間は進み寒鳴家の主が帰宅してきた。料理の準備で疲れ果ててしまった綾乃は早くも寝てしまっている。
「綾乃がこんなに早寝するなんて珍しいな、体調が悪いわけでないならいいが。
それにしても今日も遅くなった、お腹がペコペコだよ、夕飯はなんだい?」
「ちょっと諸事情合ってこんな感じになってしまったのよね……」
残業で夜遅く帰ってきた大黒柱のために寒鳴家の食卓に用意されたのは、『30%OFF』と大き目のシールが貼られたスーパーの特売弁当である。これは綾乃の母が専業主婦になってから初めての出来事であった。
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