280 / 376
第十一章 如月(二月)
276.二月一日 日中 進路の悩み(閑話)
しおりを挟む
今日はクラスの半分以上が進学説明会へ行っていて担任も引率で不在のため終日自習だった。それならいっそこのと休みにしてもらいたいもんだ、なんて話しているヤツラばかりが残っている。もちろんオレもその一人なのでうるさいとか文句言うつもりはサラサラない。
まだ二年生なのか、もう二年生なのか、オレの場合は前者だろう。どうせ進学なんて考えてないし大学からのスカウトもあるわけないからだ。だがもし社会人チームを探すとなるとどういう手順が必要になるんだろうか。そんなこと今まで考えたこともなかったからさっぱりわからず悩んでいた。
顧問の爺さんは野球経験者じゃないが当然大卒なので、出身大学の野球部関係者に聞いてみようかと言ってくれたが、聞いたこともないところなので断ってしまった。それならまだ同じ町にある草野球チームにいる大人たちのほうがマシなことを教えてくれそうに思えてしまったのだ。
そう言えば去年練習試合をした強豪の関係者にうちの卒業生がいたはずだ。四つくらい上なので直接は知らないが、あの人は社会人チームへ入ったと言うことだろうか。そう考えたオレは自習中なのをいいことに監督へメールを入れた。
何もやることがなくボーっとしながら待っていると、いつの間にか返事が来ていた。どうやらうとうとしてしまっていたようだ。自習時間なんだから体育と言うことでグラウンドへ出て運動していてもいいんじゃないか、居眠りするよりはマシだと思うんだけど、なんて考えたりもする。
ともあれ、監督の話によると卒業生の野村先輩は社会人チームのある企業へ就職はしたが選手ではなかった。しかしその会社の元レギュラーですでに引退した人たちの部下だと言うので、その会社でも他のチームでもどこか紹介してもらえる伝手があるか聞いてくれることになった。
もちろん監督でも良かったのだが社会人には伝手がなく、やはり大学になってしまうらしい。その場合でも全国出場レベル以外は一般入学になり学費もかかるためオレには向いていない話である。
何となく僅かでも先が見えてくるような気がしてすっきりしたオレは、結局教室を抜け出してしまった。とは言っても勝手なことをして出席を削られてしまっては困るので最初の行き先は職員室だ。
ここで学年主任へ一声かけておけば問題なく許可が出るはず。こういう時は普段真面目な優等生であることが役に立つのだ。姉ちゃんならこうはいかない、と思っていたところにヤツは現れた。
「トビー! なにしてんだ? サボりだろ? 自習とかダルいもんな。
眠気覚ましにグラウンドでキャッチビールでもするか? 許可貰ってるぞ」
「マジかよ、姉ちゃんでも許可出るとか緩すぎだろ。甘いんだよ……
俺みたいにまじめな生徒ならわかるけどなあ」
「まあそこは神職だし? 特別扱いしてもらえるってのは役得だよな。
そもそも進路も決まってるんだしあとは残り一年JK楽しむだけだっての。
そんなことよりお宝写真見たくないか? 今なら安くしとくよ?」
「何バカなこと言ってんだよ、なんで俺が金払ってそんなもん見るかっての。
どうせそれをネタに強請ろうとか考えてんだろ? 神職が聞いて呆れるわ」
「まあ興味ないならいいけど、あーあー、かわいい誕生日写真なんだけどなー」
またバカなことを言い出したと相手にせず素通りするはずだったオレの足は、その言葉を聞いた瞬間に動かなくなる。こないだの誕生日ってまさか!?
「おい、念のため聞くんだけどさ、それって一体誰の誕生日の話してんの?
まさか自分の写真だったらぶっ飛ばすぞ?」
「なに言ってんの、そんなの返り討ちだって、女殴るなんてできないくせに。
どうすんの? 今なら一枚で手を打つけど? ウチ急いでんだけど?」
「くっ、わかったよ、どうせまた化粧品とか下らねえもんに使うんだろよ。
いくらこの辺に一軒しかないからってあんな店に金使いすぎだろ」
「いいんだよ、先輩だって良かれと思って連絡くれてるんだからさ。
新作試せる機会はあんまないし結局自己満足なんだからうるさいこと言うな!」
姉ちゃんは中高の先輩からの連絡が入るといつもこうだ。あの先輩は地元に一軒しかない化粧品店の娘で、跡をついでからは若者向けに力を入れているらしい。その中でも金遣いの荒い姉は格好の上客と言うわけだ。
そのこと自体は勝手にすればいいが、そのしわ寄せがしょっちゅうオレに押し寄せるのは正直勘弁してもらいたい。今まであれやこれやでいくら巻き上げられたかわからない。
だが今回は話が別、どう考えても八早月の誕生日の写真に決まってる。本当はオレだって行きたかったけど学校とかあって無理だったから泣く泣く我慢したのだ。それなのに写真一枚送ってきてくれないなんてショックが大きい。
それが目の前に!? オレはしぶしぶ財布を取り出して札を一枚手渡した。
「まいどありー いやあ、これはもしかしたら新たな金策の手段では?
ほっといてもハルが送って来てくれるし確実に買い手がいるってのもいいね。
まさに格好の鴨だ、うはは、カッコウなのにカモだって、あはははははー」
「うるせえ、早く送れってんだよ、そんでグラウンドにでも行っちまえよ!
オレは工作室の使用許可貰いに来たんで忙しいんだからな!」
「はいはい、短気な男は嫌われるよーってね、ほら、ありがたく受け取るんだよ」
『ポコンッ』<14枚の画像を受信しました><ダウンロードを開始します>
オレは急いで受信を始めたのだが、原本を持つ姉ちゃんはそれをあざ笑合うかのように立ち去ろうと離れていく。仕方なくその後を追い、結局グラウンドまで連れて行かれてしまった。
その夜、八早月が神輿に乗せられている写真を初めとして、キレイな着物を着た姿を健全な意味でたっぷりと堪能したオレは、ようやく仕上げた誕生日プレゼントを握りしめながらメッセしていた。きっとこの神輿に乗せられた姿を見られたくなかったから細かいことは言わなかったんだろうし、写真を送ってくることもなかったはず。ならば話題に出さないよう注意しなければならない。
『こないだ言ってた誕生日のプレゼント出来たよ』
『出来たと言うことは手作りなのですね、楽しみです』
『早く渡したいけど明日も学校があって行かれそうにないわ』
『学校なら仕方ありませんね、例のおおぷにかんぱすというものですか?』
『うんうんオープンキャンパスな』
『でも午前中には終わるのでしょう?』
『そもそもオレは行かないから学校で自習だよ』<スタンプ>
『私も飛雄さんに渡したいものがあるので早めにお会いしたいです』
『それってもしかして!?』
『内緒です』
そんなたわいもないやり取りをしばらく続けていたオレたちは、そのうちどちらからともなく寝落ちしていた。
まだ二年生なのか、もう二年生なのか、オレの場合は前者だろう。どうせ進学なんて考えてないし大学からのスカウトもあるわけないからだ。だがもし社会人チームを探すとなるとどういう手順が必要になるんだろうか。そんなこと今まで考えたこともなかったからさっぱりわからず悩んでいた。
顧問の爺さんは野球経験者じゃないが当然大卒なので、出身大学の野球部関係者に聞いてみようかと言ってくれたが、聞いたこともないところなので断ってしまった。それならまだ同じ町にある草野球チームにいる大人たちのほうがマシなことを教えてくれそうに思えてしまったのだ。
そう言えば去年練習試合をした強豪の関係者にうちの卒業生がいたはずだ。四つくらい上なので直接は知らないが、あの人は社会人チームへ入ったと言うことだろうか。そう考えたオレは自習中なのをいいことに監督へメールを入れた。
何もやることがなくボーっとしながら待っていると、いつの間にか返事が来ていた。どうやらうとうとしてしまっていたようだ。自習時間なんだから体育と言うことでグラウンドへ出て運動していてもいいんじゃないか、居眠りするよりはマシだと思うんだけど、なんて考えたりもする。
ともあれ、監督の話によると卒業生の野村先輩は社会人チームのある企業へ就職はしたが選手ではなかった。しかしその会社の元レギュラーですでに引退した人たちの部下だと言うので、その会社でも他のチームでもどこか紹介してもらえる伝手があるか聞いてくれることになった。
もちろん監督でも良かったのだが社会人には伝手がなく、やはり大学になってしまうらしい。その場合でも全国出場レベル以外は一般入学になり学費もかかるためオレには向いていない話である。
何となく僅かでも先が見えてくるような気がしてすっきりしたオレは、結局教室を抜け出してしまった。とは言っても勝手なことをして出席を削られてしまっては困るので最初の行き先は職員室だ。
ここで学年主任へ一声かけておけば問題なく許可が出るはず。こういう時は普段真面目な優等生であることが役に立つのだ。姉ちゃんならこうはいかない、と思っていたところにヤツは現れた。
「トビー! なにしてんだ? サボりだろ? 自習とかダルいもんな。
眠気覚ましにグラウンドでキャッチビールでもするか? 許可貰ってるぞ」
「マジかよ、姉ちゃんでも許可出るとか緩すぎだろ。甘いんだよ……
俺みたいにまじめな生徒ならわかるけどなあ」
「まあそこは神職だし? 特別扱いしてもらえるってのは役得だよな。
そもそも進路も決まってるんだしあとは残り一年JK楽しむだけだっての。
そんなことよりお宝写真見たくないか? 今なら安くしとくよ?」
「何バカなこと言ってんだよ、なんで俺が金払ってそんなもん見るかっての。
どうせそれをネタに強請ろうとか考えてんだろ? 神職が聞いて呆れるわ」
「まあ興味ないならいいけど、あーあー、かわいい誕生日写真なんだけどなー」
またバカなことを言い出したと相手にせず素通りするはずだったオレの足は、その言葉を聞いた瞬間に動かなくなる。こないだの誕生日ってまさか!?
「おい、念のため聞くんだけどさ、それって一体誰の誕生日の話してんの?
まさか自分の写真だったらぶっ飛ばすぞ?」
「なに言ってんの、そんなの返り討ちだって、女殴るなんてできないくせに。
どうすんの? 今なら一枚で手を打つけど? ウチ急いでんだけど?」
「くっ、わかったよ、どうせまた化粧品とか下らねえもんに使うんだろよ。
いくらこの辺に一軒しかないからってあんな店に金使いすぎだろ」
「いいんだよ、先輩だって良かれと思って連絡くれてるんだからさ。
新作試せる機会はあんまないし結局自己満足なんだからうるさいこと言うな!」
姉ちゃんは中高の先輩からの連絡が入るといつもこうだ。あの先輩は地元に一軒しかない化粧品店の娘で、跡をついでからは若者向けに力を入れているらしい。その中でも金遣いの荒い姉は格好の上客と言うわけだ。
そのこと自体は勝手にすればいいが、そのしわ寄せがしょっちゅうオレに押し寄せるのは正直勘弁してもらいたい。今まであれやこれやでいくら巻き上げられたかわからない。
だが今回は話が別、どう考えても八早月の誕生日の写真に決まってる。本当はオレだって行きたかったけど学校とかあって無理だったから泣く泣く我慢したのだ。それなのに写真一枚送ってきてくれないなんてショックが大きい。
それが目の前に!? オレはしぶしぶ財布を取り出して札を一枚手渡した。
「まいどありー いやあ、これはもしかしたら新たな金策の手段では?
ほっといてもハルが送って来てくれるし確実に買い手がいるってのもいいね。
まさに格好の鴨だ、うはは、カッコウなのにカモだって、あはははははー」
「うるせえ、早く送れってんだよ、そんでグラウンドにでも行っちまえよ!
オレは工作室の使用許可貰いに来たんで忙しいんだからな!」
「はいはい、短気な男は嫌われるよーってね、ほら、ありがたく受け取るんだよ」
『ポコンッ』<14枚の画像を受信しました><ダウンロードを開始します>
オレは急いで受信を始めたのだが、原本を持つ姉ちゃんはそれをあざ笑合うかのように立ち去ろうと離れていく。仕方なくその後を追い、結局グラウンドまで連れて行かれてしまった。
その夜、八早月が神輿に乗せられている写真を初めとして、キレイな着物を着た姿を健全な意味でたっぷりと堪能したオレは、ようやく仕上げた誕生日プレゼントを握りしめながらメッセしていた。きっとこの神輿に乗せられた姿を見られたくなかったから細かいことは言わなかったんだろうし、写真を送ってくることもなかったはず。ならば話題に出さないよう注意しなければならない。
『こないだ言ってた誕生日のプレゼント出来たよ』
『出来たと言うことは手作りなのですね、楽しみです』
『早く渡したいけど明日も学校があって行かれそうにないわ』
『学校なら仕方ありませんね、例のおおぷにかんぱすというものですか?』
『うんうんオープンキャンパスな』
『でも午前中には終わるのでしょう?』
『そもそもオレは行かないから学校で自習だよ』<スタンプ>
『私も飛雄さんに渡したいものがあるので早めにお会いしたいです』
『それってもしかして!?』
『内緒です』
そんなたわいもないやり取りをしばらく続けていたオレたちは、そのうちどちらからともなく寝落ちしていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
訳あって学年の三大美少女達とメイドカフェで働くことになったら懐かれたようです。クラスメイトに言えない「秘密」も知ってしまいました。
亜瑠真白
青春
「このことは2人だけの秘密だよ?」彼女達は俺にそう言った―――
高校2年の鳥屋野亮太は従姉に「とあるバイト」を持ちかけられた。
従姉はメイドカフェを開店することになったらしい。
彼女は言った。
「亮太には美少女をスカウトしてきてほしいんだ。一人につき一万でどうだ?」
亮太は学年の三大美少女の一人である「一ノ瀬深恋」に思い切って声をかけた。2人で話している最中、明るくて社交的でクラスの人気者の彼女は、あることをきっかけに様子を変える。
赤くなった顔。ハの字になった眉。そして上目遣いで見上げる潤んだ瞳。
「ほ、本当の私を、か、かかか、可愛いって……!?」
彼女をスカウトしたことをきっかけに、なぜか「あざと系美少女」や「正体不明のクール系美少女」もメイドカフェで働くことに。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
学校一の美人から恋人にならないと迷惑系Vtuberになると脅された。俺を切り捨てた幼馴染を確実に見返せるけど……迷惑系Vtuberて何それ?
宇多田真紀
青春
学校一の美人、姫川菜乃。
栗色でゆるふわな髪に整った目鼻立ち、声質は少し強いのに優し気な雰囲気の女子だ。
その彼女に脅された。
「恋人にならないと、迷惑系Vtuberになるわよ?」
今日は、大好きな幼馴染みから彼氏ができたと知らされて、心底落ち込んでいた。
でもこれで、確実に幼馴染みを見返すことができる!
しかしだ。迷惑系Vtuberってなんだ??
訳が分からない……。それ、俺困るの?
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について
のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。
だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。
「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」
ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。
だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。
その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!?
仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、
「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」
「中の人、彼氏か?」
視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!?
しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して――
同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!?
「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」
代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!
負けヒロインに花束を!
遊馬友仁
キャラ文芸
クラス内で空気的存在を自負する立花宗重(たちばなむねしげ)は、行きつけの喫茶店で、クラス委員の上坂部葉月(かみさかべはづき)が、同じくクラス委員ので彼女の幼なじみでもある久々知大成(くくちたいせい)にフラれている場面を目撃する。
葉月の打ち明け話を聞いた宗重は、後日、彼女と大成、その交際相手である名和立夏(めいわりっか)とのカラオケに参加することになってしまう。
その場で、立夏の思惑を知ってしまった宗重は、葉月に彼女の想いを諦めるな、と助言して、大成との仲を取りもとうと行動しはじめるが・・・。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる