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第十一章 如月(二月)
279.二月二日 昼過ぎ 遠沿守翼小祠
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どうも零愛は感覚を言語化することが苦手らしく、八早月にはなかなか伝わらないようだった。その点、飛雄のほうが理論的と言えるのかもしれない。
「だからさ、大きさはそうでもないんだけど強そうな感じっての?
うーん、わかんないかなぁ、先がとがってるって言った方がわかりやすいか!」
「いいえ、さっぱりわからないわ、結局どうなのかはおいて置きましょう。
感じ取れて違いが判ればいいのよ、出来ないよりは、ね」
「姉ちゃんは何言ってるか普段からわかんねえからな、説明下手すぎだろ。
力自体の大きさは真宵さんのほうが大きく感じるけどな。
でも周りに広がる感じが無くてさ、ぎゅっと詰まってる感じだよ。
燃えてる炎と松明の違いみたいな感じかな、温かさもあるしさ。
妖はハリセンボンみたいにとげとげしいだろ?」
「大体わかりました、一つだけ聞かせてください。
ハリセンボンと言うのは指きりの歌に出てくるアレですか?
そのような妖をまだ見たことがなく、一体どのようなものなのかご存知なら教えてください」
「ハリセンボンってのは魚の名前だよ、それにあの歌は縫い針千本じゃね?
どっちにしてもそんなもん飲めるはずないけどな」
「なるほど、妖ではなかったのですね、私はてっきり子供を脅す歌なのかと。
いや脅していることに違いは無いのでしょうが、それにしては身近ではない妖だと不思議だったのですよ」
「八早月はなんでも真面目に捕らえすぎなんだよ、意味の無いことなんていくらでもあるんだからさ、聞き流すのも時には必要ってことさ」
「さすが飛雄さん、いいことをおっしゃいますね、そう言うところに感心します。
私もそのような知的さを、後々身に着けたいと考えているのですよ」
どうやらこのやり取りは零愛にとって居心地が悪かったようだ。不機嫌ではないものの、いつまでも聞いていられないと言った風に口を挟んでくる。
「ほらほら、二人の世界に入ってるとこ悪いんだけどさ。
行くなら早く行こうよ、ウチ腹減って来ちゃった。
早く済ませておじじいちゃんとこへ食べに行こうよ、八早月は軽く、な」
「ええ、素敵ですね、では祠へ参りましょうか、楽しみ楽しみ」
こんな風に機嫌が良かったのは高岳家が管理している遠沿守翼小祠を目の当たりにするまでだった。確かに祠はここにあったのだろう。
その場には、神翼に縁があると一目でわかる名称が掘りこまれた石板が、多少角が丸くなっているものの原型を留めている。しかし祠自体は見る影もなく土台すら存在しない酷い有様なのだ。正確に言えば土台だけはあるのだが崩れて原型を留めていない。さらに祠本体は砕かれた石のかけらとなり周囲にばらまかれていた。
「これは酷い…… なんというありさまなのですか…… 私は涙が出そうです。
しかし問題はこの状態ではありません、なぜ怒らないよう釘を刺したのか。
その言葉の裏に隠された真意こそ、今私が知りたいことのはず、違いますか?」
「ああそうだな、違わねえ、でもどうにもできないんだから口出すなよ?
いくら八早月でもそれはダメだ、姉ちゃんの代になったらまた違うかもな。
でも叔父さんが生きてるうちは手出しできないんだよ」
「こんな状態のまま修復しないことが一族の長が下した決定だと?
バカおっしゃい! 私が知りたいのはそんな上辺の理由なのではありません。
始めに言ったように真の理由を教えていただきたいのです」
「そんなことオレの口からは言えるわけねえだろうよ」
「あっバカ――」
飛雄が口をつぐみ明らかに出来ないと言うならば、それはこの祠の状態に関して部外者には知られてならない何かが隠されていると宣言したのと同意である。零愛がすぐに気が付いたが手遅れだった。
「なるほど、隠すべき事柄、言えないような秘密があるのですね。
それだけわかれば十分、家長でもどうにもできないと言うことはその上。
つまりお役所関係、もしくは力関係が上位の社ということになるでしょう」
「いや、それは…… オレはなにも言ってねえ……」
やってしまったと後悔している様子である飛雄のささやかな抵抗むなしく、完全に無視して八早月は一人話し続ける。もうこうなっては突っ走るだけで止めようとするのは無駄だろう。
「先ずお役所ですが、神職を厚遇する機関なのですから原因とは考えにくい。
となると考えられるのは上位の社となりますし理由も検討が付きます。
つまりは難癖をつけ自分たちの影響下へ置いたままとするのが目的でしょう。
家が家に頭の上がらなくなる理由、大抵は金銭の問題だと考えられます。
しかし高岳家が抱えているのはお金の問題ではないはず、もしそうなら――」
「―― ゴクリ、もしそうなら?」
「私が申し出た婚約話に即飛びついたはずだからです。しかしそうしなかった。
それどころか私たちが高岳家を潰すのではないかと考える始末。
ふーむ、なるほど、わかりました、この近隣に大手の社がありますよね?」
「あるよ、山海神社っていってこの白波町と学校のある小川町の間辺りかな。
そこの御神子も結構な力を持ってるらしくてさ。
オレたちが敵わない妖どもはそこが倒してくれてるんだよ」
「その場面を見たことがありますか? 山海神社の巫が働いているところです。
その方はおいくつくらいですか? もしあるのならそれはいつごろですか?」
八早月は矢継ぎ早に質問を投げかけていく。飛雄は勿論なこと、そうそう動じることの無い零愛も、その様子には戸惑うばかりである。一体どうしたと言うのだろうかと二人は訝しんだ。
「そう言われてもなあ、直接見る機会なんて今まで無かったよ。
山海の御神子はもういいオッサンでなんか怖え感じの神主だしなあ」
「なるほど、あれがそうなのでしょうね、そこにいる神職は一人だけですか?
もしかしたら二人いるかもしれませんが、現職はその神主お一人でしょう」
「なんでそんなことわかるんだ? いや、オレたちも詳しいことは知らねえが。
本当に二人もいるのかな、聞いたことないよな?」
「うん、ウチも聞いたことないな、あの神主のオジサンだけだと思うけどな。
八早月は何か根拠があって話してるんだろ? それと祠はどう繋がるんだ?」
「恐らく高岳の義伯父は山海の御神子から祠を治すなと言われていますね?
その理由をなんと聞かされているのか知りませんのでこれは推察です。
もしかすると再建したら金輪際手を貸さないと言われたら従うのかもしれません」
飛雄も零愛も何か言いたそうだがぐっとこらえている様子、つまり八早月の推察は概ね正解と言うことになる。そしてここからの八早月はどこかで見たような雰囲気を醸し出しながら、勿体つけるように遠沿守翼小祠と二人の間を行ったり来たりするのだった。
「だからさ、大きさはそうでもないんだけど強そうな感じっての?
うーん、わかんないかなぁ、先がとがってるって言った方がわかりやすいか!」
「いいえ、さっぱりわからないわ、結局どうなのかはおいて置きましょう。
感じ取れて違いが判ればいいのよ、出来ないよりは、ね」
「姉ちゃんは何言ってるか普段からわかんねえからな、説明下手すぎだろ。
力自体の大きさは真宵さんのほうが大きく感じるけどな。
でも周りに広がる感じが無くてさ、ぎゅっと詰まってる感じだよ。
燃えてる炎と松明の違いみたいな感じかな、温かさもあるしさ。
妖はハリセンボンみたいにとげとげしいだろ?」
「大体わかりました、一つだけ聞かせてください。
ハリセンボンと言うのは指きりの歌に出てくるアレですか?
そのような妖をまだ見たことがなく、一体どのようなものなのかご存知なら教えてください」
「ハリセンボンってのは魚の名前だよ、それにあの歌は縫い針千本じゃね?
どっちにしてもそんなもん飲めるはずないけどな」
「なるほど、妖ではなかったのですね、私はてっきり子供を脅す歌なのかと。
いや脅していることに違いは無いのでしょうが、それにしては身近ではない妖だと不思議だったのですよ」
「八早月はなんでも真面目に捕らえすぎなんだよ、意味の無いことなんていくらでもあるんだからさ、聞き流すのも時には必要ってことさ」
「さすが飛雄さん、いいことをおっしゃいますね、そう言うところに感心します。
私もそのような知的さを、後々身に着けたいと考えているのですよ」
どうやらこのやり取りは零愛にとって居心地が悪かったようだ。不機嫌ではないものの、いつまでも聞いていられないと言った風に口を挟んでくる。
「ほらほら、二人の世界に入ってるとこ悪いんだけどさ。
行くなら早く行こうよ、ウチ腹減って来ちゃった。
早く済ませておじじいちゃんとこへ食べに行こうよ、八早月は軽く、な」
「ええ、素敵ですね、では祠へ参りましょうか、楽しみ楽しみ」
こんな風に機嫌が良かったのは高岳家が管理している遠沿守翼小祠を目の当たりにするまでだった。確かに祠はここにあったのだろう。
その場には、神翼に縁があると一目でわかる名称が掘りこまれた石板が、多少角が丸くなっているものの原型を留めている。しかし祠自体は見る影もなく土台すら存在しない酷い有様なのだ。正確に言えば土台だけはあるのだが崩れて原型を留めていない。さらに祠本体は砕かれた石のかけらとなり周囲にばらまかれていた。
「これは酷い…… なんというありさまなのですか…… 私は涙が出そうです。
しかし問題はこの状態ではありません、なぜ怒らないよう釘を刺したのか。
その言葉の裏に隠された真意こそ、今私が知りたいことのはず、違いますか?」
「ああそうだな、違わねえ、でもどうにもできないんだから口出すなよ?
いくら八早月でもそれはダメだ、姉ちゃんの代になったらまた違うかもな。
でも叔父さんが生きてるうちは手出しできないんだよ」
「こんな状態のまま修復しないことが一族の長が下した決定だと?
バカおっしゃい! 私が知りたいのはそんな上辺の理由なのではありません。
始めに言ったように真の理由を教えていただきたいのです」
「そんなことオレの口からは言えるわけねえだろうよ」
「あっバカ――」
飛雄が口をつぐみ明らかに出来ないと言うならば、それはこの祠の状態に関して部外者には知られてならない何かが隠されていると宣言したのと同意である。零愛がすぐに気が付いたが手遅れだった。
「なるほど、隠すべき事柄、言えないような秘密があるのですね。
それだけわかれば十分、家長でもどうにもできないと言うことはその上。
つまりお役所関係、もしくは力関係が上位の社ということになるでしょう」
「いや、それは…… オレはなにも言ってねえ……」
やってしまったと後悔している様子である飛雄のささやかな抵抗むなしく、完全に無視して八早月は一人話し続ける。もうこうなっては突っ走るだけで止めようとするのは無駄だろう。
「先ずお役所ですが、神職を厚遇する機関なのですから原因とは考えにくい。
となると考えられるのは上位の社となりますし理由も検討が付きます。
つまりは難癖をつけ自分たちの影響下へ置いたままとするのが目的でしょう。
家が家に頭の上がらなくなる理由、大抵は金銭の問題だと考えられます。
しかし高岳家が抱えているのはお金の問題ではないはず、もしそうなら――」
「―― ゴクリ、もしそうなら?」
「私が申し出た婚約話に即飛びついたはずだからです。しかしそうしなかった。
それどころか私たちが高岳家を潰すのではないかと考える始末。
ふーむ、なるほど、わかりました、この近隣に大手の社がありますよね?」
「あるよ、山海神社っていってこの白波町と学校のある小川町の間辺りかな。
そこの御神子も結構な力を持ってるらしくてさ。
オレたちが敵わない妖どもはそこが倒してくれてるんだよ」
「その場面を見たことがありますか? 山海神社の巫が働いているところです。
その方はおいくつくらいですか? もしあるのならそれはいつごろですか?」
八早月は矢継ぎ早に質問を投げかけていく。飛雄は勿論なこと、そうそう動じることの無い零愛も、その様子には戸惑うばかりである。一体どうしたと言うのだろうかと二人は訝しんだ。
「そう言われてもなあ、直接見る機会なんて今まで無かったよ。
山海の御神子はもういいオッサンでなんか怖え感じの神主だしなあ」
「なるほど、あれがそうなのでしょうね、そこにいる神職は一人だけですか?
もしかしたら二人いるかもしれませんが、現職はその神主お一人でしょう」
「なんでそんなことわかるんだ? いや、オレたちも詳しいことは知らねえが。
本当に二人もいるのかな、聞いたことないよな?」
「うん、ウチも聞いたことないな、あの神主のオジサンだけだと思うけどな。
八早月は何か根拠があって話してるんだろ? それと祠はどう繋がるんだ?」
「恐らく高岳の義伯父は山海の御神子から祠を治すなと言われていますね?
その理由をなんと聞かされているのか知りませんのでこれは推察です。
もしかすると再建したら金輪際手を貸さないと言われたら従うのかもしれません」
飛雄も零愛も何か言いたそうだがぐっとこらえている様子、つまり八早月の推察は概ね正解と言うことになる。そしてここからの八早月はどこかで見たような雰囲気を醸し出しながら、勿体つけるように遠沿守翼小祠と二人の間を行ったり来たりするのだった。
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