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第十一章 如月(二月)
281.二月二日 午後 推理の披露
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おじじいちゃんと舌をかみそうな愛称で呼んでいるが、ようは零愛たちの祖父の兄で大叔父である。八早月から見た関係は一般的には他人となるが、ここは流儀に従って同じくおじじいさまと呼ぶことにした八早月である。
「カァッ、さま付けなんてのは病院くらいなもんかと思ってたんだがな。
なかなか心地ええもんじゃねいか、トビの嫁さんにはもったねてのもわからあ。
磯吉のやつはホンに小心者だかんなあ」
「もうその話はいいて、せっかくまとまったんがまあたおかしくなるが。
八早月は小食だから極上のもんをちこっとだけ食わせてやってよ。
んで叔父さんは家にいんの? 今日は漁に出てねんだろ?」
「さっき零愛から連絡有ったからって着替えに行っとるがい、見栄っ張りが。
ついでに沖縄の知り合いから送ってきた海ぶどう取ってこって言っといたわ」
「さすがおじじいちゃん、気が利くなあ、ホントは色々と一杯喰わせてえけどさ。
こればっかりは神通力でなんとも出来んねし仕方ねなあ」
「お気遣いありがとう、それでもいつもよりは食べているのよ?
それこそ先日は動けないくらいだったのだから自分でも驚いたわ」
そうこう言っている間に七輪から香ばしい香りが立ち上ってきた。八早月の目の前に出されているのは、伊勢海老の半身と帆立貝の殻に魚のすり身を擦り付けた物だった。その二つですでに腹がいっぱいになりそうだと眺めていると、どうすればいいのかわからないのだろうと当てを付けた飛雄が横から世話を焼いてくれる。
「伊勢海老はもう焼けてんからな、酸っぱいの平気ならこのタレで食いな。
洋風が良けりゃマヨネーズでもいいけど、おススメはやっぱタレだよ。
さんが焼きはもう少しってとこか、こっちは味噌で味付けしてあるがさ」
「ありがとう、飛雄さんは誰にでもいつもそんなに気遣いをするのかしら?
なぜだが少し気になるわね……」
そう言われた飛雄は少しだけ考えたが本心をそのまま伝えることにした。
「誰にでもってことは無いだろうけど、人には優しくすべきだとは考えてるよ。
普段はそこを姉ちゃんと母ちゃんに利用されちまているけどな。
だから八早月が一緒ん時は存分に面倒見られえから嬉しいんだぜ?」
「まあ、随分と嬉しいことを言って下さるのね。でも気を付けてちょうだい?
私もいつかは零愛さんや義母さまのように顎で使うようになるかもしれないわ。
だって私は家事だと風呂焚きしかできないのよ? それでも構わないの?」
「全然問題ないぜ、むしろドンとこいだ! 薪での風呂焚きも楽しかったしな。
いい季節になったらキャンプもいいよなあ、あの辺ならかなり楽しめそうが」
八早月と飛雄が仲良く話しながら食事を始めると、あからさまに気に入らないと言った様子なのが零愛である。
「つーかアンタ達さあ、マジでいい加減にしろって感じだよ、
まったく。どこでもかしこでも突然二人の世界はいるのやめてよね、泣けてく
んだよ。トビだって案外いいいこと言っちゃって突っ込みどころ
ないしさ。八早月の質問は罠だからって楽しみに聞いてたのにつまらな
い! 誰にでも優しけりゃ自分だけじゃないのかって返してさ、オマエだけ
って返したら本当は優しくないのかって地雷系の質問だよ、それ」
「別にいいじゃんか、せっかく八早月が来てくれたんだから少しくらいさ。
姉ちゃんは自分で振っといて彼氏できないて騒ぐのおかしいんだよ。
中学んときもそ、コクられても全部振っちまうんだもん、そりゃ彼氏できんが」
「うっさい! ダッサいのしかいないのがいけないんだよ、田舎もんばっか。
女子はそうでもないのにさ、努力してる男子がいないってどういうこと?
なんか一昔前の不良マンガに出て来そうな腰パンとかマジで勘弁なんだけど」
「そんなの俺に言われても知るかよ、野球部にはそんな奴はいないしな。
それにソフト部の女子だって大概芋クサいんだから一方的に言うんじゃねえが」
言い合いはしているものの、とても険悪には見えない姉弟の様子を見ながら八早月はにこやかに食事を続けていた。なんと言っても一人っ子の身には珍しくうらやましいとさえ感じる、マンガでしか見たことの無い光景である。
だがそうのんびりもしていられない。夕方には帰りはじめないと、今晩からは当番なのだし、明日には神事である節分も控えている。高岳家は神社との関わりが直接的ではないのでこう言った儀式事には無縁とのことで、そこは少しだけ羨ましいと感じる八早月だ。
それでも御神子として一族へ安定的な収入がもたらされており、神職ではない身内の余裕へと繋がっている。これが、週一度休めば御の字であるこの地の漁師には珍しく、家長である高岳磯吉の週休二日以上が実現できている理由でもある。
そんなホワイト企業顔負けの待遇を自分で決めている家長が、着替えを終えて八早月たちの前へと現れた。必要があるかどうかは別にして、身だしなみを整えずに顔を出すことは許されない相手だと考えているのだ。
「櫛田の筆頭殿、お待たせいたしまして申し訳ございません。
急なご来訪に戸惑っておりますが、私共に粗相でもございましたでしょうか。
まさかとは思いますが、問題があるのならいつでもご指摘ください」
「叔父様、そんなにかしこまらないで下さい、気まぐれで会いに来ただけです。
特段の用事があったわけではなく、お二人の生誕を祝いたかったのですよ。
ですが来てみて知ったことも有り少々伺いたいのですがよろしいでしょうか?」
磯吉は大仰に遜って見せたのだがこれには理由があった。それは先に零愛から連絡を貰って遠沿守翼小祠を見られてしまったことを知ったからである。
ごく当たり前の価値観を持っている神職者なら、誰しも快くは思わないであろうあの惨状。それがこの旧家を束ねる筆頭当主である八早月であれば、気分を害するなどと言う生易しい感情を持つ程度で収まるとは思えなかった。
そしてこういう時の予感、いや予想はしっかりと当たるものである。
「恐らくすでになんのことなのかは知らされていることと存じます。
時間もあまりないので単刀直入に申しますが、あの祠を治しましょう。
金銭的な負担は行いますので、山海神社には寄付があったと説明して下さい。
そうすることで高岳家が睨まれることは避けられるでしょう」
「な、なるほど、それは確かにその通りかもしれません。
ですがその後になにか言われてしまった場合はどうすればよろしいのか。
あそこは大社ですからどんな難癖をつけてくるのかわかりません」
「それが考えすぎなのです、本来何か言われても気にすることはありません。
巫による妖討伐は全数が義務ではありません、可能な限りで良いのですよ?
つまり高岳で取り逃がしても、それを山海が補う必要もありません。
ですので尻拭いをしないと言うならそうさせておけば良いだけのこと」
「それでば地域の者たちが困るでしょう、とは言え私どもではなんとも。
白波町で発生した海の妖は山を越えませんので山海は眺めているだけです。
ひどくなりすぎないうちに対処を依頼するのは当然の心理」
「そのことなのですが、本当に山海神社から巫がやってきて対処していますか?
今までの全てを見ていたかとまでは申しませんが、ほぼ未確認なのでは?」
「そう言われてしまうとその通りですが、実際に妖は倒されることばかり。
疑う必要はないのでは? それに数度は見ているようです、なあお前たち」
八早月の疑問に磯吉が答えるも、妖を見ることのできない彼には真実を知る術はない。詳細についてはもちろん双子任せである。そのことを八早月へ伝えるべく姉の零愛が口を開いた。
「確かに全部は見てないんだけどさ、かと言って疑うのも違うかなって。
ウチらが倒せないやつが、繋ぎを付けた後に消えたことは何度もあるんだよ?
山海に頼んで他の誰かが片付けてくれるなんてことあるのかねえ」
「そこはまたはっきりとしませんね、でも可能性はそれなりに高いのよ?
山海の宮司殿が連れている遣いは天狗の類でしょう?
彼らは山や森の民で水がそれほど得意ではありませんからね。
白波町の資料館にあった妖を描いた浮世絵を見ると海上に出るようだわ。
それを倒すのはカラス天狗だとしても相当の難題でしょうね」
「ってことは誰が倒してるってことになるんだよ、そんな気配感じないけどな。
そりゃウチらはあんま敏感じゃないけどけど、それでも遣いの気配はわかるよ」
ここで何かに気が付いた者が横やりを挟んでくる。どうやら八早月の考えていることに当てがあると言わんばかりだ。
「生き神様、じゃなかった主殿よ、わらわは気付いてしまったのじゃが?
だがそんなことがあるのかや? 喜びと面倒が混じる複雑な想いなのじゃ」
巳女はぶつくさと文句に近い言葉を口にしながら、小さな人形の体でトコトコと八早月の肩へとよじ登ってきた。
「カァッ、さま付けなんてのは病院くらいなもんかと思ってたんだがな。
なかなか心地ええもんじゃねいか、トビの嫁さんにはもったねてのもわからあ。
磯吉のやつはホンに小心者だかんなあ」
「もうその話はいいて、せっかくまとまったんがまあたおかしくなるが。
八早月は小食だから極上のもんをちこっとだけ食わせてやってよ。
んで叔父さんは家にいんの? 今日は漁に出てねんだろ?」
「さっき零愛から連絡有ったからって着替えに行っとるがい、見栄っ張りが。
ついでに沖縄の知り合いから送ってきた海ぶどう取ってこって言っといたわ」
「さすがおじじいちゃん、気が利くなあ、ホントは色々と一杯喰わせてえけどさ。
こればっかりは神通力でなんとも出来んねし仕方ねなあ」
「お気遣いありがとう、それでもいつもよりは食べているのよ?
それこそ先日は動けないくらいだったのだから自分でも驚いたわ」
そうこう言っている間に七輪から香ばしい香りが立ち上ってきた。八早月の目の前に出されているのは、伊勢海老の半身と帆立貝の殻に魚のすり身を擦り付けた物だった。その二つですでに腹がいっぱいになりそうだと眺めていると、どうすればいいのかわからないのだろうと当てを付けた飛雄が横から世話を焼いてくれる。
「伊勢海老はもう焼けてんからな、酸っぱいの平気ならこのタレで食いな。
洋風が良けりゃマヨネーズでもいいけど、おススメはやっぱタレだよ。
さんが焼きはもう少しってとこか、こっちは味噌で味付けしてあるがさ」
「ありがとう、飛雄さんは誰にでもいつもそんなに気遣いをするのかしら?
なぜだが少し気になるわね……」
そう言われた飛雄は少しだけ考えたが本心をそのまま伝えることにした。
「誰にでもってことは無いだろうけど、人には優しくすべきだとは考えてるよ。
普段はそこを姉ちゃんと母ちゃんに利用されちまているけどな。
だから八早月が一緒ん時は存分に面倒見られえから嬉しいんだぜ?」
「まあ、随分と嬉しいことを言って下さるのね。でも気を付けてちょうだい?
私もいつかは零愛さんや義母さまのように顎で使うようになるかもしれないわ。
だって私は家事だと風呂焚きしかできないのよ? それでも構わないの?」
「全然問題ないぜ、むしろドンとこいだ! 薪での風呂焚きも楽しかったしな。
いい季節になったらキャンプもいいよなあ、あの辺ならかなり楽しめそうが」
八早月と飛雄が仲良く話しながら食事を始めると、あからさまに気に入らないと言った様子なのが零愛である。
「つーかアンタ達さあ、マジでいい加減にしろって感じだよ、
まったく。どこでもかしこでも突然二人の世界はいるのやめてよね、泣けてく
んだよ。トビだって案外いいいこと言っちゃって突っ込みどころ
ないしさ。八早月の質問は罠だからって楽しみに聞いてたのにつまらな
い! 誰にでも優しけりゃ自分だけじゃないのかって返してさ、オマエだけ
って返したら本当は優しくないのかって地雷系の質問だよ、それ」
「別にいいじゃんか、せっかく八早月が来てくれたんだから少しくらいさ。
姉ちゃんは自分で振っといて彼氏できないて騒ぐのおかしいんだよ。
中学んときもそ、コクられても全部振っちまうんだもん、そりゃ彼氏できんが」
「うっさい! ダッサいのしかいないのがいけないんだよ、田舎もんばっか。
女子はそうでもないのにさ、努力してる男子がいないってどういうこと?
なんか一昔前の不良マンガに出て来そうな腰パンとかマジで勘弁なんだけど」
「そんなの俺に言われても知るかよ、野球部にはそんな奴はいないしな。
それにソフト部の女子だって大概芋クサいんだから一方的に言うんじゃねえが」
言い合いはしているものの、とても険悪には見えない姉弟の様子を見ながら八早月はにこやかに食事を続けていた。なんと言っても一人っ子の身には珍しくうらやましいとさえ感じる、マンガでしか見たことの無い光景である。
だがそうのんびりもしていられない。夕方には帰りはじめないと、今晩からは当番なのだし、明日には神事である節分も控えている。高岳家は神社との関わりが直接的ではないのでこう言った儀式事には無縁とのことで、そこは少しだけ羨ましいと感じる八早月だ。
それでも御神子として一族へ安定的な収入がもたらされており、神職ではない身内の余裕へと繋がっている。これが、週一度休めば御の字であるこの地の漁師には珍しく、家長である高岳磯吉の週休二日以上が実現できている理由でもある。
そんなホワイト企業顔負けの待遇を自分で決めている家長が、着替えを終えて八早月たちの前へと現れた。必要があるかどうかは別にして、身だしなみを整えずに顔を出すことは許されない相手だと考えているのだ。
「櫛田の筆頭殿、お待たせいたしまして申し訳ございません。
急なご来訪に戸惑っておりますが、私共に粗相でもございましたでしょうか。
まさかとは思いますが、問題があるのならいつでもご指摘ください」
「叔父様、そんなにかしこまらないで下さい、気まぐれで会いに来ただけです。
特段の用事があったわけではなく、お二人の生誕を祝いたかったのですよ。
ですが来てみて知ったことも有り少々伺いたいのですがよろしいでしょうか?」
磯吉は大仰に遜って見せたのだがこれには理由があった。それは先に零愛から連絡を貰って遠沿守翼小祠を見られてしまったことを知ったからである。
ごく当たり前の価値観を持っている神職者なら、誰しも快くは思わないであろうあの惨状。それがこの旧家を束ねる筆頭当主である八早月であれば、気分を害するなどと言う生易しい感情を持つ程度で収まるとは思えなかった。
そしてこういう時の予感、いや予想はしっかりと当たるものである。
「恐らくすでになんのことなのかは知らされていることと存じます。
時間もあまりないので単刀直入に申しますが、あの祠を治しましょう。
金銭的な負担は行いますので、山海神社には寄付があったと説明して下さい。
そうすることで高岳家が睨まれることは避けられるでしょう」
「な、なるほど、それは確かにその通りかもしれません。
ですがその後になにか言われてしまった場合はどうすればよろしいのか。
あそこは大社ですからどんな難癖をつけてくるのかわかりません」
「それが考えすぎなのです、本来何か言われても気にすることはありません。
巫による妖討伐は全数が義務ではありません、可能な限りで良いのですよ?
つまり高岳で取り逃がしても、それを山海が補う必要もありません。
ですので尻拭いをしないと言うならそうさせておけば良いだけのこと」
「それでば地域の者たちが困るでしょう、とは言え私どもではなんとも。
白波町で発生した海の妖は山を越えませんので山海は眺めているだけです。
ひどくなりすぎないうちに対処を依頼するのは当然の心理」
「そのことなのですが、本当に山海神社から巫がやってきて対処していますか?
今までの全てを見ていたかとまでは申しませんが、ほぼ未確認なのでは?」
「そう言われてしまうとその通りですが、実際に妖は倒されることばかり。
疑う必要はないのでは? それに数度は見ているようです、なあお前たち」
八早月の疑問に磯吉が答えるも、妖を見ることのできない彼には真実を知る術はない。詳細についてはもちろん双子任せである。そのことを八早月へ伝えるべく姉の零愛が口を開いた。
「確かに全部は見てないんだけどさ、かと言って疑うのも違うかなって。
ウチらが倒せないやつが、繋ぎを付けた後に消えたことは何度もあるんだよ?
山海に頼んで他の誰かが片付けてくれるなんてことあるのかねえ」
「そこはまたはっきりとしませんね、でも可能性はそれなりに高いのよ?
山海の宮司殿が連れている遣いは天狗の類でしょう?
彼らは山や森の民で水がそれほど得意ではありませんからね。
白波町の資料館にあった妖を描いた浮世絵を見ると海上に出るようだわ。
それを倒すのはカラス天狗だとしても相当の難題でしょうね」
「ってことは誰が倒してるってことになるんだよ、そんな気配感じないけどな。
そりゃウチらはあんま敏感じゃないけどけど、それでも遣いの気配はわかるよ」
ここで何かに気が付いた者が横やりを挟んでくる。どうやら八早月の考えていることに当てがあると言わんばかりだ。
「生き神様、じゃなかった主殿よ、わらわは気付いてしまったのじゃが?
だがそんなことがあるのかや? 喜びと面倒が混じる複雑な想いなのじゃ」
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