292 / 376
第十一章 如月(二月)
288.二月九日 日中 とんでもない出費 (閑話)
しおりを挟む
はっきり言って解せん、それが今の聡明が頭に思い浮かべている本心だった。別に美葉音たちによる潜入活動に成果があったことでも、その成果を笠に着てナントカペチーノだがなんだかわからない高級なコーヒーをねだられたことでもない。
とにかく二人は美容室を出て車へ戻って来てから今の今まで、ずっとしゃべり続けているのだ。内容は本当にくだらないことで、学校制服の着こなしや教師たちの髪型、カッコいい男子がいるのかどうか等々多岐にわたる、と言うより一定していないと言った方が正しいかもしれない。
聡明も、美葉音の母である爽子もそれほどおしゃべりではなく、息子の聖も寡黙とまでは行かずとも大騒ぎするような性質ではない。それなのになぜ美葉音だけがこんなにやかましいのかと頭を悩ませているのだ。
「ねえパパ、はっきり言ってお手柄だったでしょ? まあ別にウチがなにかしたってこともないんだけど、だからと言って何もしてないわけじゃ無いし? 楓ちゃんが機転を利かせて話を引き出したのも、店へ入ってすぐにアロマのことを話しておいたからでしょ? それでさあ、ウチ春物の服が何着か欲しいんだよねえ。いや、言いたいことはわかるよ? まだ雪も降ってるし春物は早いって言うんでしょ? でもそれって去年も同じ話したよね? 温かくなるまで待ってたらトレンド物は売り切れちゃうんだってば! 楓ちゃんだってもう買ってあるんだよ? 春になったら一緒に出掛けるのにウチだけみすぼらしいカッコでいいの? ウチんちは分家序列二番だって誇らしげに言うじゃない。楓ちゃんちは六番目なんだよ? それでもいいわけ? いや良くないよね? やっぱりここはウチにかわいい服を買うべきだと思うんだよね。それでも聖兄が予備校に使ってるよりはるかに少ないよ? ああウチって本当に親孝行だよねえ、成績もどっちかと言うといい方だし? ――」
「ああ、わかったわかった、買ってやるから少しは静かにしてくれ。
これからどうすべきか考えがまったくまとまらん。
まずは耕太郎殿へ報告するからお前たちは買い物でも行って来い。
車で待ってるから十六時くらいには戻ってくるんだぞ?」
「えー、もうちょっと遊びたいよ、せっかく瑞間まで来たんだし買い物前にカラオケくらい行ってもいいでしょ? なんてったって今日のウチらの功績と言ったらそりゃ半端ないと思うんだ、だからカラオケフリータイムで行ってくるからそれ二人分と、春物買うからその分と、あと帰りの電車賃も二人分ちょうだい、そしたら待ってなくていいからパパも楽でき――――」
「わかった、もうわかったから、言う通りにすればいいのだろう?
とにかくもっと静かにしなさい。なんでお前はそんなにおしゃべりなんだ。
楓だって面食らってるんじゃないのか? ずっと黙ってるじゃないか」
「いや、聡明叔父さん? ウチも結構喋る方だけど美葉音には敵わないだけ。
それに親戚の叔父さんを前にして一応素は出せないって言うの?」
聡明は楓の発言に思わず目頭を押さえた。今時の高校生はこんなものなのかもしれないし、自分が高校生くらいの頃も確かにギャルと呼ばれるような女子はいたはずだ。ただ近くにはいなかっただけで、自分の娘がそのギャルになったとしてもなにもおかしいことは無い。おかしなことをする不良でないだけマシだ。
最終的に半ば強請られる如く小遣いをせしめられ『ギャル』二人から解放された聡明は、ともに調査を担当している三神耕太郎へと連絡を付けた。まったく想定していなかったがこれは本当に大きな成果で、バトン結社の中枢へと食い込むきっかけを作れそうだと聡明はほくそ笑んだ。
先ほどの調査で愛好会の定例勉強会が週三回あることと、その場所までわかってしまったのだ。あとは諜報活動が得意な耕太郎と、その下で目下見習い修業中と言う名目で監視されているキーマ・ターリーの持っていたバトン結社幹部連絡先との擦り合わせをしつつヤツラを追い詰めてやる。
宗教や信仰、団体活動の自由が認められているわが国では、政府や警察のような組織が表だって出来ないことがある。そのため他国には『CIなんとか』や『SAなんとか』なる組織が設けられているのは子供でも知っていることだ。
しかしこの平和ボケしたわが国にはスパイを取り締まる法律すら存在しない。もちろん潜入捜査や囮捜査も認められていないまま年月だけが過ぎていき、それどころか情報戦は立派な戦争であると定義された時代から何も変わっていない。
つまり長年日本の企業や研究施設からは情報がダダ漏れで盗み放題と言うわけなのだ。このようなスパイ行為をするための諜報機関が蔓延るのにも要因が有り、その一つが新興宗教活動に寛容なことも含まれている。いわゆるカルト宗教が流行ってしまうのもそうだが、始めから隠れ蓑として興した宗教団体が無数にあることを聞かされ感じるのは驚きではなく嘆きである。
だがその宗教団体を隠れ蓑にされることは、聡明たち神職者にとって幸運な面も多分にある。宗教がらみで違法行為を働いていると当たりが付きさえすれば独断での介入が許されているのだ。もちろん神職がそのために存在するわけではなく、あくまで守護地域への悪影響を鑑みながら排除に動くと名目だ。
まあたまにはやり過ぎてしまったこともあるが、八早月が筆頭になってからは大きな事件もなかったので今回のような対組織戦は久しぶりである。そしてカルト組織や実質武装集団のような危険な宗教団体を壊滅させた際には政府から相応の褒賞金が支払われるため、浪人生を抱えている双宗家の家計的には大いに歓迎すべきことと言えた。
『聡明殿? どうかされたのか? ちゃんと聞いておったか?』
「ああすまぬ、三神家には優秀な太一郎がおるからわからぬだろう。
うちには金食い虫の愚息はいるわ金遣いの荒い女どももいるわでなあ。
今回の一件はなんとしても完全解決としたいものなのだ」
『なるほど、今までとは違い産業スパイ絡みと言うのは初めてであるからな。
おそらく褒賞はこれまでよりも期待できそうに思えるわい。
何と言っても直接金銭に関わる組織を潰すのだから横やりに注意せねばいかん』
「横槍とは? どこか他にも関与している気配が有るのですかな?
まさかまた無能な所轄が張り切っているのではないでしょうね?
前回は完全に働き損で赤字でしたからなぁ」
聡明の興味はどうにも金銭から離れることがなく、しかもそのことを隠す素振りもないのだから困ったものである。とは言え確かに赤字働きでは面白くないのは誰でも同じはず。当主の中で気にしないのは金銭感覚がまったくない八早月位のものだ。
だがすぐに金の話を持ちだしてくる聡明や、宮司の八畑由布鉄を八早月が責めたことは無い。家計を支えているとは言っても所詮は子供の身、普段の生活に困っていないから気にしないだけである。それでも幼い筆頭が、金の重要性も必要性も理解しているのは何かと物入りな聡明たちにとっては喜ばしいことだった。
「そう言えば耕太郎殿、例のキーマはどうしておりますか?
きちんとやれそうならいいのですが、私はまだ信用できないままなのです。
逆に耕太郎殿や中殿が肩を持つのが不思議なくらいですからね」
『逆にと言われ逆に返すのは申し訳ないが、逆にあ奴に何ができると?
腕っぷしでも丸腰の筆頭に一捻り、今は枷まで付けられておる。
当人にそのつもりがないのもあるが、逆らう余地もないであろう?
だったら都合よく使ってやればいいのではないかと考えるわけだ』
「確かにその言い分はもっともではありますが電話やメールがありますぞ?
こちらで知り得た情報を土産にどこぞの組織へ寝返る、のは無理か……
八畑山界隈から出られないのでしたな」
『うむ、なので注意するとすればドロシー殿ではないかな?
どうもあのバカタレは立場もわきまえずにホレてしまったようなのだ。
まあ色恋に関しては身分や立場に損得等々を度外視してしまうからのう……
聡明殿ならその辺り、察することもできるのだろう?』
家系を紡いでいくことが至上とされるこの特殊な限界集落では近代においても見合い結婚が当たり前な風潮である。現当主たちの中では聡明と櫻だけが恋愛結婚であり、他は全員見合いや幼きころに許嫁と定められた夫婦だ。
かと言って、こうもはっきり言われてしまうと年甲斐もなく照れてしまう聡明であり、致し方なく苦し紛れに話の筋を変えようと試みた。
「まあ若いうちは自らを御することが難しいですからな。
年を取ると金勘定ばかりが頭を埋め尽くして叶わぬ、
先ほども美葉音たちに随分とむしりとられてしまいましたからな」
『ほうほう、それでは今回の件は是か非でも成功させなければなりますまい。
いつぞやのように追い詰めすぎて、お上へ差し出す者が居なくなったのではな。
確かあれば現筆頭が生まれて間もないころの――』
「耕太郎殿、その話はやめておきましょう、あれはなにも無かったこと。
万一筆頭の耳に入りでもしたら大事になりかねませぬ」
二人は電話口のあちらとこちらでブルブルっと体を震わせながら通話を終えた。
とにかく二人は美容室を出て車へ戻って来てから今の今まで、ずっとしゃべり続けているのだ。内容は本当にくだらないことで、学校制服の着こなしや教師たちの髪型、カッコいい男子がいるのかどうか等々多岐にわたる、と言うより一定していないと言った方が正しいかもしれない。
聡明も、美葉音の母である爽子もそれほどおしゃべりではなく、息子の聖も寡黙とまでは行かずとも大騒ぎするような性質ではない。それなのになぜ美葉音だけがこんなにやかましいのかと頭を悩ませているのだ。
「ねえパパ、はっきり言ってお手柄だったでしょ? まあ別にウチがなにかしたってこともないんだけど、だからと言って何もしてないわけじゃ無いし? 楓ちゃんが機転を利かせて話を引き出したのも、店へ入ってすぐにアロマのことを話しておいたからでしょ? それでさあ、ウチ春物の服が何着か欲しいんだよねえ。いや、言いたいことはわかるよ? まだ雪も降ってるし春物は早いって言うんでしょ? でもそれって去年も同じ話したよね? 温かくなるまで待ってたらトレンド物は売り切れちゃうんだってば! 楓ちゃんだってもう買ってあるんだよ? 春になったら一緒に出掛けるのにウチだけみすぼらしいカッコでいいの? ウチんちは分家序列二番だって誇らしげに言うじゃない。楓ちゃんちは六番目なんだよ? それでもいいわけ? いや良くないよね? やっぱりここはウチにかわいい服を買うべきだと思うんだよね。それでも聖兄が予備校に使ってるよりはるかに少ないよ? ああウチって本当に親孝行だよねえ、成績もどっちかと言うといい方だし? ――」
「ああ、わかったわかった、買ってやるから少しは静かにしてくれ。
これからどうすべきか考えがまったくまとまらん。
まずは耕太郎殿へ報告するからお前たちは買い物でも行って来い。
車で待ってるから十六時くらいには戻ってくるんだぞ?」
「えー、もうちょっと遊びたいよ、せっかく瑞間まで来たんだし買い物前にカラオケくらい行ってもいいでしょ? なんてったって今日のウチらの功績と言ったらそりゃ半端ないと思うんだ、だからカラオケフリータイムで行ってくるからそれ二人分と、春物買うからその分と、あと帰りの電車賃も二人分ちょうだい、そしたら待ってなくていいからパパも楽でき――――」
「わかった、もうわかったから、言う通りにすればいいのだろう?
とにかくもっと静かにしなさい。なんでお前はそんなにおしゃべりなんだ。
楓だって面食らってるんじゃないのか? ずっと黙ってるじゃないか」
「いや、聡明叔父さん? ウチも結構喋る方だけど美葉音には敵わないだけ。
それに親戚の叔父さんを前にして一応素は出せないって言うの?」
聡明は楓の発言に思わず目頭を押さえた。今時の高校生はこんなものなのかもしれないし、自分が高校生くらいの頃も確かにギャルと呼ばれるような女子はいたはずだ。ただ近くにはいなかっただけで、自分の娘がそのギャルになったとしてもなにもおかしいことは無い。おかしなことをする不良でないだけマシだ。
最終的に半ば強請られる如く小遣いをせしめられ『ギャル』二人から解放された聡明は、ともに調査を担当している三神耕太郎へと連絡を付けた。まったく想定していなかったがこれは本当に大きな成果で、バトン結社の中枢へと食い込むきっかけを作れそうだと聡明はほくそ笑んだ。
先ほどの調査で愛好会の定例勉強会が週三回あることと、その場所までわかってしまったのだ。あとは諜報活動が得意な耕太郎と、その下で目下見習い修業中と言う名目で監視されているキーマ・ターリーの持っていたバトン結社幹部連絡先との擦り合わせをしつつヤツラを追い詰めてやる。
宗教や信仰、団体活動の自由が認められているわが国では、政府や警察のような組織が表だって出来ないことがある。そのため他国には『CIなんとか』や『SAなんとか』なる組織が設けられているのは子供でも知っていることだ。
しかしこの平和ボケしたわが国にはスパイを取り締まる法律すら存在しない。もちろん潜入捜査や囮捜査も認められていないまま年月だけが過ぎていき、それどころか情報戦は立派な戦争であると定義された時代から何も変わっていない。
つまり長年日本の企業や研究施設からは情報がダダ漏れで盗み放題と言うわけなのだ。このようなスパイ行為をするための諜報機関が蔓延るのにも要因が有り、その一つが新興宗教活動に寛容なことも含まれている。いわゆるカルト宗教が流行ってしまうのもそうだが、始めから隠れ蓑として興した宗教団体が無数にあることを聞かされ感じるのは驚きではなく嘆きである。
だがその宗教団体を隠れ蓑にされることは、聡明たち神職者にとって幸運な面も多分にある。宗教がらみで違法行為を働いていると当たりが付きさえすれば独断での介入が許されているのだ。もちろん神職がそのために存在するわけではなく、あくまで守護地域への悪影響を鑑みながら排除に動くと名目だ。
まあたまにはやり過ぎてしまったこともあるが、八早月が筆頭になってからは大きな事件もなかったので今回のような対組織戦は久しぶりである。そしてカルト組織や実質武装集団のような危険な宗教団体を壊滅させた際には政府から相応の褒賞金が支払われるため、浪人生を抱えている双宗家の家計的には大いに歓迎すべきことと言えた。
『聡明殿? どうかされたのか? ちゃんと聞いておったか?』
「ああすまぬ、三神家には優秀な太一郎がおるからわからぬだろう。
うちには金食い虫の愚息はいるわ金遣いの荒い女どももいるわでなあ。
今回の一件はなんとしても完全解決としたいものなのだ」
『なるほど、今までとは違い産業スパイ絡みと言うのは初めてであるからな。
おそらく褒賞はこれまでよりも期待できそうに思えるわい。
何と言っても直接金銭に関わる組織を潰すのだから横やりに注意せねばいかん』
「横槍とは? どこか他にも関与している気配が有るのですかな?
まさかまた無能な所轄が張り切っているのではないでしょうね?
前回は完全に働き損で赤字でしたからなぁ」
聡明の興味はどうにも金銭から離れることがなく、しかもそのことを隠す素振りもないのだから困ったものである。とは言え確かに赤字働きでは面白くないのは誰でも同じはず。当主の中で気にしないのは金銭感覚がまったくない八早月位のものだ。
だがすぐに金の話を持ちだしてくる聡明や、宮司の八畑由布鉄を八早月が責めたことは無い。家計を支えているとは言っても所詮は子供の身、普段の生活に困っていないから気にしないだけである。それでも幼い筆頭が、金の重要性も必要性も理解しているのは何かと物入りな聡明たちにとっては喜ばしいことだった。
「そう言えば耕太郎殿、例のキーマはどうしておりますか?
きちんとやれそうならいいのですが、私はまだ信用できないままなのです。
逆に耕太郎殿や中殿が肩を持つのが不思議なくらいですからね」
『逆にと言われ逆に返すのは申し訳ないが、逆にあ奴に何ができると?
腕っぷしでも丸腰の筆頭に一捻り、今は枷まで付けられておる。
当人にそのつもりがないのもあるが、逆らう余地もないであろう?
だったら都合よく使ってやればいいのではないかと考えるわけだ』
「確かにその言い分はもっともではありますが電話やメールがありますぞ?
こちらで知り得た情報を土産にどこぞの組織へ寝返る、のは無理か……
八畑山界隈から出られないのでしたな」
『うむ、なので注意するとすればドロシー殿ではないかな?
どうもあのバカタレは立場もわきまえずにホレてしまったようなのだ。
まあ色恋に関しては身分や立場に損得等々を度外視してしまうからのう……
聡明殿ならその辺り、察することもできるのだろう?』
家系を紡いでいくことが至上とされるこの特殊な限界集落では近代においても見合い結婚が当たり前な風潮である。現当主たちの中では聡明と櫻だけが恋愛結婚であり、他は全員見合いや幼きころに許嫁と定められた夫婦だ。
かと言って、こうもはっきり言われてしまうと年甲斐もなく照れてしまう聡明であり、致し方なく苦し紛れに話の筋を変えようと試みた。
「まあ若いうちは自らを御することが難しいですからな。
年を取ると金勘定ばかりが頭を埋め尽くして叶わぬ、
先ほども美葉音たちに随分とむしりとられてしまいましたからな」
『ほうほう、それでは今回の件は是か非でも成功させなければなりますまい。
いつぞやのように追い詰めすぎて、お上へ差し出す者が居なくなったのではな。
確かあれば現筆頭が生まれて間もないころの――』
「耕太郎殿、その話はやめておきましょう、あれはなにも無かったこと。
万一筆頭の耳に入りでもしたら大事になりかねませぬ」
二人は電話口のあちらとこちらでブルブルっと体を震わせながら通話を終えた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
訳あって学年の三大美少女達とメイドカフェで働くことになったら懐かれたようです。クラスメイトに言えない「秘密」も知ってしまいました。
亜瑠真白
青春
「このことは2人だけの秘密だよ?」彼女達は俺にそう言った―――
高校2年の鳥屋野亮太は従姉に「とあるバイト」を持ちかけられた。
従姉はメイドカフェを開店することになったらしい。
彼女は言った。
「亮太には美少女をスカウトしてきてほしいんだ。一人につき一万でどうだ?」
亮太は学年の三大美少女の一人である「一ノ瀬深恋」に思い切って声をかけた。2人で話している最中、明るくて社交的でクラスの人気者の彼女は、あることをきっかけに様子を変える。
赤くなった顔。ハの字になった眉。そして上目遣いで見上げる潤んだ瞳。
「ほ、本当の私を、か、かかか、可愛いって……!?」
彼女をスカウトしたことをきっかけに、なぜか「あざと系美少女」や「正体不明のクール系美少女」もメイドカフェで働くことに。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
学校一の美人から恋人にならないと迷惑系Vtuberになると脅された。俺を切り捨てた幼馴染を確実に見返せるけど……迷惑系Vtuberて何それ?
宇多田真紀
青春
学校一の美人、姫川菜乃。
栗色でゆるふわな髪に整った目鼻立ち、声質は少し強いのに優し気な雰囲気の女子だ。
その彼女に脅された。
「恋人にならないと、迷惑系Vtuberになるわよ?」
今日は、大好きな幼馴染みから彼氏ができたと知らされて、心底落ち込んでいた。
でもこれで、確実に幼馴染みを見返すことができる!
しかしだ。迷惑系Vtuberってなんだ??
訳が分からない……。それ、俺困るの?
負けヒロインに花束を!
遊馬友仁
キャラ文芸
クラス内で空気的存在を自負する立花宗重(たちばなむねしげ)は、行きつけの喫茶店で、クラス委員の上坂部葉月(かみさかべはづき)が、同じくクラス委員ので彼女の幼なじみでもある久々知大成(くくちたいせい)にフラれている場面を目撃する。
葉月の打ち明け話を聞いた宗重は、後日、彼女と大成、その交際相手である名和立夏(めいわりっか)とのカラオケに参加することになってしまう。
その場で、立夏の思惑を知ってしまった宗重は、葉月に彼女の想いを諦めるな、と助言して、大成との仲を取りもとうと行動しはじめるが・・・。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる