294 / 376
第十一章 如月(二月)
290.二月十日 昼下がり 公私混同
しおりを挟む
午前十一時三十分を過ぎて八早月はますます殺気立っていた。とにかくこの無限に湧き出てくる送り雀を早く始末しないとならない。だが常世の扉があるような気配も無く、未だ決定的な対処方法がわからないままなのだ。
もちろん八早月のイライラは妖退治が進まないことに対してだけで湧き上がっているわけではない。飛雄と交わした十一時の約束を断る羽目になっただけでなく、この後の本命と言える野球の試合見学もできなくなりそうな気配だからである。
「それにしても数の割には手ごたえがありませんね。
まるで妖と言うより虚空を斬り捨てているかのごとく。
真宵さんはどうですか? いくら弱小妖とは言え弱すぎますよね?」
「はい、斬るまでも無く刀身が近づくだけで霧散していくようです。
ですが数は相当ですから放っておくわけにもいかないかと。
それと一つ気になることがございます」
「気になること? なんでしょうか、術者でも見つけましたか?
いや、それなら気配ですぐにわかるはず、今のところ一般人しかいない様子。
まさか神通力や常世の気配を感知させない術でもあるのでしょうか」
「そこまでは…… しかし山歩きをしている中に不思議な人々がおりまして。
八早月様も気付いておられますか? ああ、あそこにも楽しそうでない者が」
真宵が指で示した方向へ目をやった八早月は、確かに里山へ散歩に来ているにしてはおかしな恰好をした人が混じっていることに気が付いた。作業服のような、そろいのユニフォームのような、その者たちは到底遊びに来ているのではないことがひと目でわかる。
まるで工場や建築現場にでもいそうな風体の者たちが三、四人はいるだろうか。彼らが何をしているのかわからないが、特に規則性も無く遊歩道を少し進むと林の中へ出たり入ったりしていることから遊びに来ているわけではないのだろう。
「藻さん、彼らが何をしているのか確認してきてもらえますか?
いや、万一攻撃してくると大変ですね、真宵さんと交代して乗せてください。
真宵さん、怪しいものであったなら斬り捨て上等ですから」
「はっ、かしこまりました、それでは藻殿、八早月様をお願い致します」
「お任せ下さい、私もたまには主様を乗せてお役目に参加したかったのです。
これはこれは役得で嬉しゅうございますね」
「藻さん! そんな気楽なことを言っている場合ではないのです!
試合開始は十三時なのですからそれまでに帰宅したいと言いましたよね?
それともこのまま遊覧飛行でもするつもりなのですか!?」
不機嫌の絶頂にある八早月に向かって余計な軽口を言ってしまったことに後悔した藻だったが、それでもこの飛行時間は楽しいものだった。自ら仕えておきながら、その主を娘代わりくらいに考えている藻である。少々叱られたくらいで反省するはずがない。
もちろんお役目にはきちんと取り組まなければならないわけで、藻も今日は一緒になって送り雀を倒していく。なんと言っても触れるだけで消し飛ぶような相手なので非力な藻でも、なんなら背中へ出て来ている巳女でも倒せてしまう。
「本当にこやつらは弱いのじゃ。わらわが倒せる妖などおらぬと考えておったのじゃがなあ」
「左様でございますね、私も戦いは得意でないので初体験でございます。
今までなら眷属に戦ってもらっておりましたからね。
綾乃がいれば良い経験になったでしょうに残念です」
そうこうしているうちに、真宵が件の不審者についてわかったことを伝えるといって念話を送ってきた。それはどうにも気味が悪く捨て置けぬ話だった。
『八早月様! 彼奴等はなんとか某だかと言う異国教の関係者と思われます。
林の中の木々へおかしな紋様の描かれた紙を貼って回っておるのです』
『例の魔方陣と言うやつでしょう、そこから送り雀が湧き出てくるとは……
一体どういった仕組みなのか気になりますが、今はそれどころではありません。
その輩をさっさと拘束してしまいましょう、真宵さん、荒事も許しますよ!』
『ははっ! お任せ下さいませ!
春凪のいる方面にも同じような者たちがいたようです。
同様に対処するよう伝えてよろしいでしょうか』
『もちろんです、遠慮せずやっておしまいなさい!
藻さん、一回降ろしてください、木々の呪符を除去しなければなりません。
その後、送り雀の処置は任せます』
『主様、それならば私の眷属をお使いくださいませ。
地上であれば自由が利きますゆえ、札の色形を覚えさせれば楽になりましょう』
『まさかモコのように生意気な子たちが大勢出てくるのではありませんね?
手伝ってくれるのはありがたいですが、うるさすぎるのは勘弁してくださいね』
『ご心配には及びませぬ。普通の眷属たちは言葉を発しはしません。
藻孤が当初そうだったように、わざわざ力を与えなければ静かなものでございます』
そうこう言っているうちに藻は地上へと降り立ち、八早月を背から下ろすと指先をもぞもぞさせた後に息をそっと吹きかける。そんないかにもな、まるで孫悟空が分身を作るかのような所作の後、その指先のさらに先の視線の先に次から次へと狐が湧いて出て来たではないか。
大きさは藻孤と大差なく普通の狐よりも小さい程度、しかしこちらはちんちくりんではなくちゃんとした動物の狐である。てっきり耳としっぽの形で辛うじて狐だとわかる藻孤とそれほど大差のない姿で出てくると考えていた八早月は多少の驚きを見せた。
どちらかと言うとぬいぐるみのように簡略化され記号化された、いわゆるディフォルメキャラクターのような藻孤だが、それは綾乃の潜在意識が求めた精神的願望が反映されている。それはまさに八早月に対する真宵、つまり巫と呼士の関係と似ているものだ。
だが今現れた狐たちは一時的に用を言いつけられるだけの存在とのこと、すなわち誰かの想いは介在していない。藻にしても特段の思い入れは無い。使い捨てと言うとかわいそうに思えるが、狐の神であるから産み出す実体が狐なだけで、命も魂も無く意志を持っているわけでもない。ただ藻の命によって動くだけの存在なのである。
その数はおよそ百体ほどだろうか。あっという間に林の中へと散って行った。二人が降り立ったすぐ近くにも札が貼ってあり、それを見た藻が眷属たちへと伝達する。あとは待っているだけでも札は始末できるはずだ。だがそれだけで全てが解決するはずもない。
頭から湯気が出ているのではないかと言うくらいに顔を紅潮させた八早月は、札の処置を藻へ任せると、ひとまずの最重要と言える怪しげな者たちの元へと急いだ。
『真宵さん、賊は見つかりましたか? まさか大勢いるのではないでしょうね?』
『八早月様、こちらには四名おりましたが全て仕留めて転がしておきました。
ですが痛みは一時的なものですからお早く拘束お願い致します。
ドロシー様のほうには三名いたようで、すでに一名確保とのこと』
『ドリーも随分手際がいいですね、なにか急ぐ用事でもあるのでしょうか。
いやいやそんなことを言ってはいられません、私も急がなければ
真宵さん、場所を案内して下さい』
『ただいま三名をまとめて転がしたところでございます。
もう一人は八早月様がいらっしゃるすぐそばなのですがおりませんか?
まだ目を覚ますには早いはず、もしや他にも賊がいたのかもしれません』
『そうですね、この者たちは神職でもない一般人、ただの信徒のはずです。
気配など全く分かりませんから見落としがあっても仕方ありません。
もう一度上空から探してみてください、私は先の三名を拘束しておきます』
『ははっ、お手間をおかけしまして申し訳ございません。
ところで藻殿は一人で平気なのでしょうか、大量の狐を従え疲れていないといいのですが』
『戦闘があるわけでもありませんから今はまだ平気でしょう。
あの送り雀は虚構のようで藻さんの一振りでも消し飛びますからね。
それよりも私たちは早く賊を捕らえてしまいましょうか。
もう時間があまりありません、この恨み…… いえ、なんでもありません』
明らかに私情を挟んでいるのがありありと出ている八早月の雰囲気から、彼らの為にも賊があまり抵抗せず大人しく捕まってくれることを願う真宵だった。
もちろん八早月のイライラは妖退治が進まないことに対してだけで湧き上がっているわけではない。飛雄と交わした十一時の約束を断る羽目になっただけでなく、この後の本命と言える野球の試合見学もできなくなりそうな気配だからである。
「それにしても数の割には手ごたえがありませんね。
まるで妖と言うより虚空を斬り捨てているかのごとく。
真宵さんはどうですか? いくら弱小妖とは言え弱すぎますよね?」
「はい、斬るまでも無く刀身が近づくだけで霧散していくようです。
ですが数は相当ですから放っておくわけにもいかないかと。
それと一つ気になることがございます」
「気になること? なんでしょうか、術者でも見つけましたか?
いや、それなら気配ですぐにわかるはず、今のところ一般人しかいない様子。
まさか神通力や常世の気配を感知させない術でもあるのでしょうか」
「そこまでは…… しかし山歩きをしている中に不思議な人々がおりまして。
八早月様も気付いておられますか? ああ、あそこにも楽しそうでない者が」
真宵が指で示した方向へ目をやった八早月は、確かに里山へ散歩に来ているにしてはおかしな恰好をした人が混じっていることに気が付いた。作業服のような、そろいのユニフォームのような、その者たちは到底遊びに来ているのではないことがひと目でわかる。
まるで工場や建築現場にでもいそうな風体の者たちが三、四人はいるだろうか。彼らが何をしているのかわからないが、特に規則性も無く遊歩道を少し進むと林の中へ出たり入ったりしていることから遊びに来ているわけではないのだろう。
「藻さん、彼らが何をしているのか確認してきてもらえますか?
いや、万一攻撃してくると大変ですね、真宵さんと交代して乗せてください。
真宵さん、怪しいものであったなら斬り捨て上等ですから」
「はっ、かしこまりました、それでは藻殿、八早月様をお願い致します」
「お任せ下さい、私もたまには主様を乗せてお役目に参加したかったのです。
これはこれは役得で嬉しゅうございますね」
「藻さん! そんな気楽なことを言っている場合ではないのです!
試合開始は十三時なのですからそれまでに帰宅したいと言いましたよね?
それともこのまま遊覧飛行でもするつもりなのですか!?」
不機嫌の絶頂にある八早月に向かって余計な軽口を言ってしまったことに後悔した藻だったが、それでもこの飛行時間は楽しいものだった。自ら仕えておきながら、その主を娘代わりくらいに考えている藻である。少々叱られたくらいで反省するはずがない。
もちろんお役目にはきちんと取り組まなければならないわけで、藻も今日は一緒になって送り雀を倒していく。なんと言っても触れるだけで消し飛ぶような相手なので非力な藻でも、なんなら背中へ出て来ている巳女でも倒せてしまう。
「本当にこやつらは弱いのじゃ。わらわが倒せる妖などおらぬと考えておったのじゃがなあ」
「左様でございますね、私も戦いは得意でないので初体験でございます。
今までなら眷属に戦ってもらっておりましたからね。
綾乃がいれば良い経験になったでしょうに残念です」
そうこうしているうちに、真宵が件の不審者についてわかったことを伝えるといって念話を送ってきた。それはどうにも気味が悪く捨て置けぬ話だった。
『八早月様! 彼奴等はなんとか某だかと言う異国教の関係者と思われます。
林の中の木々へおかしな紋様の描かれた紙を貼って回っておるのです』
『例の魔方陣と言うやつでしょう、そこから送り雀が湧き出てくるとは……
一体どういった仕組みなのか気になりますが、今はそれどころではありません。
その輩をさっさと拘束してしまいましょう、真宵さん、荒事も許しますよ!』
『ははっ! お任せ下さいませ!
春凪のいる方面にも同じような者たちがいたようです。
同様に対処するよう伝えてよろしいでしょうか』
『もちろんです、遠慮せずやっておしまいなさい!
藻さん、一回降ろしてください、木々の呪符を除去しなければなりません。
その後、送り雀の処置は任せます』
『主様、それならば私の眷属をお使いくださいませ。
地上であれば自由が利きますゆえ、札の色形を覚えさせれば楽になりましょう』
『まさかモコのように生意気な子たちが大勢出てくるのではありませんね?
手伝ってくれるのはありがたいですが、うるさすぎるのは勘弁してくださいね』
『ご心配には及びませぬ。普通の眷属たちは言葉を発しはしません。
藻孤が当初そうだったように、わざわざ力を与えなければ静かなものでございます』
そうこう言っているうちに藻は地上へと降り立ち、八早月を背から下ろすと指先をもぞもぞさせた後に息をそっと吹きかける。そんないかにもな、まるで孫悟空が分身を作るかのような所作の後、その指先のさらに先の視線の先に次から次へと狐が湧いて出て来たではないか。
大きさは藻孤と大差なく普通の狐よりも小さい程度、しかしこちらはちんちくりんではなくちゃんとした動物の狐である。てっきり耳としっぽの形で辛うじて狐だとわかる藻孤とそれほど大差のない姿で出てくると考えていた八早月は多少の驚きを見せた。
どちらかと言うとぬいぐるみのように簡略化され記号化された、いわゆるディフォルメキャラクターのような藻孤だが、それは綾乃の潜在意識が求めた精神的願望が反映されている。それはまさに八早月に対する真宵、つまり巫と呼士の関係と似ているものだ。
だが今現れた狐たちは一時的に用を言いつけられるだけの存在とのこと、すなわち誰かの想いは介在していない。藻にしても特段の思い入れは無い。使い捨てと言うとかわいそうに思えるが、狐の神であるから産み出す実体が狐なだけで、命も魂も無く意志を持っているわけでもない。ただ藻の命によって動くだけの存在なのである。
その数はおよそ百体ほどだろうか。あっという間に林の中へと散って行った。二人が降り立ったすぐ近くにも札が貼ってあり、それを見た藻が眷属たちへと伝達する。あとは待っているだけでも札は始末できるはずだ。だがそれだけで全てが解決するはずもない。
頭から湯気が出ているのではないかと言うくらいに顔を紅潮させた八早月は、札の処置を藻へ任せると、ひとまずの最重要と言える怪しげな者たちの元へと急いだ。
『真宵さん、賊は見つかりましたか? まさか大勢いるのではないでしょうね?』
『八早月様、こちらには四名おりましたが全て仕留めて転がしておきました。
ですが痛みは一時的なものですからお早く拘束お願い致します。
ドロシー様のほうには三名いたようで、すでに一名確保とのこと』
『ドリーも随分手際がいいですね、なにか急ぐ用事でもあるのでしょうか。
いやいやそんなことを言ってはいられません、私も急がなければ
真宵さん、場所を案内して下さい』
『ただいま三名をまとめて転がしたところでございます。
もう一人は八早月様がいらっしゃるすぐそばなのですがおりませんか?
まだ目を覚ますには早いはず、もしや他にも賊がいたのかもしれません』
『そうですね、この者たちは神職でもない一般人、ただの信徒のはずです。
気配など全く分かりませんから見落としがあっても仕方ありません。
もう一度上空から探してみてください、私は先の三名を拘束しておきます』
『ははっ、お手間をおかけしまして申し訳ございません。
ところで藻殿は一人で平気なのでしょうか、大量の狐を従え疲れていないといいのですが』
『戦闘があるわけでもありませんから今はまだ平気でしょう。
あの送り雀は虚構のようで藻さんの一振りでも消し飛びますからね。
それよりも私たちは早く賊を捕らえてしまいましょうか。
もう時間があまりありません、この恨み…… いえ、なんでもありません』
明らかに私情を挟んでいるのがありありと出ている八早月の雰囲気から、彼らの為にも賊があまり抵抗せず大人しく捕まってくれることを願う真宵だった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
訳あって学年の三大美少女達とメイドカフェで働くことになったら懐かれたようです。クラスメイトに言えない「秘密」も知ってしまいました。
亜瑠真白
青春
「このことは2人だけの秘密だよ?」彼女達は俺にそう言った―――
高校2年の鳥屋野亮太は従姉に「とあるバイト」を持ちかけられた。
従姉はメイドカフェを開店することになったらしい。
彼女は言った。
「亮太には美少女をスカウトしてきてほしいんだ。一人につき一万でどうだ?」
亮太は学年の三大美少女の一人である「一ノ瀬深恋」に思い切って声をかけた。2人で話している最中、明るくて社交的でクラスの人気者の彼女は、あることをきっかけに様子を変える。
赤くなった顔。ハの字になった眉。そして上目遣いで見上げる潤んだ瞳。
「ほ、本当の私を、か、かかか、可愛いって……!?」
彼女をスカウトしたことをきっかけに、なぜか「あざと系美少女」や「正体不明のクール系美少女」もメイドカフェで働くことに。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
学校一の美人から恋人にならないと迷惑系Vtuberになると脅された。俺を切り捨てた幼馴染を確実に見返せるけど……迷惑系Vtuberて何それ?
宇多田真紀
青春
学校一の美人、姫川菜乃。
栗色でゆるふわな髪に整った目鼻立ち、声質は少し強いのに優し気な雰囲気の女子だ。
その彼女に脅された。
「恋人にならないと、迷惑系Vtuberになるわよ?」
今日は、大好きな幼馴染みから彼氏ができたと知らされて、心底落ち込んでいた。
でもこれで、確実に幼馴染みを見返すことができる!
しかしだ。迷惑系Vtuberってなんだ??
訳が分からない……。それ、俺困るの?
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について
のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。
だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。
「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」
ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。
だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。
その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!?
仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、
「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」
「中の人、彼氏か?」
視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!?
しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して――
同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!?
「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」
代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!
負けヒロインに花束を!
遊馬友仁
キャラ文芸
クラス内で空気的存在を自負する立花宗重(たちばなむねしげ)は、行きつけの喫茶店で、クラス委員の上坂部葉月(かみさかべはづき)が、同じくクラス委員ので彼女の幼なじみでもある久々知大成(くくちたいせい)にフラれている場面を目撃する。
葉月の打ち明け話を聞いた宗重は、後日、彼女と大成、その交際相手である名和立夏(めいわりっか)とのカラオケに参加することになってしまう。
その場で、立夏の思惑を知ってしまった宗重は、葉月に彼女の想いを諦めるな、と助言して、大成との仲を取りもとうと行動しはじめるが・・・。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる