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第十一章 如月(二月)
298.二月十六日 午後 悪魔の召喚
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瑞間市端野町にある秘密結社バトンとオセアニアマフィアの合同拠点へ宿たちが押し入ったのと時を同じくして、八早月と飛雄も浪内北郡にある小さな倉庫への侵入を開始していた。
「この扉を蹴り上げて破りながら入るのもかっこいいかもしれませんね。
私はか弱い女子ですから難しいでしょうが飛雄さんなら出来そうですか?」
「いやいや、刑事ドラマじゃねえんだからドアなんて破れやしないさ。
いいとこへこんだりする程度じゃないかなあ」
「では仕方ありません、私がやりましょう。
ここからは迅速な行動が求められますからお願いしますね」
「え!?」
飛雄は、目の前の頑丈そうなドアを八早月が蹴破るつもりなのかと思って止めるべきかどうしようか一瞬悩んだのだが、瞬きするかどうかの間にドアがカチャリと音を立てて開いてしまった。そしてその内側から出てきたのは真宵である。
「ああ、そういうことか、なかなか便利なもんだなあ。
でも悪用も出来ちゃうってことだからあまり知られない方がいいかもな」
「広い世の中、悪用している元神職もいるでしょうね。
道を踏み外した者たちを止めることもまた私たちのお役目です。
幸い私が筆頭になってからは起きていませんけれどね、今のところは」
「やっぱそういうこともあるのか、力の悪用なんてとんでもないな。
そう言う面ではここにいるやつらも似たようなもんなのかもしれない。
あ、悪りい、急がないといけないんだったっけ」
「いいえ、大丈夫です、もう手遅れですから。
奇襲があるかもしれませんから気配を探ることに集中してください。
私が真宵さんを呼んだ時点で相手に悟られるのはわかっておりましたからね。
その証拠に奥で何かの気配が発生しましたでしょう?」
「これってあれに似てるな、うちの――」
「ルーファスさんですね、きっと系統が同じなのでしょう。
でもここにいるばとん某の遣いはその場限りと聞いています」
「なんだそりゃ!? 使い捨てってこと? 愛着とか絆がないってことか。
いまいち理解しがたいけどそれでもオレの金鵄より強いんだろ? チクショウめ」
「先日捕らえた者が出した遣いは相当の力持ちだったようですね。
でもまあそれだけ、力任せでは大した脅威ではありませんよ。
治療は出来ますから飛雄さんも安心して戦ってみてください」
「それって安心って言えることなのか……?
まあ勝手に着いて来たんだし出来る限り頑張るよ。
おっと、来たみたいだな、オレは力量まで量れないがどうなんだ?」
「飛雄さんと金鵄で正面から力勝負は無謀でしょうね。
動きが早くないことを願ってくださいな。
それでは巳さん、飛雄さんの面倒、よろしくお願いします」
「はあ、またもやわらわはつまらぬ役回りなのじゃ。
せめて鱗が全て失われる前にナントカしてもらいたいもの蛇な」
「すいません、お世話になります…… ええっと巳女様でしたよね?」
「いやいや様などとおかしなことを。我が主の婿殿ですからな。
婿殿との共闘もまた一興、さあ参りましょうか、鳶の君」
巳女が八早月の肩から飛雄の頭の上へと飛び移り準備は整った。倉庫の向こう側が廊下なのか部屋なのかわからないが、真っ直ぐ近寄ってきている者の気配はもうすぐそこである。人の気配が二人分と遣いの気配が二体分、そのうち一人は相当の神通力だと感じ取れる。
『ガチャリ』
「アナタガータナニモノ? フホウシンニュウデースカ?
カッテーニハイッテキテーハコマリマスネー」
「ソウイワレテーモ、タダノキャクデナイコトクライオミトーシデショウ?」
「いや、八早月…… それっぽく喋ってるけどどっちも日本語だからな?」
異国人を前にしてつい釣られてしまっただけとは言え、飛雄の前で恥をかかされたと勝手に思い込み怒りが込み上げて来ている八早月である。だがあえてここは冷静にと一旦呼吸を整えた。
どちらにせよもとより話し合うつもりなど全くない。辱められた仕返しだとか一族の生活のためだとか、そういった細かいことはどうでもいいのだ。目の前に現れたのは自分たちが守護する地域の安寧を脅かした相手、その一点を以って成敗する理由には十分だからだ。
「コホン、八岐八家筆頭、櫛田八早月と申します。
十久野郡、および瑞間市での狼藉を許すわけには行きません。
むろんこれ以上の謀もさせるつもりはありません、お覚悟!
「トオクノ=カントリー? ナルホド、リュートキーマモキミガ。
サイキンノシッパイハ、ダーレカノミスデハナカッタ、トイウコトネー。
デハワターシモナノロウ, Warren Kelherino, priest of the secret society Baton.(秘密結社バトンの司祭、ウォーレン・ケルヘリーノだ)」
「んんん!? 最後はなんと言いましたか? 名乗ったと言う事でしょうか?」
「ウォーレン・ケルなんとか? プリーストだから教会トップだろうな。
とにかく親玉ってことで間違いなさそうだ」
「なるほど、ではこの方は私がお相手しましょう。
飛雄さんもなにかしたいですよね? それならあの大きい方と山羊をどうぞ。
力量の比較では少々分が悪そうですがまあ何とかなるでしょう。
ではおーれんさん、いらっしゃってください。
お仲間はそこの骨だけではないのでしょう?」
「フフ、タショーウハコチラノコートヲ、シッテイルトイウコトカナ?
マッタク、リューモクチガカルイ、コレダカラオンナハイーケナーイネェ」
「そうですね、女性の方が意地を張って無謀な戦いを挑みませんからね。
でもあなたは違うのでしょう? 大分殺気が溢れておいでです。
加えて背中に回した手に持った呪符から面妖な力が漏れておりますよ?」
「ナルホド、ズイブントタカンナショウジョトイウコトカ。
ダーガヒトツマチガッテイルコトガアルヨー?
コノスケルトンハ、マッタクセンリョクデハナーイ、コウスルノダヨ!」
ウォーレンは背中に回した手をすぐ横で待機させていた骨人間へと叩きつけ、隠し持っていた呪符を貼りつけた。さらに何やら呪いを唱えると、人体状の骨格だけだったものに何かがまとわりつき始める。
「サーアオイデ、ワタシノカワイーイシモベヨ! マカイヨリキタレ!
コレコソスケルトンヲショクバイトシテ、コウイノアクマヲヨビダスジュツナノダヨ!」
「難しいことを言われても良くわかりませんしわかりたくもない。
何をしようと所詮はただの傀儡、私の友に及ぶわけがありません。
真宵さん、準備はよろしいですか?」
「もちろんでございます、我が主に友と呼ばれ奮起せずにはいられませぬ。
本当にもったいないお言葉ありがとう存じます!」
「あら? お姉さまのほうが良かったかしらね」
「またそういうお戯れを……」
真宵が頬を赤らめている間に骨人間の肉付きは大分進み、背中には蝙蝠のような翼が生え、大きく避けた口元に瞳の無い赤黒い単色の眼と言う異形の面様に角を生やした頭を持つ大きな姿が現れた。
現代風にわかり易く言えばファンタジー的な悪魔の姿と言えるのだが、八早月にそんな知識は無いので動物と人間の相の子か何かだろうと考えていた。だが間違いなく言えるのは、単純な人間や動物とは持っている力の大きさが比べるべくもないことである。
「フハハハッ! キタゾ、キタキタァアッ! コレハスゴイ、サイコーダ!
マサカ『アビス・フィーンド』ヲショウカンデキルトハナ!
ミナギッテイル、ミナギッテイルゾオオッ!」
大興奮するウォーレンだがそれもそのはず、召喚されたのは最上級と言ってもいい深淵の悪魔と呼ばれるアビス・フィーンドだったのだから。先日交戦したリューリ・ドークマンが召喚したのも上級悪魔に近いバフォメットと呼ばれる山羊頭を模した悪魔であり相当の力を持っていた。
ただあの時は狭い車内への奇襲と言う状況であったため、真宵に受け止められた一撃を振り下ろすに留まっていた。もし広い場所で自由に暴れられたなら、いくら真宵と言えど一撃で撃退することは難しかったであろう。
だが今回は倉庫の中と言うことで広さは十分である。しかも八早月たちは飛雄の事も気にかける必要があるのだ。それを考えるとにわかに緊張せずにはいられない八早月だった。
「この扉を蹴り上げて破りながら入るのもかっこいいかもしれませんね。
私はか弱い女子ですから難しいでしょうが飛雄さんなら出来そうですか?」
「いやいや、刑事ドラマじゃねえんだからドアなんて破れやしないさ。
いいとこへこんだりする程度じゃないかなあ」
「では仕方ありません、私がやりましょう。
ここからは迅速な行動が求められますからお願いしますね」
「え!?」
飛雄は、目の前の頑丈そうなドアを八早月が蹴破るつもりなのかと思って止めるべきかどうしようか一瞬悩んだのだが、瞬きするかどうかの間にドアがカチャリと音を立てて開いてしまった。そしてその内側から出てきたのは真宵である。
「ああ、そういうことか、なかなか便利なもんだなあ。
でも悪用も出来ちゃうってことだからあまり知られない方がいいかもな」
「広い世の中、悪用している元神職もいるでしょうね。
道を踏み外した者たちを止めることもまた私たちのお役目です。
幸い私が筆頭になってからは起きていませんけれどね、今のところは」
「やっぱそういうこともあるのか、力の悪用なんてとんでもないな。
そう言う面ではここにいるやつらも似たようなもんなのかもしれない。
あ、悪りい、急がないといけないんだったっけ」
「いいえ、大丈夫です、もう手遅れですから。
奇襲があるかもしれませんから気配を探ることに集中してください。
私が真宵さんを呼んだ時点で相手に悟られるのはわかっておりましたからね。
その証拠に奥で何かの気配が発生しましたでしょう?」
「これってあれに似てるな、うちの――」
「ルーファスさんですね、きっと系統が同じなのでしょう。
でもここにいるばとん某の遣いはその場限りと聞いています」
「なんだそりゃ!? 使い捨てってこと? 愛着とか絆がないってことか。
いまいち理解しがたいけどそれでもオレの金鵄より強いんだろ? チクショウめ」
「先日捕らえた者が出した遣いは相当の力持ちだったようですね。
でもまあそれだけ、力任せでは大した脅威ではありませんよ。
治療は出来ますから飛雄さんも安心して戦ってみてください」
「それって安心って言えることなのか……?
まあ勝手に着いて来たんだし出来る限り頑張るよ。
おっと、来たみたいだな、オレは力量まで量れないがどうなんだ?」
「飛雄さんと金鵄で正面から力勝負は無謀でしょうね。
動きが早くないことを願ってくださいな。
それでは巳さん、飛雄さんの面倒、よろしくお願いします」
「はあ、またもやわらわはつまらぬ役回りなのじゃ。
せめて鱗が全て失われる前にナントカしてもらいたいもの蛇な」
「すいません、お世話になります…… ええっと巳女様でしたよね?」
「いやいや様などとおかしなことを。我が主の婿殿ですからな。
婿殿との共闘もまた一興、さあ参りましょうか、鳶の君」
巳女が八早月の肩から飛雄の頭の上へと飛び移り準備は整った。倉庫の向こう側が廊下なのか部屋なのかわからないが、真っ直ぐ近寄ってきている者の気配はもうすぐそこである。人の気配が二人分と遣いの気配が二体分、そのうち一人は相当の神通力だと感じ取れる。
『ガチャリ』
「アナタガータナニモノ? フホウシンニュウデースカ?
カッテーニハイッテキテーハコマリマスネー」
「ソウイワレテーモ、タダノキャクデナイコトクライオミトーシデショウ?」
「いや、八早月…… それっぽく喋ってるけどどっちも日本語だからな?」
異国人を前にしてつい釣られてしまっただけとは言え、飛雄の前で恥をかかされたと勝手に思い込み怒りが込み上げて来ている八早月である。だがあえてここは冷静にと一旦呼吸を整えた。
どちらにせよもとより話し合うつもりなど全くない。辱められた仕返しだとか一族の生活のためだとか、そういった細かいことはどうでもいいのだ。目の前に現れたのは自分たちが守護する地域の安寧を脅かした相手、その一点を以って成敗する理由には十分だからだ。
「コホン、八岐八家筆頭、櫛田八早月と申します。
十久野郡、および瑞間市での狼藉を許すわけには行きません。
むろんこれ以上の謀もさせるつもりはありません、お覚悟!
「トオクノ=カントリー? ナルホド、リュートキーマモキミガ。
サイキンノシッパイハ、ダーレカノミスデハナカッタ、トイウコトネー。
デハワターシモナノロウ, Warren Kelherino, priest of the secret society Baton.(秘密結社バトンの司祭、ウォーレン・ケルヘリーノだ)」
「んんん!? 最後はなんと言いましたか? 名乗ったと言う事でしょうか?」
「ウォーレン・ケルなんとか? プリーストだから教会トップだろうな。
とにかく親玉ってことで間違いなさそうだ」
「なるほど、ではこの方は私がお相手しましょう。
飛雄さんもなにかしたいですよね? それならあの大きい方と山羊をどうぞ。
力量の比較では少々分が悪そうですがまあ何とかなるでしょう。
ではおーれんさん、いらっしゃってください。
お仲間はそこの骨だけではないのでしょう?」
「フフ、タショーウハコチラノコートヲ、シッテイルトイウコトカナ?
マッタク、リューモクチガカルイ、コレダカラオンナハイーケナーイネェ」
「そうですね、女性の方が意地を張って無謀な戦いを挑みませんからね。
でもあなたは違うのでしょう? 大分殺気が溢れておいでです。
加えて背中に回した手に持った呪符から面妖な力が漏れておりますよ?」
「ナルホド、ズイブントタカンナショウジョトイウコトカ。
ダーガヒトツマチガッテイルコトガアルヨー?
コノスケルトンハ、マッタクセンリョクデハナーイ、コウスルノダヨ!」
ウォーレンは背中に回した手をすぐ横で待機させていた骨人間へと叩きつけ、隠し持っていた呪符を貼りつけた。さらに何やら呪いを唱えると、人体状の骨格だけだったものに何かがまとわりつき始める。
「サーアオイデ、ワタシノカワイーイシモベヨ! マカイヨリキタレ!
コレコソスケルトンヲショクバイトシテ、コウイノアクマヲヨビダスジュツナノダヨ!」
「難しいことを言われても良くわかりませんしわかりたくもない。
何をしようと所詮はただの傀儡、私の友に及ぶわけがありません。
真宵さん、準備はよろしいですか?」
「もちろんでございます、我が主に友と呼ばれ奮起せずにはいられませぬ。
本当にもったいないお言葉ありがとう存じます!」
「あら? お姉さまのほうが良かったかしらね」
「またそういうお戯れを……」
真宵が頬を赤らめている間に骨人間の肉付きは大分進み、背中には蝙蝠のような翼が生え、大きく避けた口元に瞳の無い赤黒い単色の眼と言う異形の面様に角を生やした頭を持つ大きな姿が現れた。
現代風にわかり易く言えばファンタジー的な悪魔の姿と言えるのだが、八早月にそんな知識は無いので動物と人間の相の子か何かだろうと考えていた。だが間違いなく言えるのは、単純な人間や動物とは持っている力の大きさが比べるべくもないことである。
「フハハハッ! キタゾ、キタキタァアッ! コレハスゴイ、サイコーダ!
マサカ『アビス・フィーンド』ヲショウカンデキルトハナ!
ミナギッテイル、ミナギッテイルゾオオッ!」
大興奮するウォーレンだがそれもそのはず、召喚されたのは最上級と言ってもいい深淵の悪魔と呼ばれるアビス・フィーンドだったのだから。先日交戦したリューリ・ドークマンが召喚したのも上級悪魔に近いバフォメットと呼ばれる山羊頭を模した悪魔であり相当の力を持っていた。
ただあの時は狭い車内への奇襲と言う状況であったため、真宵に受け止められた一撃を振り下ろすに留まっていた。もし広い場所で自由に暴れられたなら、いくら真宵と言えど一撃で撃退することは難しかったであろう。
だが今回は倉庫の中と言うことで広さは十分である。しかも八早月たちは飛雄の事も気にかける必要があるのだ。それを考えるとにわかに緊張せずにはいられない八早月だった。
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