313 / 376
第十一章 如月(二月)
309.二月二十四日 午後 事の始末
しおりを挟む
家出と言っても中学生のすること、行き先も限られているし親同士も付き合いがあるのだから友人宅への外泊と変わりはしない。そんなわけで綾乃の母には手繰から連絡を入れてもらい、綾乃は一泊して心を落ち着けていた。
なんと言っても日曜日には綾乃にも『お役目』があるのだから帰らなくてはならない。幸いにも今日は何事も無く平和な晩であったため、八早月もぐっすり眠ることができ、夜更かしした分を取り返すことができていた。
「やっぱりバスで帰るよ、八畑村ならまだしも久野を飛ぶのはちょっとね。
誰かに見られたらまずいことになるじゃない? 今でも多少噂されてるし……」
「あらそうなの? 悪いうわさでなければいいのだけれどね。
まあご近所の方には創建を見に来ていた方もいるでしょうから仕方ないわ」
「そうなのよね、どうも私のことを神職者だと勘違いしてる人がいるみたい。
毎週お手入れに行っているから顔は覚えられて当然なんだけどね?
この間なんて近所のお婆さまからお礼状をいただいてしまったの。
どうも双尾弧神藻小祠が出来てから環境が変わったと思ってるみたい」
「実際に良くなっているのではないかしら、藻さんの遣いが常駐しているもの。
軽微な妖は即退治しているはずよ?」
「やっぱりそうなの? お参りするようになってから足の痛みが減ったとかさ。
散歩中に息切れしにくくなったとか言われても関係なさそうじゃない?
あそこを通る車が前より飛ばさなくなったのは横断歩道が出来たからだろうしね」
「そう言った身近なほんのわずかな障害にも妖が絡んでいることがあるわ。
下がり鬼なんてその辺に沢山いて、歩く人にしがみついて移動するのよ?
それがいなくなっただけでもお年寄りには負担が軽くなるでしょうね。
車の件はまあ関係ないでしょうけれど」
「なるほど、そう言うこともあるなら素直にお礼を受けておけばいいのかな。
私の功績じゃなくても藻様が大切にされることには繋がるもんね。
でもやっぱり分不相応な扱いは困るから地面から帰ります!」
そうは言っても板倉が返ってくるのは夜だろう。ここ最近は週末になると夢路の従姉である山本小鈴と逢引なのである。ただし行き先はもっぱら隣県にある自動車競技場だと聞いて八早月はガッカリだった。
一番身近なところで起きた色恋沙汰がてんで面白そうな話にならずどうにも消化不良な八早月にとって、綾乃と直臣の仲が進展することは願ってもない出来事である。娯楽と言ってしまうと言いすぎだが、自分が楽しまれた分くらいは楽しんでも罰は当たらないだろうと考えていた。
そんな八早月を始め、当事者たちも全員揃っているわけで綾乃が家出先に櫛田家を選んだのは浅はかだったのかもしれない。そんななかで唯一の救いは直臣が常識人であることくらいではなかろうか。
しかしここに大きな落とし穴があった。直臣は確かに分別をわきまえ現代的な思考を持っている。だがその父である臣人は違った。家長として、親として直臣の幸せを願っていることには違い無いが、ガールフレンドの気配すらないことを過剰に心配しなにかと世話を焼きたがる傾向がある。
当初は興味を持っていなかった綾乃に対しても、八早月が話題に出しているうちにこれぞ直臣の相手に相応しいと考えるようになっており、家同士の問題がないようなら他にとられる前に許嫁となってもらうことは出来まいかと口にしたこともあった。
それぞれの思惑はともかく、今は綾乃をどうやって送って行くかを考える必要がある。思い切って臣人に車を出してもらうのはどうだろうか。いくらなんでもそれはやりすぎだろうか、などと思考を巡らせていた。
その時、真宵が須佐乃からの念話を受け取り八早月へと繋ぐ。なにか急用や問題でも起きたのだろうかとにわかに緊張を走らせるが、それほど大事ではなく、とりあえず話があるからと宿が来ることになった。
◇◇◇
「筆頭、それに寒鳴殿もいらしたとは、お忙しいところ申し訳ございません。
実は先日の一件を受けて、とある議員センセが引退することになりましてね。
その関連で本庁から呼び出しが来ているのです」
この場合の本庁とは、お役目についている神職を抱える社を統括している宮内庁の事である。一般の宗教法人は治自体や文化庁の管轄だが、神通力を以ってお役目を果たすという特殊性から、管轄は内閣府から見て縦の関係にしておきたい政府の思惑があった。
「まさか私に行けと? もちろん宿おじさまにお任せします。
出張費用に関してはいつもの通り、お土産も忘れないで下さいね。
そうだ、どうせ行くのであれば東京のとある稲荷を調べて来てください。
どうやら綾乃さんの家系と交わった家系がわかったので調べておきましょう」
「ちょっと八早月ちゃん? 一体なにを調べようって言うの?
まさか裏から手を回して脅すとかそういう物騒な事じゃないよね?
面倒事になったら本当に連れて行かれちゃうかもしれないじゃない」
「直接何かしようと言うわけではないのでご心配なく。
当該の神社ではすでに巫を持たなくなっているのでしょう?
綾乃さんを養子へ迎えて今更どうするつもりなのか理由が気になるではありませんか」
「確かに気にはなるけどさ、本当に面倒事にはしないでよ?
パパが意外に権力に弱いって知って不安になってるんだから」
何の話なのかさっぱり分からず聞いている宿へ経緯を説明すると、なんだそんなことかと笑いながら解決策を提案してきた。
「そんなことで悩む必要などありません。
臣人殿に話を通して口裏を合わせればいいだけのこと。
別に正式な許嫁の儀を行う必要などありませぬ。
もう将来が決まっていると言えば無理強いもし辛くなるでしょう」
「でもそんなご迷惑かけるわけには行きません。
偽の許嫁だなんて、その気もないのに失礼じゃないですか」
「そんなことありません、こう言う話はしばしばありますからな。
聖の場合はそのまま本当に許嫁になりましたが、あれも元は似た件です。
商売の関係で金策の対価に養子縁組を迫られ困っていた家の娘ですからな」
「お嫁さん同士がお友達でその縁と聞いていたけれど裏事情があったのね。
でもそのお嬢さんと遊んでばかりいるから大学に落ちているのではなくて?」
「違いありませんな、一応家庭教師として先方へ伺っているんですがね。
確か高校は瑞間まで行っているはずで歳は寒鳴殿と同じだったかと」
「まさか中央でパパの教え子だったりして。でも瑞間女子かもしれないね。
どちらにせよ進学率の高い高校だし優秀なんじゃないかしら」
「今年こそ受からないと先に大学生になられてしまいそうね。
聡明さんも大変だけど当人はもっと焦っているに違いないわ。
先日の立ち合い会ではいい打ち込みを見せていたから諦めても構わないけれどね」
「これはとても聡明殿に聞かせられませんな。
だが僕も同感です、聖の才はなかなかのものですよ。
器用になんでもこなしますし、将来が楽しみな八岐贄の一人かと。
おっと、どうやら来たようです、ついでですから送って貰うとよろしいのでは?」
そう言った宿の笑顔には何となく含みを感じ、どうなるかを既に察していた八早月の表情も似たようなもので、二人を見比べて呆れ顔になる綾乃だった。
なんと言っても日曜日には綾乃にも『お役目』があるのだから帰らなくてはならない。幸いにも今日は何事も無く平和な晩であったため、八早月もぐっすり眠ることができ、夜更かしした分を取り返すことができていた。
「やっぱりバスで帰るよ、八畑村ならまだしも久野を飛ぶのはちょっとね。
誰かに見られたらまずいことになるじゃない? 今でも多少噂されてるし……」
「あらそうなの? 悪いうわさでなければいいのだけれどね。
まあご近所の方には創建を見に来ていた方もいるでしょうから仕方ないわ」
「そうなのよね、どうも私のことを神職者だと勘違いしてる人がいるみたい。
毎週お手入れに行っているから顔は覚えられて当然なんだけどね?
この間なんて近所のお婆さまからお礼状をいただいてしまったの。
どうも双尾弧神藻小祠が出来てから環境が変わったと思ってるみたい」
「実際に良くなっているのではないかしら、藻さんの遣いが常駐しているもの。
軽微な妖は即退治しているはずよ?」
「やっぱりそうなの? お参りするようになってから足の痛みが減ったとかさ。
散歩中に息切れしにくくなったとか言われても関係なさそうじゃない?
あそこを通る車が前より飛ばさなくなったのは横断歩道が出来たからだろうしね」
「そう言った身近なほんのわずかな障害にも妖が絡んでいることがあるわ。
下がり鬼なんてその辺に沢山いて、歩く人にしがみついて移動するのよ?
それがいなくなっただけでもお年寄りには負担が軽くなるでしょうね。
車の件はまあ関係ないでしょうけれど」
「なるほど、そう言うこともあるなら素直にお礼を受けておけばいいのかな。
私の功績じゃなくても藻様が大切にされることには繋がるもんね。
でもやっぱり分不相応な扱いは困るから地面から帰ります!」
そうは言っても板倉が返ってくるのは夜だろう。ここ最近は週末になると夢路の従姉である山本小鈴と逢引なのである。ただし行き先はもっぱら隣県にある自動車競技場だと聞いて八早月はガッカリだった。
一番身近なところで起きた色恋沙汰がてんで面白そうな話にならずどうにも消化不良な八早月にとって、綾乃と直臣の仲が進展することは願ってもない出来事である。娯楽と言ってしまうと言いすぎだが、自分が楽しまれた分くらいは楽しんでも罰は当たらないだろうと考えていた。
そんな八早月を始め、当事者たちも全員揃っているわけで綾乃が家出先に櫛田家を選んだのは浅はかだったのかもしれない。そんななかで唯一の救いは直臣が常識人であることくらいではなかろうか。
しかしここに大きな落とし穴があった。直臣は確かに分別をわきまえ現代的な思考を持っている。だがその父である臣人は違った。家長として、親として直臣の幸せを願っていることには違い無いが、ガールフレンドの気配すらないことを過剰に心配しなにかと世話を焼きたがる傾向がある。
当初は興味を持っていなかった綾乃に対しても、八早月が話題に出しているうちにこれぞ直臣の相手に相応しいと考えるようになっており、家同士の問題がないようなら他にとられる前に許嫁となってもらうことは出来まいかと口にしたこともあった。
それぞれの思惑はともかく、今は綾乃をどうやって送って行くかを考える必要がある。思い切って臣人に車を出してもらうのはどうだろうか。いくらなんでもそれはやりすぎだろうか、などと思考を巡らせていた。
その時、真宵が須佐乃からの念話を受け取り八早月へと繋ぐ。なにか急用や問題でも起きたのだろうかとにわかに緊張を走らせるが、それほど大事ではなく、とりあえず話があるからと宿が来ることになった。
◇◇◇
「筆頭、それに寒鳴殿もいらしたとは、お忙しいところ申し訳ございません。
実は先日の一件を受けて、とある議員センセが引退することになりましてね。
その関連で本庁から呼び出しが来ているのです」
この場合の本庁とは、お役目についている神職を抱える社を統括している宮内庁の事である。一般の宗教法人は治自体や文化庁の管轄だが、神通力を以ってお役目を果たすという特殊性から、管轄は内閣府から見て縦の関係にしておきたい政府の思惑があった。
「まさか私に行けと? もちろん宿おじさまにお任せします。
出張費用に関してはいつもの通り、お土産も忘れないで下さいね。
そうだ、どうせ行くのであれば東京のとある稲荷を調べて来てください。
どうやら綾乃さんの家系と交わった家系がわかったので調べておきましょう」
「ちょっと八早月ちゃん? 一体なにを調べようって言うの?
まさか裏から手を回して脅すとかそういう物騒な事じゃないよね?
面倒事になったら本当に連れて行かれちゃうかもしれないじゃない」
「直接何かしようと言うわけではないのでご心配なく。
当該の神社ではすでに巫を持たなくなっているのでしょう?
綾乃さんを養子へ迎えて今更どうするつもりなのか理由が気になるではありませんか」
「確かに気にはなるけどさ、本当に面倒事にはしないでよ?
パパが意外に権力に弱いって知って不安になってるんだから」
何の話なのかさっぱり分からず聞いている宿へ経緯を説明すると、なんだそんなことかと笑いながら解決策を提案してきた。
「そんなことで悩む必要などありません。
臣人殿に話を通して口裏を合わせればいいだけのこと。
別に正式な許嫁の儀を行う必要などありませぬ。
もう将来が決まっていると言えば無理強いもし辛くなるでしょう」
「でもそんなご迷惑かけるわけには行きません。
偽の許嫁だなんて、その気もないのに失礼じゃないですか」
「そんなことありません、こう言う話はしばしばありますからな。
聖の場合はそのまま本当に許嫁になりましたが、あれも元は似た件です。
商売の関係で金策の対価に養子縁組を迫られ困っていた家の娘ですからな」
「お嫁さん同士がお友達でその縁と聞いていたけれど裏事情があったのね。
でもそのお嬢さんと遊んでばかりいるから大学に落ちているのではなくて?」
「違いありませんな、一応家庭教師として先方へ伺っているんですがね。
確か高校は瑞間まで行っているはずで歳は寒鳴殿と同じだったかと」
「まさか中央でパパの教え子だったりして。でも瑞間女子かもしれないね。
どちらにせよ進学率の高い高校だし優秀なんじゃないかしら」
「今年こそ受からないと先に大学生になられてしまいそうね。
聡明さんも大変だけど当人はもっと焦っているに違いないわ。
先日の立ち合い会ではいい打ち込みを見せていたから諦めても構わないけれどね」
「これはとても聡明殿に聞かせられませんな。
だが僕も同感です、聖の才はなかなかのものですよ。
器用になんでもこなしますし、将来が楽しみな八岐贄の一人かと。
おっと、どうやら来たようです、ついでですから送って貰うとよろしいのでは?」
そう言った宿の笑顔には何となく含みを感じ、どうなるかを既に察していた八早月の表情も似たようなもので、二人を見比べて呆れ顔になる綾乃だった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
訳あって学年の三大美少女達とメイドカフェで働くことになったら懐かれたようです。クラスメイトに言えない「秘密」も知ってしまいました。
亜瑠真白
青春
「このことは2人だけの秘密だよ?」彼女達は俺にそう言った―――
高校2年の鳥屋野亮太は従姉に「とあるバイト」を持ちかけられた。
従姉はメイドカフェを開店することになったらしい。
彼女は言った。
「亮太には美少女をスカウトしてきてほしいんだ。一人につき一万でどうだ?」
亮太は学年の三大美少女の一人である「一ノ瀬深恋」に思い切って声をかけた。2人で話している最中、明るくて社交的でクラスの人気者の彼女は、あることをきっかけに様子を変える。
赤くなった顔。ハの字になった眉。そして上目遣いで見上げる潤んだ瞳。
「ほ、本当の私を、か、かかか、可愛いって……!?」
彼女をスカウトしたことをきっかけに、なぜか「あざと系美少女」や「正体不明のクール系美少女」もメイドカフェで働くことに。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
学校一の美人から恋人にならないと迷惑系Vtuberになると脅された。俺を切り捨てた幼馴染を確実に見返せるけど……迷惑系Vtuberて何それ?
宇多田真紀
青春
学校一の美人、姫川菜乃。
栗色でゆるふわな髪に整った目鼻立ち、声質は少し強いのに優し気な雰囲気の女子だ。
その彼女に脅された。
「恋人にならないと、迷惑系Vtuberになるわよ?」
今日は、大好きな幼馴染みから彼氏ができたと知らされて、心底落ち込んでいた。
でもこれで、確実に幼馴染みを見返すことができる!
しかしだ。迷惑系Vtuberってなんだ??
訳が分からない……。それ、俺困るの?
負けヒロインに花束を!
遊馬友仁
キャラ文芸
クラス内で空気的存在を自負する立花宗重(たちばなむねしげ)は、行きつけの喫茶店で、クラス委員の上坂部葉月(かみさかべはづき)が、同じくクラス委員ので彼女の幼なじみでもある久々知大成(くくちたいせい)にフラれている場面を目撃する。
葉月の打ち明け話を聞いた宗重は、後日、彼女と大成、その交際相手である名和立夏(めいわりっか)とのカラオケに参加することになってしまう。
その場で、立夏の思惑を知ってしまった宗重は、葉月に彼女の想いを諦めるな、と助言して、大成との仲を取りもとうと行動しはじめるが・・・。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる