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第十二章 弥生(三月)
316.三月一日 午後 因縁の対決
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学年末試験最終日、全ての教科が終了した時には八早月や美晴のような切羽詰まった生徒だけでなく全員の表情に安堵の色が浮かんでいた。もちろん優等生で何の心配もない夢路や委員長でも同じこと、周囲からは嫌味か等と言われていても当人には当人なりの苦労があるのだろう。
「八早月ちゃんどうだった? アタシはちょっと英語ヤバいかもしれないよ……
多分単語はそれなりだと思うんだけどさ、和訳英訳が全然ダメっぽいのー
周りの子は結構がんばったみたいに話してるから平均点上がるかもなぁ」
「それは聞き捨てならないわね、平均点が上がったら順位は下がるのでしょう?
それでは勉強した甲斐がないし綾乃さんにも夢路さんにも申し訳が立たないわ」
そんな風に二人が低次元な話をしているところへ、余裕たっぷりと言う様子で近寄ってくる者がいた。美晴がうんざりした顔でその方向を見上げると、やってきたのは夢路ではなくまさかの郡上大勢だった。
「どうやらさすがの櫛田も勉強はそう優秀でもなかったようだな。
掲示では毎回国語トップだから驚いていたが一芸タイプだったとはね。
こんな事なら勝負を挑んでおけばよかったよ、だが今更挑んでも意味がない」
「ちょっと美晴さん、この人はなにが言いたいのかしら?
趣旨がちいともわからないわ、私と勝負がしたいのかしたくないのか。
どちらにせよ成績で争うなんてバカなことは受けやしませんけれどね」
「きっとアレだよ、デザート取り返したいけどもう三学期が終わるからね。
もし勝ったとしても数日分じゃ意味がないって言いたいんじゃないかな。
でもさ、巻き上げられてると言うか差し出してる先は夢なんだよ?
どうせならあっちに挑んできなよ、学年一桁に勝つ自信があるのならだけど」
「またそうやって屁理屈を…… 山本は割り込んで来ただけで勝負は櫛田とだ!
だがまあいいさ、どうせ二年に上がったら別のクラスだろうしな。
知ってるか? この学園は成績優秀者が一組、下半分が二組なんだぞ?
おまえら二人はきっと二組だろうな」
「その話私も聞いていたから頑張ろうと誓ったのだけれどね。
少々眉唾ではないかしら、だって綾乃さんは学年で一二を争っているのよ?
その彼女が編入試験で半分より下に扱われるなんてことあるかしら」
それを聞いた美晴は手をポンと叩いて納得の表情である。周囲の生徒も同じ噂を聞いていたのだろう、『なるほど』だとか『嘘だったのか』などと言う声が漏れ聞こえてきた。
「だ、だがそれも編入と言うイレギュラーなものに対する結果じゃないか。
例年通りなら進級時に成績上位者と外部進学希望者は一組になるはずさ」
「まあそれでも私は半分より下にはなったことないから心配はしていないわよ?
美晴さんだって問題ないに決まっているわ、でも郡上君と三田村さんはどう?
もしかしたら来年もまた同じクラスなのかしらね」
いつの間にか郡上大勢の背後にやって来ていた三田村愛美は、八早月に名を出されたことが気に入らないのか顔をしかめた。クラスに険悪ムードが漂い生徒たちがざわつき始めたことで、これ以上話をややこしくしないでもらいたいと言わんばかりに割って入ってきたのは意外にもクラス委員長の井口真帆だった。
これ以上という表現はおかしかったかもしれないが、すでに同じ内容について教室の前方では真帆と夢路がやりあっていたのだ。どうやら考えていた以上にこの噂は広範囲に広まっており誰もが気にしているようである。
「ちょっと夢と真帆ちゃん待ってよ、結局本当はどっちなの?」
「気になるからちゃんと教えてよー」
「実際のところは私も知らないのよ、先輩から聞いただけだからね。
貼り出し順位は二十人までだけど一組は大体そこに載ってるんだって。
考えてみれば授業するにもあまり差がない方がやりやすいのは確かでしょ」
「私も先輩に聞いただけだから真偽はわからないわね。
でも上位者って言ってただけだから真ん中から半分ずつかまでかわからない。
いくらなんでもそんなきっちり分けてクラス同士が仲悪くなっても困るでしょ」
ほんのわずかな違いなのだが、お互い元々仲が良くないのだから諍いにもなろうと言うものだ。周囲も委員長派とそれ以外でやや対立傾向がある。かと言って夢路派といえる者がいないところに普段の態度や発言が現れており、人徳の大切さがわかると言うものだ。
「そんなのどっちでもいいじゃない、進級すればわかるしもう手遅れなんだから。
委員長も夢もそんなことで言い合いするほど成績悪くないくせにおかしいよ」
美晴の言うことはもっともだったが、この発言が井口真帆を刺激してしまった。
「そりゃ夢ちゃんみたいに友達がみんな似たような成績なら気にしなくていいよ?
でもわたしは必ずしもそうじゃないから悩んでるんじゃないの」
「もしかしてそれって嫌味なのかな? こんどはアタシにケンカ売るつもり?
昔からそうだけどさ、なにかと厭味ったらしくグチグチ言うのやめてくんない?」
「誰が嫌味っぽいのよ、それならすぐ意味不明なこと言ってくる夢ちゃんは?
わたしがやめてって言ってもマンガの続きをしゃべっちゃうしさ。
五年の時もわたしが育ててた花壇の野菜を勝手に調理実習で使ったでしょ!?
それに六年の時は卒業式の練習でぺちゃくちゃしゃべり続けて進行の邪魔するし……」
「わかったわかった、アタシが悪かったから泣かないでよ、めんどくさい……
しかも今の全部アタシじゃなくて夢がやったことじゃないのさ。
ホントウマが合わないんだから関わらないようにすればいいのに……」
「なんでハルはまほちんの味方してんのよ、この裏切り者!
そう言いつつも自分だって実習で作った野菜炒め一緒に食べたじゃないの。
新鮮なわりにあんまりおいしくないねとか酷いこと言いながらさ」
「いや、それ言ったのはアタシじゃなくて誰か男子だったはずだよ?
デリカシーの無い発言をなんでもかんでもアタシのせいにするのやめてくれる?」
「結局そうやっていつも二人で言いたいことばっか言って誤魔化すじゃないの!
わたしの気持ちなんて誰も考えてくれないじゃないの、酷いよ!
クラス委員長だって別にやりたいわけじゃ無いのにいつも推薦されてさ。
成績で選ぶならたまには夢ちゃんだってやったらいいんだよ。
それなのにのらりくらりはぐらかして引き受けたことないじゃない!
一回なんて投票で選ばれたのにわざと変なこと言って取り消させたりしてさ。
あの時だってわたしの組織票だとか言い出して散々だったんだからね!
もうやだ! クラス委員長だってもうやめるんだから!」
興奮した真帆はとうとう完全に泣き出してしまった。どうやら今までも夢路や美晴とは色々あったらしく因縁の相手と言ってもいいくらいの間柄なのだが、別の小学校から来た生徒にはそんな事情は分からず困惑しきりである。
今目の前で行われたことだけを見ると真帆に同情したくなった八早月だが、それでも一言言いたいことがあるところをなんとか我慢し口をつぐんだ。真帆は泣きながらもうクラス委員長を辞めると言ったが、それはせいぜいあと三週間だと言いたいのを飲みこんだのだ。
それにしてもこの惨状、一体どうすればいいのだろうか。周囲の女生徒を中心に各陣営に分かれて一触即発と言った雰囲気である。片方は真帆派と言えそうな仲の良い面々、もう片方が別の小学校出身者が中心の集団らしい。
出身校で分けるなら夢路も美晴も真帆陣営になりそうなものなのだが、その当人と折り合いが悪いのだから始末が悪い。かと言って別小グループと特別仲が良いわけでもない。
随分と騒がしくなった教室で、八早月は我関せずとただ眺めているだけの傍観者に徹していた。
「八早月ちゃんどうだった? アタシはちょっと英語ヤバいかもしれないよ……
多分単語はそれなりだと思うんだけどさ、和訳英訳が全然ダメっぽいのー
周りの子は結構がんばったみたいに話してるから平均点上がるかもなぁ」
「それは聞き捨てならないわね、平均点が上がったら順位は下がるのでしょう?
それでは勉強した甲斐がないし綾乃さんにも夢路さんにも申し訳が立たないわ」
そんな風に二人が低次元な話をしているところへ、余裕たっぷりと言う様子で近寄ってくる者がいた。美晴がうんざりした顔でその方向を見上げると、やってきたのは夢路ではなくまさかの郡上大勢だった。
「どうやらさすがの櫛田も勉強はそう優秀でもなかったようだな。
掲示では毎回国語トップだから驚いていたが一芸タイプだったとはね。
こんな事なら勝負を挑んでおけばよかったよ、だが今更挑んでも意味がない」
「ちょっと美晴さん、この人はなにが言いたいのかしら?
趣旨がちいともわからないわ、私と勝負がしたいのかしたくないのか。
どちらにせよ成績で争うなんてバカなことは受けやしませんけれどね」
「きっとアレだよ、デザート取り返したいけどもう三学期が終わるからね。
もし勝ったとしても数日分じゃ意味がないって言いたいんじゃないかな。
でもさ、巻き上げられてると言うか差し出してる先は夢なんだよ?
どうせならあっちに挑んできなよ、学年一桁に勝つ自信があるのならだけど」
「またそうやって屁理屈を…… 山本は割り込んで来ただけで勝負は櫛田とだ!
だがまあいいさ、どうせ二年に上がったら別のクラスだろうしな。
知ってるか? この学園は成績優秀者が一組、下半分が二組なんだぞ?
おまえら二人はきっと二組だろうな」
「その話私も聞いていたから頑張ろうと誓ったのだけれどね。
少々眉唾ではないかしら、だって綾乃さんは学年で一二を争っているのよ?
その彼女が編入試験で半分より下に扱われるなんてことあるかしら」
それを聞いた美晴は手をポンと叩いて納得の表情である。周囲の生徒も同じ噂を聞いていたのだろう、『なるほど』だとか『嘘だったのか』などと言う声が漏れ聞こえてきた。
「だ、だがそれも編入と言うイレギュラーなものに対する結果じゃないか。
例年通りなら進級時に成績上位者と外部進学希望者は一組になるはずさ」
「まあそれでも私は半分より下にはなったことないから心配はしていないわよ?
美晴さんだって問題ないに決まっているわ、でも郡上君と三田村さんはどう?
もしかしたら来年もまた同じクラスなのかしらね」
いつの間にか郡上大勢の背後にやって来ていた三田村愛美は、八早月に名を出されたことが気に入らないのか顔をしかめた。クラスに険悪ムードが漂い生徒たちがざわつき始めたことで、これ以上話をややこしくしないでもらいたいと言わんばかりに割って入ってきたのは意外にもクラス委員長の井口真帆だった。
これ以上という表現はおかしかったかもしれないが、すでに同じ内容について教室の前方では真帆と夢路がやりあっていたのだ。どうやら考えていた以上にこの噂は広範囲に広まっており誰もが気にしているようである。
「ちょっと夢と真帆ちゃん待ってよ、結局本当はどっちなの?」
「気になるからちゃんと教えてよー」
「実際のところは私も知らないのよ、先輩から聞いただけだからね。
貼り出し順位は二十人までだけど一組は大体そこに載ってるんだって。
考えてみれば授業するにもあまり差がない方がやりやすいのは確かでしょ」
「私も先輩に聞いただけだから真偽はわからないわね。
でも上位者って言ってただけだから真ん中から半分ずつかまでかわからない。
いくらなんでもそんなきっちり分けてクラス同士が仲悪くなっても困るでしょ」
ほんのわずかな違いなのだが、お互い元々仲が良くないのだから諍いにもなろうと言うものだ。周囲も委員長派とそれ以外でやや対立傾向がある。かと言って夢路派といえる者がいないところに普段の態度や発言が現れており、人徳の大切さがわかると言うものだ。
「そんなのどっちでもいいじゃない、進級すればわかるしもう手遅れなんだから。
委員長も夢もそんなことで言い合いするほど成績悪くないくせにおかしいよ」
美晴の言うことはもっともだったが、この発言が井口真帆を刺激してしまった。
「そりゃ夢ちゃんみたいに友達がみんな似たような成績なら気にしなくていいよ?
でもわたしは必ずしもそうじゃないから悩んでるんじゃないの」
「もしかしてそれって嫌味なのかな? こんどはアタシにケンカ売るつもり?
昔からそうだけどさ、なにかと厭味ったらしくグチグチ言うのやめてくんない?」
「誰が嫌味っぽいのよ、それならすぐ意味不明なこと言ってくる夢ちゃんは?
わたしがやめてって言ってもマンガの続きをしゃべっちゃうしさ。
五年の時もわたしが育ててた花壇の野菜を勝手に調理実習で使ったでしょ!?
それに六年の時は卒業式の練習でぺちゃくちゃしゃべり続けて進行の邪魔するし……」
「わかったわかった、アタシが悪かったから泣かないでよ、めんどくさい……
しかも今の全部アタシじゃなくて夢がやったことじゃないのさ。
ホントウマが合わないんだから関わらないようにすればいいのに……」
「なんでハルはまほちんの味方してんのよ、この裏切り者!
そう言いつつも自分だって実習で作った野菜炒め一緒に食べたじゃないの。
新鮮なわりにあんまりおいしくないねとか酷いこと言いながらさ」
「いや、それ言ったのはアタシじゃなくて誰か男子だったはずだよ?
デリカシーの無い発言をなんでもかんでもアタシのせいにするのやめてくれる?」
「結局そうやっていつも二人で言いたいことばっか言って誤魔化すじゃないの!
わたしの気持ちなんて誰も考えてくれないじゃないの、酷いよ!
クラス委員長だって別にやりたいわけじゃ無いのにいつも推薦されてさ。
成績で選ぶならたまには夢ちゃんだってやったらいいんだよ。
それなのにのらりくらりはぐらかして引き受けたことないじゃない!
一回なんて投票で選ばれたのにわざと変なこと言って取り消させたりしてさ。
あの時だってわたしの組織票だとか言い出して散々だったんだからね!
もうやだ! クラス委員長だってもうやめるんだから!」
興奮した真帆はとうとう完全に泣き出してしまった。どうやら今までも夢路や美晴とは色々あったらしく因縁の相手と言ってもいいくらいの間柄なのだが、別の小学校から来た生徒にはそんな事情は分からず困惑しきりである。
今目の前で行われたことだけを見ると真帆に同情したくなった八早月だが、それでも一言言いたいことがあるところをなんとか我慢し口をつぐんだ。真帆は泣きながらもうクラス委員長を辞めると言ったが、それはせいぜいあと三週間だと言いたいのを飲みこんだのだ。
それにしてもこの惨状、一体どうすればいいのだろうか。周囲の女生徒を中心に各陣営に分かれて一触即発と言った雰囲気である。片方は真帆派と言えそうな仲の良い面々、もう片方が別の小学校出身者が中心の集団らしい。
出身校で分けるなら夢路も美晴も真帆陣営になりそうなものなのだが、その当人と折り合いが悪いのだから始末が悪い。かと言って別小グループと特別仲が良いわけでもない。
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