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第十二章 弥生(三月)
324.三月八日 夜 お騒がせ巫女
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八早月が怒るのも当然である。ここまで繰り返されると行動自体に意外性は感じないが、まだ雪の残る夜の山へ飛び出していこうというのはいささか無謀が過ぎる。
「よろしいですか綾乃さん、こんな夜遅くに飛び出していって一体どこへ行こうと言うのですか。雪で足を滑らせたら命に係わるのですよ? 確かにいい年してあにめの絵柄の寝間着は恥ずかしかったのかもしれません。しかも幼い子とお揃いなのですからねえ。それでももう中学生なのですからお揃いだねと言ってあげるくらいの度量を見せてもよろしいのではありませんか? 今回はすぐに止めることができ大事には至りませんでしたがいつもこのように対処できるとは――」
「八早月ちゃん、もうその辺にしてあげなよ、綾も反省してるってば。
確かに突発的で浅はかだったのはそうかもしれないけど、もうしないよな?
―― こら! そこの二人は笑うんじゃない!」
トンチンカンな怒りの方向にどうにもこらえきれなくなった夢路と美晴はついクスクスと笑ってしまっていた。よくもまあここまで状況を理解できないものだと、呆れるよりも感心してしまうほどである。
それは怒られている綾乃も同様だし、怒っている八早月を諭している零愛に関しても同じことだ。これほどわかりやすいのだからそろそろ秋菜が綾乃へ飛びついて行った理由を察しても良さそうなものだが、まったく気付く気配は無かった。
「それにしても藻さん、瞬時に捕らえて下さって助かりました。
今度同じようなことがあったら綾乃さんには枷を付けてしまいましょうかね」
「お願いだからそれは勘弁してよ、もうしないから、ね?」
「もちろん冗談に決まっていますよ、それほど心配したと言うことです。
それにしてもたかが寝間着の柄が童女と同じくらいで大仰なことを。
知られて恥ずかしさを感じるくらいなら私のように半着にしたらどうですか?
そうだ、そうしましょう、それなら秋菜ではなく直臣とお揃いですからね」
なぜこうも次から次へと面白いことを言い出してしまうのかと、そろそろ夢路のお腹は限界である。それはもちろん捧腹の意味であるが空腹と言う意味でも皆そろそろである。
「じゃあ綾はチビ連れて風呂入っちゃいなよ。
さっきから廊下でトビがどうしたもんかってうろうろしてるからな」
「ああそうでした、事情も分からず待たせていたので悪いことをしましたね。
飛雄さん、お待たせしました、これから皆で入りますから先にお茶でもどうぞ」
『お、おう、わかったけどなんかトラブルか? 喧嘩ってことは無いと思うけど。
姉ちゃんがなにかやらかしたんじゃねえだろうな?』
「ご心配にはおよびません、何ならこちらへ入って確かめますか?
幸いにも全員服を着ておりますから覗いても問題ありませんよ」
『んなっ、問題ないなら覗きゃしないってば、んじゃ早めに入っちゃえよ?
俺は表で魚焼いてくるからぬるくなったら呼んでくれ』
「湯あみの最中に覗くのなら私だけにしておいてくださいね。
さすがの私も他の女性にうつつを抜かされては腹が立ちますから」
『誰が覗くもんか、誰一人として覗きゃしないってんだよ!
まったくもう、姉ちゃんの影響なのか八早月まで鬼キャラになってねえか?』
ブツブツ言いながら廊下から立ち去って行く飛雄、その気配を確かめてから綾乃が秋菜を連れて顔を出した。続いて夢路も一緒に入るためについていく。入浴時はそれぞれの序列に従い二人ずつ入るのがいつものことだ。当然のように今宵は八早月一人で入ることになる。
「そろそろ美晴さんと入れ替わりはしませんかね? 今のところ豆乳の効果はありませんが……」
「やっぱ迷信だよ、だって八早月ちゃんちって高野豆腐が頻繁に出るじゃない?
豆乳も豆腐も材料は同じなんだからさ、それに零愛さんみたいでもカッコいいよ」
「ちょっとハル? そこでウチを引き合いに出してほしくないんだが?
好きで小さいわけじゃ無いんだが? 酷いこと言うと泣いちゃうぞ?」
「あーもー、零愛さんも仲間じゃないですか、夢たちには負けられない!
ね、八早月ちゃんも同盟だからね、今のところは」
「今の言葉、聞き捨てならないわね、まるで自分は同盟から抜けるつもりかしら?
早々都合よく行くものではないはずよ? まずはあの二人から秘密を聞き出さないとね」
「そう言えばソフト部のやつが言ってたことあるんだけどな?
成長期に筋肉つけ過ぎると背が伸びなくなるって、もしかしたらこっちも……」
「確かに言われてみれば三人に共通していてあっちと違う点か!
夢なんて休みの日のほとんどはお菓子食べながらマンガ読んで過ごしてるし。
グウタラした方がいいのか、適度な休息が必要なのかどっちだろ」
「綾乃さんは少しだけ運動もしているそうよ? 毎日早起きして散歩しているし。
すなわち夢路さんのように過ごせば良いとは言い切れないわね。
よし、明日からは鍛錬の後に休憩を挟みましょう、と言っても登校時にはしばしば仮眠しているわね」
残された三人がそんな下世話な話で盛り上がっていると廊下に強めの気配が近づいてきた。それは美晴にもわかるくらいにドタバタとやかましい。
「ちょっと直臣! 一体何の騒ぎなの!? お客人の前で恥ずかしい」
『いやちょっと恥ずかしいのはこっちなので! すいませんが失礼します!』
八早月がドアを開けて確認する間もなく、叫び声を残してはす向かいにある飛雄の部屋へと飛び込んでいった。すると入れ替わりで別の気配が二つ、これまた急速に近づいてくる。
「まったく慌ただしいわね、今度は秋菜と綾乃さんだわ。いったいどうしたの?
さあ秋菜こちらへいらっしゃい、こっちの『お姉ちゃん』が着替えさせてあげますよ」
今度こそ八早月が部屋のドアを開けると、ケタケタと笑いながら丸裸でびしょ濡れの秋菜が飛び込んできて八早月へと飛びついた。これには『お姉ちゃん』も大満足である。しかしことはそれだけで終わらない。続けてやってきたのは――
これでは直臣が逃げ惑うのも無理はない。後からやってきたのはバスタオルを巻きつけた姿で秋菜を追いかける綾乃だったのだから。しっかりと巻きつけているとは言えそのふくらみは明らかであるし、色白の太ももが半分ほどはみ出ている。
「ああ、秋菜ちゃん捕まえてくれた? お風呂出て拭く前に逃げられちゃった。
はやく乾かさないと風邪引いちゃうよ? ホントいたずらっ子なんだから」
「綾…… 今の言葉を夢に聞かれなくて良かったな。
結構前からの付き合いだって、ウチでも察しちゃったぞ?」
「あっ!? 零愛さんお願い、黙っててー、そのうちちゃんと話すからさ。
別にやましいことは無いんだけどまだちょっと恥ずかしくて……」
「まったくハルと言い八早月と言い、今度は綾にまで先を越されちまったか。
ウチにも誰かいい男が現れやしないのかなあ」
「いやいやいや、私と先輩は付き合ってるわけじゃ無いから、ホントだよ?
ただ少し前から勉強教えてもらうために通話とかするようになっただけ。
その時はたいてい秋菜ちゃんも一緒だから顔見知りになったと言うか……」
「はいはい、そう言うことにしときますよっての。
綾は言い訳が下手くそだなあ、別に正直に言ったって誰に責められるわけで無し」
ここまでくれば美晴でも二人の関係が学校の顔見知り程度でないことくらいは理解できている。できていないのは、こと他人の恋愛感情に対して鈍すぎる『てぃいん』ただ一人くらいなものだ。それでも一言かける言葉があるようで――
「綾乃さん、あなたこそそんな恰好のままでは風邪をひいてしまうわよ?
家の中と言ってもさすがに薄着過ぎるのではなくて?」
「ひゃああ、もう八早月ちゃんたら! いや、これは私の失態か……」
綾乃は我に返ったのか、今更ながらバスタオルを押さえながらその場にペタンと座り込んだ。
「よろしいですか綾乃さん、こんな夜遅くに飛び出していって一体どこへ行こうと言うのですか。雪で足を滑らせたら命に係わるのですよ? 確かにいい年してあにめの絵柄の寝間着は恥ずかしかったのかもしれません。しかも幼い子とお揃いなのですからねえ。それでももう中学生なのですからお揃いだねと言ってあげるくらいの度量を見せてもよろしいのではありませんか? 今回はすぐに止めることができ大事には至りませんでしたがいつもこのように対処できるとは――」
「八早月ちゃん、もうその辺にしてあげなよ、綾も反省してるってば。
確かに突発的で浅はかだったのはそうかもしれないけど、もうしないよな?
―― こら! そこの二人は笑うんじゃない!」
トンチンカンな怒りの方向にどうにもこらえきれなくなった夢路と美晴はついクスクスと笑ってしまっていた。よくもまあここまで状況を理解できないものだと、呆れるよりも感心してしまうほどである。
それは怒られている綾乃も同様だし、怒っている八早月を諭している零愛に関しても同じことだ。これほどわかりやすいのだからそろそろ秋菜が綾乃へ飛びついて行った理由を察しても良さそうなものだが、まったく気付く気配は無かった。
「それにしても藻さん、瞬時に捕らえて下さって助かりました。
今度同じようなことがあったら綾乃さんには枷を付けてしまいましょうかね」
「お願いだからそれは勘弁してよ、もうしないから、ね?」
「もちろん冗談に決まっていますよ、それほど心配したと言うことです。
それにしてもたかが寝間着の柄が童女と同じくらいで大仰なことを。
知られて恥ずかしさを感じるくらいなら私のように半着にしたらどうですか?
そうだ、そうしましょう、それなら秋菜ではなく直臣とお揃いですからね」
なぜこうも次から次へと面白いことを言い出してしまうのかと、そろそろ夢路のお腹は限界である。それはもちろん捧腹の意味であるが空腹と言う意味でも皆そろそろである。
「じゃあ綾はチビ連れて風呂入っちゃいなよ。
さっきから廊下でトビがどうしたもんかってうろうろしてるからな」
「ああそうでした、事情も分からず待たせていたので悪いことをしましたね。
飛雄さん、お待たせしました、これから皆で入りますから先にお茶でもどうぞ」
『お、おう、わかったけどなんかトラブルか? 喧嘩ってことは無いと思うけど。
姉ちゃんがなにかやらかしたんじゃねえだろうな?』
「ご心配にはおよびません、何ならこちらへ入って確かめますか?
幸いにも全員服を着ておりますから覗いても問題ありませんよ」
『んなっ、問題ないなら覗きゃしないってば、んじゃ早めに入っちゃえよ?
俺は表で魚焼いてくるからぬるくなったら呼んでくれ』
「湯あみの最中に覗くのなら私だけにしておいてくださいね。
さすがの私も他の女性にうつつを抜かされては腹が立ちますから」
『誰が覗くもんか、誰一人として覗きゃしないってんだよ!
まったくもう、姉ちゃんの影響なのか八早月まで鬼キャラになってねえか?』
ブツブツ言いながら廊下から立ち去って行く飛雄、その気配を確かめてから綾乃が秋菜を連れて顔を出した。続いて夢路も一緒に入るためについていく。入浴時はそれぞれの序列に従い二人ずつ入るのがいつものことだ。当然のように今宵は八早月一人で入ることになる。
「そろそろ美晴さんと入れ替わりはしませんかね? 今のところ豆乳の効果はありませんが……」
「やっぱ迷信だよ、だって八早月ちゃんちって高野豆腐が頻繁に出るじゃない?
豆乳も豆腐も材料は同じなんだからさ、それに零愛さんみたいでもカッコいいよ」
「ちょっとハル? そこでウチを引き合いに出してほしくないんだが?
好きで小さいわけじゃ無いんだが? 酷いこと言うと泣いちゃうぞ?」
「あーもー、零愛さんも仲間じゃないですか、夢たちには負けられない!
ね、八早月ちゃんも同盟だからね、今のところは」
「今の言葉、聞き捨てならないわね、まるで自分は同盟から抜けるつもりかしら?
早々都合よく行くものではないはずよ? まずはあの二人から秘密を聞き出さないとね」
「そう言えばソフト部のやつが言ってたことあるんだけどな?
成長期に筋肉つけ過ぎると背が伸びなくなるって、もしかしたらこっちも……」
「確かに言われてみれば三人に共通していてあっちと違う点か!
夢なんて休みの日のほとんどはお菓子食べながらマンガ読んで過ごしてるし。
グウタラした方がいいのか、適度な休息が必要なのかどっちだろ」
「綾乃さんは少しだけ運動もしているそうよ? 毎日早起きして散歩しているし。
すなわち夢路さんのように過ごせば良いとは言い切れないわね。
よし、明日からは鍛錬の後に休憩を挟みましょう、と言っても登校時にはしばしば仮眠しているわね」
残された三人がそんな下世話な話で盛り上がっていると廊下に強めの気配が近づいてきた。それは美晴にもわかるくらいにドタバタとやかましい。
「ちょっと直臣! 一体何の騒ぎなの!? お客人の前で恥ずかしい」
『いやちょっと恥ずかしいのはこっちなので! すいませんが失礼します!』
八早月がドアを開けて確認する間もなく、叫び声を残してはす向かいにある飛雄の部屋へと飛び込んでいった。すると入れ替わりで別の気配が二つ、これまた急速に近づいてくる。
「まったく慌ただしいわね、今度は秋菜と綾乃さんだわ。いったいどうしたの?
さあ秋菜こちらへいらっしゃい、こっちの『お姉ちゃん』が着替えさせてあげますよ」
今度こそ八早月が部屋のドアを開けると、ケタケタと笑いながら丸裸でびしょ濡れの秋菜が飛び込んできて八早月へと飛びついた。これには『お姉ちゃん』も大満足である。しかしことはそれだけで終わらない。続けてやってきたのは――
これでは直臣が逃げ惑うのも無理はない。後からやってきたのはバスタオルを巻きつけた姿で秋菜を追いかける綾乃だったのだから。しっかりと巻きつけているとは言えそのふくらみは明らかであるし、色白の太ももが半分ほどはみ出ている。
「ああ、秋菜ちゃん捕まえてくれた? お風呂出て拭く前に逃げられちゃった。
はやく乾かさないと風邪引いちゃうよ? ホントいたずらっ子なんだから」
「綾…… 今の言葉を夢に聞かれなくて良かったな。
結構前からの付き合いだって、ウチでも察しちゃったぞ?」
「あっ!? 零愛さんお願い、黙っててー、そのうちちゃんと話すからさ。
別にやましいことは無いんだけどまだちょっと恥ずかしくて……」
「まったくハルと言い八早月と言い、今度は綾にまで先を越されちまったか。
ウチにも誰かいい男が現れやしないのかなあ」
「いやいやいや、私と先輩は付き合ってるわけじゃ無いから、ホントだよ?
ただ少し前から勉強教えてもらうために通話とかするようになっただけ。
その時はたいてい秋菜ちゃんも一緒だから顔見知りになったと言うか……」
「はいはい、そう言うことにしときますよっての。
綾は言い訳が下手くそだなあ、別に正直に言ったって誰に責められるわけで無し」
ここまでくれば美晴でも二人の関係が学校の顔見知り程度でないことくらいは理解できている。できていないのは、こと他人の恋愛感情に対して鈍すぎる『てぃいん』ただ一人くらいなものだ。それでも一言かける言葉があるようで――
「綾乃さん、あなたこそそんな恰好のままでは風邪をひいてしまうわよ?
家の中と言ってもさすがに薄着過ぎるのではなくて?」
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