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第十二章 弥生(三月)
331.三月十三日 午後 持久走大会開始
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準備運動が終わった後、校内から運ばれてきたホワイトボードが学年ごとの列に対し一枚ずつ用意された。そこにはあらかじめルート用の目印がいくつか示されていた。
「えー、事前にコースを調べてそうそう間違えないわかり易い順路のはずだ。
交差点等怪しい場所には教員が待機しているので安心してもらいたい。
コースは三種類、普段の体育授業でチェックしたうえでの振り分けとなる。
ちなみにどのコースを選んでも完走できれば成績が悪くなることは無い。
だが途中棄権となったものにはプリントが待っているからそのつもりで。
では個別の説明は担任の先生、よろしくお願いします」
体育教師の概要説明が終わると一年生の列はにわかにざわつき始めた。なんと言っても事前に聞かされなかった点が大きく二点あるからだ。まず第一に校外へ出て走ること。そして第二に人によってコースが異なることである。
「それじゃ一年生の説明をするぞー、女子は三キロ、五キロのどちらかだ。
男子には十キロを用意してあるから喜んでくれーい」
もちろんこの発言には男子からブーイングが出る。しかし担任の松平はそんなことは気にも留めず言葉を続けた。
「これは体育の成績を元に決めているからな。一組の女子はほとんどが三キロだな。
逆に男子は五キロばかりでさすが体育祭で上級生に食い込んだだけのことはある。 十キロを割り当てられてる者はごくわずかなんだからこれは栄誉だぞ?」
これには男子生徒も掌返しで勝鬨の声を上げた。だが走るのはこれからなのだから本当は喜ぶにはまだ早い。その様子を見て女子からは男子って単純、などと心無い声が漏れていた。
説明が終わるとホワイトボードに名札が貼られていく。確かに女子は三キロばかりだが、陸上部の美晴をはじめとする数名が五キロを指定されて不満げだった。そして男子陸上部の郡上大勢にはもちろん十キロが割り当てられた。一年生の中ではわずかに四人のみと言うこともあり相当誇らしいようで、今にも後ろに倒れそうなくらい鼻高々である。
八早月はもちろん五キロだったのだが、真宵が少々気になる情報を仕入れてきた。
『八早月様、数字が大きい方が距離が長いのですよね?
綾乃殿は三キロでしたが、学友のヒョロッとした男子は十五キロでございました』
『十五キロ? 十キロが最長ではなかったのですね。
では私も十五キロにしましょう、もちろんこっそりと』
そんなたくらみには誰も気付かずいよいよスタートの時間がやってきた。どうやら一年生女子から出発してから二、三年女子と続き、男子も一、二年生、最後に三年生と言う順番のようだが、最後に数名だけ離れたところに待機しているのが見える。
その中には新庄清太郎の姿が確認できたため、おそらくあの場所が十五キロ組の待機場所なのだろう。その中に女子は一人もおらず全員が陸上部か運動部、その他校外で活動するスポーツチーム等に所属している面々のようだ。
「松平さん、今更で申し訳ないのだけれど、出発前に小用を済ませて参ります。
後から追いかけて合流しますのでご心配なく」
「櫛田? その松平さんはやめるようにって言ってるだろ?
せめて松平先生にしてくれないか? 色々と事情は聞いているがなあ。
それはともかくトイレならちゃんと先に済ませておかないとダメだぞ、早く行って来い」
「まったく男性と言うのはどうしてこう気遣いが足りないのでしょうか。
真帆さん流に言うならば『先生、そう言うところですよ?』ですね」
まさかの八早月からそんなことを言われた松平は、バツ悪そうに頭を掻きながら校舎へ戻って行く策謀家を見送った。だがチクリと小言を言った八早月が行った先はトイレではない。昇降口の影に潜み次々に出発する面々を見送っているだけだ。
『定め事を破ってしまって本当によろしいのですか?
後ほど松平殿より叱られるのではないかと心配でございます』
『心配は無用です、叱られるどころか余分に走るのですから褒められるのでは?
やはり心身を鍛えるのであれば自らに大いなる試練を課すべきです』
『それは屁理屈と言うものなのでは……』
『いくら言っても無駄かと』『無駄なのじゃ』
『しっ、皆さん騒がしいですよ、ほらご覧なさい、間もなく最終一つ手前の――
おかしいですね、最終組に直臣がおりません、まさかあの子さぼりですか!?
なぜ十キロの組に混ざっているのですか、これはいささか許しがたき所業。
真宵さん、あの子に十五キロを走るように伝えて来てください』
『この直前に真でございますか!? それこそすぐそばの先生に叱られるのでは?』
『後ほど私に叱られるのとどちらがいいか選ばせればよいのです。
ささ、早く伝達お願いしますよ?』
お願いではなく命令であるから断ることは出来ない。真宵が疑問を呈した直後、すぐに直臣の側へと転移させられてしまった。ここまで来たなら命じられた通り伝えるしかなく八早月の説得は不可能である。
『直臣様、真宵にございますが、八早月様より十五キロ走るようにとの命。
この場で先生殿に叱られるか後ほど八早月様に叱られるか選べとのことです……』
『ちょっ、ちょっと突然言われても無理に決まっています。
十キロ折り返し地点に十五キロは直進と書いてありますから変更は可能かと。
まさか筆頭はまだ出発していないのでしょうか?
この分だともしかして十五キロ走るとおっしゃっているのですか?』
『ご推察の通り、今は学び舎の中に潜んで最終組の出発をお待ちでございます。
私はなんとかお止めしようとしたのですが……』
『まあ多く走る分には問題ないと思いますし、筆頭なら遅れることもないはず。
毎朝走っている距離が山道で八キロほどですが確か四十分ほどでしたね。
それに比べれば筆頭にとって平地を走るなど楽なものでしょう』
『なるほど、それででしょうか。直臣様が十キロを選び怠けていると……
心中お察しいたします、おっとお呼びですのでこれにて』
真宵が去った後、直臣は仕方なく手を挙げて距離の変更を申し出るのだった。さすがに怠けていると思われたまま出発するわけにはいかない。どうせ何を言っても無駄なのだろうし、出た後に追いつかれてクラスメートの前で尻を叩かれるよりはマシだと考え急遽最終組へと合流することになった。
「あれ? 四宮先輩じゃないすか。まさかの距離変更ですか?
まあそりゃそうですよね、先輩ほどのお方が十キロで済ますなんておかしい。
こうなったら勝負しましょうよ、オレは普段からランニングしてるんで自信ありますよ!」
「えっと新庄君だったね、勝負と言っても僕も君も一位は難しいだろう?」
直臣はそう言いながら周囲を見渡したが、その場に八早月がいないことは初めからわかっている。他に一位を取りそうな生徒がいるのか確認したかったのだ。可能性がありそうなのは陸上部の面々くらいだろうが、野球やサッカーの校外チームに入っている者たちも有力かもしれない。
十五キロ組の面子を確認した直臣は八早月へと念話を飛ばす。
『筆頭、まさか一番を狙っているのではありませんよね?
スポーツに熱を入れている生徒たちに華を持たせられませんか?
全力を出してしまうと筆頭がまた悪目立ちしてしまいますし……』
『ああ直臣ですか、きちんと移動してきたのですね、感心感心。
確かに全力で力試しをするつもりでしたが、目立ちすぎるのも良くないですね。
それでは先頭の少し後ろで終了地点を抜けることにしましょうか。助言感謝しますよ』
ただ走るだけの行事、いや授業だったはずが、どうにも嫌な予感を拭えない波乱含みのひと時になりそうである。これは直臣だけでなく真宵も、そして出発時に八早月が列から離れいなくなったことを察知していた綾乃までもが確信していた。
「えー、事前にコースを調べてそうそう間違えないわかり易い順路のはずだ。
交差点等怪しい場所には教員が待機しているので安心してもらいたい。
コースは三種類、普段の体育授業でチェックしたうえでの振り分けとなる。
ちなみにどのコースを選んでも完走できれば成績が悪くなることは無い。
だが途中棄権となったものにはプリントが待っているからそのつもりで。
では個別の説明は担任の先生、よろしくお願いします」
体育教師の概要説明が終わると一年生の列はにわかにざわつき始めた。なんと言っても事前に聞かされなかった点が大きく二点あるからだ。まず第一に校外へ出て走ること。そして第二に人によってコースが異なることである。
「それじゃ一年生の説明をするぞー、女子は三キロ、五キロのどちらかだ。
男子には十キロを用意してあるから喜んでくれーい」
もちろんこの発言には男子からブーイングが出る。しかし担任の松平はそんなことは気にも留めず言葉を続けた。
「これは体育の成績を元に決めているからな。一組の女子はほとんどが三キロだな。
逆に男子は五キロばかりでさすが体育祭で上級生に食い込んだだけのことはある。 十キロを割り当てられてる者はごくわずかなんだからこれは栄誉だぞ?」
これには男子生徒も掌返しで勝鬨の声を上げた。だが走るのはこれからなのだから本当は喜ぶにはまだ早い。その様子を見て女子からは男子って単純、などと心無い声が漏れていた。
説明が終わるとホワイトボードに名札が貼られていく。確かに女子は三キロばかりだが、陸上部の美晴をはじめとする数名が五キロを指定されて不満げだった。そして男子陸上部の郡上大勢にはもちろん十キロが割り当てられた。一年生の中ではわずかに四人のみと言うこともあり相当誇らしいようで、今にも後ろに倒れそうなくらい鼻高々である。
八早月はもちろん五キロだったのだが、真宵が少々気になる情報を仕入れてきた。
『八早月様、数字が大きい方が距離が長いのですよね?
綾乃殿は三キロでしたが、学友のヒョロッとした男子は十五キロでございました』
『十五キロ? 十キロが最長ではなかったのですね。
では私も十五キロにしましょう、もちろんこっそりと』
そんなたくらみには誰も気付かずいよいよスタートの時間がやってきた。どうやら一年生女子から出発してから二、三年女子と続き、男子も一、二年生、最後に三年生と言う順番のようだが、最後に数名だけ離れたところに待機しているのが見える。
その中には新庄清太郎の姿が確認できたため、おそらくあの場所が十五キロ組の待機場所なのだろう。その中に女子は一人もおらず全員が陸上部か運動部、その他校外で活動するスポーツチーム等に所属している面々のようだ。
「松平さん、今更で申し訳ないのだけれど、出発前に小用を済ませて参ります。
後から追いかけて合流しますのでご心配なく」
「櫛田? その松平さんはやめるようにって言ってるだろ?
せめて松平先生にしてくれないか? 色々と事情は聞いているがなあ。
それはともかくトイレならちゃんと先に済ませておかないとダメだぞ、早く行って来い」
「まったく男性と言うのはどうしてこう気遣いが足りないのでしょうか。
真帆さん流に言うならば『先生、そう言うところですよ?』ですね」
まさかの八早月からそんなことを言われた松平は、バツ悪そうに頭を掻きながら校舎へ戻って行く策謀家を見送った。だがチクリと小言を言った八早月が行った先はトイレではない。昇降口の影に潜み次々に出発する面々を見送っているだけだ。
『定め事を破ってしまって本当によろしいのですか?
後ほど松平殿より叱られるのではないかと心配でございます』
『心配は無用です、叱られるどころか余分に走るのですから褒められるのでは?
やはり心身を鍛えるのであれば自らに大いなる試練を課すべきです』
『それは屁理屈と言うものなのでは……』
『いくら言っても無駄かと』『無駄なのじゃ』
『しっ、皆さん騒がしいですよ、ほらご覧なさい、間もなく最終一つ手前の――
おかしいですね、最終組に直臣がおりません、まさかあの子さぼりですか!?
なぜ十キロの組に混ざっているのですか、これはいささか許しがたき所業。
真宵さん、あの子に十五キロを走るように伝えて来てください』
『この直前に真でございますか!? それこそすぐそばの先生に叱られるのでは?』
『後ほど私に叱られるのとどちらがいいか選ばせればよいのです。
ささ、早く伝達お願いしますよ?』
お願いではなく命令であるから断ることは出来ない。真宵が疑問を呈した直後、すぐに直臣の側へと転移させられてしまった。ここまで来たなら命じられた通り伝えるしかなく八早月の説得は不可能である。
『直臣様、真宵にございますが、八早月様より十五キロ走るようにとの命。
この場で先生殿に叱られるか後ほど八早月様に叱られるか選べとのことです……』
『ちょっ、ちょっと突然言われても無理に決まっています。
十キロ折り返し地点に十五キロは直進と書いてありますから変更は可能かと。
まさか筆頭はまだ出発していないのでしょうか?
この分だともしかして十五キロ走るとおっしゃっているのですか?』
『ご推察の通り、今は学び舎の中に潜んで最終組の出発をお待ちでございます。
私はなんとかお止めしようとしたのですが……』
『まあ多く走る分には問題ないと思いますし、筆頭なら遅れることもないはず。
毎朝走っている距離が山道で八キロほどですが確か四十分ほどでしたね。
それに比べれば筆頭にとって平地を走るなど楽なものでしょう』
『なるほど、それででしょうか。直臣様が十キロを選び怠けていると……
心中お察しいたします、おっとお呼びですのでこれにて』
真宵が去った後、直臣は仕方なく手を挙げて距離の変更を申し出るのだった。さすがに怠けていると思われたまま出発するわけにはいかない。どうせ何を言っても無駄なのだろうし、出た後に追いつかれてクラスメートの前で尻を叩かれるよりはマシだと考え急遽最終組へと合流することになった。
「あれ? 四宮先輩じゃないすか。まさかの距離変更ですか?
まあそりゃそうですよね、先輩ほどのお方が十キロで済ますなんておかしい。
こうなったら勝負しましょうよ、オレは普段からランニングしてるんで自信ありますよ!」
「えっと新庄君だったね、勝負と言っても僕も君も一位は難しいだろう?」
直臣はそう言いながら周囲を見渡したが、その場に八早月がいないことは初めからわかっている。他に一位を取りそうな生徒がいるのか確認したかったのだ。可能性がありそうなのは陸上部の面々くらいだろうが、野球やサッカーの校外チームに入っている者たちも有力かもしれない。
十五キロ組の面子を確認した直臣は八早月へと念話を飛ばす。
『筆頭、まさか一番を狙っているのではありませんよね?
スポーツに熱を入れている生徒たちに華を持たせられませんか?
全力を出してしまうと筆頭がまた悪目立ちしてしまいますし……』
『ああ直臣ですか、きちんと移動してきたのですね、感心感心。
確かに全力で力試しをするつもりでしたが、目立ちすぎるのも良くないですね。
それでは先頭の少し後ろで終了地点を抜けることにしましょうか。助言感謝しますよ』
ただ走るだけの行事、いや授業だったはずが、どうにも嫌な予感を拭えない波乱含みのひと時になりそうである。これは直臣だけでなく真宵も、そして出発時に八早月が列から離れいなくなったことを察知していた綾乃までもが確信していた。
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