339 / 376
第十二章 弥生(三月)
335.三月十三日 午後 バトンを受けて
しおりを挟む
ペースを上げていった八早月たちは浜の計画から少し遅れて、五キロの折り返し地点直前で直臣たちの背中を視認した。だがその手前にもう一つの障害が待っていることを同時に確認し、少々憂鬱な気分になりそうだと頭を振った。
「なっ、なっ、なん、でお前が、はっはっ、こっ、こっ、ここにっ!?」
「そんな苦しい思いまでして話しかけないでよろしいのですよ?
私はただ走りたいからここまでやってきた、ただそれだけですからお気になさらず」
どうにも理解できないと言った様子の郡上大勢は、だからと言って八早月を追いかけてくることは無く、大人しく五キロ地点で折り返していく。その際、折り返しのスタンプを押してもらいながら、担当教師に何やら声をかけていたことが少々気になったくらいである。負けず嫌いな郡上のすること、どうせ八早月が指定距離を守っていないだとか言いつけているのだろう。
「ここでようやく三分の一、一気に捉えてしまいましょう。
おや? 浜さん大丈夫ですか? やはり飛ばしてきて無理がたたったのでしょうか」
「どうやら、ボクは、ここまでっス。少しペースを、落とさないと完走が、ヤバ。
姫は先に、行っていいっス。必ず、後から、ゴールするっスから、ね?」
完全に息が上がっており苦しそうである。背は高くとも線は細い浜ではここらが限界と言うことだろう。しかしここまでよく引っ張って来てくれたと八早月は感謝の気持ちを込めてその手を握り敬意を表した。しかし女子に免疫のない浜にはこれがトドメとなってしまったらしい。
「ひ、ひっ、姫に、手を―― 感激っス、ヨコには、負けたけど、悔しくないっス。
はあっ、ひいっ、ふうっ、それでは姫、健闘を、祈ってるっス!」
「さらに息が上がっていますが本当に平気ですか? あまりご無理なきよう。
ダメそうならここで折り返す決断も勇気の一つですよ?」
「いや、少し、ペースを落として、息を、整えればダイジョブ。
せっかく、姫に、手を、握って、もらったんだから、最後まで、頑張るっス!」
そう言いながら後方へ離れていく浜を見送り、八早月はまたペースを上げた。幸いもうここには誰もいない。前方には先頭集団が形成されており、そこに残るは三人のみである。
さてこちらは先頭集団、三名のうちの一人である直臣だけは焦りを感じていた。それもそのはず、つい先ほどまで微塵も感じられなかった八早月の気配が突如現れ猛追してきているのだから当然だろう。
急に後ろをちらちらと気にし始めた直臣の様子を見て他の二人は首をかしげるしかない。一人は出発前に八早月へ話しかけてきた野球部の一員である横田慎、もう一人は美晴の先輩である陸上部の五十束宗也だ。
荒々しく力強さを感じさせる走りの横田と、整った呼吸と美しいフォームで滑らかに走る五十束は対照的である。そして直臣はと言えば、そのどちらとも異なる山走りであり、音を立てずにすり足に近い足運びはスポーツと根本的に異なる。よく言えば忍びのよう、悪く言えば裏社会の人間に近い。
もちろん八早月も同じ走り方でここまでやってきた。さすがにアスファルトに運動靴なので無音とはいかないが、それでも最小限の足音でひたひたと忍び寄ってくる様は、わかっている者にとってこそ脅威だろう。
まだ五キロ地点を過ぎたばかりなのでゴールまでは半分以上残っている。だが先団の直臣は、まだ姿の見えぬ八早月に怯え追い立てられるようにペースを上げてしまった。これは意思とは無関係の条件反射のようなものなので仕方ない。
それでもきちんと理性を保ち常識の範囲内、つまり神通力を抑え込んだまま己の肉体のみで走っているのは立派だろう。到底そのままで逃げ切れるとは思えないが、それでも精一杯逃げていく。
急にペースが上がったことで戸惑ったのは他の二人だ。まだ余力はあると言っても先は長い。ここで同じペースに上げていいものか、走り慣れていないためなのか判断に戸惑っている。しかしスタミナには自信のある五十束は一瞬の迷いの後、吹っ切ったように加速し直臣を追った。
だが走るのが専門ではない横田はまだためらっている。直前の直臣がなにか後ろを気にしていたことが気がかりなのだ。まさか浜が追い上げてきているのか、それとも八早月が本当に十五キロ走るつもりで同じ道を進んで来ているのか。考えすぎてどうすれば良いのか一向に考えがまとまらない。
それでも速度を落とす選択は無いため極力同じように走る。しかし急に一人になったため現在自分がどの程度のペースなのかがわからなくなってしまった。考え事をしたのも乱れた要因の一つである。
「それにしても、浜のやつ、追いついてくる、気配が、ないな。
まさか、リタイア、しちゃった、なんてこと、ないだろうけど……」
「ええ浜さんは大丈夫ですよ、少々疲れてしまっただけで今は一息入れています。
絶対に最後まで走りきるとおっしゃっておりましたからご心配なきよう」
「うげええ、ひ、姫! なんでここに!? 本当に、十五キロ、走るつもりか?
それにしても、どうやって、追いついて、来たんだ? 結構、速かったろ。
あ、それで浜のやつ…… まったく仕方ねえなあ」
「彼には申し訳ないことをしました。普段他人と走る経験がないものですから。
道中引っ張っていただきまして無理をさせてしまったようです。
のちほどなにかお礼を考えなければいけませんね」
「礼なんて、いらない、だろ。なんだあいつ、こないだまで、寒鳴がいいって。
婚約の、話を、聞きつけたら、もう乗換えかよ、節操ないなぁ」
「そうなのですか? しかし私にも許嫁がおりますからね。
残念ですが浜さんのお気持ちには応えられません。
しかしそんなに私は女性に見えますか?」
横田の思わぬ言葉に気を良くした八早月は、ほぼ初対面の相手に言うべきとは思えないことを聞いてしまっている。これはもちろん女性としての魅力が自分にも備わっているのだと、他人の口に言わせたい女のエゴである。
「そうだな、ちゃんと、女子に、見えるよ? そりゃそうだろう。
姫って、意外に、変なこと、聞きたがるんだな」
「なんとなく通じていなかった気もしますがひとまずはよろしいでしょう。
今はそれどころではございません、このままでは追いつきませんよ?
ええと、先輩は旅人算をご存知ですか?」
「なに、言ってんの、小学生じゃ、ないんだから、それくらい、知ってるさ。
あとオレは横田だよ、横田慎って言うんだ、姫は櫛田だったよな?」
「はい、櫛田八早月と申します。先輩の名は横田さんですね、
横田慎さんと浜鳴尾さん、それと江越さん、お三方とも覚えておきましょう。
それでは私は前を追いますが、横田さんはいかがなされますか?」
「はっ! 置いてかれて、たまるかっての、後輩女子、には負けられ、ないからな。
まだ背中も、見えるし、トップまで一、二分ってとこだろ。
姫こそ、ついてこられる、かな?」
「では実戦で証明すると致しましょう。
ここまで尽力下さった浜さんのためにも負けられません」
「オレだって脱落した浜の分まで頑張ってやるぜ!」
知らないところで出汁に使われている浜である。
それにしても、どうやら横田も相当の負けず嫌いのようだ。お陰でまたもや相方を捕まえることに成功した八早月は、これなら不自然ではない程度にペースを上げることができると肩の荷を下ろした。
「なっ、なっ、なん、でお前が、はっはっ、こっ、こっ、ここにっ!?」
「そんな苦しい思いまでして話しかけないでよろしいのですよ?
私はただ走りたいからここまでやってきた、ただそれだけですからお気になさらず」
どうにも理解できないと言った様子の郡上大勢は、だからと言って八早月を追いかけてくることは無く、大人しく五キロ地点で折り返していく。その際、折り返しのスタンプを押してもらいながら、担当教師に何やら声をかけていたことが少々気になったくらいである。負けず嫌いな郡上のすること、どうせ八早月が指定距離を守っていないだとか言いつけているのだろう。
「ここでようやく三分の一、一気に捉えてしまいましょう。
おや? 浜さん大丈夫ですか? やはり飛ばしてきて無理がたたったのでしょうか」
「どうやら、ボクは、ここまでっス。少しペースを、落とさないと完走が、ヤバ。
姫は先に、行っていいっス。必ず、後から、ゴールするっスから、ね?」
完全に息が上がっており苦しそうである。背は高くとも線は細い浜ではここらが限界と言うことだろう。しかしここまでよく引っ張って来てくれたと八早月は感謝の気持ちを込めてその手を握り敬意を表した。しかし女子に免疫のない浜にはこれがトドメとなってしまったらしい。
「ひ、ひっ、姫に、手を―― 感激っス、ヨコには、負けたけど、悔しくないっス。
はあっ、ひいっ、ふうっ、それでは姫、健闘を、祈ってるっス!」
「さらに息が上がっていますが本当に平気ですか? あまりご無理なきよう。
ダメそうならここで折り返す決断も勇気の一つですよ?」
「いや、少し、ペースを落として、息を、整えればダイジョブ。
せっかく、姫に、手を、握って、もらったんだから、最後まで、頑張るっス!」
そう言いながら後方へ離れていく浜を見送り、八早月はまたペースを上げた。幸いもうここには誰もいない。前方には先頭集団が形成されており、そこに残るは三人のみである。
さてこちらは先頭集団、三名のうちの一人である直臣だけは焦りを感じていた。それもそのはず、つい先ほどまで微塵も感じられなかった八早月の気配が突如現れ猛追してきているのだから当然だろう。
急に後ろをちらちらと気にし始めた直臣の様子を見て他の二人は首をかしげるしかない。一人は出発前に八早月へ話しかけてきた野球部の一員である横田慎、もう一人は美晴の先輩である陸上部の五十束宗也だ。
荒々しく力強さを感じさせる走りの横田と、整った呼吸と美しいフォームで滑らかに走る五十束は対照的である。そして直臣はと言えば、そのどちらとも異なる山走りであり、音を立てずにすり足に近い足運びはスポーツと根本的に異なる。よく言えば忍びのよう、悪く言えば裏社会の人間に近い。
もちろん八早月も同じ走り方でここまでやってきた。さすがにアスファルトに運動靴なので無音とはいかないが、それでも最小限の足音でひたひたと忍び寄ってくる様は、わかっている者にとってこそ脅威だろう。
まだ五キロ地点を過ぎたばかりなのでゴールまでは半分以上残っている。だが先団の直臣は、まだ姿の見えぬ八早月に怯え追い立てられるようにペースを上げてしまった。これは意思とは無関係の条件反射のようなものなので仕方ない。
それでもきちんと理性を保ち常識の範囲内、つまり神通力を抑え込んだまま己の肉体のみで走っているのは立派だろう。到底そのままで逃げ切れるとは思えないが、それでも精一杯逃げていく。
急にペースが上がったことで戸惑ったのは他の二人だ。まだ余力はあると言っても先は長い。ここで同じペースに上げていいものか、走り慣れていないためなのか判断に戸惑っている。しかしスタミナには自信のある五十束は一瞬の迷いの後、吹っ切ったように加速し直臣を追った。
だが走るのが専門ではない横田はまだためらっている。直前の直臣がなにか後ろを気にしていたことが気がかりなのだ。まさか浜が追い上げてきているのか、それとも八早月が本当に十五キロ走るつもりで同じ道を進んで来ているのか。考えすぎてどうすれば良いのか一向に考えがまとまらない。
それでも速度を落とす選択は無いため極力同じように走る。しかし急に一人になったため現在自分がどの程度のペースなのかがわからなくなってしまった。考え事をしたのも乱れた要因の一つである。
「それにしても、浜のやつ、追いついてくる、気配が、ないな。
まさか、リタイア、しちゃった、なんてこと、ないだろうけど……」
「ええ浜さんは大丈夫ですよ、少々疲れてしまっただけで今は一息入れています。
絶対に最後まで走りきるとおっしゃっておりましたからご心配なきよう」
「うげええ、ひ、姫! なんでここに!? 本当に、十五キロ、走るつもりか?
それにしても、どうやって、追いついて、来たんだ? 結構、速かったろ。
あ、それで浜のやつ…… まったく仕方ねえなあ」
「彼には申し訳ないことをしました。普段他人と走る経験がないものですから。
道中引っ張っていただきまして無理をさせてしまったようです。
のちほどなにかお礼を考えなければいけませんね」
「礼なんて、いらない、だろ。なんだあいつ、こないだまで、寒鳴がいいって。
婚約の、話を、聞きつけたら、もう乗換えかよ、節操ないなぁ」
「そうなのですか? しかし私にも許嫁がおりますからね。
残念ですが浜さんのお気持ちには応えられません。
しかしそんなに私は女性に見えますか?」
横田の思わぬ言葉に気を良くした八早月は、ほぼ初対面の相手に言うべきとは思えないことを聞いてしまっている。これはもちろん女性としての魅力が自分にも備わっているのだと、他人の口に言わせたい女のエゴである。
「そうだな、ちゃんと、女子に、見えるよ? そりゃそうだろう。
姫って、意外に、変なこと、聞きたがるんだな」
「なんとなく通じていなかった気もしますがひとまずはよろしいでしょう。
今はそれどころではございません、このままでは追いつきませんよ?
ええと、先輩は旅人算をご存知ですか?」
「なに、言ってんの、小学生じゃ、ないんだから、それくらい、知ってるさ。
あとオレは横田だよ、横田慎って言うんだ、姫は櫛田だったよな?」
「はい、櫛田八早月と申します。先輩の名は横田さんですね、
横田慎さんと浜鳴尾さん、それと江越さん、お三方とも覚えておきましょう。
それでは私は前を追いますが、横田さんはいかがなされますか?」
「はっ! 置いてかれて、たまるかっての、後輩女子、には負けられ、ないからな。
まだ背中も、見えるし、トップまで一、二分ってとこだろ。
姫こそ、ついてこられる、かな?」
「では実戦で証明すると致しましょう。
ここまで尽力下さった浜さんのためにも負けられません」
「オレだって脱落した浜の分まで頑張ってやるぜ!」
知らないところで出汁に使われている浜である。
それにしても、どうやら横田も相当の負けず嫌いのようだ。お陰でまたもや相方を捕まえることに成功した八早月は、これなら不自然ではない程度にペースを上げることができると肩の荷を下ろした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
訳あって学年の三大美少女達とメイドカフェで働くことになったら懐かれたようです。クラスメイトに言えない「秘密」も知ってしまいました。
亜瑠真白
青春
「このことは2人だけの秘密だよ?」彼女達は俺にそう言った―――
高校2年の鳥屋野亮太は従姉に「とあるバイト」を持ちかけられた。
従姉はメイドカフェを開店することになったらしい。
彼女は言った。
「亮太には美少女をスカウトしてきてほしいんだ。一人につき一万でどうだ?」
亮太は学年の三大美少女の一人である「一ノ瀬深恋」に思い切って声をかけた。2人で話している最中、明るくて社交的でクラスの人気者の彼女は、あることをきっかけに様子を変える。
赤くなった顔。ハの字になった眉。そして上目遣いで見上げる潤んだ瞳。
「ほ、本当の私を、か、かかか、可愛いって……!?」
彼女をスカウトしたことをきっかけに、なぜか「あざと系美少女」や「正体不明のクール系美少女」もメイドカフェで働くことに。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
学校一の美人から恋人にならないと迷惑系Vtuberになると脅された。俺を切り捨てた幼馴染を確実に見返せるけど……迷惑系Vtuberて何それ?
宇多田真紀
青春
学校一の美人、姫川菜乃。
栗色でゆるふわな髪に整った目鼻立ち、声質は少し強いのに優し気な雰囲気の女子だ。
その彼女に脅された。
「恋人にならないと、迷惑系Vtuberになるわよ?」
今日は、大好きな幼馴染みから彼氏ができたと知らされて、心底落ち込んでいた。
でもこれで、確実に幼馴染みを見返すことができる!
しかしだ。迷惑系Vtuberってなんだ??
訳が分からない……。それ、俺困るの?
負けヒロインに花束を!
遊馬友仁
キャラ文芸
クラス内で空気的存在を自負する立花宗重(たちばなむねしげ)は、行きつけの喫茶店で、クラス委員の上坂部葉月(かみさかべはづき)が、同じくクラス委員ので彼女の幼なじみでもある久々知大成(くくちたいせい)にフラれている場面を目撃する。
葉月の打ち明け話を聞いた宗重は、後日、彼女と大成、その交際相手である名和立夏(めいわりっか)とのカラオケに参加することになってしまう。
その場で、立夏の思惑を知ってしまった宗重は、葉月に彼女の想いを諦めるな、と助言して、大成との仲を取りもとうと行動しはじめるが・・・。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる