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第十二章 弥生(三月)
338.三月十五日 夕方 第二ラウンド
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さすが美晴である。夢路の分析がテスト科目にあったのならきっと順位はいつも一番だろう。それくらい美晴の言った通りだったのだから、怒り心頭な夢路を目の前にしながらも八早月はおかしくなってしまった。
「もう八早月ちゃんってば! 全然笑い事じゃないっての。
私は勉強好きじゃないっていつも言ってるのにわかってくれないんだもん」
「そこがわかんないのよねえ、アタシみたいに成績が悪いならまだわかるよ?
でもいつも上位なのに勉強するのは今の順位を維持したいからじゃないの?
だから懸命に勉強するってのが理屈ではあってると思うんだけどね」
「私も美晴さんと同意見ね。好きでもなく必要もないことへの研鑽でしょう?
否定はしないけれど理解するのは難しいの、わかって?」
「まあそうかもしれないけどさあ……
例えば激辛料理ってあるよね、別においしくないけど食べたくなるじゃない。
変な臭いがして来たらやめときゃいいのに嗅ぎたくなるとかさ。
そう言うのと変わらないよ、好きじゃないけどやりたくなっちゃうんだから」
夢路の言い分は一見すると説得力がありそうだが、理解できるかと言うと疑問符がつくようなものだった。美晴も八早月も、そして夢路の母親ももちろんまったく理解できず、頭の上にはハテナマークがいくつも飛び交ってそうだ。
だがここへ割り込んできたのが空気を読めないマイペースの塊のような女性、言わずと知れた八早月の母である手繰だった。
「あらあら、みんなでそんなに問い詰めなくてもいいでしょう?
夢路ちゃんは勉強をして成績を上げるゲームをしているだけなのよね。
それは将来へ繋げたいとか目標があるとかでなくても構わないわよ。
だってこの先ずっと同じ生き方をするわけではないでしょう?
今は今やりたいことを好きに出来る時期だもの、自由でいいのよ。
いずれは自分の意思だけでどうにでもできなくなるんだから、うふふ」
「お母さまがこんな真面目なことをおっしゃるとは意外です。
しかも他家の娘に対してとは驚嘆至極、熱でもあるのではありませんか?
それに人様へ講釈するような人生経験がないはずなのになぜ突然?」
「あらあら、私だって毎日忙しいんですよ? こう見えても社長なの、本当よ?
八早月ちゃんは知らないかもしれないけれど、日々お仕事していますからね。
でも寄時君はすぐ邪魔者扱いするのよ、困ったものだわ、うふふ」
どうにも納得出来ないと言った表情の八早月をよそに、夢路はなにかつかえがとれたかのように安堵したらしく、目の前のスイーツにフォークを差し入れる。たっぷりと乗ったクリームを口の中へ放り込むと、今まで強張っていた表情が一気に緩んだ。
「ママ、わかった? こうやってのびのび育ててほしいもんなのよ。
さすがは八早月ちゃんのママだわ、この独特の空気感に癒されちゃう」
「夢路さんは毎日一緒ではないからそう思えるのでしょうね。
私なんていつでもどこでも眠くなってしまって大変なのよ?
それに引き替え夢路さんのお母様はしっかりしていて頼りがいがありそうだわ」
「それこそ隣の芝はなんとやら、だよ。うちのママなんてうるさいだけ。
せっかちですぐなんでもせっつくしさ、その割に自分はゴロゴロしてたりするもん」
お互いの親を褒めているのか、自分の親を貶めてるのかわからないが、間違いないのはどちらも本人の目の前で吐いた台詞と言うことだ。つまりこの後の展開はおおよそ読めている。
「ちょっと夢、アンタったらすぐそうやって文句ばかり言って!
そうやって手繰さんとママと比べるのはダメ。勝ち目ないでしょうに。
いくら羨ましくても人様の家庭ばかり見てると心が貧しくなっちゃうわよ?
羨むくらいならもっとやる気を出して、自分の子供世代を良くすることを考えなさい」
「そうやって話を元に戻すのやめてよね、せっかくいい気分になったのにさ。
せっかくお茶会してるんだからもっと楽しくしないとみんなにも悪いよ」
「うふふ、夢路ちゃんは切り替えが早くていい子だわ、ねえ八早月ちゃん。
こんないい子たちとお友達になれて本当に良かったわね、うふふ」
「全然おかしくありませんが、良い友に恵まれたのは間違いありません。
その点だけお母さまを肯定しておきましょう、それとあまり叔父様に迷惑をかけないように」
「あらあら、また叱られてしまったわね、うふふ、さ、いただきましょう。
頭を使った後には甘いものがいいと言うし、今日はいっぱいおあがりなさい」
手繰の言葉が引き金になったのか、すでに目の前に運ばれていたスイーツに銘銘が手を伸ばしていく。あっという間に平らげた夢路と美晴はすでに次を物色してメニューとにらめっこを始めているところだ。
そんな二人に圧倒された八早月は、綾乃と目を合わせて笑いあう。どうやら綾乃は何の問題もなく三者面談を終えたようで、その表情に迷いや懸念は浮かんでいない。
「綾乃さんはやはり大学を目指すのですか? まだ四年ほど先の話ですよね?
そんな先を見据えて今から勉学に取り組んでいることは立派だと思います。
しかしもし先々気が変わったらと考え不安を感じはしませんか?
私は稀に考えるのです。もしも八岐大蛇様に見捨てられてしまったら、と」
「いやいや八早月ちゃんは凄いから見捨てられるなんてあり得ないってば。
私はどっちかと言えば凡人だし、ついこないだまで不運抱えてたからさ。
今は何するにしても凄くやる気が出るんだよね。そりゃ不安もあるよ?
気が変わって違うことがしたくなって今までの苦労が無駄になるとか?
さすがにそれは極端だと思うけど軌道修正ができなかったらどうしようとか。
どっちつかずになっちゃったらすべて台無しになるかもしれないじゃない?
でも万遍なく勉強しておけばきっと無駄にはならないと思うんだよね」
「そう言われても私は最低限しかやりませんよ? ええ、やりませんとも。
とは言え綾乃さんや夢路さんの取り組みは立派だと敬意を持っております。
それだけにやはり自分では日々こつこつと積み上げることは出来ないと感じるのです」
「えぇ、八早月ちゃんがそう言っちゃうの? じゃあ毎朝の鍛錬は?
古文書や歴史書に先祖代々の記録を読むのだって簡単なことじゃないでしょ。
それを日々コツコツやってるって言うんだよ、世間一般ではね」
「なんだか気を使わせてしまってごめんなさい、でも私は平気ですよ?
確かに同じことを積み重ねている点では同じでしょうね。
でも根本的に違っているの、私は綾乃さんたちと違ってなにも学んでいないわ。
すでに出来ることを繰り返しているにすぎないのだから努力とは言えないでしょう」
八早月にとって自分のしていることは新たな取り組みではないため、とても努力とは言えないとの考えである。その言い分は凡人には理解できないと言ってもいい。なにせ武の鍛錬は木刀を振ったり山を走ったりと誰でも出来ることの繰り返し、古文書を読むことに至ってはマンガを読んでいるのと変わらず、なにかを学んでいるのとは根本的に異なると嘯くのだ。
だがどうしても本当のことを伝えたい綾乃は珍しく食って掛かる。自分のことにだけはいつも無頓着な八早月を今日こそわからせてやる、そんな強い気持ちを持ったのは、三者面談を受けて数年先の光景を想い浮かべたせいだろう。
一学年上の綾乃にとっては大学受験のことを考えても遅くは無い時期だ。エレベーター式に高校へ上がってぬくぬくしていたら、希望の大学に受かるはずもなく夢破れるなんてことになりかねない。きっと今よりもっと勉強していかないといけないだろうし、それは自由な時間が減ってしまうに違いない。
いくら高校が同じでも今より一緒にいる時間は減るだろう。さらには一足先に卒業するわけで、今こうして仲良くしている三人と疎遠になってしまう切っ掛けになるのではなかろうか。そう考え、頭に浮かべた未来予想図を寂しく恐ろしい光景だと感じていた。
だからというわけではないが、今伝えられることは今伝えると心に決めている。戻すことのできない時間なのだから後悔は出来るだけ少なく済ませたいのだ。そんなこともあって今日の綾乃はしつこかった。
「じゃあハルちゃんは? 毎日のように走ってるけど努力ではないの?
その扱いはちょっとかわいそうだよ」
「それこそ考えすぎよ、美晴さんは漫然と繰り返しているのではないわ。
定められた距離を少しでも早く走ると言う目標を持っているのよ?
決して自己満足ではなく陸上部で一番、地域で一番、はたまた世界を――」
「ちょっと八早月ちゃんさ、褒めてくれてるのはわかるけど大げさすぎるってば。
アタシのレベルじゃ背伸びした目標が県大会入賞だし世界とかやめてよねー
まずは来春の郡市大会でいいタイム出して県大に進まないとかな」
少女たちはそんな風に、やがてやって来るそれぞれの未来について語り合ってたのだが、母親たちは先ほどまでの話はどこへ行ったやらで観劇や温泉などを話題に好き勝手し放題である。
いつまでも綾乃の言い分を理解しない八早月に呆れ、諦めはじめた頃になって母娘たちのお茶会はようやくお開きとなった。今の今までお茶をしていたはずなのにしゃべりすぎて喉が乾いてくるくらいだと笑いながら席を立つ。
夢路のいたテーブルには、ムギタ珈琲マスコットキャラの落書きが描かれた紙ナプキンがひっそりと残されていた。
「もう八早月ちゃんってば! 全然笑い事じゃないっての。
私は勉強好きじゃないっていつも言ってるのにわかってくれないんだもん」
「そこがわかんないのよねえ、アタシみたいに成績が悪いならまだわかるよ?
でもいつも上位なのに勉強するのは今の順位を維持したいからじゃないの?
だから懸命に勉強するってのが理屈ではあってると思うんだけどね」
「私も美晴さんと同意見ね。好きでもなく必要もないことへの研鑽でしょう?
否定はしないけれど理解するのは難しいの、わかって?」
「まあそうかもしれないけどさあ……
例えば激辛料理ってあるよね、別においしくないけど食べたくなるじゃない。
変な臭いがして来たらやめときゃいいのに嗅ぎたくなるとかさ。
そう言うのと変わらないよ、好きじゃないけどやりたくなっちゃうんだから」
夢路の言い分は一見すると説得力がありそうだが、理解できるかと言うと疑問符がつくようなものだった。美晴も八早月も、そして夢路の母親ももちろんまったく理解できず、頭の上にはハテナマークがいくつも飛び交ってそうだ。
だがここへ割り込んできたのが空気を読めないマイペースの塊のような女性、言わずと知れた八早月の母である手繰だった。
「あらあら、みんなでそんなに問い詰めなくてもいいでしょう?
夢路ちゃんは勉強をして成績を上げるゲームをしているだけなのよね。
それは将来へ繋げたいとか目標があるとかでなくても構わないわよ。
だってこの先ずっと同じ生き方をするわけではないでしょう?
今は今やりたいことを好きに出来る時期だもの、自由でいいのよ。
いずれは自分の意思だけでどうにでもできなくなるんだから、うふふ」
「お母さまがこんな真面目なことをおっしゃるとは意外です。
しかも他家の娘に対してとは驚嘆至極、熱でもあるのではありませんか?
それに人様へ講釈するような人生経験がないはずなのになぜ突然?」
「あらあら、私だって毎日忙しいんですよ? こう見えても社長なの、本当よ?
八早月ちゃんは知らないかもしれないけれど、日々お仕事していますからね。
でも寄時君はすぐ邪魔者扱いするのよ、困ったものだわ、うふふ」
どうにも納得出来ないと言った表情の八早月をよそに、夢路はなにかつかえがとれたかのように安堵したらしく、目の前のスイーツにフォークを差し入れる。たっぷりと乗ったクリームを口の中へ放り込むと、今まで強張っていた表情が一気に緩んだ。
「ママ、わかった? こうやってのびのび育ててほしいもんなのよ。
さすがは八早月ちゃんのママだわ、この独特の空気感に癒されちゃう」
「夢路さんは毎日一緒ではないからそう思えるのでしょうね。
私なんていつでもどこでも眠くなってしまって大変なのよ?
それに引き替え夢路さんのお母様はしっかりしていて頼りがいがありそうだわ」
「それこそ隣の芝はなんとやら、だよ。うちのママなんてうるさいだけ。
せっかちですぐなんでもせっつくしさ、その割に自分はゴロゴロしてたりするもん」
お互いの親を褒めているのか、自分の親を貶めてるのかわからないが、間違いないのはどちらも本人の目の前で吐いた台詞と言うことだ。つまりこの後の展開はおおよそ読めている。
「ちょっと夢、アンタったらすぐそうやって文句ばかり言って!
そうやって手繰さんとママと比べるのはダメ。勝ち目ないでしょうに。
いくら羨ましくても人様の家庭ばかり見てると心が貧しくなっちゃうわよ?
羨むくらいならもっとやる気を出して、自分の子供世代を良くすることを考えなさい」
「そうやって話を元に戻すのやめてよね、せっかくいい気分になったのにさ。
せっかくお茶会してるんだからもっと楽しくしないとみんなにも悪いよ」
「うふふ、夢路ちゃんは切り替えが早くていい子だわ、ねえ八早月ちゃん。
こんないい子たちとお友達になれて本当に良かったわね、うふふ」
「全然おかしくありませんが、良い友に恵まれたのは間違いありません。
その点だけお母さまを肯定しておきましょう、それとあまり叔父様に迷惑をかけないように」
「あらあら、また叱られてしまったわね、うふふ、さ、いただきましょう。
頭を使った後には甘いものがいいと言うし、今日はいっぱいおあがりなさい」
手繰の言葉が引き金になったのか、すでに目の前に運ばれていたスイーツに銘銘が手を伸ばしていく。あっという間に平らげた夢路と美晴はすでに次を物色してメニューとにらめっこを始めているところだ。
そんな二人に圧倒された八早月は、綾乃と目を合わせて笑いあう。どうやら綾乃は何の問題もなく三者面談を終えたようで、その表情に迷いや懸念は浮かんでいない。
「綾乃さんはやはり大学を目指すのですか? まだ四年ほど先の話ですよね?
そんな先を見据えて今から勉学に取り組んでいることは立派だと思います。
しかしもし先々気が変わったらと考え不安を感じはしませんか?
私は稀に考えるのです。もしも八岐大蛇様に見捨てられてしまったら、と」
「いやいや八早月ちゃんは凄いから見捨てられるなんてあり得ないってば。
私はどっちかと言えば凡人だし、ついこないだまで不運抱えてたからさ。
今は何するにしても凄くやる気が出るんだよね。そりゃ不安もあるよ?
気が変わって違うことがしたくなって今までの苦労が無駄になるとか?
さすがにそれは極端だと思うけど軌道修正ができなかったらどうしようとか。
どっちつかずになっちゃったらすべて台無しになるかもしれないじゃない?
でも万遍なく勉強しておけばきっと無駄にはならないと思うんだよね」
「そう言われても私は最低限しかやりませんよ? ええ、やりませんとも。
とは言え綾乃さんや夢路さんの取り組みは立派だと敬意を持っております。
それだけにやはり自分では日々こつこつと積み上げることは出来ないと感じるのです」
「えぇ、八早月ちゃんがそう言っちゃうの? じゃあ毎朝の鍛錬は?
古文書や歴史書に先祖代々の記録を読むのだって簡単なことじゃないでしょ。
それを日々コツコツやってるって言うんだよ、世間一般ではね」
「なんだか気を使わせてしまってごめんなさい、でも私は平気ですよ?
確かに同じことを積み重ねている点では同じでしょうね。
でも根本的に違っているの、私は綾乃さんたちと違ってなにも学んでいないわ。
すでに出来ることを繰り返しているにすぎないのだから努力とは言えないでしょう」
八早月にとって自分のしていることは新たな取り組みではないため、とても努力とは言えないとの考えである。その言い分は凡人には理解できないと言ってもいい。なにせ武の鍛錬は木刀を振ったり山を走ったりと誰でも出来ることの繰り返し、古文書を読むことに至ってはマンガを読んでいるのと変わらず、なにかを学んでいるのとは根本的に異なると嘯くのだ。
だがどうしても本当のことを伝えたい綾乃は珍しく食って掛かる。自分のことにだけはいつも無頓着な八早月を今日こそわからせてやる、そんな強い気持ちを持ったのは、三者面談を受けて数年先の光景を想い浮かべたせいだろう。
一学年上の綾乃にとっては大学受験のことを考えても遅くは無い時期だ。エレベーター式に高校へ上がってぬくぬくしていたら、希望の大学に受かるはずもなく夢破れるなんてことになりかねない。きっと今よりもっと勉強していかないといけないだろうし、それは自由な時間が減ってしまうに違いない。
いくら高校が同じでも今より一緒にいる時間は減るだろう。さらには一足先に卒業するわけで、今こうして仲良くしている三人と疎遠になってしまう切っ掛けになるのではなかろうか。そう考え、頭に浮かべた未来予想図を寂しく恐ろしい光景だと感じていた。
だからというわけではないが、今伝えられることは今伝えると心に決めている。戻すことのできない時間なのだから後悔は出来るだけ少なく済ませたいのだ。そんなこともあって今日の綾乃はしつこかった。
「じゃあハルちゃんは? 毎日のように走ってるけど努力ではないの?
その扱いはちょっとかわいそうだよ」
「それこそ考えすぎよ、美晴さんは漫然と繰り返しているのではないわ。
定められた距離を少しでも早く走ると言う目標を持っているのよ?
決して自己満足ではなく陸上部で一番、地域で一番、はたまた世界を――」
「ちょっと八早月ちゃんさ、褒めてくれてるのはわかるけど大げさすぎるってば。
アタシのレベルじゃ背伸びした目標が県大会入賞だし世界とかやめてよねー
まずは来春の郡市大会でいいタイム出して県大に進まないとかな」
少女たちはそんな風に、やがてやって来るそれぞれの未来について語り合ってたのだが、母親たちは先ほどまでの話はどこへ行ったやらで観劇や温泉などを話題に好き勝手し放題である。
いつまでも綾乃の言い分を理解しない八早月に呆れ、諦めはじめた頃になって母娘たちのお茶会はようやくお開きとなった。今の今までお茶をしていたはずなのにしゃべりすぎて喉が乾いてくるくらいだと笑いながら席を立つ。
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